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3844 コムチュア 東証1部 【情報・通信】

 IT系と一言で言っても実は様々な業態があります。

 今日は、東証IRフェスタで最終的な投資判断を行った、
 3844コムチュアを取り上げたいと思います。
 なお、従来と同様ですが、
 当記事では、当社に対する私の現時点の見立てを述べているだけで、
 買い煽りでも売り煽りでもなく、
 特定の投資判断を誘導する目的ではありません。
 投資判断は言うまでもなく、自己判断でお願いいたします。

 今回は少し業界全体のマクロなところから
 所感を書き連ねました。
 分析というか殴り書きで恐縮ですが、
 まずはこのような考え方で進めさせてください。


1.事業内容
 
 一言で言えば、IT系企業ということですが、
 これではあまりにざっくりしています。

 そもそもIT系と一言で言っても、
 その業態は様々ですが、
 当社の資料からわかりやすい資料を抜粋してみます。

 IT業界の区分

 ITを駆使するために、
 何が必要かという観点で見てみます。

 まず筐体が必要です。
 簡単に言えばパソコンとかサーバ機器のことですね。
 サーバー機器には様々な種類がありますが、
 汎用機といって、
 大量のバッチデータ(オフラインデータ)を処理するためのに、
 演算能力に長けた機器が必要です。
 よく箱とかとも言われますね。

 そして、これらの膨大なデータを格納する
 データベースなども必要になります。

 こういった筐体やデータベースなどの機器全般をハードウェアなどとも呼びますが、
 これがハードウェア業界(図の左下)と呼ばれる区分です。

 日立、富士通、NEC、東芝などが代表的な企業ですね。

 これらのハードウェアベンダーは主に機器販売で
 粗利を稼ぎますが、
 当然のことながら、そのハードウェアで何をするのかが重要であり、
 箱を並べただけではただのがらくたと言ってもいいようなものです。

 秀悦なハードウェア構成を構築したら、
 そのハードウェアで何を実現するかが次に大事になりますが、
 それがソフトウェア業界です。

 このソフトウェア業界は、ハードウェア業界に比べると
 競争も激しいわけです。
 一定の信頼性を担保したハードウェアを提供出来るのは、
 上記に示したようなある程度名の知れたメーカーが中心ですし、
 新たな参入もあまり考えられません。

 それに対して、ソフトウェアはプログラミングコードが書けて、
 QCDをマネジメント出来る能力を備えた人間が参画出来れば、
 規模感はともかく誰でも参入出来ます。

 個人でちょっとプログラミングをかじった人が、
 アプリ開発とかしていたりもしますね。

 しかし、このソフトウェア業界は更に細分化することが出来ます。

 この業界のリーディングカンパニーはNTTデータですが、
 NTTデータが得意とする大規模システム構築を手掛ける際には、
 PM(プロジェクトマネジメント)力が何より求められるわけですが、
 実際大規模のプロジェクトを管理出来る会社は早々は存在せず、
 実際にはゼネコン業界と同様で、1次請け、2次請けと階層化するわけです。

 NTTデータやNRIのように
 主要顧客から直接受注を取り、リスクを負ってその事業を推進する会社があります。

 これがソフトウェア業界の中でも上流工程に重きを置いた会社群です。


 一方でこういった上流工程を主力する会社から、
 受託を受けて2次請け、3次請けで対応していく中下流の領域に重きを置いた会社群です。

 特殊な技術や商品、対象業種をターゲットにすることで、
 収益性高く事業運営している会社もあれば、
 受託ビジネスでじり貧になる会社もあり、明暗が分かれる会社群です。

 なお、ハードウェア業界に属する会社も、
 自社のハードウェアをより販売するためにも、
 ソフトウェア業界にも参入しており、
 自社の機器構成に最適化を図ってソフトウェアを提供出来ることを訴求しています。
 もちろん、ベンダーロックされることの弊害もあり、
 NTTデータやNRIのようにベンダフリーで最適構成を手掛けられることに優位性があることもあります。
 

 さて、ハードウェアとソフトウェアが準備出来れば、
 あとは通信やインターネットを使うことでサービスの幅も広がります。
 そのためには、通信・プロバイダー業界が必要ですし、
 それをインターネットの世界と結び付けて、
 インターネットを介した様々なサービスを手掛けるインターネット業界が存在します。


 コムチュアの資料を私なりに読解してみるとこのようになります。


 そして、コムチュアはこのソフトウェア業界で、
 いわゆる受託ビジネス主体だった中下流領域から、
 上流領域へ進出している過渡期であり、
 しかもそれが加速していると感じています。

 元々当社はグループウェアという商品を主力で扱っていました。
 細々と特定商品を売っているだけではトップラインはそこまで伸びないわけです。
 実際に上場後の2007年から2012年位までの期間は、
 そういう時代だったのかもしれません。

