十分な教育資金と老後資金のために

多くの投資家は、
リターンの極大化を目指しているかと思います。
そのために自分自身が受容しうるリスクを推し量り、
それを時に上限域まで取り込むことで、
実際のリターンを顕在化させようとしているものと思います。

このような対応について、
「攻め時」とか、「勝負に出る」などとも表現されますが、
このニュアンスにずっと違和感を感じています。

リスクばかりに目が向きリターンを享受出来ないから、
時にリスクを取らないと駄目なんだといわれれば、
それはリスクとリターンの基本的な考え方を踏まえれば
そうだよなーと納得をさせられる部分はあります。
これを統計学等を駆使して数学を使って
学術的に説明する人もいるかもしれません。
なるほど、チキンではだめなんだと。

相場に資金を投じることは、
プロもアマも入り乱れる中での真剣勝負。
だから攻めと守りも意識せず、
日々のボラティリティの中で漫然と市場という戦場へ身を置くなんて、
自殺行為であるとさえ言われる始末です。

しかし、私たち投資家は、何と戦いどこへ向かって攻め、
何との勝負に勝とうとしているのか。

お金を儲けたいというツワモノが眼をギラギラさせ、
虎視眈々と明日の儲けを追及している中で、
オレがオレがという連鎖が「勝負」となり、
そこに攻める/守るという戦術論が台頭し、
その扱いが必然であるということなのかもしれません。

しかし、やはり敵が誰で何と勝とうとしているのか、
私にはあまり見えてきません。

敵は「不確実な未来」であり「不確実な市況」であり、
勝つべきは「恐怖を前に怯まない自分」なのか。
あるいは、市場の中にいる他の投資家・投機家が全て敵、
自分が出し抜くことが勝つことなのか。
本当にそうなのか。
相場とは勝負をかける場所なのか。

こんなことを考えている時間があれば、
銘柄のひとつでも研究した方が数百倍は有益なはずです。
だから私は凡人なのだと思います。
ただ、こういうメンタルを見つめる、
というか自分が長期的にどういう投資家を目指すのかを模索する上で、
自分とのこういう対話もまた重要なことだと考えています。


私が最近感じるようになったのは、
投資の原点なのかもしれませんが、
投資に期待する姿勢は、「儲け」の追及ではなく、
「応援」の連鎖なのかなということです。

「儲け」が先行するから、
見通せない未来も周りの市場参加者にも不安を覚え、
それが敵にみえてきたり、
気まぐれな相場と隣合わせであるから、
それをうまくやり過ごそうとして、
結果として勝ちを追求するから戦術的な攻める/守るとか、
勝負に出るといった考えが先行するのだと思います。

しかし、「応援」が先行すると、
見通せない未来は期待や夢という楽しみとなり、
気まぐれな相場は時に応援の機会を与えてくれるドラマであり、
市場参加者も一部の投機家などを除くと
同志としての仲間に思えてきます。

もちろん、慈善活動をしているわけではないので、
リターンによる「儲け」を度外視するわけではありません。
基礎的なリスクとリターンの関係を踏まえ、
自分が受容できるリスクを推し量り
(現金比率や特定銘柄の比率偏重など)、
応援に値するバリュエーションであるかとか、
継続的な安定成長が期待できるビジネスモデルを有しているかなど
当たり前の評価に照らす必要性は論じるまでもありません。
その上で、投資判断の最後のプロセスで今までは
目標株価まであと何%のギャップがあるという視点から
期待リターンをある程度定量的に想像する思考でした。

このプロセス自体は否定するものではありませんし、
実際、このような定量的思考は基本としてとても大事だと思います。
これからも絶対続けていくべきものだとさえ思っています。
しかし、より重視すべきなのは、「応援」をし続けられるか否かの
自分の中の強い会社に対する愛着のようなものの有無なのかなと
感じるようになりました。

