十分な教育資金と老後資金のために

Author:まるのん
30代イクメンサラリーマンです。
将来の教育資金と老後資金を形成するため、中長期視点で現物日本株へ投資しています。投資初心者の日々の状況を公表していきますので、叱咤激励のコメントを頂ければ幸いです。
年初来:+20.8%(2017/8/10時点)

4845 フュージョンパートナー 東証1部 【情報通信】

 いつも懇意にさせて頂いている読者のsunさんから、
 当銘柄のご紹介を頂きましたので、
 私なりに簡易分析を行ってみました。

 1.事業の概要
  SaaS/ASP事業がメインで、
  インターネットや電話などの各種チャネルを活用した、
  検索、FAQなどのシーンにソリューションを提供しているIT事業者です。
  連結会社のデジアナコミュニケーションズが提供する、
  サインと内検索システム「i-search」とFAQシステムの「i-ask」が
  2大事業のようです。
  一方で当社の創業時点の基点でもある、
  データベースコミュニケーションズが提供する
  ソリューションについては、今は下火のようです。

  データベースといえばオラクルですが、
  最近の日本オラクルの対応はライセンス料も高額で、
  市場とミスマッチになっている部分もあり、
  Microsoftが提供するSQLServerなども台頭してきており、
  基幹系でない部分については特に、
  変革が起こっているはずです。
  基幹系の堅牢なデータベース管理が必要な部分であればいざ知らず、
  なかなかデータベースを主体にしたビジネスは難しいのかもしれません。

  というわけで、サイト内検索とそれに付随するFAQなどの
  付帯サービスの動向について考察すればいいかなという印象です。

  それから当社を語る上ではM&A戦略も重要なようです。
  最近でも私の保有銘柄の2352エイジアに対して、
  市場でいきなり株式購入を進めていたりもします。

  この件は、エイジア側も寝耳に水状態だったようで、
  やり方としてルール違反ではありませんが、
  日本においてはやや強引なやり方だったのではないかと考えています。
  ただ、エイジアが財務体質や当社とのビジネスシナジーを考えれば、
  とてもよい着眼点だなと思います。
  エイジアは販促ソフトとしてメルマガ配信ソフトWEBCASを主力商品ですが、
  サイト内検索やFAQなどチャネル連携という意味では、
  WEBCASが活用されるCRM市場において、
  シナジー効果も高いものと判断できます。


 2.成長性について
  成長源泉はやはり顧客数の増加でしょうか。
  サイト内検索システムやFAQシステムは足元でも好調に推移しており、
  こちらの顧客数が伸長することで、成長余力はまだあるようにも思います。

  またこれらの顧客の多くが支払う、
  ストック型の基盤が安定性をもたらすという点でも
  ある程度安定した成長軌跡が期待できると考えます。

  また、もうひとつの成長源泉は、M&Aでしょう。
  エイジアの件でも触れましたが、
  もしエイジアを傘下にすることで、
  当社の企業価値があがり、
  提案力もより魅力的になり差別化要素になりそうな気もします。

  一方で、新規顧客の獲得がどの程度を今後期待できるのか、
  ここは正直よくわかりません(笑)
  例えばエリア拡大の余地を評価する際に、
  営業所の分布を見るとかすると何か見えてこないかなと思っているのですが、
  東京と大阪にしか事業所がなく、これで全国をカバーしているので、
  今後事業所が各地に出来始めるとそこを拠点として潜在顧客がいるのかな、
  とか推測も出来るのですがね。

  検索システムを提供する会社は非上場も含めると
  それなりのパッケージ商品が色々出てきます。
  ニーズはそれなりにあるし、
  今時、Webサイトを持たない会社など少ないでしょうから、
  そのニーズのパイをどうやって奪い合うかということだと思います。

  すると、差別化要素が大事になってくると思います。
  そう考えた時に、当社の提供するi-searchやi-askは何が差別化要素なのか。

  私は技術力などオンリーワンで外部要因に依らない
  本質的な企業価値が高いことを期待しています。
  ここで、当社の製品の技術力が高いのかどうか、
  ここが私の着眼点になるわけですが、
  特徴として、検索時のサムネイル画像を
  セットで表示できるという点が特徴のようです。

