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【決算精査】 3277_サンセイランディック(17年12月期_2Q決算)

銘柄分析シート

決算説明資料(会社開示)

1.サマリ
総合評価:「4」 (☆★★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング


1Qでは仕入も増勢に転じていたものの、
まだそこまで強いという印象はなく、
上期は予想線で着地し、それまでに仕入れを稼ぎ、
下期挽回をもって計画達成してくれたらいい、
そのように捉えていました。

ところが7/28に修正開示が出て、
上期のみですが、上方修正したのには少し驚いたわけです。
しかも単なる期ずれということでもなく、
人材が育ち、オペレーション効率の向上施策も奏功し、
利益面で底上げしてきています。
この辺りは修正開示時にIR担当に照会をして、
私なりには下期も堅調なものになると判断していました。
その裏付けを得るためにも、
2Q決算では仕入の状況が肝だと認識しておりました。

結果として仕入は順調に進捗していると判断出来ましたので、
今期の業績予想は、決算説明資料にも記載の通り、
ある程度堅いところまで来たかなという印象を受けます。
それどころか、多少バッファをもっている認識で、
今の状況が続けば、通期の修正も射程ということになると捉えています。

細かな点としては、
今期から役員も派遣して立て直しのテコ入れを図っているという
建築事業の回復がまだ見られない点でしょうか。
引き渡しの時期の兼ね合いもあり、やや偏重になるために、
今の数値はあまり重要でないかもしれませんが、
それでも回復は見て取れません。
セグメント利益は相変わらず水面下です。
また受注の状況も決して今後を楽観できる内容ではありません。
ただ、当セグメントの情報は直ちに全社への影響があるものではありませんので、
敢えて言及すればというくらいのものです。


業績面で修正通りの結果とはいえ、
この修正を含めて評価しますと、
仕入の堅調さもあり、想定より堅調な状況だと理解します。
従いまして、総合評価についてもややポジティブ「4」とします。
(修正開示があったので、それを前提としれば想定通りでしょう)



2.定量数値の確認



(1)売上の推移

◆2Q累計
3277_サンセイランディック(17年12月期_2Q累計)売上推移



◆2Q単計
3277_サンセイランディック(17年12月期_2Q単計)売上推移


同社は四半期単位にブレが大きいのがネックです。
1Q、2Q共に前期の伸長が大きかったので、
そこから見ると減収です。
元々これは想定通りですし、むしろ修正されている通りに
計画超過ということになっています。



(2)利益の推移

◆2Q累計(営業利益)
3277_サンセイランディック(17年12月期_2Q累計)営業利益推移



◆2Q単計(営業利益)
3277_サンセイランディック(17年12月期_2Q単計)営業利益推移

1Qでは前期から期ずれした一部の物件について、
利益率を落として販売したことともあり利益も赤字でしたが、
2Qでは利益率が大きく改善して大幅増益となっています。

修正文書では経費削減がメインで語られていますが、
私の印象ではもちろんその効果があるにせよ、
人材育成の成果、特に販売の際に、
多様性のある提案や付加価値創造に尽力出来た結果で、
よりプラスに感じています。



◆2Q累計(純利益)
3277_サンセイランディック(17年12月期_2Q累計)純利益推移





◆2Q単計(純利益)
3277_サンセイランディック(17年12月期_2Q単計)純利益推移



純利益については前期に事務所移転費用の一過性費用を営業外費用に計上しており、
その反動で経常利益以下は前期比増益となっています。
まぁ特に論点ではないでしょう。


(3)通期予想について

上期実績と据え置いている通期予想を逆算すると、
下期の数値見込みは以下の通りとなります。

 ■FY17(今期)下期 計画
 売上 8,896M
 営業利益 976M(利益率:11.0%)
 純利益 668M(利益率:7.5%)
 2Q末時点 販売用不動産 7,874M

 ■FY16(前期)下期 実績
 売上 6,365M
 営業利益 919M(利益率:14.4%)
 純利益 610M(利益率:9.6%)
 2Q末時点 販売用不動産 7,050M

