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【決算精査】 2686_ジーフット(16年2月期_4Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング

ジーフットは月次開示によって概ね業績が予想出来ていたので、
まずは実績の数値が大きく予想から乖離していないことが最初のチェックポイントでした。

そして、今期予想がどの程度で開示されるか、
また、足元の政策や今後の政策についてどう認識しているか、
この点に最大の関心がありました。

まず実績についてですが、
恒例の皮算用によって予想をしていましたので(こちらの記事)、
定量面ではこの予想に対してどうかを見ればよいので簡単なお仕事です。

予想のみ再掲すると以下でした。

売上高   : 104,039百万円
営業利益  :   5,860百万円 ~ 5,661百万円
純利益    :   3,040百万円 ~ 2,840百万円

これに対して実績は以下となりました。

売上高   :103,933百万円(▲106百万円)
営業利益  :5,515百万円(▲246百万円/▲4.3%)
純利益    :2,814百万円(▲126百万円/▲4.3%)

予想レンジの範疇ではありましたが、
予想中央値からは表記の額・%の下振れとなっています。
ですが、決算を当てるゲームではないため、
概ね予想範疇に入ったのであればOKです。


次に最大の関心事である今期予想です。
結論から言えば、私の予想EPSは73.8に対して、
会社予想EPSは72.9なのでまぁこちらも妥当なものといえます。

内容は商品政策と客数増加を目論んでいるようです。
この他PB化比率向上や正価販売については、
深く言及はありませんが継続するでしょう。

客数の落ち込みが激しいので、
当面推移は注視する必要があるとは認識していますが、
これは既に想定していることであり、
全体としては私個人としては想定通りの内容です。

ただ、業績未達、更に今期予想も四季報ガイダンスからも下振れしているので、
さすがに株価は下に反応するかもしれません。
一方で、優待含めた利回りは5%程度ありますし、
下値は知れているかもしれません。
結局株価の短期的な動きなど予想出来ませんから、
どうなろうと極論をいえば、どうでもいいことです。

以上から、総合判断はニュートラル(想定通り)の「3」を付与します。


IR電話照会含めて冗長になりますので、
続きは、「続きを読む」へどうぞ。



2.定量数値の確認

連続増収増益を維持するために、
やっと作った数値という感じですね(笑)。

2686_決算短信表紙(16年8月期_4Q)

早速中身を見ていきます。


(1)売上の推移

2686_売上推移(16年2月期_4Q)


月次でわかってはいたことですが、だいぶ4Qは苦戦しましたね。
会社としては天候不順を理由にしていますが、
きっとそれだけではないでしょうから、ここはIRにきちんと認識を確認します。



(2)利益の推移

営業利益について、以下の通りです。
2686_営業利益推移(16年2月期_4Q)

売上が不調なので利益も不調です(笑)。
利益率は3Qとほぼ横ばいですから
暖冬の影響で苦戦したわりには良かったんじゃないでしょうか。

前期比で見ると粗利率は一定の改善が見られますが、
営業利益率は横ばいとなっています。
販管費の使途が気になります。
販管費の費目を見ていくと、福利厚生費、役員報酬、人件費辺りが、
比率的には増えています。
従業員数が2%程度しか増えていないのに対して、
妥当性は見ておこうと思います。


なお、純利益の推移は以下ですが、
概ね営業利益と同傾向です。

2686_純利益推移(16年2月期_4Q)


(3)今期予想の状況

一番の肝かもしれませんが、今期予想についてです。

定量面では、今期予想は3%増収10%増益位となっています。
これまでの2桁成長から見るとかなり控え目になっていますが、
さて、具体的にどんな取り組みをしていくのでしょうか。
定性面でどんな取り組みをしていくのかは、
短信の中で簡単に箇条書きで言及されています。

2686_今期施策(16年2月期_4Q)

昨年記載されているものより、
具体的かつ幅が広がる表現になっています。

例えば商品面の戦略についても
昨年はPB化充実により粗利率改善を目指すというだけの言及でした。
しかし今回の言及は、PB化だけでなく、商品のカテゴリを戦略的にフィットさせること、
またジェンダーや年齢毎のセグメントを意識したものとなっています。
これは今年婦人靴など一部のカテゴリで苦戦したことの反省もあるのでしょう。
また、個店や地域という考え方が導入されている点は、
今後具体的にどんな施策を進めていくのか、見守りたいと思います。

