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【決算精査】 3929_ソーシャルワイヤー(17年3月期_4Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング

3Q決算時に前期業績を下方修正をしましたが、
その見通しに対しては売上はややショートしていますが、
利益はそこから上回る結果となりました。
4Qにだいぶ頑張った印象を受けました。
ただ、売上はほぼ計画線ということで、
どちらかというと経費の効率化が主体の印象です。

前期の下方修正並びに成長が横ばいとなった要因については、
3Qの時に十分精査をしていますし、
IRにも照会をして判断しています。
結論として、事業構造に何らか毀損しているとは判断しておらず、
まぁちょっとやらかした(経費コントロールの部分で)という程度の認識ですから、
特にこれ以上言及するつもりはありません。

今期の予想については、2桁の増収増益基調へ戻るものとなっており、
概ね想定通りの数値内容です。
しかも前期の下方修正の反省からボトムアップで数値を作り、
保守性を考慮したもので策定したいということをIRから聞いているので、
実際にどこまで真摯に作成されたものかは興味があります。
(だからといって、正面切ってIRに確認すうような野暮なことはしませんでした)

また数値の前提となる指標ですが、
ニュースワイヤー事業における未使用チケットの残高の伸長や、
インキュベーション事業の国内稼働席の増加(増床効果)をみると、
増収トレンドはこれでもやや保守的ではないかとさえ思います。
いずれにせよ、主要2事業の状況は色々な課題(価格設定等)があるにせよ、
状況はとてもよい状況にあると感じられます。
あとは景況感が高止まりになっていたり、
オフィス空室率が低くタイトな状況にあることなど外部環境も
追い風になっている状況なので、
これが反転する可能性は常に念頭に置いた上で、
今後の成長継続がみられるかをモニタリングしていくことになると思います。

18年3月期の数値面の見通しは概ね四季報ラインでもあり、
概ね想定通りのガイダンスにみえます。
定性的な情報としては、ニュースワイヤー事業で大企業の獲得とあり、
これは何か見込みがあってのことかと気になっています。
そもそも大企業でこういったアウトソースのニーズがあるのか否か、
まだよくわからないでいますが、事業の安定性という点では期待されます。

この他、運営効率の向上やビックデータ分析といった
キーワードは具体的にどのようなものか興味があります。

前期の下方修正は残念ではありましたが、
概ね自分の想定通りの状況のように読めますし、
今後が期待される内容に感じました。
指標面で高PER状態となっているため、
この程度では目先の株価は失望ということになるかもしれませんが、
私の評価としては想定通り「3」の評価となります。



2.定量数値の確認

既にあまり論点がないことが見通せたのですが、
一応本決算ですので、
前期実績について確認しておきます。


(1)売上の推移

◆4Q累計
3929_ソーシャルワイヤー(17年3月期_4Q累計)売上推移



◆4Q単計
3929_ソーシャルワイヤー(17年3月期_4Q単計)売上推移


売上だけを見ていると増収基調が明確であり、
かつ後述のセグメント情報で見ても、
主要2授業が共に順調に推移しており、
安心出来る内容と感じます。



(2)利益の推移

◆4Q累計(営業利益)
3929_ソーシャルワイヤー(17年3月期_4Q累計)営業利益推移




◆4Q単計(営業利益)
3929_ソーシャルワイヤー(17年3月期_4Q単計)営業利益推移


前期の1Qと3Qの落ち込みにやはり目がいきますが、
1Qは人材投資の先行部分が顕著に出たもので、
ここは会社の当初計画通りだったと思います。
やはり想定外だったのは3Qで2Qで先行投資の効果が見え始めて、
それが最大化すると思いきや、そうならなかったことに加えて、
販促費を積み増したり、一過性費用の計上などの影響が重なったことで、
このように見えています。
4Qではとりあえず回復しているので一安心ですが、
その効果のひとつとして販管費の抑制が奏功しているため、
それが継続的なものか、一種の緊縮財政によって一時的に利益化出来ただけなのか、
成長投資と緊縮による抑え込みの効果との狭間で、
まだ楽観はできないとも思います。




◆4Q累計(純利益)
3929_ソーシャルワイヤー(17年3月期_4Q累計)純利益推移



◆4Q単計(純利益)
3929_ソーシャルワイヤー(17年3月期_4Q単計)純利益推移


貸倒引当金の計上がある分、
更に純利益ベースでは減益傾向が強まっていますが、
このこと自体は別にふ~んという感じです。
下方修正時点で認識していますので、今更騒ぐものではないと思います。


(3)今期予想について

前にIR照会した際に、
反省の弁として計画精度の向上、特にボトムアップで積み上げ、
保守性にも考慮して・・・とのことだったのですが、
それが今回の開示にどの程度反映されているかは気になります。

その上で、先行指標であるチケット残高の状況などを見ると、
増収率としてはもう少し上があるのではないかと感じます。
この辺りにも保守性を重んじられているのではないかなと
根拠なく漠然と感じます。

今期予想の前期比だけみると、
営業利益ベースで見ても22%増益で、おっ!となるのですが、
前々期からの伸長でならしてみると10%程度となるので
やはり短期的にみれば少なくても今の高PERを許容出来ないかな、
そんな風に感じているのが、私が今の比率に落としている所以です。
長期の期待感は依然高いので、
本当はもう少し比率を上げたいのですが、
やはり今の方針等に照らすとなかなか思い切れません。


