投資方針に忠実に退屈な投資で資産形成

【決算精査】 1835_東鉄工業(19年3月期_2Q決算)


■銘柄分析シート(表紙)
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■銘柄分析シート(詳細)
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1.サマリ
総合評価:「2」 (☆☆☆★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング


売上は1Qの減収をカバーして、計画通りに着地させていますが、
利益が大幅な減益となり、計画に対して未達となりました。

1Qで実に6割超の減益だったところから、
多少2Qでリカバリをしてきてはいますが、
大幅な減益で未達ということで、開示資料を見たときは、
失笑しましたが、株価は案外冷静な受け止めをしたようです。

IR照会に基づき、一過性要因や継続的なコスト増の要素など、
様々な面がありますが、とりわけJR東向けの豊富な繰越高を維持し、
完成基準の売上計上も進んでおり、大きなビジネストレンドは変調がありません。

一方で、建設業の工事はどうしても案件固有のリスクや、
個々の採算性の凹凸が激しく、ソフトウェア会社同様に比較的に利益も
凹凸が出てしまいます。
安定性を重視しているのにこれでいいのかといわれると恥ずかしい限りなのですが、
長い目で年次で並べてみるとそんなに安定性も捨てたもんじゃない、
なんて思ったりするわけです。

今回の決算という面でみれば、大幅な利益未達、また通期予想に対する未達懸念が、
より前面に台頭することになりますので、ネガティブなものです。
一方で四半期単位の凹凸や大きなトレンドで見たときに、
何かが毀損しているとも思えません。

個人的には株価の水準を鑑みた期待感からみても、
特段ニュートラルな受け止めをしましたが、
とはいえ、数値面が悪いことは事実ですから、
そこに目を背けるわけにもいきません。
従って総合評価は「2」(ややネガティブ)です。




2.定量数値の確認


(1)売上・利益の状況


■売上高-粗利推移
1835_東鉄工業(19年3月期_2Q単計)売上-粗利推移


1Qで減収減益となっていましたが2Q単では増収増益に転じていますが、
そのリカバリは1Qの大幅な減益をカバーするには至らなかったといった感じです。
粗利率も15.7%と前期に採算性の高い案件があったという割には、
前期の15.5%を若干ですが上回る利益率を確保してきています。




■販管費推移
1835_東鉄工業(19年3月期_2Q単計)販管費推移

1Qの時にIR照会をしませんでしたが、
今回は照会をかけています。
販管費は1Qで販管費率が高く8.4%でしたが、
2Qでは売上も伸びたこともあり6.0%まで低下しており、
ほぼ前期並みというカタチになっています。



■営業利益推移
1835_東鉄工業(19年3月期_2Q単計)営業利益推移

こちらも2Qでは増益となっていますが、1Qの減益をカバー出来ず、
多少リカバリしていますが、大幅な減益となっています。
営業利益率は累計では2%ほど悪化していますが、
2Q単でみると前期横ばいまで回復しています。



(2)今期予想について

通期予想達成のために必要となる下期ハードルは以下です。

売上    : 84,184百万円
営業利益 :  9,743百万円(利益率11.6%)


前期の下期実績は以下の通りです。

売上    : 81,420百万円
営業利益 :  8,762百万円(利益率10.8%)

求められる伸長率は、3.4%の増収、11.2%の増益となります。

売上は繰越高などを考慮するとまぁ十分射程というか問題なさげですが、
営業利益はかなりきついですかね。
販管費などでベースが上がっている部分もありますし、
様々な施策でコストも投下している事を考えると余計に心配になります。

この業界の場合、プロジェクトによっても採算性は結構ブレが大きくなりがちで、
また進捗具合などで計上される進行基準案件の場合、
ある程度恣意性が介入しがちなので、
この皮算用もどうなるかよくわかりませんね。
今期の着地よりもっと先を見ているわけなのですが、
私だけがそんな呑気な事を言っているような感じですね(笑)。


