投資方針に忠実に退屈な投資で資産形成

【決算精査】 9090_丸和運輸機関(19年3月期_1Q決算)


■銘柄分析シート(表紙)
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■銘柄分析シート(詳細)
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1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆☆★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング

アマゾン社の拠点拡大等に伴う業容拡大の投資や、
原油価格の上昇や新卒採用コスト等が
どのように数値に出てくるかと注目していました。

上期の業績予想も利益においては+30%を超える増益予想となっており、
かなりの強気なものと認識していましたから、
このような投資や先行コストなどをどう吸収してそれに沿うカタチになるかなと
幾何の心配も抱いていたことは事実です。
その際も長期的な視点で投資をしているので、
大した問題ではないとも覚悟を決めていたわけです。(売上伸長が前提ですが)

出てきた1Q結果はこの不安のかけらを吹き飛ばす、
絶好調な数値となりました。
増収は10%を超えてここはアマゾン対応もあり想定内なのですが、
利益が+37%弱の増益でだいぶ強いな、というのが直感でした。

ただ、前述の背景もあり、拠点新設や先行コストの発生タイミングにより、
四半期単位では浮き沈みもあるでしょうから、
あまりこの結果だけを見て浮かれるわけにもいきません。


短信上ではまず新卒採用は注力していることが伺えます。
一部、大学などとも連携して、あの強烈なリーダシップで集客(?)しているわけですが、
今後も採用コストをこなしながら人財を増大させていくものと思います。
来週の採用も計画通り順調に進んでいるといいなと思いますが、
さすがにその状況はまだ進行形でしょうし、短信記載上からはわかりませんね。
今後を期待したいと思います。


アマゾンの拠点新設は拡大していることがわかります。
常温その他物流のセグメントはほぼアマゾン対応という事かと思いますが、
+46.6%の増収と大幅増となっています。

一方でネットスーパーやマツキヨの医薬品物流などはいずれも3%程度の増収ということで、
その率こそマイルドなものですが、着実に安定収益基盤を構築している印象があります。
但し、医薬品物流はインバウンド需要など比較的流動的な中での事である点と、
マツキヨの店舗リニューアルの進捗状況によっても
業績面で影響を及ぼすと思われますのであまり楽観視もしていません。
ただ、足元では化粧品メーカーの一部の売上が相変わらずインバウンド需要に下支えされており、
かなり息の長い消費拡大が続いていると感じています。
直近でもファンケルとかインバウンド需要を理由に絶好調ですからね。

コストも今の所特段の原価や販管費の変化は見られず、
投資をしながらも適切にマネジメントが機能している印象を持ちました。

今後、各タイミングによって、投資が支配的になると、
業績面で凹凸が激しくなるところもあるかもしれませんが、
そういうことも踏まえてより丁寧なIRを期待したいと思います。

既に決算説明資料など丁寧に作られていますが、
投資家からみると社運を賭けたといってもいい規模で投資するわけです。
それは単に拠点数やトラック台数といった金額的な面もありますが、
個人事業主の事業支援という定性的な活動においてもいえることです。

こういった活動の計画や進捗などについてより予実を把握しやすくなり、
何がうまくいっていて、何が課題なのかがわかるといいですね。

例えば、価格交渉も上手くいっていて、その効果が出始めているというニュアンスですが、
もちろん交渉事なのでその詳細を開示することは控えるべきとは思いますが、
どの程度がまだその効果が上乗せされる余地があるのかなど、
手元で皮算用もして投資判断に活かせるとより魅力が高まるかなと思います。


総合評価は堅調な足元の業績から、
ややポジティブ「4」でもよかったのですが、
もう1期様子を見てみたいとも思いますので、今回は想定通り「3」とします。


2.定量数値の確認


(1)売上・利益の状況


■売上-粗利推移
9090_丸和運輸機関(19年3月期_1Q単計)売上-粗利推移


売上は前3Qを超過しています。
同社にとって3Qは荷量が最も膨らむ繁忙期です。
直近のその繁忙期水準を超えるというのは、
やはりアマゾン寄与が大きい事を示唆していますね。

アマゾンは7月にプライムデー、年末にサイバーマンデーなど
大型のセールが恒例ですが、1Qはそこまでアマゾンのセールはありません。
(といいつつ、最近アマゾンセール多いですよね)
今後、こういうセールの動向によって
荷量の繁忙期も全社レベルで平準化してくるかもしれませんね。

粗利率は概ね同じような水準で推移しています。
今期が11.5%で前期が10.5%ですから1%の改善です。
人件費のコストや原油は前年よりは騰がっているはずで、
その中でこの水準はいいんじゃないでしょうかね。


