十分な教育資金と老後資金のために

Author:まるのん
30代イクメンサラリーマンです。
将来の教育資金と老後資金を形成するため、中長期視点で現物日本株へ投資しています。投資初心者の日々の状況を公表していきますので、叱咤激励のコメントを頂ければ幸いです。
年初来:+12.0%(2017/5/26時点)


【決算精査】9467_アルファポリス(16年3月期_4Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「2」 (☆☆☆★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング

前期の実績については既に修正開示が出ていましたが、
ほぼそれに合致するものとなり、一言素晴らしい実績でした。

セグメントでもライトノベルの減少に対して、
漫画や文庫が余りあるリカバリを叩きだし大幅な増収となっています。
ポートフォリオもライトノベル依存から脱却してきており、
戦略通りに推移していることが確認出来ました。

一方で今期予想ですが、
ゲートの反動は既に返本という形で4Qから顕在化しており、
今後前期の2Q~3Qに盛り上がったゲートの反動を
他の漫画でリカバリする必要性があり、
わかってはいたことですが、ハードルが高いように感じます。

それに加えてゲーム事業ではコンテンツ数も減らして
選択と集中を行うとのことで、
既存のやり方から転換することになり、
こちらも先行投資などが嵩み今期予想の数値は厳しいものとなっています。

会社側は保守的な計画に基づいて算出しているようですが、
この先行投資が本当に今期だけの一過性のものかどうかを見極める必要がありますが、
その要素もないわけではないものの、やはり一過性で、次期は花開くというのは、
あまりに楽観的だと認識しています。
今期に選択と集中を行うゲーム事業が成功すれば、
今期横ばいでも次期予想で30%超の増益達成をすれば、
CAGRは15%を維持出来ますが、それは容易いものではないでしょう。
(中計は更に厳しいものですが)
CAGR15%想定の私にとってみてもネガティブと言わざる得なくて
仮に今期横ばいで次期に20%程度の増益を達成出来れば、
CAGRは10%は維持出来ます。
感覚的な話ですがこの位がいいところではないでしょうか。


減益ではない点、また確度は未知数ながら次期に向けた種まき要素も
まだ結論は出ていないので、踊り場であるという見方も出来なくはありませんし、
ビジネスモデルそのものは不変で優位性も不変である点は評価出来ますので、
見通しより弱さを認識したという評価になろうかと思います。

総合評価は、「2」(ややネガティブ)とします。


9467_決算短信表紙(16年3月期_4Q)


2.定量数値の確認(実績)



(1)売上の推移

9467_アルファポリス(2016年3月期_4Q)売上推移

1Qから3Qまでは見事な増収ですが、4Qではかろうじて増収ということで、
足元で弱さが見られます。
これはゲートの返本などこれまでの反動が出ているものと思います。
計画は超過したのでそれでも好調だったと理解すればいいのか、
足元ではやはり弱いということなのか、ちょっと判断が難しいです。



(2)営業利益の推移

9467_アルファポリス(2016年3月期_4Q)営業利益推移

利益については4Qの減益ぶりが更に強いです。
粗利益率は1Qから3Qまでと4Qで大きなトレンドに変化はありませんから、
4Qの営業利益率の悪化は販管費率の上昇であり、
これは4Qのゲーム事業における広告宣伝費などを要したためだと思われます。
そしてそのゲーム事業は広告宣伝費をかけたものの、
想定より課金が進まなかったということではないかと推測します。
これは後述するIR照会とも辻褄が合います。


(3)純利益の推移

9467_アルファポリス(2016年3月期_4Q)純利益推移

営業利益と大きな変動はありません。


3.定量数値の確認(業績予想)


今期予想については、後述のIR電話で認識しましたが、
やや保守的なのかなとは思いますが、
しかしその利益減要素も一過性とは言えない部分も多く、
今後の成長のためには足かせも大きいように感じました。

特に大粒のゲームへ選択と集中をするという面は、
前期で試行した小粒ゲームで見えた課題をそれなりに分析した結果の
新たな戦略ですが、そもそもスケールの大きなゲームになれば、
開発プロセスでも普及プロセスでも課金プロセスでも、
それぞれに違ったノウハウが必要となるはずで、
これが成功するかどうかはやはり未知数だと言わざる得ません。

