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【決算精査】 3230_スターマイカ―(15年11月期_4Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「4」 (☆★★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング


中古マンションの賃貸・売買ともに大きく伸長し、
インベスト事業、アドバイザリー事業も堅調に推移していることで、
前期比で大幅な増収増益決算となりました。
これは既に上方修正されていたので、
既に織り込まれているものですが、素晴らしい実績だと思います。

またこの大幅伸長をした上で、
16年11月期がどの位の水準となるのかに注目していました。
15年11月期は30%~40%の増益ということは修正により把握されていましたが、
16年11月期が0%成長だとすると、
CAGRでならせば15%前後の成長となります。
私は当社の定常的なCAGRは10%で見積もり目標株価を算出しています。
ですので16年11月期が減益でなければ十分と考えていました。

しかし、会社側見通しは、営業利益で10%成長、純利益で14%成長です。
四季報予想よりやや強気の開示となっています。

またこの成長を牽引するための前提となる
保有不動産残高も今期のストレッチを踏まえても減るどころか、
順調に中計目標である水準で増額推移しており、
リノベーションマンションの需要と賃貸住宅の需要が高水準で続く限り、
同社の成長は今後も継続すると考えられます。
短信でも新たなエリア拡大への意欲も示されており、
期待は継続出来ると判断します。

前期の大幅な成長に加え、今期に向けた仕入も順調に推移しており、
かつ定量面でも大幅増益に続いて堅調な2桁成長を見込む会社開示は、
私の予想よりも上であり、総合判断はややポジティブの「4」を付与します。


2.定量情報の確認

2桁の増収増益決算となっています。
3230_決算短信表紙実績(15年11月期_4Q)


これは既に上方修正開示があったためサプライズはないわけですが、
その時の修正理由は主に物件の販売が好調でったためということでした。
そのため、実は今期に計上すべきものも前倒しで計上されてしまうと、
むしろ今期の伸び代が抑制されてしまわないか、
この点を若干心配していました。
当然それは収支計上の期ズレの問題であり全体としてみれば問題なく、
長期で見ればそんなことは無視してよいと判断し、決算前に買付をしていました。

ですから、今期の予想がどの程度で出てくるのかに興味を持っていました。
結果は以下の通りです。

3230_決算短信表紙翌期予定(15年11月期_4Q)

売上高は増減なしの一方で利益は2桁成長を継続する計画です。
前期の実績差分から考えると多少物足りない感じはしますが、
私のざっくりとした見通しは10%成長を期待しているので、
前期の上振れによるハードルが高い中でのこの計画は評価します。

ただ短信上で次期の取り組みとして、
新規投資の促進や人員増加など利益率が一時的には停滞しそうな表現もある中で、
売上横ばい、利益2桁成長の根拠が少し理解が追い付いていません。

同社からは決算補足資料が出ていて、
そんな疑問にも少なくても定量的には可視化して開示してくれています。

3230_セグメント別情報(15年11月期_4Q)


これを見ると、今期には「賃貸」と「インベストメント」の利益率が牽引する計画であることがわかります。
この辺りは私自身もまだ構造を咀嚼出来ていませんので、
今後の進捗を見ながら考察を深めていきたいと思います。



また、定量数値の確認という意味で結果である収支ばかりでなく、
その収支の源泉である物件投資残高の積み上がりは要チェックです。
当然、会社側もそのことを強く認識しており、
17年11月期に向けた中計でも530億の積み上げをコミットしています。
そしてその推移の状況は決算説明資料に開示されています。

3230_物件投資残高(15年11月期_4Q)


前期に2度の上方修正を行う程、販売は好調だったわけですが、
それでも残高は順調に積み上がっています。
この仕入力は目を見張るものがあります。
一方でこれだけ投資を行うわけですので、
財務面には注視が必要な状況です。
ですから、私も分析シートの別紙につけているように、
以下のように現金の推移には留意しています。
同社は営業CFがマイナスですからね。
これは物件への積極投資をしているので当然なわけです。
私は現金に注視していますし、
同社の経営指標はROEに加えてEBITDAを指標にしているようです。

3230_販売用不動産と現金推移(15年11月期_4Q)


こちらの各推移を見ても、
まず財務面では特記すべき改善も悪化もないわけですが、
販売拡大に向けた在庫の積み上がりは順調であることが伺えます。



3.定性情報の確認

リノベーションマンションの市況は日本ではまだ主流ではなく、
新築マンションが主流です。
一方で、利便性に優れており条件のよい土地というのは、
多くが既にマンションなどが建っています。
新たなストックを作っていくというより、こういったストックを有効に利活用していくことが、
今後の大きなトレンドになることは間違いありません。
特に人口減少などが今後の不動産において逆風と言われますが、
確かに全体を見ればそうかもしれませんが、
世帯数はいまだ増加をしていますし、
あと10年、20年後には世帯数も減少に転じてくるはずですが、
その時にこそ、1等地や1.5等地に存在するストックは
より注目されてきて不動産ははっきりと線引きがなされてくると考えています。

