投資方針に忠実に退屈な投資で資産形成

※個人的見解に基づき記載されています。
先入観、色眼鏡などもりもりですので、ご参考程度にご覧ください。



2378 ルネサンス 東証1部 【サービス】

2014年の四季報に付箋を貼って以降、
ずっと放置をしていた会社です。

パッと見では設備や人材への継続的なコストが生じ、
自己資本比率も低い上に、
事業上の競合環境も激しいこともあり
全体的になんでこの会社?と微妙に思われるかもしれません。

一方で、微妙であまり見向きをされない銘柄であっても、
自分好みの銘柄であればいいかなと思い、
IR照会も踏まえて投資判断を行いました。

従来通り、主観に基づく所感となりますが、
以下に整理をしてみたいと思います。


なお、ツイッターではほぼリアルタイムで、
またブログでは週間記事でも触れている通り、
一旦打診買いをしています。
(売買が先になりましたが、事後的に当記事をUPしています)



従来通り、まずは分析シートは以下に纏めています。
(PDFファイル直リンクとなっています)

 銘柄分析シート 2378 ルネサンス




1.事業内容


フィットネスとスポーツクラブの運営を主業として、
最近では海外やシニア向け施設の運営も手掛け始めています。

同社の企業理念として「生きがい創造企業」を目指し、
健康で快適な生活を提案するとあります。

競合他社も含めていえることですが、
単なる施設運営会社というフィールドで事業を行っているわけではなく、
各顧客セグメントに対して生きがいを提案できるような、
様々な仕組みが用意されているのだろうと思います。

「健康」をテーマにしていることは案外広いセグメントを見据えることができ、
今後成長していく要素が高いものと捉えています。

中年層の健康意識の高まりだけでなく、
アクティブシニアは健康増強に留まらないコミュニティへの欲求、
軽度なリハビリを要する層は要介護にならないための健康維持への期待です。

また生きがいという意味で、わが子がすくすく育つことを期待した、
教育面においてもスクール事業の貢献が期待されます。
少子高齢化といえど、一人当たりにかける教育費が増える事で、
決して斜陽産業とは認識していません。

簡単にいえば、テーマ性という事になろうかと思いますが、
子供だけでなく親御さんの世代、そしてシニア層と
それぞれに刺さる事業機会が用意されていると認識しており、
事業ドメインとしてはなかなか面白いのではないかと考えています。

同社は施設数で3位です。
(1位コナミ388施設、2位セントラルスポーツ209社、3位同社159施設)
競合会社はこの広い事業機会を前にして
基本的には同じ方向性を向いて攻めようとしていると考えています。
ですので、この競合環境をどう見るかが一つ目のポイントになりそうです。
特に競合会社と対峙していくためには
規模の経済を活かすなどしたコストリーダーを目指す方法もありますが、
相対的に同社がこの戦略を取るのは不利です。
とはいえ、集中戦略をとって、ニッチャーと化していくのも、
広い領域を対象と出来る事業機会があるのにもったいない。
となると、差別化をどう見出すかだと思います。
サービスや仕組みの中で表面的には類似しているようでも、
そのきめ細かさなのかファシリティーなのかわかりませんが、
何かの要素が顧客にとって差別化要素となるかもしれません。

二つ目のポイントとしては、
箱物ビジネスということからも
成長のために相応の設備投資やリソース配置が必要となり、
ビジネスモデルの側面をどう捉えるかという点かなと思います。
急激な利益率の向上や人手を要さないモデルへのイノベーションは、
たやすくないですし、そもそもオペレーションの自動化は、
運営する上での付加価値向上機会を捨ててしまう自殺行為のようなもので、
高い成長性と愚直な事業運営という狭間でのジレンマがありそうです。
そもそも業績の安定性、殊更、不況耐性の面で、どの程度顧客離反が起こり、
販管費を積み増す必要性に迫られるのか、
実はそうではないのかといったところでしょうか。
いずれにせよ、このビジネスモデルの在り方を
どう見るかは検討しておく必要がありそうです。





2.成長性について

成長性を定量的に推し量ること自体は実はそんなに大事ではなく、
そのシナリオをどう見るかという事なのだと思います。
成長シナリオはゆうゆーさんの分類がわかりやすく、
これをベースとして今でも活用させて頂いています。

同社の成長シナリオは複数の型の複合系かなと思います。

まずエリア拡大型が一番わかりやすいです。
施設の数や立地などをみると、
まだまだ出店余地もありそうに感じます。
ただ後述のIR照会の印象ではやはり選別出店をされそうですので、
急伸するようなことはないとは思います。
また、新業態のシニア向けのリハビリ特化型の施設などは、
FC含めてもまだ全国で15施設しかありません。
シニア向けが商圏が狭い事を考えると、
競争環境は厳しいとはいえ、出店余地は大きいように感じます。

