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【決算精査】 2475_WDBホールディングス(17年3月期_2Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング

個人投資家界隈で全く聞かない、レア銘柄の登場です(笑)。
私の準主力銘柄まで比率を上げており、
何気にきちんと精査しないとならない状況ですので、
即日IR電話もした上で、判断をします。

結論から書けば、
景況感、とりわけ人材派遣の引き合いが強い環境に助けられ、
新規事業の投資にも着手している中で、
十分私の期待に応えてくれた決算でした。
売上高は9%強の増収、営業(経常)利益は20%強の増益と、
減益予想から一転の大幅増益という結果は、
1Qからある程度は想定されていたとは思いますがね・・・。

この内容であれば、事前に2Qの上方修正や、
通期の上方修正があってもいいように思いましたが、
IRに照会した結果も踏まえて、まぁ良しと判断しました。

もう少し丁寧なIR開示姿勢を示してくれるとよりよいのですが、
IRの電話のご対応は的確かつ丁寧ですので、
今後に期待したいと思います。

通期予想との進捗率やIR電話の感触も踏まえると、
会社予想ベースを想定している私としては、
今期の業績面だけを見ればポジティブですが、
逆にあまりに今期が計画超過ということになると、
新規投資事業へのコスト投下が思い通りに進捗していない可能性もあり、
長期的スタンスに立つと必ずしも喜ばしいとは決めつけられません。

今回の決算で会社計画線で着地したとしても、
それが新規事業への順調な投資が進捗している結果であれば、
それはそれで想定通りですし、
今回のように計画超過をしつつ、それは一部の投資判断を
慎重を期したことによる期ズレ要素も含まれての結果と考えれば、
長期視点に立てば時期ずれの誤差の問題です。
この場合も計画通りに投資が進捗せず、
障壁が出てきているとなると逆にネガティブですが、
そういうこともないようですから、結果想定通りということになります。

というわけで、総合評価は「3」(想定通り)です。
但し、今期の計画上振れトレンドという点、
それの一因でもあるコストコントロールとトップライン拡大の顕在化の部分もあり、
その部分は少しはポジティブな評価をしてもよいともいえます。

私は長期スタンスをより重視しているので、
総合評価は「3」としますが、「4」(ややポジティブ)に近い内容です。



2.定量数値の確認


(1)売上の推移

◆2Q累計
2475_WDB(17年3月期_2Q累計)売上推移



◆2Q単計
2475_WDB(17年3月期_2Q単計)売上推移


同社の主力事業でもあり、現状の売上の9割以上を占めている人材サービス事業について、
理学、工学系の派遣事業が共に堅調に推移しています。
理学系では全国のエリア拡大が順調に進捗しており、
短信上でも「付加価値の高い人材を輩出できる体制が整いました」とあります。
化学やバイオ分野を中心とした顧客の中長期的な展望に立った研究開発部門ですから、
足元の景況感に比較的影響を受け難い点も私は評価しています。
全国の各拠点が本格稼働開始したそうなので、着々と積み上げて欲しいと思います。
工学系は相対的に景況感の影響を受けやすいわけですが、
今の所は追い風に乗っているとみるべきでしょう。
逆に逆風になるとここは凹むでしょうが、
それを見越して、CRO事業を含めた新規事業への投資を順次展開しています。

CRO事業も規模はまだごく小さいわけですが、
8.5%のセグメント増収となっています。
内容についても所掌子会社の受注も堅調なようですし、
海外CROへの進出も進捗しています。
この海外分は競争もより激化すると思いますので、
まだまだこれからだと思いますが、長期で楽しみのひとつと考えています。

トップラインは十分な伸長を見せており、総じて順調と見てよいと思います。
確かに売上高だけ見ると、上期計画は若干未達ですがね(1.7%の未達)



(2)利益の推移

◆2Q累計(営業利益)
2475_WDB(17年3月期_2Q累計)営業利益推移




◆2Q単計(営業利益)
2475_WDB(17年3月期_2Q単計)営業利益推移


粗利率は前期比でほぼ横ばいが微増で、
販管費率は微減ということで、営業利益率は1Q、2Qの各四半期で見ても
10%台を超えてきています。
前々期は8%台、前期は9%台、今期は10%台と年々改善していることがわかります。

