投資方針に忠実に退屈な投資で資産形成
※一部記載を修正しています(11/8)


【決算精査】 3179_シュッピン(19年3月期_2Q決算)


■銘柄分析シート(表紙)
PDFファイルリンク

■銘柄分析シート(詳細)
PDFファイルリンク


1.サマリ
総合評価:「2」 (☆☆☆★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング


売上はほぼ計画通り、利益が未達ということになりました。

利益の未達の要因は複数の事象が絡み合っており、
かつすぐにV字で改善するとはいえない部分もあり、
当面の間は楽観はできない印象の決算と感じます。
IR照会(後述)も踏まえ、自分の狭い了見で判断したつもりです。

但し、Eコマースを主軸として認知度向上型で成長するシナリオは
崩れていないという判断ですので、
今の保有比率であれば十分お付き合いできるという判断です。

決算としては、売上を確保した一方で、粗利及び販管の双方で
一過性のものもあれば、構造的に改善途上のものがあったり、
あるいは新品カメラの商戦時期の影響といった外部要因もあり、
利益がビハインドとなった点はネガティブに受け止めました。
またこれに伴い、業績予想の修正は現時点ではなされていませんが、
かなりハードルがあがったことは事実であり、この点からも懸念が台頭します。

前述の通り、大きな流れで向かっている方向は間違っておらず、
シナリオが崩れているとは考えていないため、
総合評価としては、「2」(ややネガティブ)とします。
「1」(ネガティブ)を付与する目安としては、シナリオが大きく崩れるなどで、
即時に売却を判断しなけれならない想定なのですが、
そこまでではない、というかこの程度の凹凸などこれからもあるだろう、
くらいの感覚であります。

2.定量数値の確認


(1)売上・利益の状況


■売上高-粗利推移
3179_シュッピン(19年3月期_2Q単計)売上推移

売上は確保していますが、
粗利率が0.5%下落しています。

・カメラの新商戦が下期に集中
カメラの買い控えや中古流通が一次的に停滞し、
多少強めのセールをうち、流通を確保したという要素が、
粗利率の押し下げ要素となっています。
ここはある程度今後はコントロールされてくると思います。

・相対的にカメラより時計が好調
カメラの買い控えによる停滞を時計が支えた事になりますが、
時計はカメラに比べると粗利率が出にくい要素もあり、
ポートフォリオの構成変化が粗利率を押し下げることになりました。
これもひとえにカメラの新商戦の影響といえます。


■販管費推移
3179_シュッピン(19年3月期_2Q単計)販売費推移

販管費の低減による運営が同社の大きな特徴ですが、
残念ながら販管費率は前期比でも2Q単としては、+1.2%増となっています。
決算説明資料にもありますが、いくつかの費目に特徴があります。

販売促進費は前期比で1億弱(90百万円)の増加となっています。
これは最近施策として始めている優待チケット(利用者へのクーポン配布)が
当初想定より嵩んで計画比で純増となっています。
当初計画では前期並みの販売促進費の計上を見込んでいたことになります。
この背景としては優待クーポンを効率的に支出するナレッジがなくて、
必要以上に投下してしまった点もあるようですし、
前述の背景で買い控えへの対処という面もあったものと思います。
そして物流スペース拡充もあり、トップラインを伸ばすためにも、
買取強化の施策を打ったこともこの費目の増加が影響したものと思います。

またその他の経費は前期比+84百万円とあり、
これは計画比は不明ですが、フロア移転(筆記具移設+下取り拡充)によるコスト増です。
これは一過性の費用だと認識しています。

越境ECへの対応などはまぁ先行投資としていいと思いますが、
動画撮影の業務委託費は今後、商品数が積み上がる中で、
比例的にあがっていくと今後も販管費の押上げ要因となりそうです。
ここは現時点で未確認ですので、改めて確認したいと思います。

→(11/8追記)
動画撮影等で増えた業務委託費は、当初の環境整備等で使途したものであり、
商品数に比例して委託費が増加するものではないようです。
もちろん、撮影などの手間は労務費として自社コストとして増加の要素にはなりますが、
比例的に増えていくものではないようです。
また、手順の合理化等も進むとより効率はあがるのかなと思います。
1日に数百点をUPなんてこともありますし、これから年末商戦が始まりますので、
これが商品化プロセスのボトルネックにならないといいですね。