それから、海外出店もベトナムへ進出しており、
まだ地盤を確立するフェーズなので、
これからイケイケ海外進出!という感じではないですが、
余地はあるものと認識しています。

また最近では受託運営というニーズもあるようで、
自治体の地域健康増強のトレンドに支えられ、
同社にも多少の恩恵はあるのではないかと思います。
自治体からの受託というのはどうしても実績主義となる面もあり、
コナミやセントラルと対峙していく必要もあるので、
過大に評価はできないとも思いますが。

エリア拡大という事で少なくてもトップラインからみれば、
あまり心配は要らないかなと思います。
ただ、ボトムラインにおいては、新規出店にはコストが先行しますので、
早々簡単に利益成長が望めるわけでもないと思います。


新商品導入型や認知度向上型は、
まさに新業態の元氣ジムが適合するものと考えています。
このジムは、シニア向けにリハビリなどに特色を持った施設です。
従来のスポーツジムから様々な背景で元氣ジムに
移行する人もおられるでしょうし、
地域のコミュニティーの延長として体を動かし健康を維持する機会として、
認知をされることもあるかなと考えています。

M&A型はなくはないでしょうが、
今の環境だとそこまで期待しませんし、
そもそもM&Aは非常に難しいという前提で捉えていますので、
まぁ無理をしなくていいかなと考えています。


最後に新規出店の派生で、
施設リニューアルによる効果は期待出来るかもしれません。
ただ、これには相応のコストを伴いますし、
そもそもコストをかけていかないと維持が出来ないと、
ビジネスモデルの弱い部分でもあるかもしれません。
サービスの質を高めるという面で施設のバージョンアップは
必須でしょうから今後もコストをかけてでもやっていくものと思います。


以上から新規のエリア拡大を基本としつつ、
施設のバージョンアップや新業態の拡充に支えられ、
トップラインは緩やかな成長を継続するものと思います。
但し、コストが常に要するために利益率が劇的に改善するとは考えにくく、
これまでの2桁利益成長が継続するというのは、
少し楽観的な印象を受けます。
特に直近で設備投資も増やしており、
今後償却費も増えてくると思われますしね。

参考までに過去の成長率を見てみます。

営業利益の5年期間(2012年3月期から2017年3月期)の実績CAGRは、
21.2%となっています。
3年期間(2014年3月期から2017年3月期)では、16.9%となっています。
年を経るごとに成長率がマイルドになっており、
これには海外や新業態の先行投資の影響が
出始めているのかなと感じさせます。
各期間の売上のCAGRは3.8%、3.0%となっておりそこまで落ちていません。

シナリオを元に目安となる今後のCAGR推移については、
やはり今後益々新業態への投資も続くと思いますので、
過去のCAGRをそのままというのは楽観的となりますので、
私の利益伸長のCAGR見込みは「8%」としてみることとします。

但し、長期で投資をしていくこととなると、
施設の新設やリニューアルのタイミングや、
販促費の凹凸によっては、コスト優位となる期もありそうですので、
その辺ものんびり構えていられる覚悟も必要かもしれません。

以上の観点から、投資方針に掲げている評点に照らしておきます。

・成長シナリオ根拠:17点/20点
エリア拡大型や新商品型で明確なシナリオが確認できます。
但し、その構造はそこまでビジネスモデルとして強いということでもなく、
多少の減点を行います。

・想定CAGR:8点/20点
8%と2桁成長まではいかないかなということで、
基準に従い評点をつけました。

・テーマ性:8点/10点
少子高齢化で教育資金は堅調である点や、
高齢化による健康寿命の長期化、
またその維持に向けた活動の活性化が望まれます。
短期的にはオリンピックによるスポーツへの
意識の高まりもあるかもしれません。
同社は国が後押しし、経団連がサポートしている、
「健康経営会議」の事務局としても活動しており
この領域が国も主導した活動に繋がる可能性もみえてきています。

以上から成長性評価は33点/50点となります。
35点以上がA評価ということで、残念ながらB評価ということになります。
銘柄一覧の成長性評価の箇所にも反映しています。




3.安定性について

安定性についてはまずは過去の業績をみておきます。

2378_業績推移

2008年3月期を底として、
そこからは安定した成長を継続していることがわかります。

特に目を引くのは、リーマンショックによる景況感への警戒や、
東日本大震災による消費行動の変化などの動きがあったのですが、
あまり影響を受けずに推移している点です。

