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【決算精査】 9090_丸和運輸機関(17年3月期_3Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング


外部環境として、燃料費や人件費の上昇という中において、
天候不順による影響やインバウンド需要の落ち着きを背景として、
同社の主要顧客である小売業においても頭打ち感が出ています。

このような中でセンタ新設や低温物流への進出など、
積極投資を進めている中で、
業績面では一時的に停滞もありうるのかなと考えていました。

直近の株価も冴えない動きで、
株価は先見性があるともいわれているので、
よりその懸念が脳裏に大きくなりつつ、
そんな不安に右往左往しないようにと言い聞かせて、
当然持ち越して決算を迎えました。


第一印象で売上は問題なし、
利益は3Qという繁忙期にしては
利益率が伸びず3Q単で見ると減益となる
微妙な内容と感じました。


とはいえ、そもそも同社への期待は今期の業績達成可否でなく、
中計に向けて低温物流へのシフトの成果だったり、
マツキヨ向けの高度化への対応による収益化だったりするわけです。
足元の数値をこねくり回して重箱の隅をつつくような精査までは
必要性は感じない内容ではありますが、
念のため中身を見ていくことにしました。

やはり売上は繁忙期という効果で爆発的な伸長こそないものの、
2桁の増収ということで、マツキヨの月次が冴えなかった割には、
見事な伸長だと感じました。

一方でなぜ利益率が伸びなかったか、
単なる原油や天候といった一過性というか外部要因による影響だけなのか、
何か構造的な問題が発生しているのかあたりが気になりました。

後述しますが、特に構造的な問題が発生し、
事業性瑕疵を懸念するようなこととは認識しませんでした。

感覚として2Qの計画超過で上方修正を期待する立場からすると、
足元をすくわれる内容となりましたが、
元々私は上方修正期待は持っておらず、あくまで計画線との認識でしたので、
今回も計画線で推移ということで、想定通りの内容となります。


というわけで、総合評価は「3」(想定通り)です。



2.定量数値の確認


(1)売上の推移

◆3Q累計
9090_丸和運輸機関(17年3月期_3Q累計)売上推移


◆3Q単計
9090_丸和運輸機関(17年3月期_3Q単計)売上推移


売上高については3Qでも同水準の10%を超える増収基調が継続しています。
3Qは同社の稼ぎ時の期間ですから、
ここでも2桁伸長を継続させたことは、
ビジネス拡大の基調が着実なものであるという自信にもなります。
特に同社主要顧客のマツキヨの月次は引き続き軟調な中でも、
この成果はスーパーを中心とした事業へのシフトが奏功しているともいえると思います。
売上については、特にケチをつけることはありません。
成長中の企業として、このトップラインが安定しているのはありがたいことです。



(2)利益の推移

◆3Q累計(営業利益)
9090_丸和運輸機関(17年3月期_3Q累計)営業利益推移



◆3Q単計(営業利益)
9090_丸和運輸機関(17年3月期_3Q単計)営業利益推移



利益率が思った程伸びなかったという印象です。
特に前年同期比でみるとより顕著です。

      今1Q → 今2Q → 今3Q
粗利率 11.5% → 11.5% → 12.0% (微増)
販管費率 5.7% → 4.2% → 4.3 (横ばい)
営業利益率 5.7% → 7.3% → 7.7% (微増)

      前3Q → 今3Q
粗利率 14.2% → 12.0% (減少)
販管費率 4.6% → 4.3% (微減)
営業利益率 9.6% → 7.7% (減少)


粗利率が前年同期比で伸びなかったものの、
経費削減に努めたという効果の恩恵か販管費率は減少し、
営業利益の減少に多少歯止めをかけている印象です。
しかし、粗利率が年間通した繁忙期の割には伸びていないのが主因です。

なぜ粗利率が伸びていないのかと改めて想像すると、
燃料費や人件費の高騰や新設センターへの投資先行など
思い当たる節はいくつもありますね。
ですから特に事業性の瑕疵ではないと思いますが、
念のためIRに確認しておこうかなとなります。


なお、純利益ベースでは以下の通りです。
特に言及すべきことはありません。営業利益と同様のトレンドです。


◆3Q累計(純利益)
9090_丸和運輸機関(17年3月期_3Q累計)純利益推移




◆3Q単計(純利益)
9090_丸和運輸機関(17年3月期_3Q単計)純利益推移





(3)利益の状況と今後の見通し

3Qの結果を踏まえて通期予想の実現可否を皮算用です。
(長期スパンなのであまり重要5性はありませんが)