  私がgoogleなどで「サイト内検索」で検索してみると、
  当社の製品も含めて複数出てきますが、
  サムネイル画像が表示されるという程度のことは、
  他社でも対応していそうです。

  他にも色々考えてみましたが、
  当社の強みはやはり製品の技術力ではなく、
  営業力になるのではないかという結論になりました。
  技術力という面で、当社の製品でなければならないという要素が
  あまり見当たらず、体系的に整理された価格戦略や、
  導入企業の実績などを武器にデファクトスタンダード化されることによる、
  営業力が高いということかなと思います。

  技術力という面で研究開発にどれくらいを費やしているのかを四季報を見て、 
  概要を確認すると、研究開発としての支出は0です。
  となると、ある程度パッケージ化された製品は完成していて、
  個々の企業へのカスタマイズは個々に対応しているということでしょう。

  前例のエイジアとの違いですが、
  エイジアの提供するメール配信システムのパッケージは、
  技術力が高いということが、配信速度や配信数などからも伺いしれます。
  実績導入を見ても、顧客から例えば一斉配信や対象が多数であることなど、
  様々なシーンできちんと技術力で対応している姿が魅力なわけですが、
  当社の検索システムがこういう技術面で秀でている点が、
  想像出来なかったのです。
  その分、エイジアに比べると営業力が強く、
  それが今の好調を下支えしているのではないかと思うわけです。

  技術力に基づく製品のオンリーワンという要素は見出しにくいものの、
  多くの顧客で導入されてきたという実績と導入しやすい価格体系を武器に、
  強力な営業力を武器に拡販していくことが成長源泉であると認識しました。

  また、その営業力強化のためにも、
  より提案力を向上させ、トータルコーディネートを可能とするために、
  Web周辺のソリューション事業のM&Aも積極化していくことで、
  企業価値の向上も目論んでいるということになろうかと思います。

  定量的な成長性についてですが、まずは過去のPL情報をチェックします。

 plh_4845_10.png


 10年期間でみると、のれん償却を一括償却したとのことで、
 一度だけ純利益ベースで赤字を出していますが、
 それを除くと堅調な推移と見ることが出来ます。
 特に、過去5年で見る、安定した成長を続けています。
 それは以下の会社開示の説明資料からもわかります。

 4845_業績推移

 今期予想の利益率が下がっている点ですが、
 今期からIFRS適用など基準が変わることもあり、
 単純比較が出来ないので参考程度にみておきます。

 過去3年の営業利益のCAGR(年平均成長率)は32%程度です。
 さすがに高い成長率です。
 今後これが継続するかどうかという点ですが、
 新規開拓がどこまで進められる余地があるのか、
 この部分がよくわからない点、
 それからM&A戦略も影響すると考えると、
 多少のリスクは見ておいた方がいいようにも思います。

 IFRS適用は2、3年というスパンで見れば、
 有利に働くはずです。
 定率法から定額法への償却方法は統一化されるようですし。
 このようなことは本質的なものではありませんが、
 25%程度の成長は継続すると判断してよいのではないでしょうか。


 3.株価水準

  現在の株価は505円です。

  時価総額:75.5億
  PER(15.6期実績):22.5倍
  PER(16.6期予想):16.8倍
  PBR:3.7
  配当利回り:2.8%
  自己資本比率:55.5%
※優待なし

 最近の暴落があってだいぶ割安にみえます。
 暴落前の株価はざっくり1000円でしたから、
 それでPERを評価するとだいぶ高く買われていたことがわかります。
 私の保有株の日本管理センターを見ているようです(笑)。


 4.目標株価

  25%成長を前提に3年後のEPS目途を算出してみます。
  
  16.6期 予想EPS(会社予想) :30
  18.6期 予想EPS(まるのん予想) :47

  成長率25%を元にしてみると、
  評価PERは30倍までは見てよいかと思います。
  少し甘めかもしれませんが、
  現時点である程度の評価までを考慮させるとこうなります。