元々ボトムラインが低かったために、
もう増益基調になるしかなかったという見方もできますが、
過去の実績における安定感は十分評価できるものと捉えています。

では今後、これが続くのかということですが、
前述の通り、施設や業態の先行投資やコストを継続的に投下する必要があるため、
その投資の成否にもよりますし、
例えばエネルギーコストなども馬鹿にならないこともあり、
不安定さが垣間見れる期が今後出てくる可能性はあります。

しかし、スクール事業における教育事業は、
不況耐性にも比較的強いですし、
シニア層が地域のコミュニティの場として
浸透することにおいてもやはり離脱機会は少ないのではないかと考えています。

つまり、スイッチングコストは心理的な面で高い障壁があると考えています。
隣のコナミスポーツクラブやセントラルスポーツがあれば
そこに移るための金銭的なコストはあまりないでしょう。
しかし、一度会員になった場合に満足できない講師やインストラクターに不満がない限り、
一度構築されているコミュニケーションパスは切りにくい、
ことさらシニアになるとそこに来ている人との会員同士のコミュニティもありますので、
心理的な障壁は大きい気がしています。
後述しますが、特にインストラクターやスタッフの質が高いと評されている同社においては、
よりそのことが強く意識出来るのではないかと考えています。
ただ、あくまでその優位なオペレーションが継続すればの前提ですので、
従業員の満足度やモチベーションに依存するという点はリスクと捉えるべきと思います。

会員からの収益はスポットという面もありますが、
多くの会員が定額利用と思われますので、一定のストック性もあるものと思います。


以上のことから、安定性評価を評点しておきます。

・スイッチングコスト:12点/15点
金銭的な障壁はそこまで高くないものの、
心理的な障壁は一定程度あるだろうという考えです。
このため、比較的高い評価としています。

・不況耐性:7点/10点
教育やシニアという面を捕捉していくことは、
不況耐性に富んでいると思われます。
一方で現役世代の中年層は可処分所得が大きく減ると、
一定の脱会や定額プランへの変更があるかもしれません。
ただ、仕事が暇になると、案外通う回数が増えたりするかもしれませんね。
いずれにせよ、全体から見ると相応に耐性はあるかなと思います。

・ストック性:7点/10点
定額利用が主体と思われ、ストック性を持った構造であると思います。
但し、金銭的な脱会障壁は低い点には留意も必要でしょう。

・過去業績実績:7点/10点
業績の底である2008年を起点にしていることもありますが、
一貫して成長していることもあり、過去実績は素晴らしいと認識しています。

・顧客層:4点/5点
特定顧客に依存している構造ではなく、
個人が主体(法人会員もありますが)のため、
特定企業や業態に依存するものではありませんので、
安定性の観点から顧客層から見た時の不安は相対的に小さいと思います。

以上を集計すると、安定性の評点は、37点/50点となります。
35点以上ということでA評価となります。
45点以上がS評価ですが、そこまで評価するには、
やはり、やめられない構造であると全てのセグメントで言い切れない辺りでしょうか。



4.割安性について

予想PERが13.2倍、8%成長を前提とした場合はPEGレシオは1.6倍です。
目標株価(後述)とのGAPは約70%となります。

指標面だけで見ると成長率を控え目にみていることもあり、
PER指標も妥当という印象にもなります。
また、箱物ビジネスということで、借入金依存も高く、
自己資本が低いこともあり自己資本に対する株価水準においても
そこまで割安感が出て来ません。

ただあくまで指標面でみればということなのですが、
成長性や安定性の定性面でみると
そこそこ割安ではないかと考えています。

評点についてです。

・PEGレシオ:8点/20点
1.6倍ということから評点しています。

・目標株価GAP:18点/20点
70%程度の上値余地ということから評価しています。


総合評点は26点となり、28点以上のA評価に2点足りませんが、
上記の通り、複合的に捉えてAと評価をしています。


5.安全性について

まずキャッシュフローですが、
直近では設備投資を加速させているものの、
営業CFが安定して増えており評価出来るものと思います。
2378_CF推移

また自己資本比率は23%台とだいぶ低いです。
有形固定資産を賄うために、借入金に頼っていることもあり、
どうしてもこのような水準になるようです。
但し、この財務リスクについて銀行がどう見ているかを知るために、
有報の借入金等明細表を確認すると、
長期借入金の利率は0.7%と十分低位です。
このことからもそこまで危険性が高いものであるとは判断していません。

評点についてです。

・キャッシュフロー:12点/15点
安定的という評価をしました。

・自己資本比率:4点/15点
低い自己資本比率という面で評価は低くなります。
但し、前述の通り、ビジネス構造や借入金の状況は、
決して悲観する必要はないと思います。