<今期の通期会社予想>
売上 66,000百万円
営業利益 4,483百万円
純利益 2,738百万円

<今期の4Q会社予想>※3Q実績から通期予想の差分
売上 15,232百万円
営業利益 966百万円(6.3%)
純利益 276百万円(1.8%)

<前期の4Q会社実績>
売上 15,082百万円
営業利益 535百万円(3.5%)
純利益 234百万円(1.6%)


まず売上ですが、会社予想のままですと1%増収となりますが、
さすがにこれは保守的です。
ほぼ間違いなく計画は超過してくると思います。
ちなみにこれまで10%を超える前年比増となっているため、
160億には乗せてくると思います。
ちなみにきっちり10%増収だとしても16,590百万円となります。
この場合通期では67,358百万円で予想比2%程度の超過となります。
この売上が実現するという前提で利益面をみたいと思います。
実際には10%超の伸長が期待できるので、
もう少し売り上げは上にいくかもしれませんが、
ここでは保守的にということで。

16,590百万円の売上で見ると、
営業利益966百万円、純利益276百万円の利益率は、
営業利益率で5.8%、純利益率で1.7%となります。
前期では各5.7%、1.6%ですのでほぼ前期水準という事になります。

粗利率は引き続き外部環境にも影響を受けて、
前期比で悪化すると思いますが、
コスト削減施策も展開し営業利益ベースでもなんとか
照準を合わせてくると思います。

従って、従来通り、会社予想を支持していきたいと思います。



(4)IR照会

今回は3Qの利益率低下の背景や、
改めて業績見通し対比の状況確認のためにIRへ照会しました。
従来通り、私の勝手な解釈・脚色で編集していますので、
参考程度にお読み下さい。




まるのん
3Qの3ヶ月間の利益面で減速感がみられるが、
どのような経緯によるものか。
(粗利率▲2.2%)

IR
荷量の面では、天候不順等やインバウンドの落ち着きなどで、
前年比の伸長が穏やかだった点が挙げられる。
またコスト面では、物流センター立ち上げによる一過性コストの発生や、
燃料費の上昇、人件費の上昇などが挙げられる。

まるのん
新規センターの立ち上げコストについては、
直近で堺の立ち上げがあったと思うが、
その運営は想定通りに立ちあがっているか。
別センター立ち上げによる1Qでの想定超のコストが生じるような再現はないか。

IR
立ち上げに伴う物品購入などコストは生じているが、
全て計画通りであり、かつオペレーションの立ち上げも順調に推移している。
想定超のコストが生じているということはない。

まるのん
3Q実績として荷量やコスト面で様々なリスクに直面して、
対処されていると認識しているが、
会社の業績見通しに対する状況はどのような状況か。

IR
様々なリスクは発生しており、
想定内のもの想定外のものはそれぞれあるものの、
全体として計画通りの進捗となっている。

まるのん
それは売上、営業利益、純利益共にそのような状況なのか。

IR
売上は若干の予算超過ペースである一方で、
利益面ではまさに計画通りの状況である。

まるのん
通期業績予想の達成のためには、
4Q期間の前期比で大きな伸長が必要となる状況であるが、
予算達成に向けた状況は。

IR
改装や免税対応などで足元でも堅調な推移をしている状況もあり、
日次決算マネジメントをより強化してコスト面を睨み、
計画達成出来るものと考えている。
進捗も計画通りという状況を踏まえて、予想も据え置いている。


・前年同期比での比較という意味では、
 やはり前年の3Qが爆買い需要も含めて、
大変好調であったとのことで、
それが表面的な伸長率がマイルドにみえる主因にも思える。
(IR担当の方に洗脳された?)

・燃料や人財コストの上昇は見られるものの、
 特に事業そのものの変調は感じ取れなかった。

・低温物流などリソースシフトしている状況はあまり聞けなかったのが、
 IR照会における自分への反省
 (ちょっと足元の数値に特化した重箱の隅状態だったかな・・・)



(5)さいごに

株価の動向ですが、想定PERを元に仮想株価を引いた表は以下の通りです。

9090_丸和運輸機関(17年3月期_3Q)株価推移



中期的に気になっているのは、
現在のコストダウンプロセスはどこかで限度が来るので、
これに頼った利益成長はそろそろ頭打ちになるという点です。
その余地があとどれくらいあるのかは興味があるところですので、
次回の総会の時にでも聞きたいですね。

それからこれはどうしょうもないのですが、
原油価格がじわりと上がっているために、
来期計画策定時にはやや慎重になるであろうことが、
業績予想伸長が弱めに出てくる可能性を念頭に置いておきたいですね。

いずれにせよ、低PERの常連の物流業にあって、
PERは高めで評価もされているので、
高望みせずにいきたいと思います。


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