 ■FY15(前々期)下期 実績
 売上 7,279M
 営業利益 905M(利益率:12.4%)
 純利益 513M(利益率:7.0%)
 2Q末時点 販売用不動産 7,276M

 単純に2Q末のBSの残高(概ね半年前後で収益計上)が
 下期の売上計上のトレンドを形成すると考えると、
 今期の売上見込みはまだ楽ではない状況だと思います。

 ただ、これから仕入が引き続き堅調そうな気配ですので、
 この辺りの寄与もあれば、
 まぁ計画線でいくのかもしれません。
 一方で利益率は営業利益ベースでいくと、
 数%程度の良化余地があると見えます。
 純利益でも相応の期待が出来ます。

 物件個々の想定利益率をきちんとマンジメントしている会社ですから、
 まだ皮算用すら難しいですが、
 計画線から利益はやや強い推移といえると思います。




(4)仕入・販売状況

◆仕入金額推移
3277_サンセイランディック(17年12月期_2Q累計)仕入推移


仕入は順調です。
特に直近では居抜きの伸長が大きいですね。
会社側の決算説明資料にもある通り、
仕入ルートの多チャネル化も促進しており、
また案件が沢山出てくるようになったようですので、
無理をしないでもらいたいですが、
精査を従来通り進めて、良い仕入をしてれると嬉しいですね。



◆販売金額推移
3277_サンセイランディック(17年12月期_2Q累計)販売推移


販売状況も1Qでの玉切れ状態から回復しています。
全般、堅調に推移しているとみてよいと思います。


3.IR照会

今回は修正の際に照会させて頂いたので、
今回は今の所、照会の予定はありません。
但し、決算説明資料については、
前回よりだいぶ改善され嬉しくなったので、
改めて何かご提案できることがあれば、
IR担当へ照会をかけたいと思います。


4.株価推移

株価の動向ですが、想定PERを元に仮想株価を引いた表は以下の通りです。

3277_サンセイランディック(17年12月期_2Q)株価推移




赤色が買い、青色が売りです。
昨年後半で下値で売っていますが、
これは当時の記録によると、PF全体の現金比率の確保のためと、
仕入挽回中でありその具現化リスクを踏まえて、
泣く泣くとった行動です。

今年に入って、この時より高く買い戻すことになっているため、
もう少し慎重に判断しないとなりませんね。
特にこういう息の長い我慢が求められる銘柄ではなおの事です。



目標株価ですが、今回修正をかけます。


従来の目標株価は
19.12期EPS130 × 評価PER =1560円 でした。

今期EPSを5%程度上振れ着地を見込みます。
そこを起点に7%成長を堅持して計算してみます。

17年12月期EPS120×1.07×1.07×1.07=20年12月期EPS≒147

評価PERは12倍のまま変えません。


・目標株価(20.12期想定)
147×12=1760円 →時価総額想定 約146億(現状74億)

というわけで、2~3年で株価は概ね倍になる想定です。
この辺りの見立ては特に変わっていません。


5.さいごに

1Qから決算説明資料を開示してくれるようになったのですが、
その際に、色々個人投資家の1人として同社を応援したく、
IR担当の方へ色々ご意見をさせて頂きました。

前回記事 の抜粋
・四半期進捗率はあまり意味のない情報ではないか
 (むしろ四半期ではなく半期・通期の目線で見てもらえる工夫が必要ではないか)
・居抜き物件の前期期ズレの要因分析や再発しない言及はもっとあってよいのではないか
 (今後は通常利益率になるの根拠が薄く読めてしまう)
・仕入の状況は予実の開示も含めて開示を検討できないのか
 (なんでも開示すればよいものではないかもしれないが、重要な指標である認識)
・財務状況の言及は、棚卸資産にフォーカスを当てれば十分ではないか
・数値だけでなく、各取り組み状況やトピックスにもっと言及があってもよいのではないか



例えば進捗率は敢えて削除されたり、
各取り組みの概況がコメントでより補われたりしました。
また上記で貼付している、
銘柄分析シートを丸ごとIR担当にお送りしたのですが、
その中で、仕入と販売の状況のグラフはよりわかりやすい形で
リニューアルされて開示頂けたりと、
とにかく一歩ずつ改善されていることがわかりとても嬉しくなりました。

