投資方針に忠実に退屈な投資で資産形成


【決算精査】 1384_ホクリヨウ(18年3月期_1Q決算)

銘柄分析シート(PDF)



1.サマリ
総合評価:「4」 (☆★★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング


ホクリヨウから1Q決算が開示されました。
同時に通期上方修正と食品事業の譲渡のリリースがセットです。
今回開示内容を受けてIRへ電話照会を行っています。
詳細は後述の通りです。

鶏卵相場は全農で東京の価格はたまに横目で見ていましたが、
1Q期間中は総じて堅調な推移でしたが、
売上は思ったより伸長しておらず、修正もほぼ横ばいとなっています。

飼料価格は3%程度高い前提での計画でしたが、
1%程度のプラス推移で抑制されているようで、
今回はこの部分で費用低減効果による修正となっています。

売上面では、北海道の鶏卵については、
季節要因による年末高が思った程高くなく、
また初市での急落も季節要因とはいえその落ち込み幅も大きく、
慎重にその後を見通す必要があるという判断のようです。
ただ1Qで+5%程度で推移したものは、
一気に当初見通し通り▲2%まで落ち込むとみるのは、
販売重量も生産余地が向上していることを考慮すると、
保守的ではないかなと思います。

とはいえ、足元でも落ち込みは大きく、
これも道内の親鳥の生育の安定化で供給サイドの安定化が寄与しているようで、
当面は下押し要素も一定程度考慮する必要があるかもしれません。
ですから、過度に追加の上ぶれを期待することも出来ないかなとも捉えています。

定量的に業績は堅調であると捉える位がちょうどよいように思います。

一方セットで開示されている食品事業の譲渡については、
個人的にはポジティブに捉えました。
ホテルなどの出入り業者として鶏卵を納入する時に、
ついでに食肉を中心とした食品を扱っていたわけです。
これは同社の注力事業でもなく、エスフーズから食肉を仕入れて、
納入するという付加価値の高くないスタイルでしたし、
実際損益ギリギリという状況が続いていましたから、
強みのあるエスフーズに譲渡して、選択と集中を高める意思決定は、
経営の英断だと思います。
元々、仕入れ先のエスフーズへ譲渡ということで、
既存顧客への影響や停滞も生じにくく、
このスキームもよいかなと思います。
譲渡金額として5.2億が妥当かどうかまでは、
デューデリもしていませんが、私の興味はこの使途です。

鶏卵事業へのリソースの集中を行うことは明言されていますが、
具体的にどのような形態で、どのようなスピード感でこれを進めるのか、
そのプロセスで生じえる新たなリスクはどのようなものか、
このあたりに気を配りながら、楽しみに見守るというスタンスです。


足元の数値にはやや弱さが見られることもあり、
目先の見通しは保守的であるという面もありますが、
総じて堅調な業績であること、
また今後より主事業への選択と集中が推し進められる見通しであることもあり、
全体としてはややポジティイブな要素のある決算であったかなと思います。
従って、総合評価は「4」(ややポジティブ)と評価します。



2.定量数値の確認



(1)売上の推移

北海道の鶏卵相場がほぼ5%増で推移したようで、
それに準拠した増収です。
特にコメントはありません。

1384_売上推移(18年3月期_1Q)




(2)利益の推移

前期比で見ると大きな伸長です。営業利益については+70%台の増益ですからね。
ただ前期は減収の影響や雛鳥確保の原価増などの背景があったと記憶しており、
凹んだところが基点になっていますからその点も考慮し冷静に受け止めるべきかと思います。。
前々期の同期間は鶏卵価格が破格の高騰をしていたこともありますが、
その期の記録よりは額としてはまだ小さいですからね。
ただ鶏舎立替などの投資の償却費も立っていると思われる中で、
利益率をその水準まで上げていることは一定程度評価しても良いかなと感じます。
ただ、株価が驚いて高騰するようなものではないかなと思います。


1384_営業利益推移(18年3月期_1Q)

1384_純利益推移(18年3月期_1Q)




(3)今期予想の状況

変則決算で残り4ヶ月ということもあり、
詳細な定量評価は割愛します。
ただ、前述の通り、今後の鶏卵相場の動向によってとはなりますが、
やや保守的な業績予想の修正という見方をしています。
ただ、再度の上方修正期待は今の所、持っていません。



