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【決算精査】 3277_サンセイランディック(16年12月期_3Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング


同社は元々四半期の業績のブレが大きいため、
あまり四半期決算の売上や利益を見て騒いでも仕方ありません。
仕入の状況が一番重要と考えているため、
決算短信を見る際にも、まずはBSを見ていきます。

今回の3Qで販売用不動産は2Q末よりやや増えていますが、
前期に仕入を強化していた反動とはいえ、
前期を大幅に下回る推移には引き続き注視が必要という判断です。
ただ、これは2Qまでと印象が変わるものではなく、
むしろ、今後をどうしていこうとしているかと、
それが次期へ与える影響についての感触が気になるところです。

株価がこのPERで評価されている以上は、
悲観的にならざる得ないわけですが、
IRへの照会も含めて、長期的には特に想定を変えるものではないと判断しました。

ポイントとして今の仕入状況の停滞の要因についてですが、
これには複数の見方が出来ます。

競合との過度な競争による影響や、
底地・居抜き物件の流通の変化が生まれたりと
今後も同社が仕入に苦戦するとみるのであれば、
やはり撤退すべきなのでしょう。

一方で、一時的に競合参入による適正な範囲での競争に振り回されているとか、
流通のタイミングの問題(不動産市況の動向による所有者の売買時期の意思決定)とか、
中短期的な停滞とみれば、
一時的に業績の落ち込みにもなりえるかもしれませんが、
長期的に応援しているスタンスで見れば、
右往左往する必要がないともいえます。


通期の業績達成については表面上の数値だけを見ると
売上は未達濃厚でしょうが、利益は射程です。(未達懸念は台頭するでしょうが)
この辺りは株価にも織り込まれているでしょうし、私も想定の範囲内です。

次期以降の15%程度の成長シナリオですが、
今の足元の仕入動向から見ると厳しそうですが、
IR照会では今の所は見通しに変更はないということと、
まぁそれを割り引いて次期の成長が一時的に鈍化したとしても、
構造的に同社にはオペレーションノウハウもあり、
PEST分析などをしてみても構造的に取り扱い物件数は増えてきます。
もちろんそれが同社の体制でカバーしきれるかは別問題ですが、
直ちに同社に対処がしきれないという判断にもなりません。

以上のことから、総じてみれば想定通りに進捗しているということで、
総合評価は「3」(想定通り)です。
但し、仕入の状況には、IR照会でも触れるように注視が必要です。



2.定量数値の確認


(1)売上の推移

◆3Q累計
3277_サンセイランディック(16年12月期_3Q累計)売上推移




◆3Q単計
3277_サンセイランディック(16年12月期_3Q単計)売上推移



前期比で見ると+40%の増収、3Q単計では+45%の増収と表面的には
素晴らしい増収ぶりです。
しかし、これは前々期の仕入軟化に起因した
一時的な落ち込みが前期に見られたためですので、
逆にこれだけトップラインが不安定になってしまうという
どちらかというとまだ事業の安定性が図れていないと
ネガティブにも見えます。
もちろんこの部分は経営にも課題として認識されているので、
一朝一夕には改善されないでしょうが、
今後に期待したいところです。

ちなみにセグメント別にみると、
3Qも含めて今期における底地の販売金額そのものは安定的に
推移しています。底地は利益率が高い傾向にありますし、
後述の通り底地の仕入は堅調に推移しているようにみえます。




(2)利益の推移

◆3Q累計(営業利益)
3277_サンセイランディック(16年12月期_3Q累計)営業利益推移





◆3Q単計(営業利益)
3277_サンセイランディック(16年12月期_3Q単計)営業利益推移


営業利益率は3Qで下落していますが、
それは販管費率が上昇しているためです。
ただ、販管費そのものが上昇しているというより、
固定費(主に労務費でしょう)の吸収具合によるものでしょう。

