投資方針に忠実に退屈な投資で資産形成


日経IR・投資フェア2018に行ってきました。

いつものことですが、徒然なるままに長文となります。
抵抗がある方や時間がない方は、大した内容ではないので、
そっと閉じて頂ければと思います。
(せっかく記事を開いて頂いたのに申し訳ありません)


また、私が回ったブースで見聞きした内容を、
主観的に捉えた記載のため、事実誤認などもあるかもしれません。
配慮をして記載しているつもりですが、その点はご容赦下さい。


■アズワン

最初に訪れたブースはアズワンです。
研究所などで研究者が使う特殊な機器や消耗品などの
ニッチでありながら研究開発現場に必要な商材の卸売ビジネスです。
このビジネスモデルでありながら営業利益率が10%を超えており、
色々質問などしてなるほどなーと思いました。
PBによる製品開発(粗利5割位)なども仕入先と連携して愚直に現場によい製品を出す
努力をされていたりもしています。
また販売店(地場の小さな機器卸)を介してユーザーへ流していくのですが、
その販売店の御用聞きやメンテナンスなどの対応など
うまく彼らの立場も考慮して立ち振る舞っていると思います。
カタログ販売なんてやめて、もうアマゾンみたいにやれば、
みたいな話をして、当然そうなると中抜きになるわけですけど、
それはやらないということでした。
長年のお付き合いがあるので、彼らにも彼らなりの役割や付加価値をうまく
与えていきながらwin-winになれるようにしていきたいということで、
いかにも日本企業らしい(良くも悪くもかもしれませんけど)と感じました。

卸というと競合関係も気になるわけです。
当然、カタログ模倣されてやられるといわゆる堀が浅く、
こんな利益率を貪るなんて出来ないのかなとも思ったのですが、
やはりニッチであることやPB等を含めた仕入先との信頼関係、
更に商材のラインナップが既に網羅されている、
研究開発現場に浸透している(圧倒的トップシェア)中で代替が介入しづらい構造にあるとか、
いわゆる先行者メリットを大いに受けている印象でした。
確かにこの程度の堀であればもしガチンコで競争となっていれば、
これまで安定的に成長してくる前に利益率を削られてきているはずですから、
数値推移がその圧力があまり強くないのかなということを裏付けているようにも思います。

中計の施策の中では海外についてですが、
欧米は研究現場は日本より進んでいます。
そこには既に既存事業者が入り込んでいるわけで、
どうやって攻めるのかなというのも疑問でした。
日本製の機器が多いというわけでもなさそうなので、
敢えてアズワンへ乗り換えるというのは日本で先行メリットを受けている
裏返してで大変ではと思うわけで実際に苦労が多いようなトーンでした。
ASEANなどはまだ介入余地がありそうでしたけどね。
ですから海外はまだまだ課題が多いかなと感じたところです。
新規商材は、現在も博士号の社員が一部対応しているようですが、
研究活動の一部をアズワンが受託するというような事も広げていきたいようです。
これは博士修了の社員もいるので出来るというQAをしたのですが、
私の理解では博士号取得者はコアがより狭まっており、
そんな汎用的なテーマを請け負うといってもそんなにスケール出来ないのではないかと
思ったのです。やったとしての人月ビジネスではないかなと。
となると、WDBホールディングスのように本気で人財育成をしないと、
なかなか対応出来ないのではと思い、その辺りの認識について色々お話をさせて頂きました。

株価は単元が高く分割などへの意識も現場としては経営にあげているようですが、
株価は高い方がいいという微妙な意識もあるようで、
創業家である程度保有してしまっておりかつ少し古く鈍い感覚もありそうなので、
その辺りはやや残念だなと思います。

全般的にカタログやWEBを使ったニッチな商材を扱い、
それを代理店も含めたバリューチェンを築いくのはいいんじゃないと思いました。
あとは研究開発現場のシュリンクですが、リーマンの時も影響がないとはいいませんが、
もちろん黒字は確保していますしそこまで落ち込みもないですね。
卸売としてみると驚異的なPERがついていますが、
収益性なども鑑みると高く評価されるのは妥当かなと思います。
ただ、株価はPER30倍超はやはり私には手が出ません。
でも事業全体を見渡してみるとあまり急成長というのは望めませんが、
でもいいんじゃないと思いました。
ブースの担当の方も真摯、丁寧に、答えにくいことにもきちんと対応して下さり、
心強い印象を持ちました。