店舗戦略についても、昨年は、小規模都市型店舗や新業態といったものを進めるというものでしたが、
今年は明確にオムニチャネルやEコマースについて言及されています。
この戦略がどこまで囲い込みに寄与しているのか、
未知数なところはあるのですが、前期も一定の効果があったと記載があるので、
今後浸透していくことを期待したいと思います。
新規業態についてはまだ具体的な言及はありませんが、
4シフトという軸が設定出来たことは一歩前進ですかね。
ただもう少し具体化のスピード感を増して取り組んでもらいたいですが。
購買心理の悪化を捉えるというくだりは本当に真剣にやってもらいたいですが、
あのユニクロでも機能性を訴求出来ていないので、かなり厳しいのではないかと考えています。
くじけず長期的に頑張って欲しいです。


私が一番好印象を持ったのは、
人事の改革に言及された点です。
特にダイバーシティを謳い人材への配慮がある点は、よい傾向だと思います。
昨今の流行りなので言及したという形式的なものでなく、
実態の伴ったものになるといいなと思います。
継続的な成長に人材は不可欠であり、人材に対して配慮がある点は+と捉えています。

収益性という点ではコスト構造にも新たに言及がされています。
これも今年の取り組みに具体的な要素を与えている印象です。
販管費抑制、抜本的とあるので、ぜひ抜本的にやってもらいたいですね(笑)。
抜本的にやってやっと10%成長かという気もしますが。
また在庫回転についても言及があります。
これもコストを効率化するために大事な要素だと思いますので、頑張って欲しいですね。


全体としてかなり表面的な考察ですが、
その程度でいいと思っています。
まぁ頑張ってもらいましょう(かなりいい加減!?)。


IRに電話しました。

天候不順以外に構造的な問題はないのかという点について質問しました。

まず同業他社に比べて婦人靴に強みを持っている中で、
天候により影響を受けやすい構造であった点、
それに加えて魅力的な商品提案が出来ていなかった点も反省して、
まさに今商品政策を転換しているようです。

また、スポーツシューズへのニーズシフトが想定超に進み、
そのニーズにフィットさせていくことに遅れたとのことでした。
これにより取りこぼしたものも多かった点も反省し、
現状約3割程度の店でニーズに合ったスポーツシューズの拡充対策を取り、
実際に4月の数値はだいぶ好調に推移しているようです。
その上で、残りの7割の店についても順次この施策を展開していくことで、
5月~6月には展開も目途がつくので、基調を戻したいというWILLがあるようです。

ABCマートなど好調さを維持しているのは、
やはり商品カテゴリやニーズをうまく捉えているという要素が強いのでしょうね。
やはり強い会社は違いますね。


次に販管費の上昇について質問しました。
従業員数は約2%増に対して、人件費は4%増となっています。
更に福利厚生費は7%、役員報酬は22%増です。

人件費の増は適正な従業員還元ということで、
これは人事制度の改革も含めてよい傾向だと思います。
今後は従業員のモチベーションが高まり、収益性貢献してもらえれば十分です。

福利厚生費については、優秀な非正規社員(バイト含む)を積極的に正社員化し、
これに伴い社会保険費用などが向上したことによるものだそうです。
これも短期的なコスト構造だけ見るともちろんマイナスですが、
前述の人事改革の取り組み方針ともマッチしていて、
人材を大事にしていくことはよい選択だと思います。

役員報酬は額面自体少ないですが、2名増員があったもののようです。
前期は業績未達ということもあるので、
その点を踏まえた設定となるべきだという私見を述べておきました(笑)。

PB化率の議論でもABCは概ね50%水準となっているのに対して、
ジーフットはまだ道半ばです。
しかもそのPB化率はやや今期伸長率が鈍化しています。
その点もあまり性急にPB化率を急ぐことで
商品ポテンシャルを維持することへのリスクにもなるので、
うまく両立させていくことを考えながら徐々に進めていきたいということで、
こちらもアグリーです。

ひとつ心配になったのは、商品の評価損についてです。
特にこのことに言及があったわけではないのですが、
PB化の議論の中でもPB化を性急に進めすぎると、
不良在庫を抱えることになるし・・・ということを仰っていました。
これは一般論として当たり前ですが、
今期の取り組みに在庫回転数を意識するような言及もみられ、
社内で在庫について注目が高まっているのかなと思料し、
それが足元での在庫だぶつきによるものではないよね、と・・・
単に心配し過ぎなのかもしれませんが、
念頭には置いておかないとなりませんね。


この他、だいぶお話にお付き合い頂いたのですが、
全体としてお世辞にも研ぎ澄まされたキラリと光る戦略はあるようには思いませんでした。
ただ、こちらの質問にも的確に応えて下さいますし、
課題認識や対処の方向性についても違和感はないのでいいかなと思いました。


かつて主力にしており、
既に半分を利益確定しており、
PF中位に落としているので、今回の決算を見ての期待度を見ても、
的確な判断だったなと振り返っています。


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