総合評価は16点/30点となり、15点以上のぎりぎりB評価ということですが、
評価を押し下げている自己資本比率はそこまでの問題でもないため、
警戒水準ではないと判断しています。



6.還元性について

配当については、配当性向は23%程度と平凡です。
また自己資本が少ないこともあり、DOEは5%程度と比較的高いです。
優待も利用される方には一定の評価がありそうです。
金券還元もそこそこ需要もありますので、まぁいいかなという感じですかね。

資本政策としては、過去に借入金をしてまで自己株買いを進めたこともあり、
それなりに意識はしているのかなと思います。
IR活動は個人向けの説明会こそないものの、決算説明資料を開示しているほか、
IR照会への対応が抜群によかったこともあり、この点も高く評価しています。
(もちろん、IR照会の担当者の個別差もあるでしょうがね)


評点をしていきます。

・DOE:10点/20点
借入金が多く自己資本が薄い事もあり高くなります。

・資本政策:4点/5点
積極的とまでは言い切れませんが、
それなりに意識はされていると認識しましたので。

・IR活動:5点/5点
説明会資料は平凡ですが、それなりにアピールはきちんとできていると思います。
またIRの対応が素晴らしかったこともあり満点評価です。

・株主優待:4点/5点
自社のサービスを利用してもらうという観点と
株数に応じた還元という面もあり積極的にやられているかなと思います。
個人的にはあまり利用シーンがないことで1点減点しました(笑)。

総合評点は23点/30点となり、21点以上のA評価となりました。




7.株価水準・目標株価

 現在の株価は1,767円です。
(11月24日終値で表記しています)

2378_株価推移



 時価総額:378億
 PER(17.3期実績):13.4倍
 PER(18.3期会社予想):13.2倍
 PER(18.3期四季報予想):12.7倍
 PBR:2.8倍
 ROE(17.3期実績):23.2% ※借入が多いためROA5.9%
 DOE:4.9%

目標株価ですが、CAGR8%とみていますので、21.3期EPSを168と想定します。
評価PERは18倍としました。
成長率がそこまで高くない一方で、新業態や様々な企業とのタイアップも期待され、
市場評価はもう少し高くてもよいと判断しました。
(ドコモとの業務提携や、ジンズとの商品開発など最近でも色々材料はあります)

以上から、目標株価は3000円としています。

高齢化対応や健康という国策テーマがもう少し評価されると、
PERの評価はもう少し上振れ余地もあるかもしれません。

初回につける評価としてはこの程度が妥当と思い、
まずはここからスタートします。

8.IR照会

株式購入を控えて、IR照会を行っています。
通常は電話をかけるのですが、
量も多く、会社側の初動を見極めるために、
敢えてメールをお送りしました。

即日レスがあり、質問が多岐に渡るために、
数日時間を頂きたいという対応があり、早速期待が持てます。
(なかにはそのまま数日音沙汰がない会社も多いんですよね・・・)
その後、メール対応をされた方とは別の方(恐らく偉い人でしょう)から、
電話で回答したい旨、提案がありました。
表向きはコミュニケーションを取りながら、
より適切に回答したいということでしたが、
それもありつつ、少し警戒されたかもしれませんね(笑)。
株式購入を検討している個人投資家ですという前提で照会していますが、
確かに個人投資家がこんなに細かく照会するなんて、
ちょっと奇異に映るのでしょうね(苦笑)。

順不同でとりあえず照会をした主なやり取りをメモで残しておきます。
なお、会社見解はあくまで、私の主観に基づき解釈した内容ですので、
必ずしも会社見解と一致するものではない可能性が高いですので、
参考程度としてくださいませ。


1)自己資本比率
自己資本比率が一般的水準から見ると低いと感じているが、
固定資産を要する事業という点や、借入金の状況は金利も低位となっている中で、
そこまで危機感はないと認識している。
会社としての見解はどう捉えているか。

→自己資本比率は概ね30%台半ばくらいが妥当と考えている。
有形固定資産を有する必要がある点もあり、借入金も踏まえて管理しており、
現状が特段低い水準とは認識していない。
但し、市場からより評価してもらうために不安を感じさせないように、
理解を得ながら最適な水準を模索し、経営していきたい。


2)資金調達について
今後の施設展開やリニューアルにおいて必要となる資金はどのように調達していくつもりか。
またその資金調達の計画と今後の長期的な設備投資計画とは平仄をみているか。
お答えしにくいと思うが、市場からの調達についてはどのように考えているか。