■シップヘルスケアHD
次に以前にも話を伺ったシップヘルスケアHDです。
主に病院の設備投資等に対応するTPP事業や
日常の医療活動を支える消耗品等を扱うMSP事業がコアです。
ライフケアや調剤もやってますが、調剤だけとってみても、
片手間という程規模が小さいわけではなく、店数も全国100店ですから、
結構多いわけですね。
TPP事業では高度医療機関など地方の中枢病院に対して、
年間50件程度の更改需要へ対応をしているようです。
更改といっても新設も含めてのことのようですけど。
病院設備を新設したり、新たな機器を導入するとしても、
やはりトータルコーディネートが必要で、
個々の機器メーカーと個別に病院が調整するなんてことはなく、
そうなると中枢病院で実績のある同社に声がかかるというわけです。
そして同社は手術用照明や酸素ガスなどの配管に関する機器、
あるいは医療用浴槽などニッチな周辺商材を扱う会社をMAして、
より効率的に対応していけるようになされています。
また国内だけでなく、インフラ構築が進むバングラディッシュなどへ進出し、
縁ある医師と共に立ち上げをして、JICA出資(出資は珍しいらしいですね)などもあり、
事業立ち上げした経緯もあるようです。重粒子がん治療設備なんて大掛かりなものも扱い、
当時はその事業のために増資をして調達したこともありました。

まず病院の総数は減っているという認識からスタートしたので、
基本的な確認からQAで教えて頂きました。
まず病院総数は減っているものの、その主因はいわゆる町医者で、
高齢化による廃業などの問題もあるようです。
一方で地域医療の拠点となる中枢病院の動向にネガティブな風はなく、
むしろその設備投資や新設などの需要が広がっているようなトーンでした。
(この辺りは医療関係者でもないので私はあまりわからないのですけどね)
年間の扱い院数も年間50件程度と安定しているという結果から、
ある程度そんなもんなのかなと数値から納得させられました。

既に売上で5000億が射程に入っています(2021.3期の目標)。
そして2025年には1兆円企業を目指しているようです。
それより気になるのは営業利益率ですが現状で4%台なのですが、
もう少し上がらないものなのですかね。
確かに消耗品などの卸売り的なものやライフケアなどもやられているのですが、
TPP事業など大型案件はそれなりにトータルコーディネートが求められ、
付加価値があると思うのですけどね。
あまり競合関係が強い印象も持たなかったのですが、
このあたりはまだ疑問が残るところでした。

重粒子がん治療に向けた大型投資の際に増資で調達したわけですが、
その事についても聞きましたが、やはりこの投資はこれまでと毛色の違う投資で、
より自社の責任で行いたいということで借入ではなく自己資金で調達したかった
という説明でした。正当化する問答のようにも聞こえますが、どうなんでしょうかね。
今後の海外を含めた投資に当たっては借入で対応していきたいとのことでした。
(まぁ市場調達も含めて考えていると敢えてはいわないか)

自己資本比率もどちらかというと低いものの、
PERは20倍ちょうど位と高くもなく安くもなくですかね。
私の基準では時価総額も2000億程度ともう大きくなっていることもあり、
直ちに投資対象かといわれるとうーんとなりますが、
今後も会社がどうなっていくかは見てみたいなと思います。


■綿半HD

歴史が長い会社、実直な会社というイメージでしたが、
改めてブースできちんと話を伺うとその印象を改めて実感します。
ホームセンターからスーパー業態を取り込み、
更に園芸も加わって長野を地盤にドミナント構築しています。
ホームセンターではなく、スーパーセンターというんですね。
エブリデーロープライス戦略を取り、口コミで地元で噂が広まり、
確固たる地位を築いていくということです。
長野は地盤で強く、中央道を東西に進出して名古屋商圏として
愛知や岐阜(初出店になるようです)に進出していっています。
また東は山梨などへ進出し、一部は関東にも来ています。
わかりやすい事業と戦略ですね。
建築事業は、建築といってもなんかビルとか建物を立てているというより、
駐車場や屋根に強みがあるのですね。
SCなどの大規模立体駐車場には特許もあり構築しやすいようです。
屋根の回収も工場内部の操業を止めないで施工できるとか
色々拘りがあるようです。
そしてそこで必要になる様々な部材も自社開発もしていたりと、
メーカー機能を備えられるようにしているようです。
この辺りは長い創業期の沿革をみると、不思議ではないですね。
なにより、この建築事業は利益の額面で約40%超あり一番の稼ぎ頭です。
貿易事業も、貿易という名前から誤解される面もありそうですが、
現地で原薬などの材料貿易もありますが、
ワックスの精製工場を持ち現地で製品化までを行って輸入するようです。
利益率が高いセグメントです。
中計も1年前倒しで実施しており定量面も堅調です。

QAでも色々丁寧に教えて頂きました。
まず長野県内ってまだ余地あるのかということですが、
まだまだ自社競合しない中で出せる余地も多いし、
そもそも中央道沿線という見方で広げてみると愛知や山梨と隣接県で
十分な余地があるとのことでした。
またエブリデーロープライス戦略は既に都市圏では
ある程度競合も出ている中では訴求力としてはそこまで強くないのではという話は、
もちろん意識はされていました。園芸やホームセンターとのMIXでという説明もありましたが、
園芸やホームセンター商材はそんなに頻度は高くないかなとも思います。
むしろ、ドラックストアがスーパー機能持つ方が日常使いとしての需要は大きく、
スーパーにとってかわろうとしているドラックストアとどう競合するかというのは、
園芸の付加価値をあげているということでした。
地方だから園芸用品て私が思う以上に日常的なんでしょうか。
ドラックストアを併設するなんてマネしないの、という問いかけは、
あまり本気には受け止められなかった印象でした。
ただ、店舗にどういったファンクションを付加しているかという話題は、
やはり社内でも色々検討をしている風潮は感じました。