ただ、四半期の足元の業績だけみても何もいえません。
ただ、行く末を見守るしかありません。

なお、純利益についても同トレンドです。


◆3Q累計(純利益)
3277_サンセイランディック(16年12月期_3Q累計)純利益推移




◆3Q単計(純利益)
3277_サンセイランディック(16年12月期_3Q単計)純利益推移





(3)利益の状況と今後の見通し

さて、通期業績達成可否についても、
四半期ぶれが大きく読めないというのも実情ですが、
売上は、販売用不動産の残高から見ても未達となるでしょう。
底地の比率などでどこまで利益を確保できるかによって、
利益面がどうなるかですが、そこはわかりません(笑)。


<今期の通期会社予想>
売上 14,670百万円
営業利益 1,401百万円(9.6%)
純利益 848百万円(5.8%)

<今期の4Q単会社予想>※3Q実績から通期予想の差分
売上 6,700百万円
営業利益 736百万円(11.0%)
純利益 532百万円(7.9%)

<前期の4Q単実績>
売上 5,871百万円
営業利益 975百万円(16.6%)
純利益 619百万円(10.5%)


4Q単では、前期比で+14%の増収で、-25%の営業減益ということになります。

ただ、前期4Qは販売用不動産が大量に積み上がっていた時ですから、
単純比較はできません。

そこで、4Qで販売するであろう販売用不動産を2Qと3Qの平均とざっくりみて、
前期と今期でそれを比べます。

前2Q-3Q 販売用不動産平均残高 : 7,988百万円
今2Q-3Q 販売用不動産平均残高 : 7,171百万円

ということで、前期に比べると約10%の落ち込みです。

これをざっくり4Q単の売上に照らしてみると、
今4Q単では5,284百万円位でしょうか。

これで営業利益736百万円を達成しようと思うと、
営業利益率は14.0%となります。
業績予想は11.0%ですからそこよりはハードルが上がります。

利益率が比較的高い底地のポートフォリオが増えていることを踏まえて、
さてどうかという話ですね・・・

無理ではなさそうだけど、ハードルは高そうという印象です。

なお、売上は通期累計で10%の未達程度と思われますので、
下方修正が入るか微妙なラインです。
(一応売上高では10%基準ですもんね)



(4)セグメントの状況

これを見ると改めて四半期のブレが大きいことがわかります。

ちなみに、貼付した以下のものは四半期単計です。

3277_サンセイランディック(16年12月期_3Q単計)セグメント収益推移




3.IR照会

やはり仕入の状況が一番気になりますので、
そこを中心に、更に蛇足ながらに業績予想の進捗の感触に加えて、
次期の見通しについてもヒアリングをしたいと思います。

※私の主観によりサマリしていますので、投資判断される際はご自身で確認下さい。


まるのん
仕入の状況については変わらず苦戦しているという印象だがどうか。

IR
物件の案件数は変わらないが、
実際の取引される売り物にまでなっていないのが実情である。
現状は査定や見積だけで止まってしまい、他社も含めて購入が出来ていないことで、
実際に売り物になった際の競争が激化している状況である。
(自社だけが仕入られていないというわけではなく、タイミングの問題っぽい)
また特に仕入金額が積み上がらないのは、
比較的大型な物件が取引される事例が少なく、
前期(通期)では1億超の物件が9物件仕入れられたが、
今期はまだ3物件に留まっているのが実情である。
大きめのプロジェクトがタイミング的に進捗していないといえる。


まるのん
懸念しているのは、当社の仕入手法や競合との競争に弱さがあるという点だが、
売出側のマインドやタイミングに影響を受けているという印象を受けるが、
本当にそれが正しい認識なのか。

IR
そう認識頂いてよい。


まるのん
では、そんな中当社としてただ待っているわけにもいかないと思うので、
仕入を進めるためにどう対処して改善を図るのか。


IR
ひとつは仕入チャネルの開発という点があげられ、
直近でも証券会社との業務提携を実現してアライアンスの元で仕入をしたり、
信託銀行とのタイアップでのチャネル増を狙っており、
実際に直近でそれが奏功した巨大プロジェクトの実例もあがってきている。
またもうひとつはエリアの深堀りであり、
具体的には関西地域への深堀を進めている。
従来関西地域は2課体制だったものを3課体制に増強し、
頭数の社員数も増やしている。
これで京都、大阪、神戸の各県に1課の体制を構築できた。