 しかし、2013年あたりから明確にトップラインが伸び始めるようになりました。
 ERPや金融機関向けの情報系サービスをクラウド化して、
 ここに変化の転機があるように思います。

 システムには「基幹系」と「情報系」に大別されますが、
 「基幹系」は基幹業務がシステム化されるというコスト削減が中心ですが、
 「情報系」はシステムの潜在力を発揮できる領域です。

 グループウェアで共有された様々な情報を一元管理し、
 それを統計的な可視化を行ったり、
 傾向分析から次のアクションをシステムが示唆してくれるなど、
 戦略構想に欠かせない判断材料をもたらしてくれる可能性があり、
 単なるコストカットの役割ではなく、
 他社と事業運営全般の差別化を図るための戦略投資部門になりつつあります。

 そしてこれは当面の間続くと思われます。
 これまで捨てられていた顧客のトランザクションデータはお宝が眠っています。
 そういったものを「情報系システム」を介して可視化するニーズは、
 まだまだ発展過渡期という感覚があります。
 

 そんな全体像を思い描きながら、
 当社資料 を見ていくと事業内容もなんとなく理解しやすくなります。

 ちなみにクラウドが連呼されていますが、
 これは様々な利点があるわけですが、一番の利点は、
 多額のハードウェア投資が不要になる点でしょうか。
 設定をカスタマイズして必要なスペックさえ明確になっていれば、
 クラウドサービスを活用することで、
 多額のハード投資が不要になる、かつ個別最適で構築を進められる、
 フレキシビリティが良い面なのではと感じます。

 アマゾンのAWSは多くの企業で注目されていますが、
 こういったサービスと密に連携して協業していることも、
 強みになるのかなと感じます。


2.成長性について
 成長性についてですが、
 まずわかりやすのは、M&A効果による成長です。
 2015年に入ってからも2社を相次いでM&Aしています。
 特定の技術を持った会社を中心に買っているようですが、
 東証IRフェスタで向CEOに話を伺った時にも、
 M&Aの方針の話になりましたが、
 目先の利益に捉われない、
 むしろ技術の原石を見つけて磨いて収益化に貢献されていく、
 そんな雰囲気であると感じており好感しています。
 もちろん、原石のまま光らなければ失敗になり、
 そのリスクは負わないとなりませんが・・・。

 次に事業のシナジーです。
 当社は金融関連などもゆうちょ銀行など大型顧客へ浸透してきていますが、
 例えばマイナンバー対応といった時に、金融のCIF管理などと結び付けて、
 システム対応は膨大な投資が必要です。
 こういった対応をスピード感にも優れたクラウドサービスで提供出来る当社は、
 競争力も収益性も勝るので、こういう新たなテーマが出てきて、
 そのテーマと既存事業のシナジーといった観点でも成長性があるものと思います。
 こういったものを新商品として提供出来る可能性もありますし、
 既存サービスの付加価値向上による価格転嫁といった要素ですね。

 当社はアベノミクスの前からずっとベアをやってきているようです。
 労務費が3%増(つまり給料増)となっても、
 会社として5%増の利益が達成出来ていれば、
 差分の2%が会社利益に直結するという考え方です。

 この制度は今のように成長が続く中で、
 社員の士気向上にも繋がっており、
 正のスパイラルが循環しているのだなという感じですね。

 社員に直接インタビューしたわけではありませんが、
 もしこれが事実だとしたら、この従業員のモチベーションが、
 成長性の源泉だとも思います。

 さて、これまでの成長性は以下の通りです。

3844_コムチュア決算推移


 そして中計の成長性は以下の目論見のようです。

3844_コムチュア中計

 注目は、CAGRが21%ですね。
 年平均で21%の成長で推移するということです。

 これをもちろん鵜のみには出来ませんが、
 足元での事業がより上流域に進出してきていることを加味してみると、
 これ位はあってもよさそうに思います。
 少なくても2016年3月期は相当期待出来ます。(東証IRフェスタでのお話を踏まえて)

 
 3.株価水準について
 現在の株価は2,041円です。

 時価総額:109億
 PER(14.3期実績):17.5倍
 PER(15.3期会社予想):16.0倍
 PER(14.12期四季報予想):16.0倍
 PBR:3.2倍
 ROE(14.3期実績):18.3%
 ROE(15.3期会社予想):19.4%
 ROE(15.3期四季報予想):11.5%
 配当利回り:2.4%
 ※優待なし

3844_チャート
※ゴールデンチャート社から出力

 成長が続いていますが、株価はアベノミクスの始めに2倍に高騰しているものの、
 そこからは凹凸こそあれど、横ばいトレンドです。
 今の水準がフェアバリューということでしょうか。
 私には、当面の成長性を考えると安いな~という印象です。