このような想いが強くなれば強くなるほど、
定性的な精神論に傾倒してしまうわけで、
それを意識的に定量的・客観性を持つように自分自身を促すことが、
冷静な投資判断に資すると考えてきました。
情の介入を出来るだけ排除する意味でも
精神論ではないよう配慮をしてきたつもりですし、
それがパフォーマンスを大きく育てるという点においては、
良い効果をもたらしてくれるものなのかもしれません。
しかし、自分がより理想とする長期投資家として、
(自分が求めるレベルの)そこまで高くない利回り運用を求めていく上では、
もう少し定性的で情に係る部分にも目を向けることが
肝要なのかもしれないと思い始めているところです。

そのビジネスは儲けられるのか、
それがひいては自分の儲けに繋がるのかという世界では、
常に競争という敵が存在し、それにどう勝つかを見出す戦いです。
この良い意味での競争は切磋琢磨していく意味で、
ビジネス上でも投資家としても歓迎するべきことだと思います。
しかし、私の投資家として目指すべき方向性として
勝てるビジネスを発掘し、投資家としてより強く勝てる姿を求めるというより、
永続的な安定成長ビジネスを有しつつ、
野心や哲学のある経営に敬意を示すことが出来て、
今後の展望と成長、想いを共有することに喜びを感じる姿を求めているかなと思います。

私は不勉強なのでこのような思考はどなたかが唱えている姿なのかもしれませんし、
どなたかが全面否定している姿なのかもしれません。


とても平凡な考えでいまさらということかもしれませんが、
私の投資家としてのひとつの方向性として、
多くの方があまり重視されないと認識している、
会社の理念だったり経営者のマインドだったりをより深堀りして、
「応援」し続けようと真に思える会社を発掘していきたいし、
末永く付き合っていきたいなと感じています。


今後の投資方針を掲げる上で、
少し自分の中で「変化」を感じつつあるため、
自分の思考のメモのために記事にしました。

かなり漠然としている頭の整理のような記事で恐縮です。



コメント
この記事へのコメント
今回のブログは非常に深いですね。
儲けの追求という考えと、応援というのは対極にある気もしますし、とはいえ実は似通っている部分もある気がします。
私個人は、投資の基準の一つに「好きと思える企業に投資する」があるので、どちらかと言えば応援寄りの投資家だと思いますが、まるのんさんほどの境地には達していないですねー。何というか儲けを得たくて株を始めたので、儲けの追求をやめるのは難しいというか。
投資のような世界では、確固たるポリシーがある人ほど満足の行く結果や満足の行く思考回路に到達できるのでしょうね。
長文&まとまりのない文章失礼しました。
2017/07/03(月) 22:14 | URL | ありだん #-[ 編集]
>ありだんさん
こんにちは、ありだんさん。
いつもコメントを頂きましてありがとうございます。

まだ自分の中でもあまり纏まっていない(いつも(笑)?)のですが、
自分が大事と思う視点は大事にしていきたいと思いますし、
その思考のレイヤーを重ねることで、
より厚みがある指針が定められてるものと考えています。

「好きと思える」というのは本当に大事だと思います。
たとえいくら儲けられそうなビジネスを保有している企業だとしても、
例えば経営者の言動に信用がおけないとか、
従業員が疲弊しているとか、
好きと思える要素が欠けると、
私は大いに評価を下げてしまいます。
これによる機会損失もありますが、
それは自分の中で納得感が伴うんですよね。

もちろん、私も儲けの追求をやめるというところまでの
境地には至っていませんし、
突き詰めて考えれば、儲け度外視なんてことはありえないと思います。
やはり適正な儲けは求めていくものだと思いますが、
その前提として儲け第一というより、
応援する結果として一定のリターンは得られそうなところへ
投資をしていくということだろうと思っています。

儲け度外視なんていう境地は、
もう相当の資産を形成された方が、
慈善活動のつもりでやっていることであればありえるかもしれません。
少なくても私は、今から資産が1000倍になれば
そういう境地に立つことがありえるかもしれませんが、
今の目標利回りやそれに準拠した手法では
可能性はゼロに等しいものと考えています。