主力の漫画やその裏付けとなるコンテンツ数やユーザ数の伸びは
目を見張るものがありますが、
収益化という点で、CAGR15%見込みの成長が本当に実現出来そうなのか、
不安に感じる部分はあります。

この点で保守的とはいえ楽観的に捉えるにも限度があることと、
そもそも楽観的に評価したとしても中計はおろか、
自分の見通しすら満たせなそうという点では、今期予想はやはりネガティブに映ります。

また中計についても後述のIR電話で確認していますので、
そちらをお読みくださいませ。


4.目標株価の確認


前期(16年3月期)予想EPSは150円を基点として
以下の計算で目標株価を計算していました。
期中のCAGRは15%で18年3月期予想EPSは159円で
評価PER28倍として目標株価は4,450円です。

前期の実績EPSは118.18円ですから、
予想より若干未達もほぼ想定通りですが、
今期予想EPSは横ばいの118.37となっています。
このため、仮に上記予想EPSを維持させると、
18年3月期は前期比で34.3%もの増益となる必要があります。


今回目標株価算出に当たり、
まず、今期予想の横ばいがどの程度リアルなのかを把握したいと思いました。

そこでIRに電話です(笑)。


まるのん
今期業績予想について、数値面ではかなり弱い数値が出ています。
具体的にゲーム事業やWebコンテンツへの先行投資により、
一時的な利益減の要素と解説がありますが、
これらの投資は一過性ではなく、
これまでもこれからも必要になるものと理解していますが、
なぜ今期にこれだけの利益減の要素になるのでしょうか。
他に何か理由があるのでしょうか。

IR
まず、ゲーム事業については、前期から取り組みを始めてきた事業であるものの、
今期では前期の反省も踏まえて取り組もうとしている要素もあり、
開発費や広告費が過大にかかるものです。
Webコンテンツについては投稿数などで圧倒的なインタフェース優位性を構築するために、
今後の成長の源泉を求めるために大型投資を計画しているものです。
この投資によりより差別化を図り、中長期的な業績拡大に資するものと考えています。

まるのん
ゲーム事業で前期の反省というのは、何か課題があるということでしょうか。
具体的にどのような対策を打とうとされているのでしょうか。

IR
前期では保守的に見積もった収益計画を掲げていましたが、
着地もほぼこの保守的なラインで着地をしています。
このため、今期についてもこの保守的な予想で計画を立てています。
また、この保守的なラインで終わったことの要因のひとつとして、
小粒のコンテンツで展開したことが挙げられると分析しています。
コアユーザーが多い同社顧客基盤に対しては、
より大粒で奥が深いスケールの大きなゲーム展開が必要だろうし、
それが刺さるゲームなのだと認識しました。
そこで、今期では敢えてゲーム展開数を落として、
選択と集中で開発を行い展開をする予定としています。
この一連の予定においても現時点では実現性のある数値とするために、
前期の実績を踏まえた保守的なものにしています。
但し、この部分が刺さるゲームとして認識した通り、
順調に推移し、また開発プロセスにおいてもコスト低減に努められれば、
上振れ余地となりえると認識しています。

まるのん
Webコンテンツへの大型投資はその収益化が見込めるのは、
次期になるということでしょうか。

IR
はい、その通りです。
今期に大型な投資を行い、更なる成長に向けたコンテンツ拡充、
とりわけ質の高いものを網羅できるような仕組み作りをしていきます。
その上で、集まったコンテンツが実際に書籍になり本格的な収益化となるまでには、
半年以上を要する(商品企画、編集のため)ため、
コンテンツ拡充を今期取り組んだとしても、
それらが収益化するためには相応の時間を要し、
本格寄与は次期になるという認識です。

まるのん
昨年に開示された中期経営計画では、18年3月期に売上100億、経常利益25億を掲げています。
一方で今回開示のあった、17年3月期の予想は売上37億、経常利益は9.2億です。
ゲーム事業の戦略も見えてきた中で、この乖離を説明するのは難しいと考えていますが、
中期計画の見直しは検討されていないのでしょうか。

