投資方針に忠実に退屈な投資で資産形成

今年も日経IRフェアに行ってきました。




昨年は気合も入っていましたが、
今年は所用があったりしたため、半日の参加でした。
従って、定点観測している企業のみさくっと回っただけでした。

■(参考)昨年の記事
その1
その2
その3



■コタ
最初に興味を持ったのは2015年のIRフェアでした。
それからずっと関心を寄せています。
昨年もお話を伺いましたが、今年もゆっくりとお話を伺いました。
説明して下さった広報IRを担当されている女性は緊張してしまうので、
男性の方を捕まえました(笑)。

やはりとてもいい会社だと思います。
ただ、だからこそ、人材への課題が見え隠れするのが少し残念です。
顧客との共存・成長などの理念が強く、
また美容室という特殊なお客様を相手にすることから、
働き方も人海戦術的な要素もあったりでそこが課題なのかなと感じました。


細かな質問は割愛しますが、
主なやり取りをメモ書きしておきます。(自分への備忘)

(顧客環境全般)
・美容室全体におけるシェアは件数ベースでいうと
概ね4%程度と低い。
・ただ、母数の中には多くの個人少数経営の美容室もあり、
当社のターゲットとする所はもっと小さい。
・とはいえ、今後成長を標榜している美容室はまだ相当あり、
規模拡大による成長阻害になるような状況ではない。
・加えて、美容室は新陳代謝が大きい業界でもあり、
常に淘汰され新たな美容室が生まれる構造にある。
・そのような中で、コタの高品質商品及び旬報店システムによる
経営コンサル色のサービスへのニーズが底堅い。
・先輩などからの紹介というルートも多く、
手当たり次第ドアノックして営業しているわけではなく一定の効率性をもって
営業活動が出来ている。

(商材)
・非正規ルートでの商品が出回ることは
ブランディング毀損にも繋がり大きなリスク。
・常にこういうことが起こりうるのは同業他社も同じ。
・コタはこの非正規ルートの監視は特に注視していると自負しており、
対策も講じている(細かくは企業秘密)。

(17.3期の売上抑制)
・一時的に旬報店の伸長が鈍化したため。
特に大きな理由があるわけではないが、
伸長が鈍ると減収まではいかないがこういうことは起こりうる。

(人材面)
・コンサルには注力しているが、1人の営業が掌握している美容室は、
同業他社の10分の1位できめ細かく対応することを是としている。
・そのための人材の採用や定着が必要だが、
ここは大きな課題で、今期を減益予想にしているのも人材投資を
本気でやらないと成長阻害になってしまう危機感からである。
・離職率もようやく落ち着いてきたため、今の投資おきちんと続けていく。
(人材投資を甘くみて、少し離職率が高かったようです。今もまだ過渡期。)

(競合関係)
・資生堂やミルボンなどの他社も高品質商材を持っているが、
一般商材扱っているということだけで敬遠する美容師もいる。
美容師はプライドが高いこともあり、
自店では選りすぐった専売品を扱いたいという深層心理がある。
(本当かな・・・?)
・ミルボンはコンサルも含めて同じようなモデルを追求しているが、
顧客への寄り添い方のスタンスが違う。
コタは本気でその美容室が経営上でよくなるためにという視線が強い。

(景況感)
・化粧品など女性向け商材の場合、景気悪化による影響は大きくない。
・震災の時には物理的に美容室が開けないという地域もあったが、
リーマンの時も売上を失っていない。
・ターゲットとなる中上流層は、旦那の小遣い減らしてでも
美容への意識は高いし、男性の視線と異なるのが面白い。

(成長)
・旬報店への囲い込みがすべて。
・シャンプー等の商材はコロコロ変えるのではなく、
ロングセラーをベースに新しいもの好きな美容師にも刺さるように、
若干カスタマイズなどの派生商品などをかまして惹きつける。
あまり大きなヒット商品で爆発なんてことは元々考えていない。
・資生堂など大手は逆に商材をリニューアルしたり、
様々な趣向で飽きられない環境作りをしているが、
美容師が自信をもって売るといった時に、それがストレスになることもある。

