投資方針に忠実に退屈な投資で資産形成


【決算精査】 2475_WDBホールディングス(19年3月期_4Q決算)

■銘柄分析シート(表紙)
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■銘柄分析シート(詳細)
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1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング

前期実績は売上が計画やや未達となりましたが、
利益は特別賞与支払い後でも上振れと全体としては好調に推移しています。
但し、海外CRO事業は引き続き苦戦しており、ここの回復には注視する必要があります。

今期見込みとしては、増収ですが利益は横ばいです。
これは人材と求人をマッチングするプラットフォームであるdoconicoの新規展開を図ることなど、
理系派遣事業における投資増を見込んでいるためです。
増益を死守するという従来の社長コメントにもみられるとおり、
減益にはさせない姿勢も反映されていることと思います。

配当は引き続き中計でコミットメントしている増配を継続しています。

主業の理系派遣事業は順調に推移しており、
海外CRO事業の落ち込みがあるものの全体としてよい決算だと思います。
今期見込みが横ばいという点は市場は失望していますが、
まぁ新たなプラットフォームの投入や競争力強化のための投資をすることは、
長期的な視点で見た時には期待をしたいところです。
総合評価は「3」(想定通り)です。



2.定量数値の確認


(1)売上・利益の状況

■売上-粗利率
2475_WDBHD(19年3月期_3Q単計)売上-粗利推移


売上が計画未達だったという点は少し念頭には残しておきたいなと思います。
同社のトップラインは稼働日などによっても結構影響を受けますから、
例えば災害などの影響で想定していたより稼働数が変わった
というような一過性であればいいですが、
構造的にリセッションの影響を受けているなどの影響がないかは
引き続き注視したいと思います。
そういえば、今期1Qもゴールデンウィークで稼働日が下がるので
減収要素になりますね。


■販管費
2475_WDBHD(19年3月期_3Q単計)販管費推移

販売費も4Qでは賞与支給などの影響もあり
販管費は増加していますが、通期で見た時の販管比率は13.6%と
前年より0.3%の改善となっています。
そしてもちろん、これは過去最低水準ということになります。


■営業利益
2475_WDBHD(19年3月期_3Q単計)営業利益推移

営業利益率は4Qは特別賞与の支給もあり10%を割り込んでいますが
それでも前年より0/2%の改善で通期では11.9%となっています。
元々10%水準を目指していたので、好調な状況が見て取れます。
この利益率水準も前期比で0.9%の改善で過去最高です。。


(2)今期予想について

増収で利益は横ばいです。
投資による利益減を見込んでいるようです。
後述しますが、概ね10億程度の投資による減益要素になっているようです。
このうちどの程度が従来の投資水準からはみ出る分かわかりませんが、
利益横ばいより、その投資効果がきちんとその後に顕在化してくれるか、
の方が大切だと思います。


3.定性情報の確認

今期はだいぶ予定から遅れましたが、
人材と求人をマッチングするプラットフォームがリリースされます。

まだなにものかわからないものですが、夏くらいに本格リリースするそうで、
現在は一部のクライアントと派遣登録者のみの
クローズドな中で実証実験中とのことです。


4.その他情報の確認


(1)株価推移の状況

2475_WDBHD(19年3月期_3Q)株価推移

株価は決算前に戻していましたが、
この利益横ばいガイダンスをみてか失望のため株価はこのあと急落しています。
まぁ先行きが見通ししづらいという点ではやむなしってところでしょうかね。
海外CRO事業のこともありますしね。


(2)IR照会の状況

IR照会はしていませんが、東証の決算説明会にお邪魔してきました。
差し支えない範囲で簡単にメモを残しておきます。
あくまで私の個人的な受け止め方に従って書かれているため、
事実と異なる可能性がある点はご了承ください。





・海外CRO事業は引き続き苦戦をしている

 →欧州:メドファイルズ

 売上11億程度の時に買収 → 翌年は好調で12億でりえきりつ10%超で好調。
 しかしながら、前期に、メインの取引先の事業戦略変更に伴い、売上減要素となった。
 固定費の支出は急には変わらないので売上急減で減益を余儀なくされた。
 そのため、前期後半に売上8億で利益率10%程度出るような前提で体制を作り、
 一部の事業は撤退・売却をするなどの意思決定で体制改善に努めた。
 そのため、これ以上の落ち込みはないと今は見ている。

