十分な教育資金と老後資金のために

【決算精査】 3929_ソーシャルワイヤー(17年3月期_3Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「2」 (☆☆☆★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング

1Qでの人材への先行投資の結果、
2Qで成果が表れ始めていましたが、
3Qでそれがより顕著になるという計画が下振れ乖離したことに加えて、
他にも子会社の貸倒引当金と為替差損の影響を織り込み、
下方修正となりました。

2Qで改善傾向が顕著でしたし、
実際計画ラインまで回復していたので、
想定外の下方修正でした。

事業の成長性に疑義が生じたかが論点ですが、
結論として特に現時点で事業性が毀損しているとは判断しません。
但し、今回の下方修正により少なくても指標面ではかなり割高感が出ており、
想定外の下方修正ということもあり、総合評価は「2」(ややネガティブ)です。
「1」でないのは、事業性に毀損を認識しないためです。


2.定量数値の確認


(1)売上の推移

◆3Q累計
3929_ソーシャルワイヤー(17年3月期_3Q累計)売上推移



◆3Q単計
3929_ソーシャルワイヤー(17年3月期_3Q単計)売上推移


売上は23%の増収とこれが救いですね(笑)。
ただもちろん人材投資の結果でもあるので、
自然体ではここまでの伸長はなかったと思いますので、
過大な評価はできません。
とはいえ、掘ればこれだけ売上を計上出来る環境があるというのは
事実なのだと認識しています。

今回の下方修正の原因元であるニュースワイヤー事業でも、
14%のセグメント増収です。



(2)利益の推移

◆3Q累計(営業利益)
3929_ソーシャルワイヤー(17年3月期_3Q累計)営業利益推移




◆3Q単計(営業利益)
3929_ソーシャルワイヤー(17年3月期_3Q単計)営業利益推移



営業利益は12%の減益です。
ニュースワイヤー事業でセグメント減益となっており、
これが主因であることがわかります。
ちなみに堅調だと評価されているインキュベーション事業は、
13%程度のセグメント増益です。

この他償却費なども嵩んでおり、更に営業利益ベースで
減益基調が大きくなっています。
EBITDAベースでは前期比横ばいですね。


なお、純利益ベースでは更に引当金を計上しており、
経常利益の10%弱の規模ですから純利益に相応に効いてきます。


◆3Q累計(純利益)
3929_ソーシャルワイヤー(17年3月期_3Q累計)純利益推移




◆3Q単計(純利益)
3929_ソーシャルワイヤー(17年3月期_3Q単計)純利益推移




(3)利益の状況と今後の見通し


2Q決算時になんとか計画射程では、と考察していましたが、
見事に裏切られてしまいましたね。
ということで、気を取り直して、残り2ケ月で修正後の予想への評価を
皮算用しておきます。


<今期の通期会社予想>
売上 2,406百万円
営業利益 210百万円(10.6%)
純利益 120百万円(5.1%)

<今期の3Q累実績>
売上 1,773百万円
営業利益 156百万円(8.8%)
純利益 85百万円(4.8%)

<今期の4Q単予想> ※上記差分
売上 633百万円
営業利益 54百万円(8.5%)
純利益 35百万円(5.5%)

<前期の4Q単実績>
売上 517百万円
営業利益 48百万円(9.3%)
純利益 32百万円(6.2%)

<今期の3Q単実績>
売上 608百万円
営業利益 50百万円(8.2%)
純利益 33百万円(5.5%)


前年同期比で22%増収、13%営業増益、10%純利益増益です。
ただ、同社の場合連続性のある事業でもあるので、
直近四半期の3Q単とも比較すると、
4%の増収、8%営業増益、6%純利益増益です。

後述しますが、IR担当者によると、
1月中旬程度まで見極めてある程度堅い数値で
修正しているとのことで、
皮算用からもまぁ修正後はさすがに着地させるかなと感じます。



