十分な教育資金と老後資金のために


【決算精査】 3844_コムチュア(17年3月期_2Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング


決算短信表紙上、営業利益及び経常利益ベースで、
前期比増益率が2桁成長から1桁成長となり、
減速感が鮮明になってきたか!?と一瞬頭をよぎりますが、
実際はIR担当の方にも確認をしましたが、
私の想定通りの理由でしたので、計画通り順調という結論です。

同社が注力しているAI分野では目まぐるしい変化が続いており、
中にはビックサプライズの材料も散見されます。
しかし、私はそのような期待は元々持ち合わせていませんし、
同社への今の市場からの評価(PER10倍台)をみても、
それは同じように感じています。
しかし、不思議と株価は決算通過後、下落するのはご愛嬌です(笑)。

ただ、今回は増配とセットですね。
こういう還元策は投資家の皆さんは大好きなのだと思いますから、
株価は案外下支えしてくれるかもしれません。
私は直感では増配をこの時点で開示するほど、
着地が堅いわけでもないと考えているので、
その点もどういう受け止めをしたらよいか確認してみました。

なお、様々な方が当ブログをご覧頂いているかと思いますが、
ここでは忌憚なき意見を好き勝手書かせて頂きます(笑)。
例によってネガティブな情報も含めての記載となりますので、
特に保有されている方などで不快に思われる方がいれば申し訳ありません。
あくまで素人投資家の個人的見解ということでご容赦下さいませ。


MAによる売上積上げにより、計画値は超過すると思われます。
一方で、営業利益/経常利益面は未達となり、
ただ純利益でなんとか帳尻合わせまでもってこられるかという印象です。
利益率も下落していますので、4Qのハードルが上がっていますが、
その要因はのれんや買収先の収益性にひっぱられているためであり、
本業の事業価値の本質が変調しているわけではありません。
もちろん、MAは一般的には失敗の方が圧倒的に多いこともあり、
安易にのれんを超える収益性をリターン出来ると
決めつけられるものではないので、今後も注視は必要です。
ただ、足元で改善の兆しもあるということですから、
今はそれを楽しみに信じて待つのみですね。

また、補足説明資料(PDF)によると、
前回まで受注面の伸長にやや力不足感があるかなと
ここでも書きましたが、
この3Qでだいぶ積み上げがなされており、
受注残高ベースでも前年同期比で30%を超える伸長となっています。
来期以降の収益の源泉でもありますし、
特にネットワークサービス事業の伸長が大きいです。
これはMAでコメット社などの寄与も大きいと思いますが、
いずれにせよ受注が積み上がるのはよいことです。

全般的に今期の数値達成可否に着目されがちですし、
来期予想がどんなもんかなというのにも興味がシフトしてきますが、
考えてみると株価2000円前後で停滞していた頃からみると、
業績が大きく伸長しており、それに従い株価も配当も向上しています。
大きなトレンドでみていくのが肝要だと感じています。


MAの影響を受けて定量面では皮算用が続きますが、
定性面ではAIの機運は特にSI業界では流行りものですし、
クラウド化の機運は未だ衰えていないと認識しています。

ビックデータをDWHとして蓄積することは、
さすがに実現してきた企業も増えてきていますが、
今後はサイエンティストの分析という非ITの要素を加味した
提案力などが本当にその先のAIを事業化出来るか否かの
明暗を分けると感じています。

その点では、同社はサイエンティスト等の人材開発も進めており、
目先の数値という以上の楽しみがありますね。
全体を見て、事業は順調に期待通りの進捗だと判断します。
以上から、総合評価は「3」(想定通り)です。


2.定量数値の確認



(1)売上の推移


◆3Q累計(売上高)
3844_コムチュア(17年3月期_3Q累計)売上推移



◆3Q単計(売上高)
3844_コムチュア(17年3月期_3Q単計)売上推移



単計で見るとよりわかりやすいですが、
この期間での増収率が大きいです。(前期比+36%)
コメット社が連結対象になっておりネットワーク事業が主業ですから、
セグメント別でもネットワークサービス事業の単計の伸長は+48%程度です。
ですが、これだけが要因ではなく、ソリューションサービス事業も+30%と好調です。
まぁ順調ですね。。。