(4)株価推移の状況

1384_株価推移(18年3月期_1Q)


今期予想PERは変則決算ということもあり、
正確なバリュエーションを表せていないため、
参考程度なります。


(5)IR照会の状況

IRへ電話による照会を行いました。

あくまで私の主管による解釈に基づき、
参考までにメモを起こしています。



業績予想の修正で飼料価格の低下を理由に利益項目のみ修正しているが、
1Qを対前年+5%で推移した結果を見て、
当初計画の前提である鶏卵相場の▲2%を据え置いているのはなぜか。


確かに1Q期間は総じてみると堅調な鶏卵相場であった。
但し月別にみると北海道では東京相場と異なり、
直近の12月期はそこまで高騰せずに終わった。
また年初の初市の落ち込み幅も想定よりもやや大きい状況となっている。
このため、通期で見た時には1Q分と残期間で行って来いとなり、
概ね当初計画の前提を据え置いている。


今期は変則決算であり単純な日数ベースでみると3:4とほぼ半分が
進捗している。その前半で+5%となったものが、
通期で▲2%まで落ち込むと見るのは今後の見通しが
対前年で相当落ち込むことを想定していると読めるが、
何か懸念している事象があるのか。
それとも単にコンサバティブにみているということか。


特段懸念していることはないが、慎重に見極める必要があると認識している。
コンサバといわれればそれはそういう解釈になるかと思う。


ところで北海道が東京相場などと比べて12月の高騰が抑制された、
また初市の落ち込みが大きいという足元の状況は何か背景があるのか。
今後の見通しも踏まえてどのように解釈されているか。


北海道では3年程前に比較的大規模な鳥インフルエンザの罹患により、
大量の親鳥の殺処分が行われた。
その際に一時的に需給がタイトとなったものの、
その後、事業者が新たな親鳥の生産体制をとり、
現時点で供給サイドが安定化してきたという側面があるかもしれない。
このため、他地域と同じように季節トレンドが明確に出るようになっている要素に
繋がっている可能性が考えられる。
いずれにせよ、このような需給も踏まえて慎重に計画策定を進めており、
今後も経過を見守りたい。
(鳥インフルが発生すると寧ろポジティブになる?なんて
倫理観に乏しい悪者の私は思ってしまいました・・・)


食品事業の譲渡については、個人的には選択と集中という面から歓迎したい。
当件は、エスフーズと当社との間でどのような働きかけがあって
実現したものなのか。
(どちらが主導したなどあれば教えて欲しい)


元々当社の養豚事業を過去にエスフーズ社に譲渡した歴史もあり、
現在も食品事業の食肉はエスフーズ社から仕入れて当社が扱ってきた。
今回、ちょうど双方の意思のタイミングが合致して実現したもので、
どちらから働きかけたという事実はない。
元々、仕入先と納入者という役割や過去からの付き合いで、
初めてお見合いするような相手柄でもないため、
スムーズに双方の意思をマッチングさせることが出来た。
食肉に関してはエスフーズ社の方が大きな会社だし、ノウハウもあるため、
そのような部分は譲渡して本来の価値を顧客に届けると共に、
当社としても食品事業での伸長には限度も感じており、
またより鶏卵事業を注力していきたいという思惑もあり今回の件となった。


ここで得た資金は当然、鶏卵事業へ注ぐことになると思うが、
多賀城などへの取組も踏まえてどのように投下していくつもりか。


多賀城の件は、粛々と進めており、
また開示が出来るタイミングがきたらお知らせする。
使途としては、鶏舎の立て替えはもとより、
MAも検討して成長を果たしていけるように頑張る。
(MAの姿勢は社長にぜひ聞いてみたい。危ない捉え方をしていないかとか)



(6)さいごに

決算を受けて株価はポジティブに評価をしたようです。
食品事業の譲渡が今後の成長投資に思惑を生むとか、
そもそもPER的に相場と比して割安水準であるとか、
まぁ様々あるでしょうが、そんなに高騰して
驚くような内容でもないかなと感じています。
ただこれはあくまで私の個人的な心象ですし、
保有比率も既に小さくなっていますから、
のんびり眺めて応援を続けたいと思います。


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