  すると、3年後の目標株価は1,410円となります。
  現在の株価から見て、上昇余力は約180%になります。

  驚異的な数値なわけですが、
  今は、多くの高成長銘柄が暴落しているので、
  見た目上の上値GAPが大きくなるということだと思います。

  財務価値と事業価値の総和でのアプローチも試みましたが、
  財務価値において、今期から増額されている関連会社株式の
  評価をどうするか不透明で断念しました。
  これはエイジアのことですが、
  ご存じの通りエイジアはキャッシュリッチな会社ですし、
  技術力も大変高い会社です。
  このあたりの評価が難しいですね。
  ただ、今回自己資本比率を下げ、
  短期借入金まで投入して財務を悪化させていますが、
  (といっても十分健全な部類で立派なBSだと思いますが)
  内情はエイジアの株式ということで、
  エイジアのBSを見れば、全体としても健全性は極めて高いといえます。

  このあたりも考慮して、評価PER30倍としています。

bs_4845_5.png



 5.サマリ
  今の相場暴落の局面で、
  この成長性を継続し、25%程度の成長を継続出来ると判断出来れば、
  現時点の投資妙味が極めて高いという判断になります。

  但し、私は成長源泉のところで営業力が主体と評価しましたが、
  これは判断が分かれるところだと思います。
  つまり相応な自信があるわけでもなく、
  なんとなくここかなという感覚ですので、
  やや自信に欠けるというのが率直なところです。
  (あくまで私の無知のせいなのでしょうが)

  エイジアとフュージョンパートナーとを比較すると、
  それぞれ異なっていて面白いなと思います。

  エイジアは足元での成長性は体制強化のためのコスト増と、
  EC向けが主力ということで小売業に傾斜せざる得ない中で、
  ダブルパンチ状況で足元の成長性が鈍いものの、
  技術力は高く潜在成長力は高いと判断しています。

  フュージョンパートナーは足元での成長性は抜群で、
  コスト要因も大幅な体制強化もしておらず、
  従来とコストトレンドが変わらない中で成長が顕著であるものの、
  それは商品の技術というより、
  導入実績や営業力などが主体と判断しています。

  今期PERを見ると、
  エイジアは14.2倍、フュージョンパートナーは22.5倍です。

  私は既に売却済ですが、
  個人的には上記のことを踏まえると、
  エイジアの方が成長性のわかりやすさと
  バリュエーション面から魅力に映ります。


  最後に蛇足ですが、エイジアの株式買付について、
  このような方法で唐突に買付をすることは、
  今後の事業一体化を考えた時に
  軋轢を生むのではと危惧します。

  ルール上は不要なので違反をしているわけではありませんが、
  もう少しうまくやることは出来なかったのかなとは思います。

  この辺りのガツガツ感は良くも悪くもフュージョンの特徴なのかもしれません。


<補足>
エイジアとのシナジーについてですが、
サイト内検索の履歴やお気に入り登録情報を顧客情報を結び付けた時に、
販促に活かすなどの一連のマーケティング効果が期待できると思います。

エイジアは顧客の属性(性別、居住地、家族構成など)で、
メルマガの内容や頻度、キャンペーン情報などをうまく棲み分けして、
効率的なマーケティングを行うことで、
消費を喚起させるソリューションとして提供しています。

一方で、エイジアの提供するサービスを応用させることで、
サイト内検索が行われた結果を新たなマーケティングに活用したり、
FAQの使われ方をもとにした新たな取り組みへの喚起という点でも、
有用なシナジーが発揮されるように思います。
コメント
この記事へのコメント
まるのんさん体調不良を押して記事をUPして頂いたのでしょうか。もしそうでしたらたいへん恐縮です。

特に業界のこと、サービスの競争力についてのことをここまで調べて記事にできる勉強熱心な姿勢は見習いたい点ですが、なかなかまるのんさんのレベルには到達できそうにないかも。
私なんてこんだけ高い利益率キープしてるんだから多分競争力高いんじゃないで終了してしまってるので(笑)
まるのんさんが指摘されているように、IRの説明に当社の強みは顧客のニーズを細かくくみ取る営業力ですという説明があったと思います