 →米国

 自力で拡販を狙って底辺活動すれば何とかなる世界ではなく、
 実績に基づく信用がないとなかなか難しいという事を学び、
 小さくても実績のある現地法人を買収することとした。
 現在当該子会社を使い地道な活動を続けており、元々2億程度の実績のため、
 全体の影響からするととても小さなものではあるが、少しずつ米国進出に向けて頑張りたい。


・doconicoの収益貢献
まだ1ヶ月しか経っておらずまだ今後みないとわからないが、
最初の説明を顧客に差し上げた時の印象は、
声としてはとてもよい感触を得ている。
ただ数値に表れてくるまではまだ実際の浸透というところはまだわからない。
従って今期にどれだけ収益貢献してくれるかはわからないという立場なので、
今期の業績予想にも一切考慮に入れていない。
認知度向上などのコスト部分だけを織り込んでおり、なので、利益が横ばいとみえている。
下期から当然貢献をして欲しいという数値はもってはいるが、業績予想にも入れておらず、
その具体的な水準は回答を控える。

・doconicoの認知度向上施策について
日経新聞などの広告に出していくことを考えている。
TVコマーシャルのようなマス広告は必要ないと考えている。
(一般市民にあまねく知ってもらう必要があるものではない)
あとは、顧客先のキーマンを抑えているので、直接リーチできる術もあり、
むしろ各地域の顧客に対して地道な営業活動が必要となり、
そのために現地で裏方作業のためのパートなどを雇うつもりでいる。
高いお金を払って無駄な広告戦略はやらない。
また派遣社員に対しての認知度は既に理学研究職の中では
同社は認知度が高いため、
一定の認知度向上へのリーチは比較的やりやすい環境にある。

・doconicoの優位性
元々スタッフが事前の面談やマッチングなどを行い、
実際に派遣するまでに30日や45日という日時と手間を費やしてきた。
しかしこのプラットフォームを使うと最短1週間で派遣可能のため、
納期の大幅短縮が出来ることだけでなく顧客側にもメリットが大きいと考えている。
このあたりの効率向上や満足度向上が結実して
収益に貢献してくれる優位性を持っていると考えている。
具体的な構想は改めてリリース後の秋の説明会に改めて説明したい。


・利益横ばいの理由
doconicoの認知度向上の投資はそこまで無駄なお金を使わないという方針となると、
なぜ利益が横ばいになるのかというのは、実際には認知度向上のため地域での販促を
地道にやっていくコストも考慮しているし、そのあと育成のために必要となる研修所を急増させていく
事もまた必要だろうと考えている(40か所くらいまで)。この辺りの新設コストなども織り込んで、
概ね10億程度のコストを考慮している。


・doconicoのプラットフォームは派遣者と顧客側双方にメリットがあるようなもの。

派遣者にとっては求人検索やマッチング機能から就業後のタイムシート等の機能を備え、
一気通貫、スマホで全機能を使える。
いちいちスタッフ事前に条件すり合わせなどの面談なども必須ではなく、
簡単にかつ迅速にお仕事探しが実現できる。
顧客側もいちいち就業前の面談でのすり合わせをしなくても
プラットフォーム上で実現できるため省力化につながり利便性向上につながる。
今日はデモの動画あり。まぁよさそう。
顧客側への機能は現在試行中で今日は開示せず。
いずれも夏の盆明けくらいに公式リリースして全顧客、全派遣社員に対してオープンにして、
より使ってもらう事でパイを増やすことに繋げていきたい。
なお、同スキームのツールはまだ競合製品があまりない。
2年かかってようやくリリース。
外注費を抑えるため、また自前調達の意識が極めて高い同社の特徴を生かし、
自社システム部門で開発を遂行させたそう。(すごいですね・・・)

・配当政策について配当性向30%ではなく配当額でコミットしたのは、
元々想定利益率10%を前提にしていたが、
足元でも利益率は12%に達しており、
配当性向のままだと配当額が極めて大きくなってしまう可能性にも留意し、
わかりやすい額でのコミットメントとした。
22年3月期で49.5円配当(19年3月期22.5円)で配当性向30%とすると
EPSターゲットは65円(19年3月期147円)となりますね。



5.さいごに

doconicoのサービスの動向や海外CRO事業の低迷など
課題も多い中で、主業は順調に推移しており、更なるシェアを取るために、
人材や研修所などの新設を積極的に進めていこうという意思は素晴らしいと思います。

株価指標的には一定の評価がされており、
株価は下がっているものの、積極的に買い増しをしていこうという感じでもないため、
引き続き保有比率は極めて低い中ではありますが、モニタリングは続けていきたいと思います。
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