→金利状況も優位であることから、借入金をうまく活用しつつということもあるが、
そもそも現状の新店やリニューアルのペースであれば、
営業キャッシュフローの中で賄える部分でもあり、過度に借入金に頼った投資ではなく、
原則は営業キャッシュフローの中で賄えるペースで行き急がずにやっていきたいと考えている。
そのために、設備投資計画も毎期新店やリニューアルを含めて、
数店程度のスピード感でやっていきたい。
なお、市場からの調達はひとつの選択肢とは捉えているものの、
現状で検討はしてはいない。(まぁそれはそういう回答になりますね。)


3)介護リハビリ施設の収益性と優位性について
元氣ジムは時流を捉えておりおもしろいと思う一方、
介護報酬制度の変化などで収益面では苦戦も考えられる領域と認識している。
また成長分野であることから競合環境もより厳しさを増すと思うが、
どのように対応していくつもりか。

→確かに介護報酬制度はより支出を抑制する方向であるものの、
元氣ジムが対象としているのは軽度でリハビリ的な要素が強く、
再び健康になってもらうことを主眼としたものである。
また理学療法士を全店に展開しており、
このような取り組みはむしろ報酬は増額傾向にある状況である。
重度の介護への報酬は減額される一方で、
健康を増長する目的の所へは今後もむしろ堅調に予算が配分されると思う。
また、療法士の展開やサービスの質など、
意義あることをやっている点は必ず評価して頂けると考えている。
競合環境との差別化は、やはりスポーツジムを運営しているという点から、
相互の顧客の行き来があるという点が挙げられる。
通常のジムの会員が少ししんどくなったので元氣ジムへという流れもあり、
逆に元氣ジムで元気になったことで通所のジムやプールにチャレンジするという
還流が見られる。
スタッフを十分配置して、これらの動きをきちんと観察し、
きめ細かくやっていくことが、同社の強みであると認識しており、
この点を深堀していきたいと考えている。


4)業績の成長安定性について
過去の業績は安定的に推移しており、
特にリーマンショックや震災の影響はほぼ受けずに推移している。
なぜこのような安定的な推移を辿れるのか不思議なのだが、どう会社では捉えているか。

→リーマンショックの時にも健康維持や日々の体を動かすという事に対して、
特段の離反がおきなかったということで日常にフィットしている点は安定性の所以かもしれない。
また震災時には、短期的には施設の復旧のための休業に影響を受けたものの、
施設の一部を被災者に無料開放したりする中で、
健康意識の高まりや風呂やスパの利用が定着し、
むしろ被災地域の施設の会員が急増して特需となることがあった。
地域に密着し、意義ある活動をしていることと、
施設展開を行き急ぎずにキャッシュフローの中で、
徐々に成長してきたことが安定性にも寄与してきたものと捉えている。


5)中期経営計画について
現中計の最終年度で今後次期中計の開示も控えているが、
定量目標は開示されないのか。
利益の成長率をどのように捉えているかを把握したい。

→定量的な目標を掲げる事も検討はしている。
様々な意見を頂く中で、どう対応するかはもう少し検討をしていきたい。
(定量目標を明示化する弊害もあろうということ)
定性的な活動やより投資家に理解してもらいやすいように工夫をしていきたい。


6)出店余地について
今後の出店余地について、国内、海外共にどのように捉えているか。

→出店余地には様々な話が舞い込んできており、
選別を行っているのが実情である。
やはり行き急がないという点も考慮している(無い袖は振れないということ)。
また、最近では特に自治体からの受託運営の話も増えており、
それだけ地域の健康維持活動への需要が増えていることを実感している。
今後も新店やリニューアルを含めて数店舗を愚直にやっていきたい。
また海外については、ベトナムの収益化が軌道に乗ってきたところもあるが、
もう少し深堀していきたい。なので、他国への展開はまだ時期尚早と考えている。


この他、様々な話を伺いました。
30分弱という長い時間、丁寧に、真摯にご説明頂いたことは、
大変ありがたく、よく会社の事を理解することが出来ました。



9.その他


■社長について
現社長は東日本大震災で業績もまだ立ち上がり期に着任されています。
前職はなんとコナミスポーツクラブ社に所属されていたようで、転職組です。
入社から営業畑を歩み、リーマンショックからの立ち上がり、
そして震災を経て今の姿へ牽引してきた立役者という印象です。
まだお会いしたこともないので、Web上の情報からだけの印象ですが、
まずインタビューなどの記事や動画がいくつかヒットしています。
美化されているものもあるかもしれませんが、2つほどリンクを張っておきます。
(勝手に張っていますがもし差し支えるようであれば対処いたします)