その時に既存物件のリノベーションというのは、
大事な訴求力を持った商品になると考えています。

一方で、そのような将来性がある分野なので、
大手も含めて参入が相次ぐと考えられます。
参入障壁が低いというのは、大きなマイナスリスクではありますが、
同社は既に仕入力やそれを収益に結びつける差別化戦略が奏功しています。
利益率で10%台を維持しているのは、その証拠だと感じています。

また、短信でも埼玉県や千葉県など、
首都圏でもまだ開拓出来ていない地域への進出の意欲も示されています。
エリア拡大の余地はまだ存在していて、ここにも一定の成長余力があると考えます。


また決算説明資料上には、明確に民泊への取り組みにも言及があります。
もちろん民泊には多くの構造的な問題や収支モデルが確立できるのかという課題が山積しています。
ですから過度に期待は禁物ですが、今後の展開には注目していきたいと思います。


4.目標株価の確認
まず従来の目標株価については以下の通り策定していました。

18年11月期予想EPS150を想定。
但しそれまでには東証1部昇格していると思われ、
その際に増資があると想定しますので、EPSは10%程目減りさせて評価します。
つまりEPSは135とします。
その上で、評価PERは16.5倍としてざっくり2,250円としていました。

今回の実績を踏まえて、以下の通り再算出をします。

15年11月期実績EPS 123
16年11月期予想EPS 140
18年11月期予想EPS 170
18年11月期予想EPS(増資考慮) 150
評価PER16.5倍

以上から目標株価を2,450円とします。
従来の2,250円から+200円の上方修正とします。



5.さいごに
同社の魅力は仕入力、そしてそれを回転させるノウハウだと思います。
一方でリスクは財務的なリスクです。
特に不動産市況が悪化したり、
経済全体が停滞期に入り、賃貸の動きが悪くなった際に、
今の逆回転が起こりえることは常に念頭に置いておく必要があります。

既に日本管理センター、サンセイランディックを組み入れており、
住宅ローン関連の全国保証を保有している中での、
同社の買い増しは慎重にならざるえません。
現時点ではあと1枚追加するのが、私のポートフォリオでは限界かもしれません。
これは同社の財務的なリスク見合いも織り込んだ上での判断です。
あとはその1枚をどこで追加するかですね。
コメント
この記事へのコメント
非常に参考になりました。
私個人の意見なのですが、自己資本の拡充が目的あれば、増資より自社株の放出が先と予想してます。
財務レバレッジが4倍、自己資本比率は会社が上限としている25%台。
現在は、加速的な物件の積増しが出来ない状態ですね。
2016/02/21(日) 10:09 | URL | みみ #eLhnEZws[ 編集]
>みみさん
こんにちは、みみさん。
コメントを頂きましてありがとうございます。
この記事を書いた時には、
スターマイカの決算はややポジティブだと感じていましたし、
今もその考えにはなんら変わりはありませんが、
株価は実に儚いものですね。
開示直後は評価される局面もあったようですが、
この暴落の波に見事に飲まれて戻りも弱い状況ですからね。
まぁ我慢して放置するだけです。

ご指摘のように確かに自己株放出が先というのはごもっともかもしれませんね。
ただ、今後も物件の積み増しは中長期的には必要であり、
常に資金ニーズが存在することから、
私は同社には3年~5年位先を見ていますが、
その間にはもう一度、
つまり東証1部の昇格時には放出と新株発行の両方があるのではないかと考えています。

ただ、新株発行による希薄化は短期的にはネガティブに捉えられますが、
本来中長期的に見ればその資金が成長のために効率的に使われるのであれば、
株主としては歓迎してもよいくらいに思っています。
ですから、実直な今の経営を続けてくれれば私は応援したいと考えています。
2016/02/21(日) 21:32 | URL | まるのん #-[ 編集]
返信ありがとうございます。

「実直な経営」という表現は、スターマイカに対する私のイメージにピッタリです。

私もスターマイカを長期で持ってみようと思ってます(現在、買い増し中です)が、
ビビりなので希薄化による短期の値動きもこわいですw

しかし、今の財務が成長の足枷になるのであれば、やはり、増資もやむなし。
私は中期経営計画をクリアする前後に自社株放出と増資があると予想してます。

増資すれば「賃貸物件を取得し退去後にリノベ後売却」というコア事業を拡大させる形で成長を加速できるとも思っています。

今日現在の終値で
PBR1倍、予想PER10倍、予想ROE10%。
評価不足ですね。
2016/02/22(月) 20:16 | URL | みみ #mc9/rPhk[ 編集]
>みみさん
こんばんは、みみさん。
更に丁寧な返信ありがとうございます。

私も同じ時期には調達があると考えています。
一般的に希薄化はネガティブに捉えられますが、
確かにEPSが低下するという指標面ではネガティブですが、
それが中長期的により成長への布石であれば、
私は許容したいと考えています。

もちろん、それが本当に成長に寄与するものか、
またその進捗も厳しくチェックをする必要はあると思いますが。

決算は直近でも好調ですが、
この暴落の中で戻りも弱いですし、
今は買い増すなら良いタイミングかもしれませんね。
私は現金比率の問題で現状では突っ込めませんが、
いい頃合いだと思います。
2016/02/22(月) 20:50 | URL | まるのん #-[ 編集]
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