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【決算精査】 3276_日本管理センター(17年12月期_4Q決算)

■銘柄分析シート(表紙)
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■銘柄分析シート(詳細)
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■銘柄分析シート(付録)
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1.サマリ
総合評価:「2」 (☆☆☆★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング


辛うじての増収増益を確保した1Q決算です。
内容としては、イーベストの物件の売買の部分で、
昨年以上に金融機関の融資が厳しくなっていることに起因する、
販売数量の伸び悩みがより影響を落としている内容です。

しかも、この金融機関の融資姿勢はすぐに軟化するわけではなく、
むしろ今後もより厳しい姿勢になるものと思います。
同社と直接は関係しませんが、
スルガ銀行の一件により、各金融機関はコンプライアンスの高まりも背景に、
当面は逆風が吹くものと思われます。

同社は金融機関とのリレーションはここ数年で一気に高まっており、
良好な関係を築いてはいるものの、
やはり金融機関はやはり保守性を重んじるわけですから、
同社のようなベンチャー気質の勢いがある会社だったとしても、
その辺はドライに対応されるものと思います。
そこでJPMCファイナンスにフォーカスが当たるわけですが、
なんでもかんでも自社融資をつけるわけにもいきません。
そんな過度なリスクはとりませんから、
見極めながらの対応となっているわけです。
となると、対応にも時間を要するわけですから、
この件はもう少し時間を要するかもしれません。

従いまして、上期中のリカバリは厳しいという感触もありますので、
足元の決算という意味ではややネガティブと評価します。

ただ、この問題は長期的にみると、淘汰されていく中で、
まっとうな理念に基づいた会社にフォーカスが当たる可能性はあると思っています。
同社にそこまでの器量があるかは、私も絶対だとは思っておらず、
引き続きマネジメントを注視していくことになります。

なお、このイーベストの売買部分が落ち込んでいること以外は、
特段問題はないと思います。

管理戸数は鈍化し、遂に前月比マイナスまできました。
実際解約による影響があるようですが、
これは2つの要素があります。
オーナーサイドが景況感の高まりなどから強気になり、
わざわざ同社へサブリースする必要がないという風潮が高まっていること。
もうひとつはいわゆる収益性の下がっている管理物件に対して、
精査を行い同社のサブリース契約をつけていかないという方向です。

全社はオーナーサイドのマインドによるところもありますが、
長期的にみると、市況の変化などから、
いずれ困ったオーナーからの需要は出てくるものと思います。
それがどの位辛抱する必要があるのかわかりませんが、
長期的にまっとうなサブリース、だけでなく、
合理的な提案などを踏まえてニーズへの対応は可能かと思っています。

後者の収益性低下の部分は前期からその兆候がみられて、
ある意味戦術的に行っている部分もあります。
ずっとこういう物件の整理が続くわけではないですから、
いずれ落ち着くと思います。


地味ですが、BSの流動資産のその他が4億程増加していますが、
これはJPMCファイナンスによる貸し出しの増加によるもののようです。
物件の特性を見極めて、自社Gで融資をつけていく活動が、
ようやくスタートしており、その貸付金が流動資産に計上されたもののようです。
今後はこの勘定科目も少し気にするようにしたいですね。


柱のサブリースの部分は緩やかではありますが、
解約による戸数鈍化も含めて会社見通しの通りのようです。
一方で前述の背景もあり、イーベストが落ち込んでいる分が、
売上や利益をショートさせている要因であり、
これは少し環境の見極めが必要であり、
今期の業績という面だけでみるとややネガティブとなります。
従って、総合評価は「2」(ややネガティブ)となります。



2.定量数値の確認


(1)売上・利益の状況


3276_日本管理センター(18年12月期_1Q単計)売上-売上総利益推移


イーベストの落ち込みにより、
上期計画に対して弱い動きになっています。
要因ははっきりしており、会社としてどうタクトを振るのか楽しみです。
粗利率は前期比で+0.2%でほぼ横ばいです。



3276_日本管理センター(18年12月期_1Q単計)販管費推移



販管費は額面では微増で、売上の伸びが緩やかであるため、
販管費率は+0.1%です。まぁこちらも横ばいですね。



3276_日本管理センター(18年12月期_1Q)純利益-EPS


純利益も増益ではありますが、2桁増益には程遠く、
利益率で+0.2%と横ばいです。



(2)進捗状況の確認

上期予想を達成するためのハードルを計算します。
2Q単で必要なのは以下です。

売上:11,880百万円
営業利益;765百万円(利益率:6.4%)

前期の2Qが売上10,272百万円、営業利益623(利益率:6.1%)です。
ですから、15.6%増収、22.8%増益が必要です。

1Qの状況からすると、2Qのリカバリは厳しいでしょう。
あったとしても販売用不動産を早期に売却することくらいでしょうか。
上期は前期も未達で通過しており、通期で合わせてきますから、
そこまで気を立てる必要もないかもしれませんが、
定量的な結果より、やはり環境の影響を受けているイーベストを
どのようにマネジメントするかに興味があります。



3.定性情報の確認


管理戸数の推移やイーベストの状況は言及しましたし、
他に論点はありませんから割愛します。


4.その他情報の確認


(1)株価推移の状況
3276_日本管理センター(18年12月期_1Q)純利益-EPS


昨年末に青色のところにあるように、
同社の保有比率を半分に落としています。
ある程度足元の状況で停滞することもわかっていたので、
トレードという意味では良かったと思っていますが、
いまだに悩ましい対応だったなと思っています。
株価は再び下に振れると思いますが、となると、
PER16倍の近似線は明確に下抜けて来ます。
そもそもこのセクターにPER16倍ってのが
おかしいだろうというご指摘もあろうかと思いますが、
さて、どうなりますかね。


(2)IR照会の状況

あくまで私の主観ですので、参考程度にお読み下さい。
(会社の公式見解と相違している可能性もあります)

Q
BSの現金が減ってその他流動資産増えたけどどうした?

