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【決算精査】 3276_日本管理センター(17年12月期_1Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング


ついこの前、新中計を開示したかと思ったら、
もう1Q決算なんですね。

中計で成長率を下方修正した直後で、
いきなり減収減益決算になるものと想定しており、
理由は明白でありながらも、
印象が悪く悲観されるのではないかと、
楽しみなような、怖いような気持ちで
決算を迎えました。

前1Qでは大型物件の売却の数値が計上されており、
その分が今1Qでは剥落することから、
大幅な減収減益決算を想定していたわけです。
特に利益については、2割から3割程度の大幅減益を想定しておりました。
ところが、売上はかろうじて増収を維持(0.8%増収)し、
利益もわずか5%程度の営業減益、
当期純利益に至ってはわずかではありますが増益着地となりました。
(このあたりもマエストロ効果なのでしょうかね、いやたぶん偶然だと思いますが(笑))

月次の管理戸数の推移も伸長鈍化という状況は理解していたのですが、
出てきた財務数値は、想定以上に強い数値であることに驚きました。
と同時になんでだろう、と疑問も湧いてきます。

中身を見ても限られた情報なのでよくわかりません(笑)。

サブリースの管理受託は堅調に推移しているようで、
入居率向上維持にも努めたようです。
但し、入居率が何%なのかはっきりとは記載がありません。
入居が進む上期にどれだけ入居率を高め、維持できるかが
ポイントなので、上期末では入居率も含めた説明資料が
開示されると思いますので、動向をチェックしたいと思います。

また直近で、各種パートナー企業の獲得がやや軟調推移だったのですが、
1Qではだいぶ回復しました。
これは成り行きというより、少し新規獲得に舵を切った成果だと思います。
マエストロのタクトがそのように機能させたということかなと思います。

今期から立ち上がっている家賃滞納保証については特に言及はなく、
まだ数値に寄与出来る程まで規模がないのでしょうが、
いずれにせよ、直近の伸長の状況については、
管理戸数の軟調さとは対照的です。

各事業や数値を見てみると、それぞれに強弱が見てとれます。
その上、今後の動向として、
不動産への警戒感がより強まっていることで、
銀行融資の姿勢の変化などにも影響が出ており、
この動向やその結果として
同社への影響がどう出てくるのか、
それに対してどう対処されるのかを注目していきたいと思っています。

個人的には、銀行融資が厳しさを増すことは、
長期的には同社の経営にとっては追い風なのではないかと捉えています。
なにより不動産からファイナンス企業へと布石を打っていることもあり、
よりそう思うのかもしれません。

ハウスメーカー系が建てる理屈で市場を牽引していたわけですが、
融資の引き締めという金融面からのプレッシャーだけでなく、
様々な面からプレッシャーがかかってくるでしょう。
そうなると今までの理屈が通らなくなってくると思われます。
当然、同社にも影響はあると思いますが、
逆にそれで管理を委託したいとか、
家賃保証を付加したいとか、
今まではイケイケドンドンであまり顕在化していなかったニーズが、
顕在化されて同社のプレゼンスが改めてじわりと評価されないかなと、
甘い期待をしているところです。

実際には不動産へのマイナスインパクトの影響は不可避なので、
相応の影響を受けるかもしれませんが、
長期目線ではシナリオへの期待は不変です。

業績面で見ても、会社側概ね想定通りの状況ということですので、
総合評価についても想定通り「3」とします。



2.定量数値の確認



(1)売上の推移

◆1Q累計
3276_日本管理センター(17年12月期_1Q累計)売上推移



◆1Q単計
3276_日本管理センター(17年12月期_1Q単計)売上推移


前期1Qで大型不動産売却による収入が約6億ありました。
従ってこれを除くと前期実績は93.2億程度だったものと思います。
それに対して、大型物件の販売のなかった今期の実績は、100.1億です。
ですので一過性の前期底上げを排除してみると概ね7.3%程度の増収だったことになります。
上期の予想増収率は6.4%増収ですから、計画線という視点からみればまぁそんなもんではないでしょうか。


(2)利益の推移

◆1Q累計(営業利益)
3276_日本管理センター(17年12月期_1Q累計)営業利益推移



◆1Q単計(営業利益)
3276_日本管理センター(17年12月期_1Q単計)営業利益推移


前期の大型物件の売却は、
利益率が高かったものと認識しているのですが、
今期実績の利益率もそれに肉薄するレベルとなっており、
営業利益の状況も問題ないかなと思います。



◆1Q累計(純利益)
3276_日本管理センター(17年12月期_1Q累計)純利益推移



◆1Q単計(純利益)
3276_日本管理センター(17年12月期_1Q単計)純利益推移



純利益ベースも特に変わった点は見受けられません。



(3)上期予想について

上期予想から2Q単の予想を逆算しています。

今2Q単 予
売上   :10,861百万円
営業利益:  612百万円(5.6%)
純利益 :  412百万円(3.8%)

前2Q単 実
売上   : 9,688百万円
営業利益:  498百万円(5.1%)
純利益 :  330百万円(3.4%)


