投資方針に忠実に退屈な投資で資産形成


【決算精査】 9795_ステップ(19年9月期_1Q決算)

■銘柄分析シート(表紙)
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■銘柄分析シート(詳細)
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1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング

コストを惜しまずに成長のために投資をする。
そのために、足かせとならぬよう利益目標は開示しない。
私はこの趣旨を理解して応援するつもりで同社へ投資をしていますが、
とはいえ、どの程度の減益が来るのか、楽しみと心配が交錯する中で迎えた決算です。

そして、まぁそれなりに身構えていたわけですが、
決算短信表紙を見て拍子抜けしました(笑)。

売上が堅調に5%程度伸びる中で、営業利益はぎりぎり増益ということで、
あれ、減益じゃないの?が最初の印象でした。

開示資料を読んでいくと、いわゆるプロジェクターなどの計器類は、
全ての校舎へ配置が終わり、備品系のコストは一旦メドが付いたようです。
コストにして77百万円の増加があったので、
そのコスト投下がなければ強めの増益になっていたことがわかります。

今後の投資は従業員への還元など引き続き成果に応じた投資を行っていくわけですが、
生徒数の伸びに対して売上の伸びが大きく、
利益も思ったより出ていたということで、
全体的に本業はよい状態が継続していることがわかります。
IR照会をしていますが、いわゆる単価がだいぶあがっているようです。

合格発表を間近に控えてその成果によってまた色々な動きが出てくるものと思いますが、
いずれにせよ1Q決算として十分な成果のある内容と受けとめました。
あとは今年か来年かで横浜での成果が出てくると益々面白くなってきますが、
こればかりは生徒の頑張りや運によるところもありますから、
楽しみに見守っていきたいと思います。

ややポジティブに映る内容なのですが、
引き続き利益は非開示のままということでもあり、
引き続き、四半期レベルの凹凸に踊らされないようにありたいですから、
総合評価は「3」(想定通り)とします。


2.定量数値の確認


(1)売上の状況

9795_ステップ(19年9月期_1Q)売上-粗利推移


5%の増収です。
この時期は生徒数の増減の動きは少ないのですが、
前年からみると2%程度の生徒数増加です。
一方で増収率がそれより大きいため単価があがったためと考えられます。
この辺りの背景はIR照会で改めて状況を確認しておきました。


(2)販管費の状況

9795_ステップ(19年9月期_1Q)販管費推移

販管費比率は5.7%と前年とピッタリ同じです。
販管費は販促(といっても限りなく小さいと思われますが)と主に本部におけるコストが計上されますが、
毎年そんなに構造は変わらないということでしょう。
今期に限ってみれば本部においても多少の設備機器への投資があったものと思いますが、
昨年と同水準で推移をしています。


(3)営業利益の状況

9795_ステップ(19年9月期_1Q)営業利益推移

粗利率は33.2%となり、前期の34.6%を下回っています。
過去を見てもだいたい34-35%程度が1Qの水準感なので、
1-2%程度粗利率が下落していることになります。

と書くと印象が悪い気もしますが、
実際の所、プロジェクターなどの機器購入などで
一過性の投資コストによって前年比で77百万円増となっており、
この大部分が各校舎への投下なので原価ということで、
粗利率を押し下げているわけです。

ざっくり77百万円のうち70百万円が校舎、つまり原価と捉え、
これを割り戻してみると、粗利率は35.5%となり、
過去5期の1Qの中では一番高い状態となります。
つまり粗利率からみる収益性については特段偏重はなく、
むしろ好調だと見て取れます。
売上が生徒数以上に増加していることが主因ではないかと思います。
一方で、原価要素の約7割が労務費ですから、
従業員の給与へもきちんと還元されているといいなと思ってみています。

販管費率はほぼ横ばいですから、
営業利益率も粗利率の低下によって落ちてはいますが、
各校舎の設備投資は一巡した中でごくわずかとはいえ、
増益が確保出来ているのには驚きました。

一方で利益を非開示にしてまで厭わず投資をしていくということですから、
ぜひ横浜戦略を始めとした必要な投資はうっていってもらいたいとも思います。
従業員への還元も含めての話になりますが。

株主としては配当がコミットされていることもあり、
むしろ利益より組織としての力を蓄えて、
より長期的に世代交代後もゆっくり急ぐ作戦が奏功するように期待したいと思います。


