Author:まるのん |
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【決算精査】 6035_アイアールジャパンHD(18年12月期_1Q決算)
銘柄分析シート
1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング
減収減益で短信P1を見ると悲壮感が漂う内容です。
但し、その要因は収益計上の期ずれによるものであり、
特に問題はないと認識しました。
それより主力のIR・SRコンサル業務においては、
需要も強くビジネスの拡大も順調に進んでいること、
また人材力の強化、特に即戦力としての優秀な経験者の体制も構築でき、
今後が楽しみな内容となっています。
期ずれという中長期視点ではさほど気に留める必要がない部分だけで、
悲観するのではなく、
ビジネス及び組織が順調に推移していることが確認出来ましたので、
よかったと個人的には考えています。
市場ではネガティブに捉えられたようですが、
例によって、何を期待していたんだろうというのが率直な感想です。
総合評価については、もちろん、想定通り「3」となります。
2.定量数値の確認
※従来の画像貼付は割愛します。
(冒頭のPDFファイル内にございます)
(1)売上の推移
減収ですが、期ずれの影響です。
問題ありません。
(2)利益の推移
減収の影響もあり粗利ベースで減益ですが、
期ずれの影響ということもあり、こちらもふ~んという感じです。
粗利率は81%とほぼ前年同期比並です。
減収の影響で販管費率は向上し、結果、営業利益率は落ちています。
それでも脅威の42.2%です。
前期の47.4%が一部の大型案件による特異的なものだった要素もありますね。
3.IR照会
全てが期ずれが要因ということで済ませてしまうわけですが、
この期ずれというのは気を付けなければならないとも思っています。
きちんと収益計上が出来るものなのかとか、
その遅延の要因が同社側のマネジメントの課題によるものなのか、
ネガティブな要素が眠っていないかは慎重に判断する必要があります。
(当たり前)
会社側の「期ずれ」を鵜のみにして過信するのはいけませんので。
というわけで、少しでも感覚に実感を伴えるよう、
IR照会をかけています。
従来通り、
私の解釈と主観に基づく脚色を加えていますが、
ここにメモを残しておきます。
まるのん
期ずれとありますが、まず期ずれしている案件の中で、
契約が未締結もしくは見込んでいる数値に変動が生じるリスクはあるか。
IR
ない。全て契約済で現在クロージングに向けて最終段階という状況。
まるのん
期ずれの記載で、第2四半期「以降」となっているが、
第3四半期以降になるケースも想定しているのか。
それはどのようなリスクを踏まえたものか。
IR
第2四半期に計上出来る見込みはあるものの、
お客様とMA案件を進めていく上で、
相手もあることなので結果的に第2四半期に計上出来ない可能性を考慮し、
保守的に幅を持った表記にした。
(会計のために無理に案件をクロージングするというのは本末転倒ということ)
まるのん
期ずれの要因について、MAの案件進捗の状況と理解したが、
同社側で案件へ取り組む中で、
作業が輻輳しているなどのネガティブな状況はないか。
IR
特にない。お客様とうまく連携して良好なビジネスを続けさせてもらえている。
(この辺は敢えてネガティブな事は言わんよね~)
まるのん
逆に期ずれとなった背景として、
案件を進めていく中で当初想定していたよりビジネスボリュームが大きくなり、
結果ポジティブな繁忙というか計画比で上振れで膨らんでいるという要素はないか。
IR
確かにボリュームは十分に頂けており、またその対応を取る中で、
良好なビジネス環境となっていることは事実である。
ただ、計画比で上振れしているとか、
逆に繁忙過ぎて手が回らないというような状況もなく、
コントローラブルな中で仕事をさせてもらっている。
まるのん
足元の状況は好調であるとも見えているが、
現在の期ずれの状況も踏まえて事業全体を俯瞰した時に、
計画比での強弱の感触はどうか。
IR
短信にも記載の通り、大変好調な状況である。
計画はやや保守的に策定している事実もあり、強い状況に変わりはないが、
現時点で概ね計画通りであると認識している。
(まぁそれはそういう回答になりますね。)
人材の事なども聞きたかったのですが、
あいにく私の方が電話対応がタイムオーバーとなってしまい、
ここで終了しました。
4.株価推移
こちらもキャプチャを貼るのは割愛します。
冒頭PDFの最終ページにつけています。
なお、目標株価ですが以下のように簡易的に算出しています。
17.3期実績EPS 77.7
CAGR 12%として 21.3期EPSは約120とします。
評価PERを20倍として 2400円を目標株価としています。
また同社は配当性向が高いです。
設備投資が不要で内部留保が相対的に小さくてよいという要素もあります。
従って配当利回りも意識しており、配当性向50%とすると21.3期配当は60円。
配当利回り2.5%で2400円です。
5.さいごに
結局、決算短信でマイナスを示す「▲」の威力は凄いなというのが最初の感想です。
特に日中帯の開示だったので、余計に売りが売りを呼ぶという展開になるようです。
株価の動向なんて水物なのでまぁどっちでもいいでしょう。
MA業務は大手の日本M&Aセンターも直近で1Q開示時点ですでに
上方修正をかけています。
この辺りの業務は需要が旺盛なのですね。
いずれにしてもそこまで論点がなく、
期ずれがきちんと正常と思える範疇かどうかだけ抑えて、
あとは自信を持てるなら放置でよいな~と実はほぼ論点のない印象の決算です。
~なお、当記事は私の主観に基づき記載されていますので、
投資判断をされる際にはご自身の尺度で十分検討を行って頂くようお願いします。~
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