前期実績から見ると12%増収、23%営業増益となり、
やや上期予想達成に懸念もあるかなという印象ですね。
ただ、だからといって何か構造的に問題が生じている兆候は見て取れず、
仮に前期のように上期時点で多少未達になったとしても、
構造的に問題がなければ通期ではきちんと着地させる可能性が高い点は、
これまでの実績を見ていると懸念はありません。





(4)月次指数

月次指数として、
ストック性収入の基盤となる管理戸数と、
今期から新たに家賃滞納保証件数が開示されています。

◆管理戸数
3276_日本管理センター(17年12月期_1Q)月次管理戸数推移

綺麗な右肩上がりの推移で近似線も美しいですね。
ところが、今期に入った位から、
この近似線を割り込み明らかに
トレンドが変わってきていることがわかります。

これを見た一次的印象は、あぁそろそろ成長鈍化してきたな、
そろそろ限界なのかな、ということです。
しかしもう少し色々妄想を広げてみると、
この会社の経営手腕を想定した時に、
打つ手なくしてこれを許容しているとは思えません。

新中計のCAGRを下方修正し、新たな成長種まき期間と位置付けて、
ファイナンスや周辺系ビジネスなどへ進出をしています。

にわとりかタマゴかみたいな話ですが、
このような管理戸数の状況になることを見据えて、
新たな領域へリソース配分をしているのか、
新たな領域へ配分したからこそ、管理戸数の獲得リソースを無理に追わないことから、
このようになっているのかわかりません。
ですが、意識的にこのようにコントロールされているのではないかなと思えてきます。

月次管理戸数は、そもそもオーナー側のマインドに大きく影響しており、
需要が高くオーナーサイドが強気の時には敢えてオーナーは管理をアウトソースしませんし、
新たな投資に意識が向きます。ですので、管理戸数の受託よりファイナンスや
デポを含めた建設投資にフォローする所を厚くしているものと思います。
一方で空室リスクがより台頭してオーナーマインドに変化が見られた時には、
絶妙なマエストロのタクトにより、リソース配分を調整することで、
いかようにもなるということかなと思います。

単に右肩上がりが鈍化したと表面的に見るのか否かによってみえてくる景色が違うように思います。
ただ、とはいえ、伸長が止まっていることは事実なので、
あまり楽観せず、会社を過度に過信し過ぎずにモニタリングは継続していく必要がありますし、
今後の数値の出方によっては細かくIRにも確認しながら、
一緒に成長に夢を託したいなと思っています。



◆家賃滞納保証件数
3276_日本管理センター(17年12月期_1Q)家賃滞納保証件数推移


家賃滞納保証件数の伸長は立ち上がりということもあり凄まじい勢いですね。
それだけニーズがあるということなのでしょうか。
まだこの数値をどう評価、分析すればよいのかわからないのですし、
どの位の利益率でやっているものなのかわかりませんので、
もう少し様子見ですかね。


(5)パートナー企業数

同社は全国各地のパートナー企業との協業が
成長の礎にもなっているため、その推移にも注目しています。

3276_日本管理センター(17年12月期_1Q)パートナー企業推移


足元の不動産市況がやはり売買活況ということもあってか、
イーベスト事業のパートナーを含む不動産系の伸長が大きいです。
建築系は既に相応の規模があるのか、伸長はマイルドです。
それから絶対数では未だ少ないわけですが、
介護系パートナーも伸びてきています。
ここは今後ふるさぽの拡大も期待されるところであり、
大変楽しみだなという印象を持っています。



3.IR照会

計画通りということですし、特に違和感はありません。
細かく色々知りたいこと(入居率や家賃滞納保証ビジネスの状況など)はあるのですが、
まぁもう少し様子見でいいかなと思います。


4.株価推移

株価の動向ですが、想定PERを元に仮想株価を引いた表は以下の通りです。

3276_日本管理センター(17年12月期_1Q)株価推移


赤色が買い、青色が売りです。
こうやってみると下手くそな売買ですね(笑)。
まぁそれは嘆いても仕方がないので横に置いておくとして、
やはりPER16倍を割れているので、買い増したいところですね。
ただ、保有比率もそれなりに大きくなっているので、
悩ましいところですね。


目標株価ですが、
特に変更はありません。

・想定EPS(19.12期)
91.52×1.15×1.15≒120
・評価PER
22倍
・目標株価(20.3期想定)
120×22=2640円 →時価総額想定 約254億(現状502億)

というわけで、2~3年で株価は倍になる想定です。
EPSの成長はなんだかんだでその水準にいきそうですが、
PERがそこまで再評価されるかは正直わかりません。
今のPER16倍でも2000円近くとなるので、
利益成長分の享受だけでもまぁ最悪いいかなと思っています。




5.さいごに

不動産銘柄としてみると、
今のPER16倍はそれなりに評価されていることになりますが、
やはり魅力的な株価水準だなと感じています。
(決して買い煽りではありません、リスクも相応にありますから)

会社のコミットメントが強くその中で成長種まきをしながら、
15%成長を継続するという姿勢、
またその中でROE40%水準という高いレベルの維持や
配当利回りも3%程度があるわけですからね。