(2)利益の推移

◆3Q累計(営業利益)
3844_コムチュア(17年3月期_3Q累計)営業利益推移



◆3Q単計(営業利益)
3844_コムチュア(17年3月期_3Q単計)営業利益推移




2Q決算の際にも言及しましたが、
今期からはコメット社も連結開始となり、
よりのれん償却が重くのしかかります。
同社の規模からすると2Qの時ののれんですらすでに全体への影響は
無視出来なかったわけですから、
今回はよりそれが鮮明だと思われます。
確かに今回は四半期単計で減益となっていますが、
直ちに変調を認識するものではないでしょう。
但し、過度な思い込みとならぬよう、
念のためIR担当の方へ照会を行いました。
結論は前述の通り、なんら現時点で疑義はありません。



◆3Q累計(純利益)
3844_コムチュア(17年3月期_3Q累計)純利益推移



◆3Q単計(純利益)
3844_コムチュア(17年3月期_3Q単計)純利益推移



純利益もほぼ同様のトレンドですが、
業績予想比で見ると、まだ射程圏内という印象です。
単計ベースで2Qで減益から回復していますが、
利益率は伸び悩んでいます。
ただ、純利益ベースなので、
様々な要素があり、最後で計画に向けて帳尻を合わせるでしょうかね。
まぁ未達なら未達で私は構いません。



(3)利益の状況と今後の見通し

通期業績予想と今回の3Q実績を踏まえて4Q予想の皮算用です。
実はこれまで書いた通り、
今期の業績予想達成可否など、
あまりどちらでもいい局所的な話かもしれませんが、
それで終わるとネタがなくなりますので(笑)。


◆通期予想(会社予想)
 売上高  : 13,000百万円
 営業利益 :  1,500百万円 (11.5%)

◆今期3Q実績
 売上高  : 9,902百万円
 営業利益 :   915百万円 ( 9.2%)

◆今期4Q予想(上記の差分)
 売上高  : 3,098百万円
 営業利益 :   585百万円 (14.6%)

◆前期4Q実績
 売上高  : 3,092百万円
 営業利益 :   433百万円 (14.0%)


前期比で見ると、4Q単で0.2%増収、35.1%の増益ということになります。

自然体でも増収基調であることは変わりなく、
そこにMAによる積み上がりの状況も踏まえると
売上がほぼ横ばいということはありえないと考えています。
従って、売上は3Q単と同程度の伸長率が見られるものと考えると、
売上は42億まで向上する見込みとなります。
この場合の営業利益率は13.9%となりほぼ前期の水準となり
現実的になります。

多少保守的に見たとしても売上は40億位はいくのではないでしょうか。
累計の着地では139億程度でしょうかね。
利益率は10%程度とみると14億程度ですから、
やはり予想の15億から見るとやはり5%程度の未達は覚悟しないとなりません。
(私は2Q決算記事でその事に言及しています。)


(4)IR照会

今回は久々に電話をさせて頂きました。
といっても念のための確認程度です。
(私の解釈で記載しているので、その旨ご了承下さい)

Q
利益率が低下しているけど、
MAの影響と認識してよいか。
本業部分で何か問題は生じていないか。

A
MA先ののれん償却や元々の収益性がコムチュアに比べると悪く引っ張られている、
但し、買収会社の収益性は改善に向けて伸長がみられる。
特にネットワークソリューション事業では収益性を更に重視した
取り組みが出来ており改善の方向となっている。


Q
業績予想対比でみると4Qは売上はハードルが低い一方で、
営業利益ベースではハードルが高い印象があるが、
会社としてはどのように捉えているか。
(私は本業での収益状況の把握として営業利益を重視しています)

A
(ここでは詳細は割愛しますが、、、)
会社としては計画ラインでの進捗と認識している。


Q
少なくても利益面で大きく計画を超過する状況でないことは、
改めて確認出来たわけだが、
ではそのような状況の中で、
このタイミングでの増配はどのように受け止めたらよいか。
通常であれば、利益が想定超になった際に増配で還元というのが、
一般的だと思うが今回はそういう印象ではない。