ちなみに、コタについては、ちょうどビジネスモデル分析で人気の
すぽさんのブログで活発な議論がなされていますので、
そちらを見て頂く方が100倍勉強になるかと思います。 → こちら



■コンドーテック
今年のタイトルは以下です。
「コンドーテックの未来は視界良好!!」
~売上高1000億円に向けて~

説明して下さった方がたどたどしくて心配になりましたが、
とても一生懸命でした。お話されていた内容は特に変わり映えのないことです。

簡単に定点観測のメモです。


・売上高1000億円の時期のメドは2020年台後半くらい。
というのも達成のためにはMAが必要で、
現状沢山の案件がくるのだが、やはり市況が高い。
このあたりは自社だけでどうこうできるわけでもなく、
環境が揃わないとならない側面もある。

・企業の設備投資などの影響は若干あるが、
あくまでインフラ中心のため全体への影響は軽微。

・昨年の猛暑の反動で空調関連などで反動は起きていない。
確かに個人向けなどは弱含みしているものの、
昨年の状況なども鑑みて、学校、公共施設などからの引き合いが強く、
空調関連だけみても前期比でむしろ増えている。

・1Qで売上がやや弱いというのはその通りで、
これは前年のアンカーボルト不足による建設計画の滞留が原因で、
各種部材が工事遅延に伴い、出荷が弱含んだのは事実。

・ただし、通年でみればその遅れは解消されつつあり、
復調してくるものと考えている。

・今期利益横ばい計画なのは、例年通り保守的という側面もあるが、
MAののれんや足場関係でレンタル事業を行うにあたり、
一括して部材を仕入れた費用(償却)が乗っている。
そのため、ようやく黒字化した状況で利益貢献が薄いため。

・来期以降は事業の拡大分は収益貢献してくれるが、
信和、SRDタカミヤ、ダイサンのような同業とさして優位性があるわけではない。
需要全体が伸びる中での市場拡大への対応をしていく方針。
(ここはちょっと期待が薄いのではと感じましたね・・・)

・休眠顧客の掘り起こしは今もPDCA回して継続中。
掘り起こした顧客や新規獲得の顧客がしばらくすると休眠化し、
またそれを復調させていうサイクルになって、
そういうスパイラルをこなしながら全体が増えていくものだと捉えている。

・漁業など新業態へのアプローチはぼちぼち。
(そんなにポジティブな状況ではないのかもしれませんね)


■アズワン
株価がするする騰がっていて、単元も高いため、
ずっと手を出せていない会社ですね。

こちらも定点観測です。

・中計最終年度で利益率のみ未達見込みだが、
当初策定時と何が変わったかというと、
物流費上昇がここまでとは予測できていなかった。

・分割は常に指摘されていて検討していきたい。
(相変わらず期待薄)

・EC化により代理店を挟むモデルが毀損しないよう配慮するよう努めている。
EC化すると原理上は代理店不要となるが、
その顧客に最も貢献してくれている代理店さんを仮想的に介したように扱い、
代理店にとっても効率化し、かつお金が落ちるような構造でwin-winになる
モデルとしている。

・20年5月に千葉に大規模物流センターを増設。

・施設そのものは賃貸

・中身のマテハンに50億程度のまとまった拠出を予定している。
例年の投資が年10億くらいだったためかなりおおきな投資になる。

・当投資は15年の定率で償却するが、
営業利益ベースで通期70億程度のPLのため、
1年目、2年目は利益が抑制されるようにみえると思うため留意してほしい。


■ロート製薬
こちらは女性にも人気ですね。

定点観測です。
事業全体は概ね好調です。
インバウンドは若干減っていますが、
トータルで商材を色々広げてカバーしていますね。

・今期大幅減益の理由として構造費用をあげているが、
その内容は今はお話できない。
製造力を増設するための工場への投資もあるし、
社内業務の効率化のためのシステム投資もあり色々。
来期にはこれらの成果がみえるように努めていく。

