投資方針に忠実に退屈な投資で資産形成


私の投資判断の軸のひとつに、安定性という観点があります。

この観点では、収益構造に継続性の高い要素があるか、
巷ではストック性などとも言われていますが、
他社への流出のしにくさ、いわゆるスイッチングコストがどうか、
なんてことを考えながら評価をしています。
安定性という面では、不況耐性へも考慮を巡らし、
過去の業績推移も横目で見ながら、
対象とする企業がどのくらいの安定性を
持ち合わせているかを多角的に眺めているつもりです。
エンドユーザや顧客側の視点に立ったときに、
そのサービスや商品は削られやすいものなのか、
あるいはやめられないものなのか、
あるいは逆にニーズが増える要素があるものなのか、
そんなことを妄想しながら評価を下しています。


この中で最近よく目にする「ストック」という言葉ですが、
この扱いには改めて留意すべきだなと感じています。
企業側は自社の安定した収益基盤をアピールするために、
ここ最近とみにこの表現が踊るようになっている気がしますし、
個人投資家界隈でも高いストック性がもてはやされているように感じます。
ただ、本当にその構造はストック性のあるものなのか、
確かに契約やビジネス形態は定常的な収支を期待しているかもしれませんが、
それは脆く崩れる要素はないものなのか、どこまで岩盤なものなのか、
慎重に判断を下すべきという点で、留意すべきと感じています。
少なくてもストック性を有するから業績は安定すると
直結するような思考プロセスからは脱したい所だと捉えています。

それから、安定性という観点でいくら俯瞰して、
自分の中で確からしい評価を下し、
実際にその見立てがあっていたとしても、
株価が相対的に下がりにくいという考えは幻想だと思うのです。
ビジネス上で安定基盤のある収益モデルを持ち合わせていたとしても、
或いは外部環境の危機に見舞われた時のビジネス影響が軽微だったとしても、
株価は相対的に安定して推移することなく連れ安すると思うのです。


私はこれまでも今後も、安定性という観点で
ビジネス上の相対的な強さを測り、
それを踏まえた投資判断を下していくことは、
投資方針に掲げている以上、絶対に曲げません。
ただ、安定性が高いことにより、
株価が底堅く動くだろうという楽観的な感覚があるとしたら、
それは必ずしも真実でないよと自制するようにしたいと思っています。


結局のところ、長期的な株価の推移は、
企業の利益と市場の評価で決まるわけですが、
企業の利益において、いくら安定していたとしても、
それだけでは株価は語れないわけです。
当たり前の結論なのですが改めて頭に浮かんだので、
自分自身への整理のためにも記事にしました。


では、なぜ株価騰落という点において、資産を守れる要素には
必ずしもならないと考えている安定性への評価軸をもっているのか。
これは、自分が長期的に企業を応援して投資していることへの
納得感を醸成させる意味合いが強いものだと捉えています。

安定性が高いと真に考える場合に、
実際に安定した業績推移を示してくれていれば、
その会社へ投資しているときのマインドとして、
市場からの評価が下がって株価が下がったとしても、
自分の中に右往左往せずどっしり構えていられる要素になると考えています。
株価の予測はできませんが、
安定した業績を出し続けられるような会社をみつけて、
投資できているということへの充足感がまず大事だと思っています。
きっと多くの方が結果、つまり利益、資産だといわれると思いますし、
その考えは私も理解しているわけですが、
やはり私が大事にしていることは充足した気持ちで、
納得して投資を続けられることだと考えていますから、
このちょっと人と違う価値観も大事にしたいと思います。
(とはいえ、もちろん資産を増やすことをないがしろにする気はありませんけどね。)

ストック性や安定業績といった言葉に惑わされず、
株価の騰落にも寛容になって
本質的な価値に目を向け、リスクはリスクとして認識して
決して楽観視せずにいきたいなと思います。


最後に、自分の保有銘柄についてのストックや安定性への見立てを
いくつかメモしておきます。

まず、日本管理センタ。
同社は管理戸数の積み上がりによるストック性をアピールしています。
確かに管理物件からの収入はストック性の高いものがありますし、
規模が小さかったことから過去からの業績推移も一貫して安定しています。
この観点で評価も高めにつけていますが、
しかし、当然ながら入居者の入れ替えがスムーズに進むのかとか、
オーナーサイドのマインド、あるいは不動産市況や金融機関の動向によって
管理戸数そのものの増減も出てきますし、(実際足元はかなり鈍化)
そこからの収益性も異なってくるわけです。
ですから、ストック性といっても決して岩盤ではない要素がリスクとしてあるんだ、
というように捉えています。


私が安定性の軸で最高ランクの評価Sをつけているステップ。
こちらも過去業績や圧倒的な質を追及し実績を出している運営には、
目を見張るものがあります。
特段の懸念が生じなければ、一度入会すると、
卒業までずっと通ってくれる可能性が高いです。
従ってストックという意味でも岩盤な構造を持っていると認識しています。
とはいえ、足元で教室の募集状況にやや弱さがみられますし、
築いてきた信頼はちょっとした質の低下で一気に失望されることもあります。
その年の生徒の募集も学校におけるリーダー格の動向で
良くも悪くも左右されるという構造をもっているようです。
教育資金は景況感の影響を受けにくいともされますが、
それでも先立つものがなければ豊富な授業を与える機会も減るかもしれません。
大事なことは、その強い塾として質の向上というあるべき実直なマインドを
今後も持ち続けられるかが注視すべきポイントだと思っています。


安定性重視で組み入れた全国保証。
会計の仕組み的に売上が保証債務残高から薄く長く計上される仕組みですから、
当然ながら圧倒的に強いストックを持っています。
しかし、借り換え需要や金利動向によりトレンドが変わることもあるでしょうし、
与信コストがあがればボトムラインが崩れるリスクは常に孕んでいると
捉えるべきだと思います。どうしても今のような景況感のよい状態が続くと、
保証債務残高が積み上がり将来の売上が見通せることで、
安定性抜群というように見えますが、
それは間違ってはいませんが、ボトムラインも含めてみたときには、
様々な環境により影響は受けます。なので、会社も保全のために
BSを安全性の高いもので固めているわけですからね。


ストックビジネスを比較的以前から謳っていたエイジア。
クラウドシステムという毎月課金型のメール配信等を手掛けています。
毎月固定でちゃりんちゃりと収入が立つという意味では、
確かにストック性が認められますが、
消費増税後の小売業の販売不振により、
配信機会の減少やパッケージ・ライセンス販売の不振
という結果に陥り苦戦したこともあります。
規模もまだ小さく成長意欲も高い会社ですから、
相応の人件費をかけて製品開発や販促へと注力していくわけですが、
商品の競争優位性を確保できるのか、
あるいは新規顧客の開拓をどこまで進められるかという観点でみると、
必ずしも安定性が有していると言い切れません。
クラウド事業の構造だけみれば確かにストックといえますが、
スイッチングコストも比較的低めと思いますから、
高い技術力により実現される商品力など
ポイントを押さえたモニタリングが必要だと思います。

この他にも監視銘柄も含めて、
どこまで安定性という軸で評価できるか、
そして何もこの軸だけが全てではないので、
その大小に応じて他の軸も踏まえて総合的に判断していけばよいと思っています。


最近、自分自身でもそうですが、ストックとか安定とかいう言葉に、
過信しがちでもあるため、改めて自制のためにメモを残しました。


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