■販管費推移
9090_丸和運輸機関(19年3月期_1Q単計)販管費推移

販管費は10億を超えてきて、上場後初めてですね。
色々使途が増えてきているわけですが、
売上の伸長も大きいので、販管費率は昨年同期間と全く同じ5.1%となっています。
売上を伸長させ販管費率をコントロールしながら
販促や新たな投資を伸ばしているというのもよいですね。



■純利益-EPS推移
9090_丸和運輸機関(19年3月期_1Q単計)純利益-EPS推移


特段、営業利益以下と同じ傾向ですね。



(2)今期予想について

上期予想との対比で2Q単をみてみると、
売上は20,418百万円、営業利益1,098百万円となります。営業利益率は5.4%です。
前年は売上18,178百万円、営業利益は870百万円でその利益率は4.8%です。
売上で+12.3%、営業利益で+26.2%の増収増益が達成点となります。

売上は1Qで+14.3%の増収でしたし、
そこから拠点は更に拡大していくでしょう。
感覚的な話ですが、売上は余裕があると思います。

一方で利益は売上が予想線とすると、イーブンかなという印象ですが、
ただ先行投資のコスト投下の状況次第でもあり、
利益を出す気になれば出るでしょうが、
業績予想に合わせるために、投資を調整するのも本末転倒なので、
あまりここに固執するべきではないかなと感じています。
少なくても私は。

ポテンシャルとしては十分満足できる水準で推移していると思います。



3.定性情報の確認


一応、私も丸和運輸機関の株主であり、
ファンでもありますから、様々なリサーチをしています。

SNSでは桃太郎便のユーザー、というか
アマゾン利用者が桃太郎便で宅配を受けるという一般消費者の声を
よく見る機会がありますが、総じて課題があるように感じます。

単なるクレーマーという見方も出来ますが、
やはり個人事業主の延長線でやられている方にも
アウトソースしているでしょうし、
今後は事業主の育成にも乗り出すという中で、
やはりサービス品質の底上げが課題かなと思っています。

経営側のマインドは理想として大変優れているわけですが、
これをプロパーへきちんと伝承し、
更に協業される方にも浸透させていくことが
今後本当に大きくなる時に大事な要素になるのだと思います。

会社として教育にも力を入れているということで、
精神論も含めて徹底しているわけですが、
少しずつ、丸和運輸機関で配送されてよかったという口コミが
もっと増えてくるといいなと思うのです。

かつてクロネコヤマトの宅急便はサービス品質の徹底を
小倉さんが躍起になって進めました。
それは彼らの文化に根付いていて、今でもその気配りも素晴らしいと思います。

ひとつの例を挙げるとですね、
飲料系の重い荷物を宅配してもらうシーンです。
クロネコヤマトの時には不在時には敢えて持ち帰っていかれました。
在宅時に改めて配送に来てくれるのです。
一方で桃太郎での宅配時は宅配ロッカーに入れていかれました。
もちろん桃太郎の対応は普通に考えると何の問題もないですし、
早く荷物を受け取りたいという要望があるかもしれないので、
ヤマトの対応はお節介になってしまう可能性もあるわけです。
ただ重い荷物を宅配ロッカーから運び出すのは、
特に妻なら難しいわけです。
帰宅時に宅配ロッカーを開けて右往左往してしまうことをイメージして、
敢えてお節介を焼くヤマトは想像性があるなと感心しました。

ちょっと何言っているかわかんない、という例かもしれませんけど、
お節介を焼けば手間がかかり利益を悪化させる、
でも満足度は高まるかもしれない、といった時に、
どういう対応を取るべきかということです。
なにもヤマトの対応が全て良いとも思わないのですが、
サービス品質を深堀するといった時にどういう方向で現場を巻き込んで
浸透させていくのか興味深いことだなと思っています。


4.その他情報の確認


(1)株価推移の状況

9090_丸和運輸機関(19年3月期_1Q)株価推移


株価は高いですよね。
気持ち的にもっともっと応援したくて株を買いたいのですが、
私の投資判断の基準からいくとどうしても躊躇してしまいます。


(2)IR照会の状況


今回はIR照会は不要と判断しました。
敢えて聞くとしたら、原価と販管費の構造について、
主な増減要素(原油影響、投資、人財コスト、傭車費)別の動向を知りたいですが、
有報での原価明細等を見るなり、2Qでの決算説明資料など、
また状況を踏まえて必要に応じて照会させて頂きたいと思います。


5.さいごに

同社との付き合いはもう上場直後からなのでそれなりに長くなりました。

敢えて発信していませんが、色々とありがたいご縁も頂き
嬉しいこともありました。

こういう絆をきちんと大切にしながら、しがない個人投資家ではありますが、
会社を応援していきたいなと思います。

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