 ・HIPインタビュー記事 → こちら

 ・戦士の逸品(テレビ東京オンデマンド) → こちら(動画サイト)



■従業員の満足度
社長のお話の様子で、「褒めること」を重視されていて、
このこと自体は良くある話ですが、
どうやら真面目にこれをやっているのかなと感じました。
IR照会の際にも人材に対する考えが随所に滲んでいたり、
現場の人材が現場にとって必要なやり方をきちんと運用しようという
発想があるように感じました。
震災時の臨機応変の対応なども美化されたものかもしれませんが、
スパを開放するなどの判断やその行動力などを見るに、
現場力が高いのかなと思います。
そもそも、労働集約型ともなる同社の場合、
従業員からの視点に基づいた会社の評価がどういう状況なのかは気になります。
ごく一部のデータしかありませんが、様々な調査結果がオープンになってます。
主に転職活動者支援の観点ではありますが、
従業員からの率直な口コミデータでなかなか面白いです。


 ◇就職・転職の採用企業リサーチ Vorkers さん → リンク

  〇ルネサンス vs コナミスポーツクラブ
  社員評価_ルネサンスvsコナミスポーツクラブ

  〇ルネサンス vs セントラルスポーツ
  社員評価_ルネサンスvsセントラルスポーツ


 ◇エンジャパン カイシャの評判さん → リンク


  〇ルネサンス vs コナミスポーツクラブ
  カイシャの評判_ルネサンスvsコナミスポーツクラブ

  〇ルネサンス vs セントラルスポーツ
  カイシャの評判_ルネサンスvsセントラルスポーツ


他の会社も調べてみましたが、
キリがないので上位TOP2社のみ比較のキャプチャを貼付しました。

口コミの内容も見ると総じて、ルネサンスの評価が高いです。
社長の記事や動画、IR照会から得た感覚などを踏まえてみると、
各観点の評価点は僅差ですし、
せいぜい数百のサンプリング数であるわけですが、
しかしどちらのデータでもルネサンスが全面的にES()が強いという結果となりました。

上位2社に対して、ESが強いというのは、
人材がオペレーション上、大変大事である業態という点も踏まえると、
とても心強い内容ではないかなと感じました。



■顧客満足度
オリコンが調査をしている、満足度調査結果があります。
フィットネスクラブとしての結果です。 → リンク

総合順位は5位となっていますが、
上位6社が同じ68点台と僅差でひしめき合っています。
ですので、まぁ上位群で相応に満足度は高いという前提でみればよく、
むしろ、何位かというより、評価軸の傾向をみるべきかもしれません。

「適切なスタッフ数」で1位、「スタッフ」で2位、「インストラクター」で3位と上位です。
一方で、「入会手続き」と「通いやすさ」は平均を下回っています。

上位として評価されているのは、
オペレーションに係る「人」に係る部分で、
前述のESが高いということと相関があるのではないかと思慮されますね。
これは更に私の中ではポジティブに捉えました。

一方、下位のうち、「入会手続き」については、
Web化などの基本的な対応は出来ているものの、
専用のクレジットカードが必要となる点がネックなのでしょうね。
この狙いはまだ確認出来ていませんが、
そこまで大きな問題ではない気もしています。
また「通いやすさ」については、駅前立地に特化していたり、
モール内に出店しやすい(イオン資本等)もあるため、
そこと比べてしまうと仕方ないかなと思います。

ESもそうですが、CSについても変動しやすいとも思いますが、
いずれにせよ、双方の面からみて、
高い質で運営できている/されているのかなと評価しました。
(もちろん、細かな点や店舗によっても細々と事情は違うと思いますが)



■競合会社との指標面の比較

マネックス証券から提供されている
銘柄スカウターなる機能が優秀なので、
キャプチャを貼付してみました。
※大変有用なツールを提供頂いたマネックス証券様には感謝です。

2378_競合会社比較

こう見ると、まずコナミHDが王者ですね。
複合事業をもっているので単純比較はできませんが※、
利益ではルネサンスの約10倍ということになります。
時価総額は20倍以上の差をつけられています。
業界2位のセントラルスポーツとの差がとても小さく感じますね。
※後述の通り、健康サービス事業では収益性は悪いのですね。

東祥は不動産等も手掛けているため、比較が難しいですね。
セレスポが時価総額が小さく指標面でもワクワクさせられますが、
ちょっと私が期待するメインシナリオと差があり、
今回は投資対象とはしませんでした。


・粗利率
ルネサンス      : 10.9%→12.0%→13.4%
コナミHD       : 30.9%→35.0%→38.9%
セントラルスポーツ: 11.5%→13.0%→14.8%