3.定性情報の確認

事業モデルを図解化しています。
特に変更はしていません。

9795_ステップ(18年9月期_4Q)事業モデル



4.その他情報の確認


(1)株価推移の状況

9795_ステップ(19年9月期_1Q)株価推移


株価は労災問題の件の懸念に続き、
決算で利益非開示という驚きから、
市場から忘れられるように株価は下落の一途を辿っています。

労災の件は真摯に対応するということですから
とりわけ組織上の運営についての改善がなされると思います。
この辺りは粛々と対応していかれるのを見守っていきたいと思います。

また、利益非開示の懸念は、確かに相場が不安定にある中で、
敢えて先行きが読めない会社の株より、
もっと他の銘柄へ、という動きがある事も事実でしょう。
ただ、逆に同社は一過性の投資という変化の時を迎えていますが、
基幹事業のシンプルなモデルは理解しやすいですし、
そもそもキャッシュフローも安定していますから、
むしろ先行きは読みやすいのではないかと思います。
横浜戦略が奏功するかとか不確実な部分がありますけどね。
でもそれを割り引いても見通しやすい会社だという理解です。

2年間待てない投資家が多いということなのかもしれませんね。
実際2年で終わるか、あるいは本当に結果が出るのか、
それはわからない部分もありますが、
比較的受容しやすいリスクに感じています。

ただ、市場との対話という意味では、
早めにレンジでの開示でもよいので、利益水準は示すべきだと思います。
これは株主総会の時にもお話をさせて頂きましたが、
それが少なくても市場に多少なりともの安心感を与えるとは思います。
一方で、配当をコミットするなど、既に会社側も十分にメッセージを送っています。
これを理解して受容出来る人に株主になってもらいたいという
率直な思いもあるのかもしれません。
いずれにせよ、私は同社を応援している立場なので、
ポジティブな目線でみていますが、
同社への評価自体も人それぞれの捉え方があると思います。


(2)IR照会の状況

何点か為念のため、IRへお電話です。
いつも丁寧で率直なご対応を頂けることに大変感謝をしています。


今期の77百万のコスト投下は原価要素とみてよいか。
またいわゆる各教室などへの機器類の投資は一巡したと理解してよいか。


ごくわずかであるが本部の機器類のコストも含まれておりこれは販管費となるが、
ほぼ現場(校舎)への展開をしていることもあり原価要素がほとんどと思ってもらってよい。
また機器類は一旦一巡したと理解頂いてよい。



77百万円の一過性の投資コストを割り戻すと、
営業利益ベースで10%弱の強い増益ということになる。
同社は概ね5%程度のCAGRで利益成長をしてきた認識であるが、
何か強い部分があるのか。
また生徒数の増加ペースに比べ増収率が大きいことも起因しているのか。


ご指摘のように実勢の営業利益ベースは強く推移している状況である。
生徒数の伸長に比して、売上が伸びているのは、
高等部の生徒の志望校がより上位になることで、
科目取得数が増えるなどで単価があがっているという背景もある。
トップラインが強く推移していることもあり、
残った利益も大きく営業増益というカタチになっている。

※生徒に対して「単価」という表現をされることすらもエクスキューズされた上で
お話されており、生徒への向き合い方にも配慮があるなと感じました。

Q
現状で機器類の投資が一巡したことで、
あとは従業員への還元という要素が残っていると思われるが、
この辺りも含めて見通しはしやすくなったのではないかと思料するが、
引き続き利益はレンジでも開示できないのか。

A
横浜戦略などの成否によって還元していく形も変わってくるし、
その成否に寄らず、次の手、またその次の手と考えていく必要があると認識している。
そういった時に躊躇なく判断していくためにも将来の飛躍のために
自由にやらせて欲しいという思いはまだ続くため理解を頂きたい。
(こんな質問をして自分が恥ずかしいと感じ猛省・・・)


5.さいごに

2月27日には神奈川の受験の合否が出て来ます。
3月頭には情勢がはっきりしてくるものと思います。
横浜翠嵐について、湘ゼミを抜くのか、まだ2位に甘んじるのか、
これが直ちに同社の価値を左右するものではありませんが、
吉報を待ちたいと思います。

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