IR
社内でも様々な議論をしてきた結果、現時点では見直さない判断としました。
安易に計画を繰延べさせたり下方修正したりすることはすべきではないし、
現時点で諦めることなく必死に知恵を出して頑張ろうという社内の判断となっています。

まるのん
その心意気は大変心強いものですが、
一方で上場会社として開示している中計経営計画ですから、
もし現実離れした計画であると認識しているとして、
それを気合と根性で頑張りますだけでは、
不安になることもご理解頂きたいです。
ですので、もし修正をしないということでしたら、
どのように達成に向けた取組みをするのかを明示化して頂きたいです。
決算説明資料も開示されると思いますので、その時でもよいですし、
その後個別開示でもよいので、その点は一意見として検討頂きたいです。

IR
真摯に受け止めて善処いたします。

まるのん
経常利益率について過去の30%水準から徐々に減少しておきており、
今期はやく25%という状況になっています。
それでもなお、利益率は高い水準と記載がありますが、
どの程度が適正な利益率水準と認識していますか。

IR
中計にも掲げている通り、25%程度が適正かつ目標とする利益率と認識しています。

まるのん
色々教えて頂きましてありがとうございました。
今後も応援しています。

IR
頂いた意見については、ガイダンス開示を含めて検討いたします。
ありがとうございました。



はい、電話終了です。概ね10分程度でしょうか。
貴重なお時間を頂き、IRには感謝です。


ゲーム事業の立ち上がりが想定より芳しくないのでしょう。
もっともこの事業で当たりを引くというのもそうたやすいことではないように思います。
まだ始まったばかりですし、会社としても方向性を掴んで、
試行錯誤しながらやられているようですからね。
電話で話した感じでも、それが正解かどうかはわからないものの、
中では相当、戦略を議論して対応されている印象を受けましたから、
失敗を恐れずに経営しているのを応援するのが適当と思います。


そして、中計の大風呂敷とは対照的に、
今期予想は全体的に保守的な印象を受けました。
ゲーム事業の行方は予想が難しいですが、
会社予想はミニマムラインのように感じます。

根拠はありませんが、電話の端々に保守的ということがあり、
その言葉は鵜呑みには出来ないのですが、
もう少し増益幅は出るかなという気もします。

そこで、今期予想EPSを125とします。
これは従来の17年3月期予想EPS138を約10%下回るものです。

また18年3月期は収益化が期待されるわけですが、
そうはいっても投資は一過性で終わるわけでもないと認識していますから、
今期に選択と集中で展開するゲーム事業がある程度軌道に乗ったとしても、
従来の15%増益基調位がいいところと思います。
ここから19年3月期予想EPSを求めると165となります。

評価PERは従来は25倍としていましたが、
少し目減りさせて24倍程度にしたいと思います。

結果、新たな目標株価は3,960円とします。

従来の目標株価の4,450円から約11%の下方修正です。

なかなか思うようにいきませんが、これもまた試練ですね。




5.その他

同社のコンテンツを収集してそれを書籍化して販売するという、
基本のビジネスモデルは今でも秀逸で崩れたものではないと認識しています。
同社のような成長を続ける新興企業の場合、
やはりITや認知度向上のためにどうしても投資が必要になり、
今回のように踊り場を迎えることが定番の試練でもあります。

それが、本当に中長期的に資する踊り場なのか、
単に成長限界を迎えたものによるものなのか、
この見極めがとても難しいわけですが、
私は同社に投資を決断した時に、やはり新たなチャレンジで決意しています。

本来コンテンツ、特にゲームや漫画など、
自分が全く志向していない分野のサービスを提供する会社、
しかも当たり外れの大きそうな業界にあっても、
そのリスクを抑えたモデルを構築して頑張っている会社ということで、
期待を込めて投資しています。

今回のような踊り場で初心者なりに苦心して
対処をしていますが、決算通過前に何度も頭を過りました。
ゲートの反動、ゲーム事業の拡大投資など
前期はよかろうが今期は場合によっては減益すらあるかもしれないという恐怖。

本能に従えば、やはりリスクを回避して売却しておくべきか。
何度も考えましたが、結局、その感覚的なものに頼らずに、
決算を通過させて、そしてPTSで売却です(笑)。