・販管費率
ルネサンス      : 4.4%→4.7%→5.2%
コナミHD       : 23.2%→19.7%→19.6%
セントラルスポーツ: 5.8%→6.2%→6.7%


・営業利益率
ルネサンス      : 6.5%→7.3%→8.3%
コナミHD       : 6.6%(▲1.2%)→9.9%(3.8%)→15.8%(6.2%)
セントラルスポーツ: 5.7%→6.8%→8.1%
※コナミHDの()内数値は健康サービス事業セグメント利益率を併記


会社毎の数値を過去3期調べてみると上記の通りです。
コナミHDはセグメント利益しかないため詳細はわかりませんが、
収益性は悪いように感じます。

セントラルスポーツとルネサンスの比較ですが、
粗利率はセントラルスポーツの方がわずかに良いものの、
販管費率ではルネサンスの方が抑制されているようにみえます。
結果的に営業利益率をみると、ルネサンスが高いという状況です。

これはやはり現場のオペレーションへフォーカスを当てている分、
販促費を抑えているのかなという印象とも合致する内容です。
ステップを分析した時に、販促費を要さないビジネスモデルに
驚きましたが、そこと比べると全く次元が違うわけですが、
同じような方向性の違いがあるのかなともちょっと考えました。



10.最後に

大分長文になりました。(いつもですね、すみません)

同社はもちろん個人投資家界隈でもほとんど聞きませんし、
これといった事業の面白さや斬新さがあるわけでもありません。

ただ、私は最後は「人」に注目しました。

社長の姿勢や従業員側や顧客側から垣間見た満足度の状況、
今後の狙いなども踏まえて良い会社だと判断しました。

事業上は、事故のリスクやSNSが発達した今では、
ちょっとしたことをきっかけにしてネガキャンに晒されるリスクもあります。

最後はどうしても感覚的なものになってしまいますが、
応援したいなと思わせてくれる会社だと感じたため、
投資に踏み切りました。

株価はともかく長期的に顧客に向き合い、
良好な事業を通して会社が成長してくれたらいいなと思います。


コメント
この記事へのコメント
ルネサンス、聞いたことなかったです。同業に近いものではカーブスが気になり、コシダカホールディングスを眺めていた時がありました。PER高くて諦めましたが(笑)。
この業界は仕事量が多いイメージが個人的にあります。その中で本当に人材に目が向いているのなら、従業員のモチベーションを維持できて強みになるのかもしれないですね。
2017/11/29(水) 23:03 | URL | 株主二年生 #-[ 編集]
いつも楽しく拝見しております。
視野の広い丁寧な分析にいつもすごいなと思わされます

カーブスやダンロップスポーツ、エニタイムフィットネスなど低コスト出店事業に喰われないか心配なので、全体の市場はどのくらい大きいのかちょっと知りたいですよね。ただ、新市場を開拓している?ので当社の全体のパイはどれくらいなのか見定めるのが難しいですね

業界の広告を見ていると入浴目当てでも入会できますみたいな印象を受けるのでなおさら市場予測が難しいです

営業利益率がとても良くなっていると思うのですが、理由が知りたいです。契約形態によるのか、お客さんが増えているのか、新事業によるものなのか。

セグメント売上を見るに、その他の事業なんでしょうか・・・。

あと売上は個人と法人(健保組合など)の比率を自分なら調べて見るかもしれません。

これからもブログ楽しみにしております。。。

追記:証券会社各社の予想PERは自己株を含めて算出することが多いので、18倍くらいで表示されますから、見逃している人も多いと思います 笑
2017/11/30(木) 10:27 | URL | ひばり #9xUhfFzE[ 編集]
>株主二年生さん
こんにちは、株主二年生さん。
コメントを頂きましてありがとうございます。

ルネサンスは施設数では首都圏ではそれなりに数がありますが、
全国区で見てみると地方にはあまりないですから、
ご存じないことも十分考えられると思います。

カーブスは女性に特化していて、
美容・ダイエットという側面を強調されていますね。
顧客セグメントを敢えて絞り、目的もフォーカスしていて、
差別化してニッチを攻める王道ですね。
一方で、この分野こそ競争も激しく、
ノウハウやブランディングがより大事になりそうですね。

仕事量が多いというのも、
従業員がモチベーションを持ってやれる環境かとか、
現場主義の方にマネジメントだけを任せたりするミスマッチがないか、
このあたりはこの業界に限らず注意しないといけませんね。