・インバウンドは確かに影響を受けてはいるが、
商材やエリアの拡大でカバーできている。
足元では底入れしたような雰囲気となっている。
もちろん今後どうなるかわからないので、
慎重に見極めていく必要がある。


■トーカイ
こちらは現状、下位保有です。

事業本部長で非常にバイタリティーある執行役員の今道さんが
退任退職されたということで大変残念ですね~という話をしました。

会社としても1Qは順調に滑り出したそうです。
いくつか要因はありますが、レンタル用の資材が1Qに仕入が集中するところ、
今期は1Qにそこまで集中しなかったようです。
ですから、2Q以降にそれが仕入となると平準化されるため、
何か良いことが起こっているとわけではなさそうです。

ただ、レンタルそのものの需要は底堅いようですから、
事業は好調ともいえると思います。
また調剤もようやく点数対応もできてきており、
あとは増税をうけた薬価改定がまもなく出ますが、
それが一定程度に収まれば計画上もよいようですね。

あまりにここ数年の薬価改定が厳しく、
保守的な見立てを更に裏切られる逆風下に、
もはや保守的といえなくなりました、と仰っていました。

そして医療機器として唯一認証を受けている
リストバンド型の24Hオンライン脈拍モニタリングのデバイスについては、
せっかく意義あるものを作っているのに
なかなか広がらないですよねという話をしました。

在宅介護に安心感をもたらし、
平常時でも定期的に通院しなくて済むという点で、
メリットはあると思うのですが、
病院にとってのメリットをどう訴求するかということなのかもしれません。
医師にとっても医療現場は混乱する中では余裕はないのでしょうし、
症例や活用実例などがもっと出てくるといいと思うのです。
そういう意味では、冗談でソフトバンクがルータ配ったように、
無償で一気に配ってしまったらって話をしました。

もちろん、これは医療機器なので、医師が必要とみなして、
患者、患者のご家族の賛同がないといけないなど、
色々と障壁もあるのでしょうが、
こういうものがもっと広がるといいなと思います。


他、数社については、割愛します。


ちなみに日経IRはイオンディライトも常連ですが、
例の不正会計処理の対応でエントリーする余裕もなく、
終了していたとのことで、どこかのIRフェアのような機会には
ぜひ出展したいと総会の時にIR担当の方とお話しましたので、
別の機会を期待して待ちたいと思います。



コメント
この記事へのコメント
お腹がくちくなったら、眠り薬にどうぞ。
歴史探偵の気分になれるウェブ小説を知ってますか。 グーグルやスマホで「北円堂の秘密」とネット検索するとヒットし、小一時間で読めます。北円堂は古都奈良・興福寺の八角円堂です。 その1からラストまで無料です。夢殿と同じ八角形の北円堂を知らない人が多いですね。順に読めば歴史の扉が開き感動に包まれます。重複、 既読ならご免なさい。お仕事のリフレッシュや脳トレにも最適です。物語が観光地に絡むと興味が倍増します。平城京遷都を主導した聖武天皇の外祖父が登場します。古代の政治家の小説です。気が向いたらお読み下さいませ。(奈良のはじまりの歴史は面白いです。日本史の要ですね。)

読み通すには一頑張りが必要かも。
読めば日本史の盲点に気付くでしょう。
ネット小説も面白いです。
2019/08/28(水) 20:56 | URL | omachi #-[ 編集]
omachiさん、こんにちは。
コメントを頂きましてありがとうございます。

歴史小説のご紹介ですかね。
私は歴史には疎いのですが、歴史の背景を知りながら、
史実に基づいて書かれている本は面白いですよね。
ご紹介頂きまして、ありがとうございます。
2019/08/30(金) 19:28 | URL | まるのん #-[ 編集]
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