販管費が今後上昇トレンドとなり、それが売上伸長に繋がらず、
販管費率の押上げ要素となってはいけないですからね。




■営業利益
3179_シュッピン(19年3月期_2Q単計)営業利益推移

営業利益率は2Q累計で4.2%でこれは確かに低い水準ではありますが、
絶好調だった前期比では悪化していますが(▲0.9%)、前々期比は同水準です。
前期の2Q単が非常に好調でしたので、余計に減速感があるようにみえますね。



(2)今期予想について

決算説明資料 に予実がありますが、
これをみるとだいぶ下期が苦しそうではありますね。

3179_シュッピン(19年3月期_2Q)会開示資料(計画予実)
※会社から開示されている決算説明資料より抜粋


いつもはシングルシナリオで
ここにベタ打ちでシミュレーション(という名の皮算用)をするのですが、
いくつかのシナリオでみてみます。

まず冒頭に現状を確認し、
下期のハードルを確認します。
(即席で手打ちで作ったエクセルのため誤りがあったらすみません)

3179_シュッピン(19年3月期_2Q)上下状況

前期実績は業績賞与が支払われており、利益が下押しされており、
今期は業績達成が危ぶまれている中ですので、この業績賞与はないという前提で、
なしなしでシミュレーションをします。

→(11/8追記)
業績賞与に関する記載は従業員の方の目にも触れる可能性があるため補足します。
私個人としては、業績達成へ向けて利益がリカバリされ、
業績賞与が支払われることを本気で期待しています。
来期以降、長期的なモチベーションにもなると思いますから。
そしてIR担当照会時に、経営としてもなんとか利益水準を確保し、
従業員の方にきちんと業績賞与を支払いたいというご意向を確認しています。
ここでのシミュレーションはあくまで業績未達懸念を前提に、
リスク面に特化したシミュレーションとしているため、
このような無粋な内容となっている点はご容赦下さい。



この場合、前期実績営業利益はざっくり9憶です。
そして上期実績を踏まえて業績予想達成のための下期ミッションは、
売上で190億、営業利益で116億が必要です。
ここから、売上で+15.4%、営業利益で+29%の増収増益が求められます。
(IR電話時に計算ミスで売上を誤っておりました。すみません>IR様)
売上は計画線で来ているので、問題なさそうですが、
やはり利益が厳しそうな印象ですね、ということを念頭に、
シミュレーションしていきます。

売上ラインのパターンで3つのシミュレーションシナリオを設定し、
各シナリオの中で粗利率と販管費率を求めていきます。
粗利率は従来のトレンドなどから頻出値を16.5%と仮定し、
ここに表記するのは0.5%ずつ上下した場合です。
販管費率も同様に11%を頻出値と仮定し、
やや増加側のリスクを多めに見て4つのパターンを設定しました。
こちらも即席で作成したので、数式等にミスがあるかもしれません・・・
(いつも品質が悪く申し訳ありません。)

■シミュレーション①(売上:前期比+12%(期初計画))
3179_シュッピン(19年3月期_2Q)シミュレーション1


■シミュレーション②(売上:前期比+18%)
3179_シュッピン(19年3月期_2Q)シミュレーション2


■シミュレーション③(売上:前期比+22%)
3179_シュッピン(19年3月期_2Q)シミュレーション3


粗利率16.5%、販管費率11.0%を前提とすると頻出設定における
各シミュレーションシナリオでみると、
利益の業績予想対比は、▲7%、▲5%、▲3%となり、
いずれも未達です。
ただ、この程度であれば未達とはいえ、まぁ許容範囲です(個人的には)。

業績予想をクリアするには、
シミュレーション①では粗利率17.0%、販管費比率10.5%まで改善すればよいですが、
これはさすがに厳しい気もします。
シミュレーション②では粗利率16.5%でも販管費率を10.5%まで落とせれば可能性があります。
シミュレーション③でも同様です。

