投資方針に忠実に退屈な投資で資産形成


【決算精査】 9729_トーカイ(19年3月期_2Q決算)

■銘柄分析シート(表紙)
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■銘柄分析シート(詳細)
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■銘柄分析シート(事業モデル)
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1.サマリ
総合評価:「2」 (☆☆☆★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング


1Qより減益幅は縮小していますが、
増収は維持して過去最高を更新しています。

同社は人材不足の環境下においても、
積極的に人材採用を行いながら、処遇改善を進めたりする中で、
人件費がどうしても重くなり、特に今期は利益面で苦戦をしています。

また利益を押し下げているもうひとつの要因は調剤事業です。
当事業では、今年から報酬改定を含めた様々な逆風環境の中で、
大幅な減益という痛みを伴い推移しています。
当然ながら、新店や技術料向上へ向けた取り組みはもちろん、
訪問調剤を含めた地域コミュニティ参画などを通した
規制動向への対応など自社で取り得る努力は進めているようですが、
急激なお上の声には抗えず、
当面はそれに対応していくことを余儀なくされています。

この辺りの影響は当初の想定していたよりも、
更に厳しい面があることも感じられ、
今期の進捗という部分にだけ目を向けると、
やはり決算としては数値がビハインドだなという印象は拭えません。

一方で中長期的な視点で見たときに、
同社の扱うヘルスケア全般の分野というのは
今期苦戦を強いられているようにお上の鶴の一声で収益は振らされてしまうものの、
事業としての需要や意義はとても深いものを感じています。
またいわゆるヘルステックのような技術革新にもスピード感は遅いものの、
自社と懇意にしている病院や先生などと取り組みは一歩ずつ進めています。
同社の事業が介護事業や調剤薬局に対する規制動向によって、
その時々の業績に凹凸が出てしまうのはひとつのリスクではありますが、
私の場合、今期の業績達成可否に賭けて投資をしているわけではありません。
これは綺麗ごとかもしれませんし、実際それでは儲からないのかもしれませんが、
投資判断を下した時に、当分野の有望さと実直な経営を好んで投資をしています。
投資は投資前提が崩れない限りは出来るだけ一貫性を持っていたいですから、
このような外部圧力の影響で一喜一憂せずに応援したいと思っています。
(もちろん資産管理の一貫でそこまで比率を割けないわけではありますが)

というわけで、私個人の心証としては、
まぁ規制動向など影響を受けて厳しいのは仕方ないし、
今は重くなっている人件費も徐々に付加価値をより高めてそれが数値になって
現れてくれればいいなというくらいいい加減な展望です。
しかしながら、決算の評価という面でいれば、
やはり様々な状況を鑑みると業績達成が危ぶまれる状況ですから、
総合評価としては「2」(ややネガティブ)となります。

場中決算でしたので、開示後、どうなるかなと見ていたのですが、
案外下落せず踏み留まった感じですね。
週末にきちんとエクセル叩き、
未達を許容できない立場の投資家(それはそれで立派な判断だと思います)から、
更なる売りが出て一旦収束でしょうか。
(未達であるかはわかりませんよ、もちろん。リカバリを真に期待しています!)
株価の動向は全くわかりませんが、
私は自分のしがない拘りをもって、同社を応援したいと思います。



2.定量数値の確認


(1)売上・利益の状況

■売上-粗利率
9729_トーカイ(19年3月期_2Q)売上ー粗利率費推移

売上は5.9%の増収となり、通期進捗率は49.2%となります。
同社は1Qのレンタル資材の展開や調剤の新店などで
若干下期偏重です。過去の水準からみるとなんとか、
売上は計画線の範囲内で推移しているのではないかと思います。
また、粗利率は昨年とほぼ同水準の24.4%を確保しています。
原価要素の約4割程度が外注費であり、
この部分の人件費を含めた経費も高くなっていると思うのですが、
売上と粗利だけみているとそこまで出遅れ感はないように思えます。


■販管費
9729_トーカイ(19年3月期_2Q)販管費推移

販管費は過去の有報からほぼ人件費です。
そして薬剤師などの増員もある中で販管費が急増しています。
過去は年比較でだいたい数億円程度の増加だったわけですが、
今期は前期に比べて2Q累計で12億超の増額となっています。
これにより増収効果はあれど販管比率は+1.2%となっています。
2Q単計でも+1.4%とその比率は増勢となっています。
粗利益ベースではそこまで出遅れ感がなかったわけですが、
販管費、すなわち人件費が大きな重荷となっていることがわかります。
本来であれば、この人件費上昇をカバーするだけの
トップラインが稼げれば増益基調になるわけですが、
規制政策の動向などもあり、どうしてもそれが叶わないということで、
予想も実績も減益となっているわけです。


■営業利益
9729_トーカイ(19年3月期_2Q)営業利益推移

営業利益は当然販管費の増勢に伴い、利益を圧迫しています。
営業利益率は2Q単計で6.3%となっています。
1Qの5.5%より改善していますが、いずれにせよ前期より悪化しています。
2Q累計の営業利益率は5.9%で前期の7.0%より下落しています。
ただ、業績予想の営業利益率は6.2%ですから
元々低くなることは一定程度は考慮されています。
なお過去2期の進捗率は概ね50%程度です。
今期は47.1%となりますからやはり苦しいでしょうか。
ただ、前々期より前は45%程度の進捗率のときもありましたからね。



(2)今期予想について

今期達成のための下期のハードルは以下の通りです。

売上    : 59,407百万円
営業利益 :  3,805百万円(6.4%)

前期の下期実績は以下です。

売上    : 55,117百万円
営業利益 :  3,813百万円(6.9%)