(4)セグメントの状況

決算説明資料にあるのでここでは割愛しますが、
増収基調はともに変わりませんが、
利益面ではニュースワイヤー事業は想定より冴えず、
インキュベーション事業もたまたま販促期と重なって、
見た目が悪い状況となっています。


3.IR照会

まぁ想定外の下方修正でしたので、
当然電話します。
もちろん、紳士的に対応(したつもり)に努めました。
なお、記載内容は、あくまで私の理解を元に記載しているので、
正確でない可能性が高いですので、
参考程度にお読み下さいませ。


まるのん
1Qで投資したものが2Qで回復基調に乗せ、
計画線で推移していたのに、なぜ急に3Qで減速し、
下方修正に至ることになったのか、経緯を教えてほしい。

IR
ニュースワイヤー事業の想定が下振れした点と、
引当金や為替差損の影響によるものである。
なお引当金及び為替差損の影響がなければ、
下方修正基準には抵触しないものだった。

まるのん
それは記載があるので把握している。
引当金や為替差損の件は、問題視していないが、
ニュースワイヤー事業の想定下振れについては懸念を持っている。
その詳細を教えてほしい。

IR
人材投資を踏まえて2Qで回復するところまでは想定通りであったが、
3Qで効果が最大化すると計画していたものの、
実際にはそのようにならなかった。
問題の所在はいくつかあるが、
まず根本的に計画策定が強き過ぎたという点は率直に反省している。
その他、10月に単価を値上げしたが、
その価格設定も強気過ぎたものになっており、
顧客にとって手控えの原因にもなりより人材投資の効果が抑制される結果となった。
価格設定はマーケットの状況などを踏まえて慎重に検討しているものの、
今回は業績予想も価格設定も双方で過度に強気になったのがよくなかった点と捉えている。


まるのん
価格設定が誤っていたとのことだが、
そもそも同サービスの優位性が低下して、
顧客にとって魅力が低下し、顧客が離反しているということはないのか。

IR
そのようなことはなく、直ちに12月に価格を再改定したことで、
再び顧客にとって納得して使ってもらえるように戻っている。
(詳細はKPIで確認して欲しい→実際に前売りチケットは本日開示のKPIで戻りを確認)
従ってサービスの質的な瑕疵が生じて構造的な問題が発生している状況ではない。
なお、12月の価格改定(値下げ)は10月の値上げ幅よりは小さく、
10月以前よりは高い水準は維持させている。
またオプションサービスも含めて付加価値をつけることで、
単価の訴求力を追求しており、今後もきめ細かく対応していきたい。

まるのん
今回のニュースワイヤー事業は、
元々の計画精度が甘く、
人材投資に対して楽観的な数値目標になっていたところに、
更に足元の2Qで計画通りに進捗が見られたことで、
価格改定のシーンでも楽観的になったことが重なったものであり、
事業の構造的問題というより、
数値精度の甘さと価格設定の安直さが招いた事故のようなものと理解した。
次に当件反省を踏まえてどのような点に活かしていきたいと考えているか。

IR
予算策定は従来大枠の中で作成することが多く、
精度が甘かった点は真摯に反省している。
もう少し保守性も踏まえてボトムアップできちんと数値を作る体制を、
経営陣含めて検討をしていきたい。
また経費投下タイミングも今回は1Qに一括投下を行ってきた。
スピード感を踏まえたこともあるが、
やはり効果なども見ながら段階的に慎重に対応していく必要性を再認識した。
実は今回のような一括投下の経験は当社にはなく、
元々通年中途採用で徐々に補完してきていたので、
新たなチャレンジでもあったわけだが、
今後はその在り方を慎重に検討することとしたい。

まるのん
計画の保守性という話が出たが、
修正後の計画は必達と認識してよいか。
未だチャレンジングな部分を残しているものか、
策定の状況を教えて欲しい。

IR
1月半ばまでの最新の状況を踏まえて策定している。
そのため現時点で堅い数値と認識してもらってよい。


まるのん
今後のことを教えてもらいたいが、
人件費先行でそれなりの減益を強いられているが、
現状と今後をどのように捉えているか。(ニュースワイヤー事業)