3.定性情報の確認


決算説明資料も踏まえてまた定性的な取り組みも考察してみたいと思います。


4.その他情報の確認


(1)株価推移の状況

1835_東鉄工業(19年3月期_2Q)株価推移


私が買うと下がる、ってまぁ誰にでもあるあるですかね(笑)。
今日の未達をみて、株価が下がらなかったのは、
いわゆる織り込み済みってやつなんですかね。
PERは10倍を切ってきそうですが、未達懸念が台頭するなどすると、
そんなに割安ではないのかもしれませんね。



(2)IR照会の状況

IR担当へ電話しました。
終始丁寧な電話対応でいつも感謝です。

なお、あくまで記載内容は、私の主観に基づいて記載していますので、
事実と異なる点などがある可能性があります。ご容赦下さい。



1Qの状況からみると2Qでは収益性も改善はしているものの、
上期計画に対して大きく利益が未達となっている。
前期比で採算性の良い案件があったことの反動で減益と
なっているものと理解しているが、
計画比でマイナスになっている要因はどこにあるか。


建築部門の一部の工事において、戦略受注した案件において、
チャレンジングな取り組みを行ってきたものの、
当該工事の採算性が悪化したものがあり、引当金の処理をしている。
このことで計画対比でビハインドとなっている要素がある。



JR東を中心とした既存の事業において、進捗遅れや採算性の悪化、
とりわけ労働コストの増加により利益が想定より削られているということはないか。


個別に見ると凹凸はあるものの計画対比で採算性を削られるような事象はない。
前期比で見ると、耐震工事など横展開できる工事により採算性が高く、
あるいは民間工事でも高利益率の案件があったところからみると、
今年は通常の範囲での収益確保となっていることもあり、
減益が目立つ見た目の悪い決算になっていて申し訳ない。



確かに足元の粗利率は改善傾向にあり通常の比率に向上している。
一方で、販管費率が2Qでも1%以上の増加となっているが、
これはどういった要素があるか。


一過性のものとしては、本社フロアの大幅なリニューアルを行うなど、
労働環境の改善を図ったコストを計上している。
また計画内ではあるが、ベースアップや諸手当などの改善の面で、
人件費の上昇も要因としてあり、こちらは継続性のある内容である。
概ね、1億円程度がベースアップされている。



先ほどの工事の引当金を要した戦略受注の案件の状況は、
まだ止血が終わっていないのか、あるいは対策中、
もしくは既に完了しているのか。


当該プロジェクトは既に完了しており、
これ以上の引当金等の一過性のコストアップとなる要素はない。



これだけの未達となると、繰越高が高水準とはいえ、
通期予想の達成が困難にも思えるが、どのように下期をリカバリするのか。


JR東からの引き合いや予算達成に向けた案件化の追い込みなどで、
まずは数値を作っているところを意識している。この他にも民間からの引き合いも
好調なため、採算性を考慮しながらチャレンジしていきたい。
(ここは明言は当然出来ないわけですが、個人的にはだいぶ苦しそうでした(笑))



土木事業において足元の受注が減少に転じているが、
これはトレンドが変わっているという面がないか。
例えば、建設需要の動向はオリパラを見据えて不安定なものだと受け止めているが、
引き合いに変化がみられるとか、今後案件獲得に課題があるような面はないのか。


特段トレンドに変化はなく、JR東や民間からの引き合いは引き続き好調である。
しいて言えば、官公庁の案件がやや弱かったが、
一因として、9月に確定するはずの案件が10月に月跨ぎになり、
50億相当の受注が2Qに計上できないという特殊要因もあった。



決算説明資料はいつ頃開示されるか。


11月27日に公開することを予定している。




5.さいごに


本当に色々なことがありますよね。
ちょっとプロジェクトがうまくいかないと利益を削ることもあれば、
高採算で棚ぼた案件が入ってきたりと。
そんな凹凸を繰り返しながらゆっくりと社会的使命を
果たしていってくれればいいのですが、
私のような少額投資家が限られた資金で、
成長基軸を見据えて投資をするのに、
この銘柄かとずっと自問しています。

ですが、合理的な面だけで判断出来ない自分の弱さがあります。
投資方針に照らして違和感がなければいいのです。
ですが、それに固執ばかりせず、ニュートラルに見て
今後も判断していきたいと思います。(一般論ですけどね)
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