A
指摘の通り、超過(想定)利益の還元というより、
従来の配当性向40%弱の水準で積極的な還元を検討した結果である。
(同社は配当性向35%としているが、実際はそれを超える40%弱が続いている)
今回も従来の予想で35%近傍だったものを従来のレベルまで向上させることで、
株主へ報いるという姿勢の一環である。

Q
繰り返しになるが、足元の利益率低下や業績予想比進捗がやや懸念がある点など、
不安な要素もあるのだが、それはMAによるのれんや一時的な対象会社の
収益性改善の影響によるものであり、
同社の本業部分で何か変化が生じているということはないという理解でよいか。

A
それでよい。



(5)株価推移


3844_コムチュア(17年3月期_3Q)株価推移


現状の目標株価は4240円ということで、
一時はかなり肉薄していたわけですが、
その後の決算通過などを経て、
そこからやや軟調な動きが続いています。
今回の決算期待や相場全体の堅調さに助けられて
株価もやや戻してきていますが、
今回の足元微妙&増配という内容にどう反応するでしょうかね。

PERは16倍から20倍のレンジで動いているようにみえますが、
この範疇で動いている限りは放置ですかね。
私の目標株価までのGAPを見ると上値余地は20%程度と
やや縮小していることには変わりありませんので、
対処には悩ましいですね。

ただ、冒頭にも記載した通り、
大きなトレンドで見た時に、業績面でも還元面でも
継続して右肩上がりですので、
放置していてもいいなと思うわけですがね。

市場からの一段の評価のために、
今の積極的なIR姿勢の中で、
更に質を向上させていけるといいなと感じています。


同社は創業者の向会長がIRイベントだけでなく、
機関投資家への対応やWeb配信によるプレゼンの開示など、
積極姿勢は鮮明です。
IRデータもIR担当者の質の向上で、
精緻なデータが出てくるようになっています。
四半期毎の受注などの捕捉データなど、
定量面での開示は十分だと感じています。
(捕捉説明もせっかくなのでグラフ等で可視化されるとよりよいですが)
※私はエクセルに手転記しています・・・

私が質を向上させた方がよいと感じているのは、
定性的な活動として例えばAIに注力するとして、
どのような技術取り組みや提携などの進捗を、
適時開示でなくてもニュースリリースがあるといいと思います。

資格取得者も施策推進で大きく増加させていますが、
そういったメンバーがどういった技術や商品化を目指して活動しているのか、
または提携を進めているのか、
AIという漠然としたキーワードから更に一歩深掘りさせた方向性などが
示されると嬉しいなと思います。

そのことで、市場からももっと注目されると思います。
もちろん、それが単なる投機家を呼び株価の安定性を損なう、
弊害はあるかもしれませんが。。。


(6)さいごに

同社の得意領域である金融業界のIT化はより進んでいます。

メガバンク3行はAI活用には特に注力する方向ですし、
その差別化が今後の収益性に直結する状況です。

メガバンクの中計などを見てみても、
市場リスク分野でのリスク測定や銀証連携により、
バイサイドにおけるミドルバック領域では
規制対応に留まらないAI活用といったテーマがどんどん出てきています。

ちょっと前までは先駆的取り組みでしたが、
むしろ今後はそれをやれないと取り残されるという状況です。

この流れはメガだけでなく、系統金融や地銀上位行などへも
どんどん展開が進んできます。

同社はNRIが得意先となっており、
NRIは元々金融分野に強みのあるSierですので、
金融分野全般のAI活用の風潮にどんどん刺さっていって欲しいですね。

それに加えて金融分野だけでなく、最近ではリテール等にも進出しているように、
全ての業種にAI活用が必要となるわけですから、
積極的に幅を広げて1000億企業を目指して欲しいですね。

いつも丁寧なIR担当をありがたく感謝して、
引き続き、同社を応援していきたいと思います。

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://tryinvesting.blog.fc2.com/tb.php/843-76c4e2a1
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
◆最近のお気に入り