私は限られた情報からルネサンスには、
ご指摘のような人材に目が向いている会社という評価を下しましたが、
その確信はまだ緩いので、今後会社のことをもっと理解して、
時間をかけて自信を深めたいですし、
自分のヨミと異なると感じれば、株は手放そうと思っています。

所感をお寄せ頂きありがとうございます。
私も興味をもって自分なりに考察してみているので、
このように反応を頂けるととても励みになります。
ありがとうございます。

2017/12/01(金) 00:15 | URL | まるのん #-[ 編集]
>ひばりさん
こんにちは、ひばりさん。
コメントを頂きましてありがとうございます。

またいつもブログをお読み頂いておりありがとうございます。
視野が広いとお褒めの言葉を頂いたのも光栄ですが、
私の場合、ただ纏まりなく発散しているだけな気もしています(苦笑)。


低コスト、セルフサービスで運営される施設は今後益々増えると思います。
24時間いつでもOKとかご指摘の通り入浴目当てという方もいるようです。

この点をルネサンスと比較して脅威と感じるか否かですが、
ここは難しい判断だとは思いますが、
結論として私は脅威にはならないと考えています。
むしろ、長期的にはポジティブではないかとさえ思っています。


IR担当の方と会話をしていく中で、
当然、セルフ型や24時間開業などを訴求点にしている競合について、
ライバル視はしていない印象を受けました。
つまりコンセプトが異なると思うわけです。
入浴が主目的であったり、セルフでちょっと体を動かしたいという思いの方には
刺さるかもしれません。
しかし、このようなライトユーザーは、
そもそもルネサンスのような施設でいきなり月額1万近いお金をかけて、
通うなんてことは仰々しいわけです。
手軽なライトユーザーはルネサンスにとってはメイン顧客層ではなく、
ある程度覚悟をもって体を鍛えたいとか、健康維持への意識がより強かったり、
場合によってはアドバイスを専門家に求めたい、といった
付加価値を求めているユーザーがメイン層であると思っています。


私がむしろポジティブと書いたのは、
ライトユーザーを取り込むチャネルが増えると、
そこから自然と本格的にやってみたい人口が増える機会があるということです。

コンビニ大手のファミリーマートに、
セルフ型のフィットネスクラブを併設なんてニュースもありますが、
これは健康意識の高まりから、
ちょっとやってみたい層を発掘する機会として有望と思うわけです。

併設型でセルフでやっていたら、もう少し付加価値を求めたいと思う層が
増えるのは自然の流れだと考えています。
もちろん、それでルネサンスが選ばれるかはまた別問題ですが、
少なくてもそういう付加価値をつけて、
新興業態との差別化を会社側も強く意識していることを、
IR照会に確認出来たこともあってこのように判断しています。



営業利益率については、販管費率が落ちて行っているのは、
広告宣伝などにそこまでの経費がなくても済んでいるという
背景があるかなと思います。
健康意識の高まりなどを背景に、モチベーションが高まっているということです。
それに加えて粗利率も改善しているのは、
やはり稼働率が上がっているという事かと思います。
固定費で償却費や光熱費を要しますが、
アクティブユーザーが多ければそれだけ稼働率があがり、
粗利率も改善します。
ある程度、外部の雇用環境の好転や働き方改革で徐々にですが、
余暇をどう過ごすかの流れもあるのかなと思っています。

その他売上は新業態ですが、
まだ母数も少なく、利益面ではコスト先行でしょうから、
ここは出店スピードも過度にリスクを取らず様子を見ながらと思うので、
まだ伸長も不安定かもしれません。足元の数値的な成長性はそこまで気にしていません。


法人会員と個人会員ですか。
確かにそこは定量的には調べていなかったですね。
ルネサンス側から見れば、法人会員の方がより安定するんでしょうかね。
法人の健保や福利厚生として固定費をもらい、
更に会員が増えれば割引はあれど更にトップラインはあがるわけですね。
個人会員だと退会されるとその分はトップライン0になるので、
どれだけ提携出来ているかは今後の安定性の面では一つの判断材料にはなりそうですね。

私は法人会員というより、例えばNTTドコモとの業務提携などがあって、
その延長戦上で例えばNTTグループ全体で法人会員の枠組みとか、
業務提携をトリガにしたユーザー拡大シナリオはあるかなとは想定していましたが、
現状の健保や福利厚生からのアプローチは改めて定量的には把握していなかったので、
調べてみようと思います。(というか機会をみて聞くしかないですが)


貴重な論点を与えて下さり、ありがとうございます。
自分の視点とは異なる視点でアドバイスを頂けることをとても嬉しく思います。
今後もよろしくお願いします!
2017/12/01(金) 00:39 | URL | まるのん #-[ 編集]
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