A
現金は配当金支払いの他、物件の貸付のために、
その他流動資産が増えている。


Q
不動産収入が微増だが管理戸数の鈍化継続も含めて、
会社計画としてどのような状況か。

A
管理物件は引き続き解約がでており、少なくても上期位までは、
その影響が出るものと想定している。従って、会社見通しと比しても、
計画通りに進捗している。

Q
新年度の客付けの状況はどうか。

A
特段問題なく、堅調に入居の客付けが進捗している。問題ない。

Q
イーベストが落ち込んでいるのはタイミングの問題もあると思うが、
金融機関の動向も影響しているのか。

A
前期から顕在化しているが金融機関の姿勢は硬化しており、
厳しい融資環境にあることは逆風と受け止めている。
そのため、リスクをきちんと精査した上で、
JPMCファイナンスによる貸し付けも頑張ったりする中で、
良い物件を回していきたい。

Q
イーベストの懸念は一過性というより
少し時間もかかる印象であるが、
上期計画はさておき、通期計画に対してはどういう見立てをしているか。

A
武藤(社長)も常日頃から利益は少なくても約束を守ると知恵を絞っている。
きちんとお約束を守れるように従来通りマネジメントしっかりやっていくつもり。
その際には、販売用不動産も適宜回しながら、数値を作る事も意識していく。


あくまで私が主観で捉えた内容です。


5.さいごに


はい、やはり金融機関の影響は想定以上に影響を受けています。
ただ、これは既知のことであり、そういう方向に進んでいくことも
経営は織り込んでいる事と思います。
大事なことは短期的に数値がふらされることはあれど、
長期的に適正に成長基軸を維持していけるかなわけです。

融資姿勢が厳しい、これは環境作用で長引く、JPMCダメポ、
だから売りだ~でもいいのですが(笑)、
私はもう少し腰を据えてみていきたいと思います。
あとは保有比率として今の比率がいいのかは少し
考えてもいいかなとは思います。

株価はだいぶ下がると思いますが、
そもそも株価も冴えない動きを続けてきたこともあり、
どこまで下値をどこまで掘るのかも興味津々ではあります。

コメント
この記事へのコメント
今頃こちらのコメント申し訳ありません

日本管理センターでも銀行の融資姿勢硬化による影響が出ているのですね。

エリアリンクの土地付きストレージにも当然その影響は及ぶと思いますので、非常に参考になりました

銀行の融資硬化が高くなりすぎた不動産価格の大きな調整を引き起こすリスクも含めて考えていきたいです

また厳しい局面を迎えて、策を練り乗り越えていこうとしている姿勢を見ていると応援したくなりますよね。

まるのんさんのこちらの記事には日本管理センターに対する愛があふれてらっしゃるなと感じました

私は最近はこのような局面では一旦売却する手法を取るようにしていますが、苦しい時も株主としてホールドを続け見守り、壁を乗り越えて新しい成長段階に入ってくれた時の嬉しさを分かち合うというのもすごく解りますし、素晴らしいと思っています

私の場合はエニグモが凍結口座で心中覚悟銘柄になるのかな(笑)
2018/07/14(土) 12:30 | URL | sun #-[ 編集]
>sunさん
こんにちは、sunさん。
コメントを頂きましてありがとうございます。
まずは、返信が遅れまして申し訳ありません。
連休中はあまりSNSに触れておらず、
時間を要してしまいました。

日本管理センターは、金融機関の融資引き締めにおいて、
大変な逆風下に置かれています。
これは短信の表記以上に切迫した状況だと認識しています。

そしてこれは現時点では、賃貸住宅に対するものに限定されています。
そしてそのことが節税対策などを背景に、
他の仕組みがより求められる環境が作られていると思います。
ですから、ストレージやコインランドリーなどの
新たな需要が旺盛になっている要素もあると思います。

現時点では、金融機関の引き締めは当局の指導によって、
賃貸住宅に関わるものですから、エリアリンクも含めて、
即座にこの側面では影響が出ないのではないかと思います。

ただ賃貸住宅がそうであったように、
ストレージも当局に目をつけられた時に、
どのようになっていくのかは興味があります。
賃貸住宅のように乱立しているわけでもないですしね。


私は日本管理センターの株式はそれなりに長く保有していますが、
最近のIR姿勢には不満を抱いています。
ですから、今後も改善がみられないようであれば、
こちらの観点で売却や比率調整をしないといけないなと思っています。
この辺りは会社は好きですが、ある程度冷静に判断も必要だなと
思っているところです。

2018/07/16(月) 21:36 | URL | まるのん #-[ 編集]
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