不動産市況の変化にも管理と売買とファイナンスと
多様性をもって対応出来ます。
但し、だからといって影響を受けないわけではなく、
相応のリスクは存在しているわけですが。

今年はどうしても家の用事で
株主総会に出席できず、
経営層の皆さまにお話を伺い勉強する機会がなかったのが残念
帝国ホテルのサンドイッチ?が食べられなかったのが残念
だったわけですが、今後もきちんとフォローしていきたいなと思っています。




~なお、当記事は私の主観に基づき記載されていますので、
投資判断をされる際にはご自身の尺度で十分検討を行って頂くようお願いします。~


コメント
この記事へのコメント
こんばんは。

いつもブログ拝見させて頂いてます。

突然ですいません。目標株価の計算の中で成長率1.15(15%)を2回掛けてるのは何故ですか?
(・想定EPS(19.12期)91.52×1.15×1.15≒120)

まだ初心者なので、愚問でしたらすいませんm(__)m
2017/05/20(土) 22:43 | URL | kz #GbhemQyo[ 編集]
>kzさん
こんにちは、kzさん。
いつもブログをご覧頂いているとのこと、
ありがとうございます。
また、コメントを頂きまして嬉しく思います。

ご質問の件ですが、
こちらの記載がわかりにくくて申し訳ありません。


まず私の目標株価の算出方法ですが、
2年から3年後を見渡すこととしています。
日本管理センターの場合は、12月決算ですので、
今回の記事での算出では、19年12月期を想定することにしました。
(現在が17年12月期進行中なので、2年~3年後という事になります)

19年12月期のEPSの算出方法ですが、
17年12月期の予想EPS(91.52)をベースにすることにしました。
(自分の想定と異なる場合には、16年12月実績EPS基点にしますが、
同社の場合、予想信頼性が高いため予想を採用しました)

さて、2回乗算している理由とのことですが、
それは2期進行するからということになります。

17年12月期 EPS 91.52
18年12月期 EPS 91.52×1.15≒105
19年12月期 EPS 105×1.15(=91.52×1.15×1.15)≒120


イメージでいえば以下のような感じです。


17年12月期 → +15% → 18年12月期 → +15% → 19年12月期


ちなみに+15%を採用したのも、
会社中計の信憑性が高いと判断しているためです。



すみません、あまり説明がうまくなくてすみません。
もし上記説明に誤りや不明点がございましたら、
遠慮なく、ご指摘等頂ければと思います。




2017/05/21(日) 22:34 | URL | まるのん #-[ 編集]
こんばんは。

ご回答ありがとうございました!

>2回乗算している理由とのことですが、それは2期進行するからということになります。

理解できました。理論株価の計算方法を勉強していまして質問しました。
自分も成長率を2乗したりして計算してます。
しっかり見れば理解出来そうな事なのに...まだまだ初心者&勉強中なものですみませんでした。

色々な計算方法があり、どれがBESTなのか迷ってしまいますw。

また何か質問した際には、よろしくお願いします。
2017/05/22(月) 19:50 | URL | kz #P/yuRyQg[ 編集]
>kzさん
こんにちは、kzさん。

私の皮算用について、ご理解頂けたようで、
嬉しく思います。
わかりづらい表記となっていて失礼いたしました。

私は各銘柄に目標株価なるものをイメージして、
それを一つの目安として売買判断にも活かしていますが、
まだ到底しっくりきていない部分もあります。

理論株価という存在についてもいえることですが、
「理論」や「目標」は万人にとって標準ではないわけです。
捉え方や自分のバックグラウンドなどで
それぞれの評価も各自で変わるものですから、
画一的な判断は難しいわけで、
それが時価にブレを与えているわけです。

もし理論や目標が定量的にコンセンサスがあって、
それが浸透すれば株価はただそこに収斂していくだけですからね。

kzさんも様々な計算方法があり悩まれていますし、
私もどのように評価すればよいか、
いつも悩ましい気持ちなわけですが、
その不確実性というか見通せない中でリスクを受容するから、
そこにリターンがあるものと理解しています。


よく理論株価は、資産面で算出されることが多いですね。
BS上の資産(主に当座に該当する部分)から負債を割り引いて、
資産価値を算出したります。
そこに事業価値として、数年後のキャッシュフローを
現在価値に割り引いて算出してトータルの価値を理論株価とみる、
これが一般的な気がしますが、結局将来キャッシュフローを想定せねばならず、
だからといって、資産価値だけで評価するのもザックリし過ぎてしまいます。


結局ベストな算出方法などないため、
定量的にはざっくりと見通して、
あとはそれを定性的に捉えて、
数年後の期待する姿を実現出来るか否かを深堀していくしかないかなと思っています。

取り留めのない自分の頭の整理のような返信になってしまいました。

私は財務的に投資手法としても、
全く特技とか難しい知識は持ち合わせていません。
その上、経験も浅いため、kzさんに有益かどうか
自信もありませんが、もし何か疑問に思うことがあれば、
ぜひ、ご指摘やご質問を頂ければ幸いでございます。


今後も、よろしくお願いいたします。
2017/05/22(月) 22:39 | URL | まるのん #-[ 編集]
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