これは全体のトップラインが旺盛な派遣ビジネスに対する需要に支えられて向上する中で、
固定費を吸収して損益分岐点を超えて改善していることと、
やはり全体のマネジメントコストの抑制策が徐々に改善することによるものかと思います。

ただ、社長メッセージにもある通り、今の延長線では成長はしていっても、
たかが知れている領域にしかいけないのはわかりきっているので、
どこかで販管費率を上げてでも(営業利益率を落としてでも)投資をしてくるので、
その時期がたまたま上期中に費用化しなかったことによる、上振れ着地と見るのが自然でしょう。
そうなると、何かネガティブな要素で投資が遅れているのか、
他の要因があるのか、ここは確認が必要だな、となります。


なお、純利益ベースで見ると、
特別損失項目として減損損失を計上していますので、
その分、営業利益、経常利益の伸長率(20%超の増益)と比べると目減りしていますが、
それでも計画を超過する内容となっています。
なお、減損損失は千葉県の研究所の建物解体に伴う、
各種固定資産に対する処理であり、特に問題があるものではありません。

皮算用になりますが、この減損損失は約1.3億ですので、
これを割り戻すと営業利益、経常利益と同様の20%超の増益基調となります。
2Q期間にこの減損損失を一括計上しているので、
2Q単で見ると純利益は減益とみえますが、これも割り戻しの試算をすれば、
増益トレンドは変わらないことも確認しました。
法人税など細かな計算は割愛しています。あくまでトレンドの把握ですので。

◆2Q累計(純利益)
2475_WDB(17年3月期_2Q累計)純利益推移



◆2Q単計(純利益)
2475_WDB(17年3月期_2Q単計)純利益推移




(3)利益の状況と今後の見通し

さて、1Qの好調さが継続するという見方をしていれば、
通期の上方修正を期待していたところかと思います。
私はこの2Q期間で投資を行い、利益率を落として、
会社計画近辺での着地も想定していましたので、
通期の修正は期待していませんでした。

ただ、結果2Qの着地を見ると
逆に通期修正がないということをどう解釈すればよいかは
気掛かりですね。

つまり、元々、上期減益予想まで出して投資を行う計画だったにもかかわらず、
大幅上振れで着地したわけで、それが下期に投資期ズレした結果据え置きとなると、
投資が遅れている→何か新規事業側で問題が生じている?という疑念を持ったからです。
もしくは単純に保守的に修正をしなかったのか・・・。
というわけで後述の通り、IR電話照会です(笑)。


<今期の通期会社予想>
売上 33,081百万円
営業利益 2,827百万円(8.5%)
純利益 1,696百万円(5.1%)

<今期の下期会社予想>※上期実績から通期予想の差分
売上 17,194百万円
営業利益 1,197百万円(7.0%)
純利益 865百万円(5.0%)

<前期の下期実績>
売上 15,195百万円
営業利益 1,407百万円(9.3%)
純利益 872百万円(5.7%)


通期予想から、上期実績を踏まえて下期予想を見てみると、
13.2%増収、15%営業減益、0.8%純減益という内容になります。

売上は派遣できる人材が慢性的に不足している環境ですが、
どこまでその人材を確保できるかにかかっているように思います。
上期で若干の未達はほぼ誤差なので、
それをリカバリ出来るかどうかはどちらともいえないかもしれません。

一方で利益はさすがに計画超過するのではないでしょうか。
下期において元々上期に投下しようとしていた投資を
全て下期にスライドさせたらそりゃ計画線となりそうですが、
そういうわけでもなさそうなので、
利益の上振れはある程度ありうるかな~とは思います。



(4)セグメントの状況

人材サービス事業でほぼ決まる現状というのがわかるように、
同一スケールに各セグメントの収益をグラフ化しています。


私が貼付した以下のものは四半期単計です。

2475_WDB(17年3月期_2Q単計)セグメント収益


成長というより安定的とみるべきなのでしょうかね。
パッと見であまり高い成長が見られないようにみえますが、
元々、同社への成長は10%程度と見ていますので、
この程度で上出来だと思います。



