投資方針に忠実に退屈な投資で資産形成


【決算精査】 9729_トーカイ(19年3月期_1Q決算)

■銘柄分析シート(表紙)
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■銘柄分析シート(詳細)
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1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング


事前に調剤薬局を展開する各社の決算を横目で見ていて、
その大幅減益ぶりにげんなりしてその甚大さを改めて実感していました。
報酬改定と薬価改定の同時試行の影響は不可避であり、
トーカイにおいてももう覚悟はできていました。

内容については、調剤サービス事業で減収減益となりましたが、
各社が大きく減らす中で、3%程度の減収にとどまり、利益も3割程度の減で
持ち堪えた印象です。
3割減益ってそれなりに目が回るわけですが、
事前の覚悟もあり案外すんなり受け入れれました。
ここは原因も取るべき行動もはっきりしていますし、
本決算時の決算説明資料から読み取れる計画値からも、
違和感があるものではないので、徐々に対策がなされて、
点数などの要件を満たせるように対応されていくことを期待するだけです。


売上面でこの調剤薬局の改定影響による下押し要素を
はねのけて増収としたのは健康サービス事業の貢献です。
環境サービス事業も伸長率からすれば貢献していますが、
額面ではまだ軽微な範囲で、メインは健康サービス事業の貢献です。
介護用資材のレンタルなどがメインで同社のメイン事業でもあり、
そこの売上が好調なことは安心材料です。
MAの効果もありますが、2桁の増収となっています。
一方で人件費や資材費などの高騰もあり、利益面では微減で横ばいです。
資材費は当然、レンタル需要が広まれば、それを準備するための
初期コストが嵩みますからコストも先行してくるでしょう。
需要が大きいが故に、イニシャルコストを要するというのはやむ得ないと思います。
一方で人件費の高騰は、元々計画上も利益の下押し要素として、
あらかじめ明記されていたこともあり、特段驚くものではなく、
最近のトレンドなのですが、この人件費の高騰が単に社外の委託費による
キャッシュアウトの増加で垂れ流しているのではなく、
自社内の人材面の手当や従業員への還元によりモチベーションを高める
正のスパイラルに乗せられている活動であれば嬉しいなと思います。

調剤薬局の政策動向への対処はもう少し時間を要するでしょうが、
足下ではまずはなんとか持ち堪えているという印象ですし、
健康サービス事業では環境は好調で需要も多いことはわかります。
以上のことから、特段ネガティブな要素もポジティブな要素もなく、
概ね会社見通し、また私の見通し通りに推移していると考え、
総合評価は「3」(想定通り)となります。



2.定量数値の確認


(1)売上・利益の状況

■売上-粗利率
9729_トーカイ(19年3月期_1Q)売上ー粗利率費推移

売上は調剤サービス事業の改定影響はあったものの、
健康サービス事業などで挽回して増収です。
そして粗利率も前年より24.0%と過去期の水準で推移しています。



■販管費
9729_トーカイ(19年3月期_1Q)販管費推移

販管費が初めて四半期単位では50億を超過し53億水準となっています。
販管費率も急伸しており、このあたりが利益の下押し要素に影響しているように思います。
人件費の高騰は主に原価要素だと思っていましたが、
粗利率はそこまで変わらずだったので販管費で支出したんでしょうか。
新卒採用も強化しており、その最初の研修は販管費扱いなのかもしれませんね。
このほか、資材購入コストや調剤薬局の政策動向への対応などで
販管費で支出しているものもあるのでしょうか。
この構造はあとで確認してみたいところです。


■純利益-EPS
9729_トーカイ(19年3月期_1Q)純利益ーEPS推移

経常利益以下でも特筆すべき事項はありません。
営業外損益や特別損益があまりないのですね。


(2)今期予想について

上期予想を開示していないので
測るとしたら通期に対する進捗率でしょうか。

ただ、利益への影響度が大きい調剤の動向が影響する年でもあり、
あまりこの時点で評価するのも意味がないだろうと敢えてここでは計算しません。
現時点では概ね、計画通りなんではないでしょうか。


3.定性情報の確認

事業開発本部での活動に期待をしているところです。

医療機器としてのウェアラブル端末は
一部の大学病院などとのPoCのような活動が奏功し、
いよいよ展開されていきますが、画期的なデバイスのはずですから、
ぜひ頑張って展開して頂きたいです。

そしてその後にも派生ビジネス、または新たなビジネスは
とりわけ広大なマーケットをターゲットにしているわけなので、
可能性があるものと考えています。

一番のネックは、人材タイプの不足だと思います。
同社は地方の会社ということもありますが、
良くも悪くもまじめで実直な会社という印象です。

調剤にしても介護レンタルにしても
きっと顧客に寄り添い日々のお仕事にはどこまでも
真摯に対応していることと思いますが、
一方で、マーケットインの発想や現場を見ている中から、
プロダクトアウトの視点においても新規性の開拓というところへは
まだ課題があるのではないかと感じています。
(あくまで私の印象なんですけどね)

事業開発本部を任されている今道氏は、
まだ若くそのポテンシャルがあると直感で感じたところですが、
そういった引っ張っていける方がもっと人材タイプとして出てくると、
いいなと思っているところです。

そのためにも人材獲得や育成の考え方も変化させねばならない面もあるかもしれません。
同社は体育会系色が意外にも強く、
現業タイプが多いのかなと思ったものですから、余計にそこへの期待をしたいところです。



4.その他情報の確認


(1)株価推移の状況

9729_トーカイ(19年3月期_1Q)株価推移


こう見ると、長い視点でみると私も割安さはやや妥協して
買い付けを始めている印象がありますね。
どうしても株主総会に行きたくて、
最初の買い付けは少し前のめりでしたしね。
でも総会に出てみて、会社を知れたのはよい経験でした。

参考:株主総会レポート記事


(2)IR照会の状況

販管費の動向や人材育成の状況などは聞いてみたいです。
調剤の政策動向の走り始めの印象もそうですね。
いずれも拙速に電話するものでもないかなととりあえずまだ照会はしていません。

8月の日経IRのイベントにブースが出ますし、
そこで直接対話をするのもいいかなと思っています。
とはいえ、電話してしまうかもしれませんが(笑)。


(3)セグメント別状況

すでに冒頭でも言及していますが、
セグメント別の状況も、決算精査資料から抜粋して貼っておきます。

■セグメント売上
9729_トーカイ(19年3月期_1Q)セグメント売上推移

■セグメント利益
9729_トーカイ(19年3月期_1Q)セグメント利益推移


5.さいごに

同社も四国の店舗で西日本の豪雨災害の影響を受けています。
またリリースには出ていませんが、岐阜県を中心に大雨で孤立した地域などもあり
現場では患者さんへのフォローをされたことと思います。
これも私が勝手に美談にしてしまっているかもしれませんが、
各現場で患者さんに寄り添って真摯な対応をしてくれていると思います。
損益上は利益を削る事も多そうな気もするのですが、
しかし、自分の投資先がこういった苦労を乗り越えて、
エンドユーザーに必要とされる企業であるというのは嬉しいことです。
それはそれ、これはこれという考えもあるかもしれませんけどね。

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