総投資に35憶使途するという件を受けて、
その資金は自己資金とCFから十分捻出可能という説明でした。
話の中で、直ぐに定量的にお答えいただけたので、
ある程度本当に見定まっているということでしょう。

この他建設は人手不足の面は否めないということなど、
今後の人的リソースの懸念はまだ課題もありそうでしたが、
色々苦労して対応はしているようですね。

指標もそんなに高くなく、会社もさすがの歴史で堅実な会社だと思いました。
還元姿勢も明確ですし、いいんじゃないかなと洗脳されてきましたよ(笑)。



■総合メディカル

こちらは再び医療系です。というか医療系多いですね。
単に私が好んで訪れているだけでしょうかね。
ちょっと簡単に済ませますが、
医師を結ぶDtoDシステムがコアなんでしょうかね。
病院の経営コンサルタントの位置づけなんでしょう。

医師が病院で独立したいとかの要望に寄り添い、
同社がモール型医院を企画運営してマッチングするなんてことです。
医院運営等に特化したコンサル人材がおり、
医師の悩みに寄り添うということです。

私が最初に思ったのはエムスリーやメドピアのような
基盤が既にある中で、DtoDシステムがどこまで機能するのか、
というかユーザー数は多くてどう使い分けられるのかとか疑問でした。

また医師が独立したり、動く時には医局の存在や、
出身大学などのツテが重要視される世界かなと勝手に思っており、
その環境下でどうかなとも思いました。

同社は三井グループということもあり、
ららぽーとなどのモール型でその立ち上げや運営がしやすいようですね。
そして医師の立場になるとDtoDに登録しておくと、
とりあえず綺麗なモ―ルで医院を持てるということもあるようです。
そしてモール型は1人の先生だけが勤務するわけではなく、
交代が出来るように複数の医師や様々な科の先生が集うことで、
心理的負担もだいぶ下がるということもあるようでした。

そしてこのフィールドを使い調剤もやるわけですが、
モール型調剤は、各科の病院からの処方箋を
一体でみなされることで集中率が下がりにくい構造にあるはずで、
その辺りの対策を聞いてみましたが、そこはあまり明確ではなかったです。

2代表体制でうち1人は外部(アイン)からの転職組です。
この業界も色々狭いんですかね。。。
採用面なども特段特徴はありませんでしたが、頑張っているとのことでした。

指標面などをみても、そんなに飛びついて欲しいという感じでもないので、
保留という判断になりますが、業界の理解等を深めるために、
少しずつでも中身をより理解してみたいなとは思いました。
医療コンサルって色々専業もあるので、
そこに対する優位性とかもまだよくわからずでしたしね。


■ムゲンエステート

こちらは端的に下方修正のことをどう説明するかを聞こうと思い、
ブースを訪れました。
すると、説明者はさくっと今期は修正しました、と一言でスルーしたので、
早速、終了後に凸します(笑)。
上昇局面でも積極的に仕入をして高値掴みをしたので、
一旦在庫整理して仕切り直すんですということでしたが、
そもそも市況はどうなのと思うわけです。
やはり価格は上げたところからまだその水準は維持はしているものの、
更なる高値追いはせず、徐々に成約率が低くなっている温度を感じました。
(このあたりは不動産に携わっている方の心象とまた異なるのかもしれませんが)
そして滞留させてもということで、一旦値切りして整理ですね。
で、まぁここは想像通りなのですがその後どうするの?という問いかけです。

市況が下がってきたら下がってきたなりの買い方があるんですというので、
どんな?と聞くと、リスクをより見積もって低く買うことが大事なんですということでした。
うーん、そりゃそうなんだけど、低く買うといってもそれが実は将来からみたら
再び高値掴みになるリスクはあるし、そもそもそんなに下値を堅めにいったら、
今度は仕入れられない問題にもならないのとも思うわけです。
なんか株取引と同じですよね。
で、結局今度はより慎重に今度は仕入れますというトーンだったので、
やっぱり色々厳しいねと思った次第です。
まぁそのタイミングの読みが素晴らしいとかでV字回復というシナリオもあるかもしれませんが、
同社への投資判断というより、市況をある側面から感じたかったので、
その意味では色々悟りましたのでよかったです。


この他、細かな話は色々伺いましたが、
何より1社ずつじっくり話をさせて頂くことで、
色々妄想するきっかけを頂き楽しかったです。
対応頂いた会社さんには感謝です。


残りのイワキ、コンドーテック、イオンディライト、ミスミグループ、
キューブシステム、信和、コタはまた別途にします。
そして保有のトーカイは個別の記事にしようかなと思います。


なんか本当に雑文で失礼しました。





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