3.IR照会

私が想定していたのは2つのシナリオでした。

1) 上期が会社計画線で着地 →2Qに新事業への投資コストが嵩む
2) 上期が計画超過 → 2Qに計画していた投資コストを見送る

1)になれば1Qの好調の反動で失望、
2)になれば上方修正とセット開示でも出尽くしで失望、
株価にとってはどうせだめだろうな~くらいに思っていました。

実際は2)でかつ修正なしということで、
いかにも株価暴落臭がプンプンするわけですが、
まぁそれはさておき、
では下期に投資が先送りして通期で見ればコストは変わらず、
下期で大きく収益性を落とすということになると理解します。
その場合、なぜ投資が下期にずれ込んだのか、
それが何か新事業展開への進捗に障壁があってのことなのかが気になります。
もしくは据え置きは単に保守的なだけなのか?
というわけで、その部分の確認は必須だと思い、
一言二言、言いたいこともあったので、IRへ電話しました。

※私の主観によりサマリしていますので、投資判断される際はご自身で確認下さい。




まるのん
今回の上期着地は、会社計画を大きく超過するものだが、
改めてなぜこのような着地となったのか?

IR
トップラインが順調に拡大したことに加えて、
全体のコスト削減が着実に成果が出てきている点が挙げられる。
また当初計画の予算には新規事業への投資を
保守的に過大に予算に組み入れていた。
実際には新規投資のコスト投下に対して無駄を排す地道な努力を徹底させた。
その上で、個々の投資案件に対して慎重を期して判断をしているところもあり、
元々の予算のコスト投下をせずに経過し、結果的に大幅な上振れ着地となった。

まるのん
新規事業への投資について今回の上振れ着地となったのは、
投資が遅滞又は先送りしたことによるものであり
ネガティブな要素がどの程度あったのかを懸念しているが、
投資コストに対して無駄な努力をしたという要素と、
計画した投資が進捗しなかったことのどちらが支配的な要因であるか。

IR
双方の要素があるが、どちらかというと保守的に投資コストを計画してものに対して、
個々を慎重に判断しているという観点からすると、
投資進捗がなかったことが主因である。

まるのん
では、上期で投資コストを投下しなかった部分は下期に投下すると考えればよいか。

IR
上期から下期へ単純に期ズレしたというわけではなく、
個々の投資判断を慎重を期していることもあり、
計画している投資コストを下期に纏めて計上するという単純な構造ではない。

まるのん
となると、元々予算にバッファを見ていることもあるのであれば、
下期に収益性は極端に低くなることもなく、
上期実績の進捗率のよさを考えると、
通期修正をしてもよさそうなものだが、なぜ今回しなかったのか。
やはり投資の可能性を考慮してのことか、
それともそれも含めて全体をコンサバティブに見ていると理解すればよいか。

IR
当社は元々業績予想をコンサバティブに策定する傾向があることは事実である。
投資判断の状況にもよるが、今後修正の必要があれば適時開示していきたい。

まるのん
仮に今期の上方修正ということになったとしても、
私は長期で応援しているため、逆に長期的な成長のために、
投資が遅れることはネガティブにも映るのだが、
現在、その投資判断の進捗や、背景などで何か判断の障壁になっていることはあるのか。
慎重にならざる得ない状況が何かあるのか。

IR
特になく、むしろ積極的な投資判断のために前向きな議論をしており、
それをより慎重に自信を持って進められるように意欲的に取り組んでいる。
特にネガティブな要素はないと認識しているため、安心頂いてよい。


まるのん
CRO事業でいよいよ海外進出のコストが本格化しており、
上期ではセグメント減益となっている。
これは将来の成長のためにはあるべき過渡期であると認識しているが、
現状において、米国を中心としたCRO事業における先行投資において、
想定外のことは起こりえているか。
また投資のリターンとして何か手ごたえは現時点で認識出来るものはあるか。