ちなみにBSの商品の積み上がりは前期比で+24%まで積み上がっています。
さすがにこの分がそのまま売上伸長は難しいと思いますが、
そこに肉薄するシナリオが楽観シナリオのシミュレーション③です。
また、前年の下期の各月の伸長率は+10%台にこなれてくることも考慮すると、
今期下期については、商品積み上がりも考慮すると前年比+18%程度は
堅調シナリオとしてあるかなと思います。
もちろん利益率とのバランスなので、どうなるかわかりませんけどね。。。

というわけで、別に当てる事に何の意味もありませんが、
今のところの感覚でいうと、
シミュレーション②の粗利率16.5%、販管費率11.0%が一番しっくり来る感覚です。
この場合の営業利益の未達幅は▲5%ですから、
やはり許容範囲内かなという感じです。




3.定性情報の確認

カメラの買取が好調です。

3179_シュッピン(19年3月期_2Q)会開示資料(中古カメラ買取)

そして確かに粗利率は新商戦の兼ね合いもあって
落ちこんでいるものの、きちんと利益は確保していますし、
流通は順調のようです。
このあたりは、越境ECや動画撮影などコスト優位になっているチャレンジも含めて、
様々な課題は挙げればキリがないのだと思いますが、
同社の成長シナリオが崩れているとは判断しない背景です。

これで価値ある中古の仕入が困難になる、
あるいは、滞留在庫が積み上がってしまい流通が止まる傾向が出てくれば、
シナリオ崩れで株は売却せねばなりませんが、
そうではありませんので、定性的な見立ては変わらないと考えています。

ただ、同社はやはり新たなチャレンジも進めている中で、
なかなかスムーズにはいかないですね。

過去にCRMのシステム導入などでシステム更改をした際には、
4月にシステム稼働が止まり、販売が停滞して、
その後通期に渡りリカバリに追われることもありました。
あるいは、前期から今期にかけて物流拠点の増設も
立ち上げ、とりわけオペレーションにおいて、商品化までの遅れなどが顕在化し、
1Qで顕在化し、2Qでもまだ正常化したとはいえ、
影響は残っているようです。

あるいは動画撮影による商品訴求力向上の施策は、
方向性として間違っておらず、マニアに向けて痒い所に手が届くものですが、
これが業務委託費増に繋がり、トップラインの伸長の効果発現が
優位性を持って出ないと販管費率の上昇だけになってしまいます。

定性面で様々な取り組みがある中で、
チャレンジをすればつまづくこともあるので、
これを許容しながらがんばれ、と応援出来るのかどうかなのかもしれません。
そんな気の長い、不確実性には付き合っていられないというのが
市場の主流でもあり、だから株価も失望して売られるわけですが、
それは自分のスタンスとしてどう受け止めるのか大切なところなので、
適正なリスク管理をしながら、応援していければと思うところです。



4.その他情報の確認


(1)株価推移の状況

3179_シュッピン(19年3月期_2Q)株価推移

株価は1Qに続き失望されると思いますが、
PER18倍まで落ちるでしょうか。
明日ストップ安までいけば1066円ですからPERは20倍ちょうど位となります。
もっとも、そもそも10%程度の未達となると22倍位になるので、
そう考えると、一度ストップ安くらいでせいぜい許してもらえるのではないかなと思いますが、
ただ、市場が不安定で成長株の減益には仁義なき売られ方をすることを考えると、
PER18倍割れなんてこともあるのかもと思います。
そうなると買い戻しも検討出来るのかもしれませんね。


(2)IR照会の状況

IRにお電話です。
一部私の手元の計算ミスでわけのわからない前提で質問してしまい、
お恥ずかしい限りです。
そして利益の未達に謝罪されていましたが、
こればかりはしょうがないことです。
クソ決算とかコケにされることもあるのでしょうが、
私は経営者を期待し、従業員の皆さんが努力された成果なので、
まずは尊重した上で、何がダメで何がよくてを冷静に判断し、
それを踏まえて株を保有するかしないかを判断すればいいだけなので、
その結果だけを対象にいちいち批判するのは避けたいと考えています。
(頭の中、お花畑なだけなんでしょうけどね、私。)

なお、主なやり取りに対して、私の主観に基づいたメモです。
事実と異なる可能性もあります、というかむしろその可能性が高いです。
なにせ、思い込みが激しいですからね(笑)。


