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2139 中広の3Q決算が開示されました。


いよいよ保有株でも本格的な決算シーズンに突入し、
その1陣目は全く期待していなかった中広の決算です。

内容としては想定通りの内容です。
会社予想までぎりぎり届くかなとも
期待していなかったわけではないのですが、
結局10%程度未達という結果でした。
ただ、売上は予想上振れという結果です。

さて、1Qの様子からある程度このような決算であることは
予想されていましたが、
少し中身をみます。

まず、売上高と営業利益の推移は大事ですので、
こちらから見てみます。

◆四半期累計
2139_中広(FY15_3Q)累計グラフ

◆四半期単計
2139_中広(FY15_3Q)単計グラフ


売上高は、1Qではほぼ前期並みという結果でしたが、
2Qでは累計でも5%程度の増収となっています。
2Q単期で見ると、9%弱の増収ということになります。
これは事業譲渡とVC契約の拡大によるもので、
事前の想定通り堅調に推移したと見てよいと思います。
その意味において、1Q決算後に、
今後の事業拡大の状況には注視と記事にしていましたが、
この部分はとりあえず今のところ順調と見てよいと思います。

一方、利益面についてですがこちらは物足りません。
1Qのビジネス拡大に備えた販管費(人件費)の増加により、
収益性は低下しており、減益13%程度の減益となっていました。
上期会社予想は10%弱の増益予想となっていたため、
本当に?というのが1Q開示後の印象でした。
結果としては、未達という結果になっています。
ですので、この営業利益の部分を分解して見ていく必要があるでしょう。
ちなみに、2Q単計では実は微増益となっています。
1Qでの減益をリカバリには至らなかったとみるべきなのでしょう。
会社としては、1Qではビジネス拡大で利益面では苦戦するものの、
その後の立ち上がりで2Qでは増益にもっていけるという算段だったのでしょう。
しかし、2Qのリカバリが想定より弱く、
増益決算には至らず5%弱の減益となりました。
繰り返しになりますが、
この2Qのリカバリが弱かったのはなぜかということがポイントでしょう。

営業利益のことを考えるわけですが、
セオリー通り、粗利益と販管費率の2点に注目します。

◆粗利益推移(FY13~FY15)
2139_中広(FY15_3Q)粗利推移

◆販管費推移(FY13~FY15)
2139_中広(FY15_3Q)販管費推移


粗利益推移を見ると、1Qが一番低く、
期末にかけて額は上積みされていく構造です。
全体として緩やかな右肩上がりとなっていて、
概ね10%程度の増益トレンドと見ればいいのでしょうか。
FY14の4Qでは増税前の広告SP事業の駆け込みがあり、
こちらの比率が高まったことによる特殊要因ではないかと思います。
FY15の期末決算にて各セグメントの粗利益率がわかる数値がありますが、
フリーマガジン事業が64.1%、広告SP事業が29.7%です。
従って広告SP事業の比率が増えれば、
全体の利益率は下がるということになります。
いずれにしても利益率も緩やかに改善してきていて、
粗利益の推移にはあまり違和感がありません。
まぁこんなものでしょうという感じです。
むしろ今回開示のFY15の2Q単期では四半期単位では
最高益となっています。(もちろん売上も最大です)

販管費の推移は、FY15の1Qで上昇していますが、
これはビジネス拡大によるものと1Qで説明がありました。
販管費率が上昇しているのも、その後のビジネス獲得による
収支が立てば改善されるというものでした。
そして2Qでそれがどこまで改善するのかなと思っていましたが、
確かに1Qに比べれば改善していますが、
まだ販管費率40%超となっていて高い状況になっています。

2Qで想定より下がらなかったのは、
事業譲渡により人員も含めて譲渡を受けることとなり、
その分販管費も増えているということだと思います。

ここは推測ですが、
1Qでの販管費率の悪化は想定通り、
2QでもVC拡大に伴う販管費はある程度見込んでおり、
1Qでのビジネス獲得によりトップラインがあがるので、
全体としてはリカバリが出来るというのが、
会社の当初目論見だったのではないでしょうか。

しかし、事業譲渡の話が相次いで舞い込み、
この部分に計画外のものがあったのではないでしょうか。
ですから、その分の販管費が想定超となったのではないでしょうか。
こう考えると、トップラインが計画上振れしている理由も納得です。
もちろん妄想の域なのですが・・・。

だとすると、簡単には販管費は落とせないかもしれません。
譲渡を受けてもちろん効率化を図ることは試みるでしょうが、
譲渡を受ける際には最低限の雇用は守るなどの人道的判断もあるでしょう。
そうなると、その人件費に見合ったトップラインを上げるしかありません。
発行地域の拡大を起点として、
従来の地域誌から中広のノウハウを注入して付加価値があがることで、
広告収入が増えてくることを期待せねばなりません。
これは長い年月がかかりそうな予感ですね。


このように並べてみると、
今回の営業利益ベースで減益決算となったのは、
販管費が原因とわかります。
そしてそれは、VC拡大や事業譲渡というビジネス拡大のために、
人件費が必要となるという構造的な面に目を向けなければなりません。

そして実はこのことは過去の期を遡ると概ね結論が出ていて、
営業利益率の構造に目を向けると
売上などと同様期によって差異はあれど、
概ね横ばいという感じになっています。
つまり、売上を拡大するためには販管費もある程度増加する構造で、
販管費を抑制しながら売上を伸ばせるという構造ではないわけです。

これは考えてみれば当たり前で、
通常のフリーマガジン事業を考えてみると、
発行部数が地域全体配布を原則としていれば、
それを前提とした広告収入が決まり、
あとは企画セクターの人材に加え、
それを配布する人件費はほぼ比例するように増えるでしょう。

A県のビジネスとB県のビジネスがあって、
いくら効率化したとしても、
配布する人件費はそれぞれに必要になるはずです。


当社が高成長を遂げるとすると、
広告主が大手に変わっていくことで
広告単価があがることで、
従来と同じ原価、販管費でも単価があがることで、
収益性が高まることが期待されます。

実際に中広の経営層はそのようなことを考えていると思います。
今はVCチェーンなどによる認知度向上により、
存在感をまずはきちんと確立し、
将来のデファクト化を狙っているという感じがします。
今は投資期という感覚なのではないでしょうか。


そういうことを踏まえると、
特に私の見立ては変わることはありません。
この決算で元々当社のビジネスモデルは何ら変わっていませんし、
その価値が変わったとも認識していません。
株価はこの決算くらいは想定していたのではとも思いますが、
予想未達だとか、下方修正リスクだとか言われて、
売られるのかもしれません。
私は相変わらず値動きを読むのは苦手なので、
下がるなら下がるでやむなしだと思いますが、
特にポジションをいじるつもりは今の所考えていません。


最後に参考までに、
セグメント毎の推移も記入したものがあるので、
キャプチャを貼っておきます。
2139_中広(FY15_3Q)セグメント情報
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