PTSで売却した時には、
その予想していた踊り場を事実として認識し、
かつリアルにIRとも会話をして、
改めて最善を尽くして考えた結果の目標株価は前述の通りとなり、
PTSで売却する値段を考えれば、十分売却は説明がつくものでした。
3年間で上値余地は30%もないですからね。

結果論ですが、予めある程度想定していたことを
きちんと対処することも必要であるわけですが、
そうなるとどんどん投機的になってしまう面もあり、
なかなか難しい問題です。

改めてよく考えて、今回の件もまた教訓として整理をして
次に活かしたいと思います。




コメント
この記事へのコメント
巡行ペースできっちり成長してくれる会社のほうが少ないでしょうし、将来への種まきをこなしながら、わずかでも増収増益予想なのですからそんなに悲観することもないのではないでしょうか。

まるのんさんが問い合わせてくださったIRからの回答にあるゲーム事業に関する認識も私はこれでいいと思います。

ただ足元の株価は割高感が否めないですね。今日はがっつりと被弾することになりそうです(笑)
2016/05/13(金) 07:04 | URL | sun #-[ 編集]
>sunさん
こんにちは、コメントを頂きましてありがとうございます。

ご指摘の通り、成長銘柄においては一時的に第二、第三のエンジンを吹かして
更なる成長へ向けた布石のために一時的な踊り場を迎えることは、
当然のことですね。
今回の横ばい圏についてはこれが今後の成長のための一時的なものなのか、
中期的な見通しを変えざる得ないものか、
ここは判断が難しいところと認識しています。

私は元々中計の爆発的な成長(3年で32倍位の増益)はないとは認識していたものの、
この一時的な踊り場があることも踏まえてCAGR15%程度を期待していました。
(そうでないと、PER30倍水準でホールドは出来ません。)

今回の横ばいについても15%水準に届いていないから、
即だめという判断というより、
では今期の横ばいをばねに次期以降で回復してくれそうかを想像した時に、
今期の先行投資が本当に一過性のものか、
次期以降に大きく15%を超える増益となって、
ならせばCAGR15%水準を維持出来るかを考えてみました。

ですからIRにその観点でやり取りしたのですが、
例えばWebコンテンツの拡充についても、
今期に確かに大きな投資を予定しているものであると同時に、
その魅力度をユーザーへ訴求するためにその後も継続的に投資は必要という認識
(それは当然だし、投資すべきでしょう)が示さています。
また、ゲーム事業を保守的に見ざる得ないという点にも言及がありました。
(これも当然だし、過度の期待は現時点では禁物でしょう)

これらを踏まえてやはり3年先位の中期期間において、
今期の横ばいを織り込んだ上で、
その後がCAGR15%で見るのが適当だろうと判断しました。

同社のモデルそのものが崩れているわけではななく、
ゲーム事業に進出して試行錯誤している段階でもあり、
そこにゲートの反動が来ているので、見た目の数値は踊り場で悪く見えますが
ビジネスモデルの優位性から見れば黙って放置するという選択もありかもしれません。

私も魅力度は変わらないと思っているのですが、
今の株価水準から考えても、上記成長の見通しを少し修正し、
それに伴う目標株価の修正を行った結果、
今の水準では高いと感じますので、素直にPTSでも売却しました。
残りをどうするかはもう少し悩みますが、
いずれにせよ、目標株価を3960円と置いたので、
これを見直すのが先か、上値余地や現金などの兼ね合いで売り切りが先か。

今回の対処も、事前に今期予想は減速することは想定していたので、
それをうけて狼狽売りする自分に猛省ものです。
ただ、それも結果論ですし、
ではいちいち事前に妄想して危なそうだから逃げておくとかやっていると、
ずっと決算前に投機的な手法に埋もれてしまいそうです。
今回の判断も今の自分のルール上、間違っていたわけではないのですが、
成長銘柄において一過性を理由とした先行投資による
減速感をどう捉えるか、
これは他の銘柄でもよくある悩ましい問題なので、
改めて決算シーズンが終わったら整理して、
自分の考えを整理しておきたいと思いました。
2016/05/13(金) 08:50 | URL | まるのん #-[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://tryinvesting.blog.fc2.com/tb.php/732-23b203ec
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
◆最近のお気に入り