 4.リスク要因
 ソフトウェア業界において大きなリスクは不採算案件の発生です。
 ITシステムは目に見えないものなので、
 工程が進んで見て初めてわかる事象も存在しえるわけです。
 実際に当社でも過去に発生させていますね。
 この再発防止は特効薬はなく、
 とにかくマネジメント層が注視するしかありません。
 一応、全社組織として品質チェック組織に厚みを持たせるなどの対応も取っているようですが、
 これがあっても起こる時は起こりますからね。

 一過性の費用になるとはいえ、不採算案件の発生リスクは認識しておくべきでしょう。


 それから当社は事業として適正な利益が乗らない案件は、
 断るという姿勢を明確に出しています。
 つまり、それなりに投資規模があって、
 きちんと適正なお金を払ってくれるところに特化していく方針です。

 これはとても合理的で良い判断と思う反面、
 そういう姿勢があまりに露骨で表面化することで、
 よく思わない方々も出てくる可能性があります。
 業界は狭いようですから、こういう評判がネガティブに働かないといいなと思います。

 その他M&Aの失敗リスクなども挙げればきりがありませんが、
 致命的な成長阻害要因は思い当たりません。


 財務面の安全性ですがまず、無借金経営です。
 有利子負債が0です。

 BSを見てみると現金が着実に増えています。
 一番大事なキャッシュフローを見ても、
 営業CFが大きく、クラウド化ということもあり投資CFは案外少なく済んでいるようです。
 自己資本も70%程度と高いですね。
 財務面は全く心配がない、岩盤だということがわかります。

3844_BS.png



 5.目標株価について
 15.3期EPSは127.6です。
 当社の成長率は中計下振れで保守的に18%成長を続けるものと見ます。
 すると、18.3期EPS予想を210となります。
 成長率18%で評価PERは18倍を想定します。

 成長率は妥当なライン泣きもしますし、
 評価PERは一時的にはもう少し高騰することを狙ってもよいかもしれません。

 以上のことから、18.3期での目標株価は 3,780円となりました。


 6.サマリ
 営業利益率でこの業界では珍しい10%前後をキープしています。
 技術力も備えているものの、クラウドを使った協業のスキーム整理が奏功し、
 当面は成長も著しく推移してくるものと見ました。

 また東証IRフェアで向CEOと対話をさせて頂きましたが、
 株主のことを考慮した施策が打たれている印象です。
 配当性向などそのわかりやすい例です。

 私は増配でもらえる額というより、
 そういう姿勢であることをもっと周知して、
 魅力を高めていって欲しいと思っています。

 以上からやや目標株価は控えめな評価にしています。
 一方で成長性には今の所自信もありますので、
 自信度はBで設定しています。


*****************************

 すみません、今回は全体感からの殴り書きのようになりました。

 もう少し当社の手掛ける具合的な事業に対して、
 展望を言及出来るような記事作成を検討したいと思います。

コメント
この記事へのコメント
こんばんは!

コムチュアに関するとても素晴らしい記事ありがとうございますですよ!

現時点での事業環境、業績、将来性、株価位置など、もうちょっと評価されてもいい水準だとは思うのですが、いかんせん「人気」がないですよね!

岩の心電図状態のコムチュア株ですが、いつか日の目を見るまで持ち続けようと思いますよ!
2015/03/26(木) 21:56 | URL | 犬次郎 #LNbE6It2[ 編集]
>犬次郎さん
こんばんは、犬次郎さん。
コメントを頂いておりながら、
レスが遅れてしまい申し訳ありません。

コムチュアの件は自分で読み返してみて、
改めて駄文だなと思ってしまいました。
読みづらい点が多々ある中で、
このように仰って頂けて光栄です。

私も犬次郎さんと同じ見解で、
もう少し評価されてもよいのにな、と思います。
どうしても主力銘柄が順調な時には、
なかなか見向きされませんね。
そのくせして、今日のように、
全体相場が崩れると、連れ安どころか、
それを上回る下落率でゲンナリしますね。

この業界はどうしても評価損の発生リスクも高く、
それがなかなか予見できませんので、
そのリスクを取ってまで今の全体相場が好調な時に
手を出す必要はないのかもしれませんね。

ですが、中長期で見た時に
そのリスクを認識した上で、
増益基調を確認しながら、気長にホールドしていきたいと思います。


システムインテグレータという会社がありますが、
同社よりやや小さい規模ですが、
順調に成長している中で、
たった1件の不採算案件で一気に疑義がつくようなこともありますので、
資産割り当てには留意しないといけないなと思います。

私のように少額投資家は、
そういう意味で分割してくれるとありがたいのですが、
向CEOの意向では、
4000円程度までは考えないと断言されていましたので、
私の運用資産を増やすしかないです・・・。
2015/03/27(金) 21:37 | URL | まるのん #-[ 編集]
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