定性的な情報としては、決算説明資料P22に注目しています。

ニュースワイヤー事業の大企業顧客の獲得ですが、
大企業は大企業というだけで発信力があることが多いため、
そもそもこのサービスにニーズがあるのかどうか。
大企業の発信力に勝るなにかが同社のサービスに潜在力があるということか、
単に大企業取れればいいなのノリの延長で書いているのか、
この辺りは気になるところです。

また前期で価格設定や前売り構造など色々運営に変化を与え、
試行錯誤したわけですが、その効率性を向上させることを掲げています。
まだまだ効率性を向上させる余地はあるということでしょうし、
そのためにビックデータをAIで処理することにあよる可能性もあるということでしょうか。
具体的な施策のリリースが待たれます。

インキュベーションは良と質の両面での付加価値向上が謳われています。
増床効果を狙うということは、それだけ引き合いがあるということなのでしょうが、
同社は既存の稼働率が70%程度を維持出来る事を増床判断の目途にしていると記憶しており、
増床させるということは、開設済の稼働率を向上させる必要があります。
そのためには差別化要素を明確にして選ばれるものにする必要があります。
翻訳サービスを足掛かりに様々なオプションを今後付加して、
不況耐性にも立ち向かえる構造構築に期待したいです。


また短信を読むと、インキュベーション事業で、
国内で契約見込みの確度が高い案件も含めた算定の結果、
大幅増を見込んでいるようです(海外は微増)。
単価は同水準ということで、では大幅増となるはずなのですが、どうなるでしょうか。


中期で見ていくと、まずは今期予想がどう進捗するかなのですが、
いずれにせよ、今の高い株価水準を考慮すると、
なかなか評価が難しいと感じます。
一方長期でアジアBPOプラットフォーム企業としての成功を視野に入れると、
今の取り組みはまだまだスタートラインに立っているにすぎません。
この辺りをどこまで織り込むかですが、今後の行く末を見守りたいと思います。



(4)セグメントの状況

セグメントの情報は決算説明資料にわかりやすく
記載があります。

◆ニュースワイヤー事業
3929_ソーシャルワイヤー(17年3月期_4Q)ニュースワイヤー事業

ニュースワイヤー事業の推移を見ると右肩上がりのトレンドを継続していますし、
未使用チケット残高も急伸しています。
セグメント利益も回復傾向にありますから、
今後の推移が楽しみです。



◆インキュベーション事業
3929_ソーシャルワイヤー(17年3月期_4Q)インキュベーションー事業


インキュベーション事業では新設によるコスト増で一時的な落ち込みがあります。
今後も同様のことが断続的に起こりえると思います。
また国内稼働率が下がっているのも、増床の影響によるものなので、
今後はこれが再び向上していけるかをみていくことになります。
そうなればまた増床余地が出てきてよいスパイラルになります。
但し、類似サービスもありますし、オフィス空室率など低位に推移しているものの、
今後はどうなるかわからないということも念頭に置いておく必要もあります。



3.IR照会

現時点ではIR照会は実施していませんが、
今後IR説明会も行われるようですので、
その参加も含めて検討したいと思います。



4.株価推移

株価の動向ですが、想定PERを元に仮想株価を引いた表は以下の通りです。

3929_ソーシャルワイヤー(17年3月期_4Q)株価推移


私の保有銘柄で同チャートをプロットすると、
ほぼ予想PERを元にした仮想株価のトレンドは右肩上がりになりますが、
残念ながら今期は減益になったこともあり、やや右肩下がりのトレンドとなっています。

やはりPER20倍は割れないとなかなか買いにくい一方でPERが30倍を超えてくると、
売りたくなるといったまた守備範囲の狭い感じになっています(苦笑)。


ちなみに、3年後業績目安を元に独自に算出している目標株価は2000円に修正しています。
なお、目標株価の算出は以下の概算で算出しています。

・想定EPS(20.3期)
60.71×1.15×1.15≒80
・評価PER
25倍
・目標株価(20.3期想定)
80×25=2000円 →時価総額想定 約55億(現状43億)


評価PER25倍は私の中では控えめに見ています。
というのも、やはり下方修正後からの立ち上がり期であり、
もう少し様子見期間が必要かなというのと、
アジアBPOプラットフォームという位置と
今の取り組みにまだまだ乖離があるようにも思い、
この辺りがもう少し具現化してくると期待感を反映して
PER30倍位までは許容してもよいかなと感じています。
ただそれは今のタイミングではないかなと感じています。



5.中計について

中期成長戦略としてGET50は従前から変わっていません。
売上50億、営業利益5-10億ですから
今期予想の売上26.5億、営業利益2.7億からみるとまだまだ
何個も壁を超えないと達成できませんね。
一応FY20に達成するような記載ぶりなのですがね。
この辺りも真意を聞いてみたいところです。


~なお、当記事は私の主観に基づき記載されていますので、
投資判断をされる際にはご自身の尺度で十分検討を行って頂くようお願いします。~


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