私のような弱小個人株主の一人でも、
外から様々な形で同社の事を応援出来るという機会は、
素晴らしくもあり感謝したいと考えています。

このような姿勢を持つ会社は、
やはり末永くお世話になりたいと思います。
資産形成のスピード感やその伸長率だけでみれば、
もっと値動きがよい銘柄に張るのがいいかもしれません。
ただ、私は投資活動の中で、
納得感やこういったプロセスを楽しみたいと思ってるので、
ゆっくりとやっていきたいと思います。


~なお、当記事は私の主観に基づき記載されていますので、
投資判断をされる際にはご自身の尺度で十分検討を行って頂くようお願いします。~


コメント
この記事へのコメント
ツイッターのほうで、権利調整を自治体か自身が始めると脅威と感じるとおっしゃていますが、市役所でパートしてる主婦の視点的にはそんな特殊なノウハウが必要で面倒そうな仕事を役所の職員がするとは思えないです。

彼らは市営住宅の切れた電球を交換に行くのに二人でいくことを非効率と思わず、最近人が減らされて忙しいと不平不満をいうという特殊な人種ですからね(笑)
もし役所の職員自身でそんな手間のかかる仕事をやろうとしてもすぐにパンクして仕事が回らなくなると思います

また民間にできることはできるだけ民間にという流れが昨今のお役所の風潮ですし、おそらく業者に委託事業という形で行なう自治体がほとんどになるのではないでしょうか
2017/08/19(土) 11:31 | URL | sun #-[ 編集]
>sunさん
こんにちは、sunさん。
コメントを頂きましてありがとうございます。

サンセイランディックのビジネス領域について、
自治体が主導的に空き家対策に乗り出すという件で、
脅威な面があるというツイッターへのコメントですね。

結論としては、私は当内容について、
現時点でネガティブリスクが直ちに台頭するとは考えていません。

但し、少し先のことや、短期的な面で、
いくつか注視をしないとならない点があると考えています。

まず自治体が主導するということになると、
それに乗っかろうとする新興会社が出現し、
中には安易で筋のよくないことをする輩も現れることで、
空き家や底地といった特殊な物件の流通に対する
評判が悪化する可能性がないかという点です。

これまでは手間がかかるためにメリットでなかったものの、
自治体などからの公的な支援体制が望めるとなると、
いい加減な仕事をしながら、その蜜を吸うような会社が存在すると、
業界が冷え込む点で、
真面目に事業を行っている同社の事業へも飛び火をしないかという懸念です。

しかし、この懸念はある意味長期ではメリットでもあると思います。
結局いい加減な気持ちで進出したとしても
その特殊なノウハウや手間などを考慮すると
いずれ淘汰されていくと思います。
従って、本質的なノウハウや手間をかけ、
真摯に対応する同社のような会社が結果的に脚光を浴びるチャンスでもあります。
時間軸や業界全体としての捉え方で
評価も変わるものと考えています。



それから、競合環境が変わる可能性も考慮する必要があると思います。
前述のようないい加減な会社だけではなく、
これまでは敢えて本腰を入れて来なかった大手も含めて
参入をしたとしたとき、特に自治体などとも連携が取りやすい、
大手がネームバリューで新規でもっと手間がかかわらないスキームを構築することで、
そもそも手間をかけたり泥臭いプロセスを得なくて済むような、
業界内の構造が変わるイノベーションが起きるかもしれない点です。

もし自治体がお上のお達しを真摯に受け止め、
物件流通に本腰を入れようと思えば、
その流通プラットフォームを整備するということが考えられ、
その場合に、大手の意向なども入り、
一般不動産と同じようなスキームに整備されるとすると、
同社の優位性が発揮しにくくなる可能性が考えられます。