まるのん
関西地域の深堀りは、短信上にも触れられているが、
これは首都圏の仕入が競争などにより思惑通りいかないことで、
言葉は悪いが場当たり的に関西へシフトしたとも読めなくないが、
事前にきちんとマーケットは見ているか。


IR
元々大阪支社の下、2課体制で営業活動をしていたが、
その中で、体制の問題で機会損失する事も多かったこともあり、
ニーズがある事を見極めての体制強化であるため、
場当たり的に対処をしているわけではない。


まるのん
通期業績予想の達成については、
特に売上面は販売用不動産の積み上がりを見てもハードルが高いようにみえる。
進捗状況についてどのように捉えているか。

IR
売上は確かに厳しい面はあるかもしれないが、
まだ期間が残っているので一丸となり努力している。
一方で利益面では現在のポートフォリオが当初予算想定より、
底地の比率が高く(底地は利益率が高い)、
利益面では達成できるものと考えている。


まるのん
仕入の今の状況を踏まえて、次期以降の予算策定を進められていると思うが、
以前から社長は15%の成長をトレンドとして公言されているが、
そのシナリオはやはり厳しいとみればよいか。


IR
ちょうど予算策定を進めている所であるが、
現時点で足元の仕入の状況は各施策により努力を重ねており、
従来のシナリオを変える予定はない。(あくまで今の所といったところと思うが)


まるのん
仕入は足元では決して楽観はできない状況が続いているものの、
様々な施策を講じている状況である。
直ぐに回復するかは注視を要するものの、
長期的な当社の仕入から販売のノウハウが毀損しているわけでもなく、
今後も長期で応援していきたいと考えている。今後もよろしく~

IR
いつもありがとうございます。(ついに覚えられてしまったか・・・(笑))
今後もよろしく~



いつもながら丁寧なIR対応でした。
完全に対応して下さる方を私は認識しているのですが、
先方からも認識していただいたようです。
まぁそれはそれで話が早いですがね・・・(笑)。


IRの照会の結果は総じて、私の想定通りでしたが、
仕入については、やはり浮き沈みがあるので、
忍耐強く応援する覚悟が必要だなと改めて実感させられました。




4.株価推移

株価の動向ですが、想定PERを元に仮想株価を引いた表は以下の通りです。

3277_サンセイランディック(16年12月期_3Q)株価推移


直近の青印(売)はポートフォリオ全体の現金比率確保のため、
泣く泣く売却したものです。
もちろん、そこには不確実性が高い仕入や業績ブレのリスクを想定して、
現金捻出のための対処として優先度を図り、このような判断をしています。



5.さいごに

同社は仕入状況が肝というわけで、
私も決算毎に更新しているオリジナルのグラフのうち主たるものを貼付します。

3277_サンセイランディック(16年12月期_3Q単計)仕入状況推移

これを見ると確かに前期に比べると落ち込んでいるわけですが、
とはいえ、底地だけを見るとそこまで変動していないんですよね。
前期の仕入の主たるものは居抜き物件で、それをすぐに回転させて、
前4Qにバンと売却しています。

願わくば、もう少し販売用不動産がきれいに安定的に
積み上がっていくといいのですが、
そうではないから、低PERで低い評価なのでしょうね。


株価面はどうでしょうかね。
通期業績見通しは未達懸念となりますし、
仕入も表面的に回復を捉えることが出来ません。
従ってどちらかというとネガティブに捉えられるのだと思うのですが、
そもそも株価がだいぶネガティブなので(笑)、
どうなるんでしょうかね・・・。


~なお、当記事は私の主観に基づき記載されていますので、
投資判断をされる際にはご自身の尺度で十分検討を行って頂くようお願いします。~


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