・カメラの利益未達は新商戦に向けた買い控えに対応するための
値引きセールなどでフレッシュな在庫群を維持する必要性から対処した影響が大きい。

・時計が相対的にカバーしたが、カバーしきれず利益未達となった。

・時計は株安や景況感の変化、消費マインドの変化に影響をより受けやすいが、
現時点で買い控えや売りにくくなっている、在庫滞留の予兆があるようなことはない。

・新商品がニコン、キヤノンから出て下期リカバリの初月10月の月次として、
新品に多数の注文を頂いている一方で、ミラーレス型ということもあり、
想定していたよりは新品の注文の増勢がない事も事実。
その中で、月次としてはEC中心に高い伸長を維持していると認識。

・商品在庫が急伸しているが、新たに仕入れた商品による効果と、
過去の在庫の滞留の双方がBS上では識別できないものの、
仕入推移は決算説明資料でも開示している通り堅調であり、
現時点で時計同様に滞留傾向が出ているような事はない。

・業績予想達成は決して楽をしてできるものではなく、
上期未達によりハードルが高くなったことは事実。
商品在庫も十分であり、3Qだけで一気にリカバリできるものではないが、
4Qも含めてマネジメントしていけば、通期でリカバリは可能だと認識している。

・優待チケットの配布は手探りで進めていることもあり、
本来の効果的な値引きを標榜してスタートしているものの、
まだまだ効果的でない部分もあり今後改善をするために手を尽くしている。
すぐに最適化され効果が発現する感じでもないものの、改善に向けて努力していく。

・商品在庫の物流拠点が増えたことや積極的な仕入を進めたことで、
価値ある在庫が積み上がった一方で、商品化への遅れなどが1Qで顕在化した。
この部分は2Qで改善した一方で、その後の効果的な値下げや、
AIによる需給バランスを考慮した値付けなどをタイムリーに反映する点で、
適切な利益率確保に課題が残っている部分もある。
この辺りはシステム改修を要するものでもあり、
まずは今期中は人手によるオペレーション改善を進めることで、
暫定処理を講じ、構造的な更なる高度化はシステムの高度化も含めて改善していきたい。




5.さいごに


粗利率と販管費の双方で論点があるので、
私のような素人投資家はあたふたしてしまいました(笑)。

IR照会も踏まえても楽観視は出来ません。
粗利率においても、セールを需給なども踏まえてAIに判断させる部分は、
まだ過渡期でありこの部分のオペレーションももう少し時間がかかりそうです。
販管費も優待チケットの扱い方もまだもう少し習熟する必要性も感じます。
もちろん、新商戦の影響や移転コストなど一過性の部分もありますし、

→(11/8追記)
移転コストは概ね9月までに処理済で、
3Q以降に更にその他の中でフロア移転等のコストがこれ以上大きく
計上されることはなさそうです。


案外人海戦術でも効果がある程度上向く可能性もありますが、
今後もこの辺りの改善がみられず、悲観側に倒れていくと、
上記のシミュレーションを大きく逸脱して、東証の修正基準に抵触する
利益下振れも十分考慮しておくべきものです。

しかしながら、在庫の仕入は順調ですし、会員数の推移も概ね堅調に推移しています。
外部要因として消費マインドの停滞は気になるところですが、
年末商戦に向けて在庫は十分積み上げられていますから、
あとは、上期で課題となった、
商品化までのオペレーションとその後の値付けの管理について、
ある程度コントロール出来ればいいわけです。
またそれが万が一失敗に終わってもそれは仕方のないことですし、
同社の成長シナリオや事業価値の毀損には当たらないという判断です。

どうしてもAI活用や物流面の増設、動画撮影などの販促施策、と
まぁ色々やっているわけで、
そんなにやることなすことうまくいくなんてないですからね。

そんな凹凸を繰り返しながら、基本スタンスをブレずに邁進してもらいたいと思います。

どうしても株式の保有バイアスが働いている気がしますが(笑)、
決して楽観視せず、でもリスクを鑑みて応援出来る程度で
今後も見守りたいと思います。

まぁ、かつては保有上位の時期もありましたが、
今となっては、下位保有になってしまっていますから、
その意味で応援したいが全面に出て、穏やかな気持ちでいられるのかもしれませんけどね。

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://tryinvesting.blog.fc2.com/tb.php/1132-85e37d7b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
◆最近のお気に入り