但し、この可能性も過去からずっとこのような問題がありながら、
なかなか権利調整などの問題もあり、
一筋縄でいかなかったものが、
このようなお達しレベルで急に改革が起こり、
イノベーションが起こるということも、
可能性としては低いし、
その場合にあっても、競争環境は激化するかもしれませんが、
同社の事業の意義が損なわれるものではないため、
そこまで大きな懸念事項ではないと捉えています。


ツイッターでも触れましたが、
むしろ、購入側の税制メリットを高めるなど、
流通を活性化する仕組みを作っていくという面では、
同社の事業機会もより活性化されていく可能性も秘めており、
どちらかというと、事業機会の拡大になるとみています。



と私の書きたいことを先に書いてしまいましたが、
sunさんから頂いた貴重な自治体現場内の声ですが、
私も役所内部の実態としては概ね同じように捉えています。

最後の民間に業務を落としていくという流れの中で、
民間へ業務を割り振っていく時に、
入札案件として意思決定していくプロセスの中で、
同社が真摯に対応していくためのコストを
きちんと自治体が評価していけるのか、
前述の安かろう悪かろうの新興企業が台頭した時に、
同社が自治体からの仕事をもらいにくくなるという構造にならないか、
その部分は気になっています。

事業会社の決定は今でこそ、コストだけでなく、
過去の実績や品質など様々な面で評価をするようになったものの、
慣れない権利調整ビジネス、過去の実績がない中で、
どうしてもコストが重視されることになった時に、
同社のような真面目な会社が煽りを受けないでもらいたいと
懸念しているところです。


かなり乱文になってしまいましたが、
現時点では一応可能性として考えられるシナリオを、
自ら想定はしていますが、
長期的に見た時に、特に懸念しなければならない点もないため、
ニュートラルに評価をしています。


家族と過ごす時間が多く、
なにかとSNSから距離を置いているもので、
返信に時間がかかってしまい申し訳ありませんでした。

2017/08/20(日) 21:33 | URL | まるのん #-[ 編集]
なるほど・・・確かに行政が本腰を入れることでゲームのルールが簡素化されてしまうと、サンセイランディックのノウハウの優位性が薄らいでしまうかもしれないですね。

大手がネームバリューを武器に参入してくるというのもありそうです。

参考になるご意見ありがとうございました
2017/08/22(火) 19:31 | URL | sun #-[ 編集]
>sunさん
こんにちは、sunさん。
当方の一方的な見解に対して再度、
コメントを頂きましてありがとうございます。

一連の行政対応の変化の可能性においては、
PEST分析の「P」に当たる部分で大きな変化が生じる点が挙げられます。

「E」や「S」での課題に対するソリューションで、
同社は独自路線でノウハウを武器に緩やかな開拓を進めていくと思いますが、
「P」の変化はご指摘の通りルールが変わることにもなり、
注視が必要と感じているところです。

但し、繰り返しになりますが、
そもそも行政が本腰といっても、
いきなりイノベーションが起こるようなこともなく、
かつ実際には膨大な手間がかかる点や、
ステークホルダーが多い点から、
そこまで同社にとってネガティブリスクになるとも
想定していません。あくまで注視をするという程度です。

話は少しずれまずが、
本日、同社の決算説明会の動画が自社WebサイトにUPされています。
これを視聴してみて感じるのは、
目先のビジネスというより、
このニッチな業界への貢献主義を感じます。
これは利益至上主義という面からすると、
問題視される投資家もおられるかもしれませんが、
私はとてもこの姿勢を評価しています。

大手の参入も含めて、
合理的なビジネスとしての利益追求は
資本主義の中では正解であることは間違いありませんが、
同社のようなその土台に、
貢献があるというのは心強いものだと思います。

もちろん、大手や競合他社にも
貢献心はあり貢献するから利益が得られるというのはその通りですが、
その優先順位というか本気さが違うなと感じています。

そういう会社なので、なかなか思い通りに
安定成長で心配なく見ていられるという事がない点が、
玉に傷ではありますが、今後も応援したいと考えています。



※同様のコメントを2通頂きましたので、
1通目のコメントはこちらで削除させて頂きます。
ご了承くださいませ。


2017/08/23(水) 23:41 | URL | まるのん #-[ 編集]
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