IR
まず、前提としてニュースワイヤー事業も成長していないわけではない。
あくまで人材投資の規模及び強気過ぎた計画に対する未達という状況である。
先行チケットの状況も価格設定がFITせず一時的に手控えが見られたが、
即座に価格設定を見直し、再び戻りが出ている。
単価そのものも以前よりは向上しているものの、
今後も付加価値をつけていく必要があると考えている。
特に粗利率を重視しているので、その点に拘って当社サービスの
価値を認めてもらえるように努めていきたい。


まるのん
定量的な面も可能な限りで教えてもらいたいが、
今後も長期目線で応援していきたいのだが、
保守的計画ということで従来の成長想定シナリオも崩れないのか。

IR
(色々なお話を頂き)・・・
売上ベースでは20%程度の増収基調、
15%前後の増益基調を一つの目安として取り組んでいきたい。



4.株価推移

株価の動向ですが、想定PERを元に仮想株価を引いた表は以下の通りです。
なお、下方修正後の2/1の株価は反映していないのは、
恣意的ではありません、あくまで作成タイミングの問題です。

3929_ソーシャルワイヤー(17年3月期_3Q)株価推移





5.さいごに

事業性に疑義を認識しなかった点から、
全株ホールドでもよかったのですが、色々なことを考えました。

・PER指標面で割高感が台頭(PER30倍近傍)
・3年後目標株価の修正(起点が下がった事で、元の目標株価までは1年延長)
・ポートフォリオPERや日経PERは割安性が薄まり、現金需要も。


ということで、結局半分を利益確定させることにしました。
決まったとなれば、S安も覚悟した中で、
想定より高い値段でPTSで取引出来たので、
躊躇なく処理しました。
もちろん、今日のザラ場の方が高い値段で推移していたのはお約束ですね。
というか、よくこんな程度の下落で許してもらえましたね。。。

確かにPER30倍近傍といっても、
一過性の引当金計上や為替差損の影響もあるのですが、
それにしても、失望感は高いものだったと思います。

より長期目線の方が多いということなのか、
よくわかりませんが、とりあえず、PF準主力へ格下げして当面様子見をします。


かつてエイジアを保有していた時に、
人材採用で勝負に出て、
消費増税で小売業が冷え込み業績悪化(あの時も下方修正しましたね)した時に、
株価もだいぶ売り込まれ、利益を縮小させて残分を処分したことがありました。
しかし、そこから更に大きく株価は躍進し、
皮肉にも今日は材料テンコ盛りで高騰していますね。
結局減益や下方修正といった局面で、
安易に楽観するのはいけませんが、
本当に自分が見つめるべきものを見誤らないようにしないとなりません。
こればかりは何度も場数を踏んで試行錯誤しないと身に付かないのでしょうね。


最後に今回の下方修正は、
私にとっても会社にとってもよい機会だったかもしれません。
(怪しい根拠ないポジティブシンキングではありません(笑))
確かに同社の見立てをする上で先行投資に対する楽観計画に対する警戒は
薄れていたということは、自分自身も同社に対して楽観視していたという点を、
改めて気を引き締めて見つめ直すきっかけになったという点もあります。
また会社にとってもよい戒めになったと思うのです。
業績予想の保守性の重要性をきちんと認識し、
投資の在り方を社内で十分議論するきっかけにもなったと思います。

企業の規模がまだ小さいこともあり、
ひとつひとつ試練を踏んでいくことも必要です。
上場ゴールのようないわゆる悪質な下方修正ではなく、
至らない点は多々あり猛省ものではありますが、
それを会社側が何より認識していることは、
IR担当者との会話や社長の月次メッセージでも垣間見れます。
まして某社のように社長が急に逃げるということもありません(笑)。


比率は下げましたが、
引き続き、応援していきたい企業に変わりはありません。

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