投資の世界では目的や重視することが人それぞれです。
多くの人が高いパフォーマンスをあげることが
第一ですし、それは当然のことだと思います。
私も高いパフォーマンスを求めたい気持ちがある一方で、
納得感というものを大事にしたいと考えています。
機会損失になったとしても果実を得ることになったとしても、
自分の中のしっくり感のようなものに嘘はつけません。
私はまだ投資ポリシーのようなものが緩いわけですが、
そういう思考を重ねていくことで、
少しでも納得感のあるポリシーを
確立出来るようにしたいと思っています。

こういう内容にコメントを頂けることは、
大変嬉しく思いました。ありがとうございます。







2017/07/04(火) 08:05 | URL | まるのん #-[ 編集]
安く買って高く売るという事を目指す場合、自分が売ったその高値で買った人は、損をする事になります。
つまり、その人を負かす事で自分が利益を得る事になるので、他の投資家を、勝負をしてる敵と見る発想になる。

自分が高値で売った時に、その買った人も、損をしないトレードを目指すべきだと私は考えてます。

若いサラリーマンは、リスクが取れるので、成長するか分からない新興企業に投資できる。
100店舗の飲食が年20店舗出店したり、100人の派遣会社が年20人社員を雇用すれば、年20%成長ですが、数年後に中堅企業になって1000店舗や1000人になると、年200店出店、年200人雇用は難しく、低成長になる。その時に、企業は利益の全額を投資に回す必要がなくなるので、配当を出し始める。
若者は、そうなった時に、高値で、配当狙いの年配の投資家に株を売れば、誰も損をしません。
これが理想的な株式投資のサイクルの基本でしょう。

例えば、サクセスホールディングスは、今年、配当を出しません。保育施設の需要が強いので投資に回す為です。こういう企業の株を買うべきだと私は考えてます。
企業内保育所は絶対に増えていくし、増えていくべきなので、応援してます。
一度契約すれば、他社に、企業内保育所の運営を切り替えるケースは、考えにくいので、投資回収フェーズに入れば、人件費増もこなした利益を計上し、安定配当の企業になると思われます。

まるのんさんのPFでは、ホクリョウを応援してます。農協のシェアが低下する事は、確実ですが、代替となる企業が、他には見当たりません。将来的にはMMJと合併して、巨大反農協企業となる事も妄想します。

それに比べたらステップは、社会に必要な感じがいまいちしません。

エコミックは、社会に必要だと思うんですよね。障害者雇用は増えるので、リタリコも良いのですが、介護しつつ働いたり、ニートの労働力を発掘したり、生活保護受給者を働かせたり、という事は増えるでしょう。
人口が減る中で、労働時間を増やしたら過労死が問題になった。つまり、労働者数を増やすしかないからです。
その社会で必要とされそうなのは、給与計算代行のエコミック。
もしくは、労働基準監督所の代行業務を行う可能性の出てきた社労士を支援する企業エムケイシステム。

私は、こういうスタンスです。
参考になれば、幸いです。
2017/07/04(火) 13:58 | URL | 神奈川在住 #wLMIWoss[ 編集]
>神奈川在住さん
こんにちは、神奈川在住さん。
長文に渡り、コメントを頂きましてありがとうございます。

私は自分が売却した時、その後の方のことまでは全く考えていませんでした。
ですので、冒頭に書かれていることは新鮮な視点でした。
自分が売った後、それを買った人も損しないトレードを目指すというのは、
なかなか私にはそこまで及ばない視点でしたし、
理想としては今でも理解出来ますが、
ではどう意識すればそういうことを目指せるのかまでは
まだよくわからないというのが率直な印象です。

