Author:まるのん |
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【決算精査】 7438_コンドーテック(19年3月期_3Q決算)
■銘柄分析シート(表紙)
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■銘柄分析シート(詳細)
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1.サマリ
総合評価:「4」 (☆★★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング
10%の増収、20%の営業増益ということで、
順調だと思います。
既に3Q時点で進捗率は84%に達しており、
2Qに続き計画を超過するペースで進んでいることが伺えます。
だいたい3Q進捗の平均は75%弱だと思います。
私は修正によるサプライズに期待をした投資をしているわけではないので、
今回上方修正がなかったことは気に留めませんが、
期待していた方からするとなぜだろう、という感じかもしれませんね。
中身については、価格転嫁による効果に加えて、
仕入コストの削減も進めているようで、電設資材のセクターでは
2Qまでは言及がなかった仕入コストの削減努力について言及があります。
仕入コストの削減にまで言及があるといよいよそこからの利益の拡大余地は
より限定的であるともとれるわけです。
私は、同社へは単なるコストダウンによる利益化ではなく、
新規先の発掘と休眠客の掘り起こしによる
アクティブ顧客層の拡大の活動による
トップラインそのものの拡大を期待していますから、
そのあたりの活動の状況もぜひ説明があるといいなと感じました。
実際IRフェアで確認した際も、
これまでの業態だけでなく、例えば船舶業界など新たな需要がありそうな
新規先へも積極的に飛び込んで行っているとのことですから、
そういった活動の状況やどの程度数値に表れてきているのかが
伺えると来期以降もますます楽しみになります。
もっとも今年は災害も多く、建設需要も高止まりしているため、
繁忙でそれどころでなかったということかもしれませんけどね。
市場環境として価格転嫁が進んでおり、
3Q単でみても粗利率は22%、営業利益も初の8%台に乗せて来ました。
当然、オリパラ等の建設需要の伸びによる効果もあるので、
一概にはいえませんが、
しかし、メーカ機能を持つとはいえ、商社のスキームである中で、
この利益率の確保は素晴らしいと感じました。
定性的な様々な活動については、まだよくわからないところもあるのですが、
足元の決算という意味では好決算だと思います。
以上から総合評価は「4」(ややポジティブ)とします。
2.定量数値の確認
(1)売上・利益の状況
■売上高-粗利推移

3Q単で+11.5%の増収となり、2Qまでの増収率から更に加速をしています。
累計でも+9.9%とほぼ2桁増収となっています。
粗利率も3Q単では22%に乗せてきており、増収のペースを加速させながら、
粗利率もじわりとあがっています。
この手の商材の場合、利益率をコンマ1上げるだけでも
相当の折衝が必要なのだと思いますが、
役職員の皆さんの努力が着実に数値に表れてきているかなと思います。
まぁ、売り上げの伸びが少しポコッと膨れていることからも、
大口案件と記載があるように一過性の案件があったのかもしれません。
いずれにせよ、トップラインから粗利まで堅実だなと思います。
■販管費推移

販管費率も2Qから更に抑制されており、
ここ数年のレンジの中では四半期単位の販管費率は最低水準です。
このあたりは、前述の新規先開拓等、営業活動面の活動が逆に停滞していないか、
もし、満足に展開が出来ていないのだとしたら、
もう少し逆に販管費を使ってもいいのではないかなと思います。
■営業利益推移

粗利率がじわり伸び、販管費率もここ数年で最低水準に抑制していることから、
営業利益率は8%を超えてきています。
商社のビジネスモデルがベースとなっている中で、
この水準は素晴らしいと思います。
もちろん、四半期単位でみても過去最高益です。
(2)今期予想について
通期予想達成のために必要となる4Qハードルは以下です。
売上 : 11,687百万円
営業利益 : 586百万円(利益率5.0%)
前期の4Q実績は以下の通りです。
売上 : 13,108百万円
営業利益 : 911百万円(利益率7.0%)
結果、4Q単としては11%の減収、36%営業減益ということになります。
同社の四半期単位の偏重は特段ありませんが、
少なくても4Qが極端に少なくなるということはありません。
もちろん、納入数や案件の特殊性や顧客の工事状況等で
多少の凹凸はあるのでしょうが、
さすがにこんな減収減益にはならないだろうと思います。
BSの商品の費目も順調に積み上がっていますしね。
まぁこれが在庫過多というネガティブなものだといけないのですが。
仮に前4Qから横ばい程度だとみると売上567億、営業利益40.6億です。
これでも営業利益は計画比で10%弱の上振れとなります。
更に3Q累計の伸長率で4Qも伸びるとみると
売上580億、営業利益42.4億となります。
これだと営業利益は計画比で13.6%上振れます。
期を追うごとに収益性が上昇していることから、
3Q単並みに伸長するともっと上にいきます。
ただこれはさすがにないでしょう。
3Qに一部特殊性のあるものが紛れているとみる方が自然ですからね。
やはり災害の影響とかも大きかったですかね・・・
3.定性情報の確認
前述の通り、営業活動部分はIR照会も含めて確認していきたいところです。
このほか、子会社化のリリースもありますが、
こうやって、地味にMAしているのですが、
少しずつ得意となる領域を増やしていく姿勢はよいと思います。
特に小さな技術系の会社は継承などの問題もあって
いい機会が転がっていそうにも思います。
あとは高く買わないことだけですね。
それから商品の在庫の部分ですかね。
拡販する先も増えつつあり、
また売る商材も少しずつ広がっていく中での増加と思いますが、
商社機能を持ち合わせる側面があることから、
滞留在庫となっていないかはチェックしていく必要があると思います。
4.その他情報の確認
(1)株価推移の状況

株価は1000円を割り込んだあたりで停滞しています。
現状の予想EPSベースでちょうどPER10倍くらいですね。
商社としてみればやや高い気もしますが、
同社は営業利益率も高く、メーカー機能も持ち合わせる会社ですから、
むしろ指標は高くないかなと思います。
まぁ今後の株価のことはわかりません。
(2)IR照会の状況
現時点でまだIR照会できていませんが、
改めてIR照会してここに書ける内容があれば
メモで追記したいと思います。
5.さいごに
同社はシクリカル要素を多分に含んでいるため、
投資判断を下す際にその部分がどうしてもちらついてしまい、
ここから保有比率をあげて5%以上まで買うか少し悩んでいます。
そもそも10%程度までであればさほど甚大な被害になりませんし、
不況期はシクリカルかどうか関係なく売られるわけですし、
同社はリーマンの際も赤字にはならず半減までいかない程度で済んでいます。
まぁ半減近いなら十分に落ちていますが、その後すぐに復調しています。
真に長期を期待しているならそんなに懸念することじゃないのかもしれませけどね。
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