技術力のエイジア
営業力のフュージョン

といったところでしょうか。

エイジアとの提携についてですがたしかに突然30%もの大量の株式を取得しましたという挑戦的な接近の仕方は日本人の文化には馴染まないですし、まるのんさんがご心配されるように軋轢を生みうまくいかない要素になってくるかもしれないですね。まるのんさんの記事を拝見した限りでは提携によるシナジーは高いみたいなので、なんとかうまくやって互いにwinwinになってくれるといいですが。

ピーク1000円からの下落については本決算が出た後に始まっているので、たぶん営業利益率が先期とほとんど同じで、会社予想では営業利益ベースで6%しか成長してないのが嫌気されたのかなと推測してみました。先々期までは営業利益率の改善が目覚ましいものがありましたので

実は私のほうでも分析記事を下書きした状態になっています。まるのんさんに伺ったエイジアとのシナジーについて補足し、こちらの記事を文中でリンクさせてUPしたいと思いますが、失礼にはあたらないでしょうか?
お返事を頂いてからUPしたいと思いますのでよろしくお願いします。

まったく急いでおりませんので、体調がよくなられてからゆっくりと返事を頂ければと思います
2015/09/10(木) 15:28 | URL | sun #-[ 編集]
>sunさん
こんにちは、sunさん。
今日は自宅におりましたので、
逆に返信が早いです(笑)。

今日の午前中にざーと書いたので、
色々稚拙だったり整理されておらずに申し訳ありません。
またリンクでご紹介頂ける点、大歓迎です。
というか、こんな内容でよいのでしょうか、
と不安になりますがどんどんリンク張ってくださいませ。

両社のシナジーは確実にあるとは思いますが、
その進め方などを誤ると、
M&Aで失敗する典型例のようになってしまいます。
ぜひ「うまく」やって欲しいものですね。

営業力と技術力というのはそれぞれ優位性がありますよね。

営業力とは、一番強力でありながらも、
一番もろいとも思います。

営業力は人財があってのものであり、
その人財は一朝一夕には築けないものです。
ですから、差別化要素としては強力だと思います。
一方で営業力とは目に見えにくいものなので、
なんとなく営業力が強みと言っていても、
その会社の本当のコアコンピタンスが
何かわかににくいという面もありもろさもあると思います。

技術力は定量的に毎分何通というように可視化出来るので、
仮にニーズに定量目標がある場合には、
もうその商品しかないというケースもあり、
それがエイジアの強みでもあります。
一方で技術力は大手が本気で参入すれば
逆転される可能性もありますが、
ではエイジアのようにこれだけの技術が既に構築されている
状況に対して、ガチンコで対決する経営判断はしにくく、
実際には提携になるのではないかと思います。
もしくはM&Aでスピードを求めるか。
その意味ではフュージョンはそういう選択をしているのだと思います。
TOBかけるなんて展開もありえるかもしれませんね。

私はコアコンピタンスが明確で、
かつ定量化出来る要素もある技術力がはっきりしている方が
安心出来るのですが、これは人により評価がわかれると思います。

営業力で勝負しているリクルートなどは
その人財がとてもつもなく優秀で、
はっきりいって何をやってもビジネスモデルを作り、
儲かるビジネスにしてしまう神業を持ち合わせています。
リクルートは決して技術力が高いわけではありませんが、
創業以来、営業力で成功している会社はありますからね。

sunさんの分析記事を楽しみにしています!

2015/09/10(木) 16:17 | URL | まるのん #-[ 編集]
私の記事をUPさせて頂きました。
まるのんさんのおかげで勉強になりました。ありがとうございます
2015/09/10(木) 20:45 | URL | sun #-[ 編集]
>sunさん
こんばんは、sunさん。
わざわざありがとうございました。

記事も拝見しました。
こちらこそ、よい銘柄をご紹介頂き、
私自身も整理され勉強になりました。
このような機会を頂きまして、
ありがとうございました!
2015/09/10(木) 21:46 | URL | まるのん #-[ 編集]
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