高成長から低成長にシフトし、還元姿勢を持つ銘柄へ
徐々に銘柄の特徴も変わる中で、
保有するスタンスの違いにより株主となられる方の層も変わります。
ですので、それが記載頂いた年齢層だけで単純化できるかはともかく、
そのようなサイクルがある事は認識しています。
市場参加者がwin-winになることは理想ですが、
長期投資以外はゼロサムのような形態なので、
どうしても短期になればなるほど、
企業成長の享受という意味で皆がハッピーという状況から乖離し、
誰かが損をする構図というのは避けられないかなと思います。

ホクリヨウはMA戦略が奏功し、
拡販出来る体制が構築できると強いだろうなと思います。
鶏卵相場の浮き沈みに一喜一憂したり、
飼料価格の足元の動向で株価が乱高下するのは残念でなりません。
(気にしなければいいだけですが)
ただ、ホクリヨウは経営の顔が見えない、
というか私が札幌まで赴いて総会に出ていないこともあり、
イマイチ経営者として応援したい人なのかどうかの実感が伴わないので、
どうしても主力まであげられていないのが実情です。
IR担当の方とは何度かお話をしたことがあり、
紳士的に対応頂いているのですが、それだけでは推し量れず、
強烈な何かが欲しいんですよね(笑)。


ステップは社長の現場主義だったり、
教員の正社員化だけでなく、
その目指すべき教育の在り方やその先に見据えている
No.1志向が私は気に入っていますが、
一方で教育というのは特にうわべで飾りやすいものでもあるので、
その辺も見極めながら比率を上げるのか上げないのか判断したいと思っています。
ただ、社長のコメントや教員としての正社員の満足度を
Webという限られた情報源から察するに
一定の評価はでき、もう少し比率はあげてもよいかなとは
考えているところです。

神奈川在住さんにとっては魅力が感じられないというのは、
以前にもコメントを頂いた通り、
そもそも県内の潜在成長率が頭打ちであるという
構造的な部分にも目をむけてらっしゃるからなのかもしれませんが、
私は神奈川県内のドミナントであってもまだ数年は余地が広がっているものと
認識していますので、特に見立ては変えていません。


エコミックにどこまでの余地を期待するかは様々だと思いますが、
外部環境として記載頂いた状況であることは私も同感です。
それが同社の給与計算代行というビジネスモデルでうまく
捕捉していけるテーマなのかというのと、
そういうホラ吹き要素も含めた大きな展望を抱いているとしたら
見どころがあるなーと感じます。
限られた情報からだけだとそういう側面に特記すべき内容が認識できず、
(これは私の努力不足も要因だと思いますが)
なかなか他の企業と棲み分けが難しいと捉えています。

なお、リタリコはそういう意味では大きな共感すべきビジョンがあるな、
と思っています。とても良い会社だと感じています。
社長を始めとした経営者や社員の方に触れるとよりそれが強くなるかもしれません。
そういう共感のようなものがあれば、
今では買えない水準という評価も変えられるかもしれません。
ただ、そうはいっても高PERを安易に許容は出来ませんので、
結局指を咥えて応援するだけになってしまいそうですが、
それはそれで仕方のないことだとも思います。

エムケイシステムも良い会社だと思います。
私も一時期保有していましたが、
うまく売買のタイミングが合わず、
今ではPFから外してしまっています。
株主総会でも社長さんなどの対応もまぁまぁよかったようですし、
今後機会があれば、セミナー等に出てもらい、
直接お目にかかりたいな、と思っています。

スタンスについても視点にしても人それぞれですので、
神奈川在住さんのような視点も共有して下さり、
私の中で新鮮だなと思いつつどう取り入れたらいいだろうと思う側面があったり、
全くもって共感という部分もあったり、その逆もあったりと様々なですね。
しかし、こういうことを共有して私の思考を巡らすヒントを与えて下さるコメントに
感謝を申し上げたいと思います。

いつもありがとうございます。
また今後も、よろしくお願いいたします。

2017/07/04(火) 20:04 | URL | まるのん #-[ 編集]
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