というわけで、前期比でみると、7.8%増収0.2%減益ラインとなります。

進捗率の面からみると、売上は49.2%、営業利益は47.1%となります。
前期が各々49.6%、50.1%、前々期が49.5%、49.8%ですから、
まぁ売上は射程圏ですが、利益はやや苦しい印象でしょうか。

ただ前期は調剤の改定前の状況での実績であり、
それが多少落ち込むとしても6.4%の利益率は、
今の状況を考えるとなかなかのハードルだと思います。

3Qを見ないとわかりませんが、
下方修正まではわかりませんが、
私としては未達を覚悟すべきだと感じます。

皮算用となりますが、下期の利益率5.8%で売上も1%程度未達として
概ね営業利益で計画比10%程度の未達を計算しておきます。

ただ、あくまで今期の着地としてはだけで、
今後のEPS成長の基軸は現時点ではこれまでの見込みを踏襲したいと思います。

ですので、決算精査資料のP1の独自予想を会社予想より下方修正しています。

もちろん、会社経営としては一生懸命やっていることなので、
私はそれには期待をしていますし、頑張ってもらいたいとは思っています。
あくまで自分のリスクの受け止めとして冷静にそれはそれで受け止めるために、
皮算用をしています。



3.定性情報の確認

事業モデルを図解化しています。

9729_トーカイ(19年3月期_2Q)事業モデル

改めておカネの流れを追うと、
原価項目は外注費が多数を占めており、
またここには表記出来ていませんが、販管費の大多数は人件費です。
こうやって図解化してみると色々自分の無知が露呈しますね。。。


4.その他情報の確認


(1)株価推移の状況

9729_トーカイ(19年3月期_2Q)株価推移

株価は横ばいでしょうか。長い目で見れば緩やかに上昇していますけどね。


(2)IR照会の状況

IRにお電話させて頂きました。
なお、いつものことですが、見聞きした内容はあくまで、
私が主観的に捉えたことを脚色してメモとしており、
事実と異なる可能性があります。
ですので、あくまで私個人の妄想としてご参考程度として頂ければと思います。
また、当メモ記載にあたっては、諸々の事情に配慮をしているつもりですが、
なんらかの支障をきたすなどの事情が生じた際には、
即座に公開を見合わせます。



健康サービスの利益率について、1Qから向上しているものの、
2Qはセグメント利益率が10.6%となっている。
これは前期、前々期の12.0%水準に満たないが何か理由があるか。


人件費が重荷になっているということもあるが、
それ以外に、レンタル機器の仕入れコストが期初に発生するために
1Qの利益率が相対的に低く、その資材が売上化していくことで、
下期に向けて売上が立っていくので、期が進むと改善するといった中で、
その仕入れコストの計上が1Qと2Qで期跨りになることもあり、
今期は結果としてこのようなバランスとなっている。
全体でならすと計画通りの状況で推移していると認識している。


調剤薬局の利益減が通期予想に対する遅れにも現れているように思えるが、
当該要因への対処としてどのようなことを考えているか。


ジェネリックの処方や訪問調剤の取り組み、技術料の加点が狙えるような体制を構築し、
営業部隊と一体となってやっていくことに尽きる。
規制に対応していきながら、しっかり対応していきたい。
(一部やり取りの記載を割愛)


これまで業績達成可否の状況に応じて、予算達成のためのコストカットとして、
従業員の方の給料(ボーナス)などを大幅にカットするような政策を取ったことはあるか。


これまで記憶によるとないと思う。
もちろん、ボーナスなど業績連動となる部分もあるため、
若干の浮き沈みはあるものの、大胆なカットというものはなかったと思う。
予算達成は必達であるという認識はもちろんだが、
中長期的な視点で人材確保や定着が大事だとも考えている。


当局発の外部要因としての影響で同社だけではコントロール出来ない部分と、
それを踏まえて自社内でマネジメント出来る部分があります。
前者はどうしてもやむ得ず数値にも顕在化してしまう部分もありますが、
後者は長期的に見た時に同社の優位性を築いていくためには避けられません。
改定の政策動向に対して、加点を得られるような様々な取り組みが
どのように進捗しているか、
いわゆる自社内のマネジメントの事は質問が出来なかったので、
今度は機会があればこの部分の勉強をさせて頂こうと思います。

改めて、毎回とても親切なIR対応に感謝です。
こちらが不勉強なことでも懇切丁寧に説明頂けるので、
本当に助かりますし、良きも悪きもきちんと語って下さるので、
投資判断を下していく上で、納得感もより高まりますからね。


(3)セグメント別状況

セグメント毎の状況としては、健康生活サービスは強いですね。
介護レンタルやリネンなど堅調なのでしょう。

調剤は2Q単でのセグメント利益率が4.5%と
だいぶ落ち込んでいます。
このあたりの改善はすぐには改善出来ないだろうなと思う所ですが、
ある程度規制の動向などでこのようになることは想定しているわけなので、
様々な難題に対処をしていく事を応援したいと思っています。

環境サービスは1Qが好調だったところから見ると息切れ感もありますが、
ただ、それでも2Qも好調を持続しているように思えます。

やはりセグメント別にみると、調剤が課題ですね。


5.さいごに

調剤の改善は様々な面で収益性の回復が遅れている印象ですが、
この辺りは状況もよく見通せる状況です。
同社の悪さではなく、当局の対応や業界への逆風が影響している印象です。
地域の方は調剤薬局は必要としているわけですし、
求められるような店作りをしてヘルスケア企業として頑張っているわけですから、
私もその流れが大きく逸脱する、自社の悪さが露呈しない限りは、
応援していきたいと思います。
こういうことではまた株価調整にお付き合いしてしまうのかもしれませんけどね。
でもいいんですよ~。

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