IR
先行投資は目立った想定外の事態は発生しておらず、
順調に継続している。
またその結果、ようやく体制が整いつつある中で、
これからリターンが見えてくることもあり、
現時点ではまだ手ごたえを評価するには時期尚早な時期である。


まるのん
個人投資家向けに決算説明資料の開示や説明会などの開催はないか

IR
機関投資家向けの対応のみとなってしまっている。

まるのん
個人投資家への認知度も低く、意義ある事業もされているので、
ぜひIR普及活動をもう少し努力して頂きたい。今すぐに開示というのは難しいと思うので、
例えば今期末の決算から開示するなど、社内で検討して頂きたい。

IR
貴重な意見として今後のIR活動の参考にする。


まるのん
またIR姿勢という点からいうと、
今上期でこれだけの上振れをしたのであれば、
事前に2Qだけでも修正開示が出来たのではないか。
材料が欲しいわけではなく、
IR姿勢として適時適確なIR姿勢をもう少し工夫してもらいたい。

IR
(他の方からも指摘があった模様で)はい、そちらの件は改めて社内で検討して、
あるべき姿を検討する。


まるのん
長期の成長を期待しているので、今後も応援しています。
お忙しい中、ありがとうございました。

IR
今後もよろしく~



というわけで、かなり丁寧なIR対応でした。
受付の電話からIR室の受け答えやその姿勢、
こちらも真摯に対応してもらえたという感覚が強く残り、
よい機会を頂きました。




4.株価推移

株価の動向ですが、想定PERを元に仮想株価を引いた表は以下の通りです。

2475_WDB(17年3月期_2Q)株価推移


図の中で赤色矢印が主に買いを入れたタイミングです。
目標株価は10%成長でPER15倍水準で、
現状でいえば1530円となります。
社長の壮大な長期展望に完全にお付き合いをするのであれば、
もう少し高い成長率を期待してもよいですが、
まだそこまで織り込むのは様子見かなとも思います。

もう少し、海外展開も含めた投資状況の行く末の見守りが必要かと思っています。



5.さいごに

改めて同社のBSとPLの過去の長期推移を見てみます。

◆BS
2475_WDB_BS推移

年々自己資本も厚くなり、かつ現金も増えています。
今後の海外展開含めた投資やMAも視野にした成長基軸に乗せるためにも、
うまく資産を活用してもらいたいですね。
それにしても、いまどき、もう少し配当性向を上げてくれてもいいんですがね・・・
まぁ配当によるインカムゲイン目的ではないので欲をかくなと。


◆PL
2475_WDB_PL推移

人材派遣業というと不況耐性が心配ということになります。
当然、投資する際にここは自分なりに評価しました。
また過去の実績(が必ずしも正しいわけではないのですが)も参照しました。

リーマンショックの影響で2010年に減益となっています。
概ね2/3位に落ち込んでいますが、
その翌期には回復していますね。

特に理学系は化学バイオ系に強いわけですが、
この分野は相対的に不況耐性に強いですからね。
洗剤だって薬だって不況とは関係なく使います。

工学系といっても同社が派遣するのはいわゆるラインの工員というより、
商品企画や開発要員などのエンジニアですので、
不況期にあっても商品開発は止まることはありませんので、
いわゆるラインが止まるなどの影響ほど
直接的な影響は出にくいと理解しています。

もちろん、総じて影響がないわけではなく、
過去の実績の通り、減益にはなりますが、
十分テイク出来るリスクだなと考えています。



さて、同社は全くもって個人投資家から名前を聞くこともありませんし、
光り輝くテーマ性を備えているわけでもありません。
優待や配当の還元姿勢も弱く、IR活動もおとなしいです。

改善の余地が多分にあるわけですが、
ここまで誰からも注目されないものか~と思います。

やはり人材派遣といえば、ヒトコムやウィルグループ、夢真など、
個人投資家に大変人気のある、かつ個性に溢れた
成長意欲に満ちた会社が多数ありますから、
敢えて地味な同社を選ぶ必要がないということでしょうかね。


そんな美人投票といわれる株式相場では、
人気がないのに突っ込んでいる私はやっぱりイマイチなんでしょうね~
ただ、それはそれでいいと開き直ってますがね。



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