投資方針に忠実に退屈な投資で資産形成


【決算精査】 2475_WDBホールディングス(18年3月期_4Q決算)

■銘柄分析シート(表紙)
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■銘柄分析シート(詳細)
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1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング


ごちゃごちゃ書く必要もなく、「順調」の一言です。


主力の人材サービスは、拠点新設と研修体制の拡充を図り、
それが派遣人材の総量拡大に寄与し、
業容拡大が順調に進捗した様子がわかります。
同社の中では後発となる工学系派遣においても人材育成と派遣、
そしてそこでの仕事ぶりまで順調に各領域で拡大していることが分かります。
人材獲得競争に対しても従来から取り組んでいる通り、
未経験者を独自教育し育てるという仕組みも回っており、
いわゆる人材不足で頭打ちという様相は見られません。

CRO事業はMAした中で特に北欧のメドファイルズ社が一定の存在感を示し、
収益貢献しているようです。また後方事務を扱うコーブリッジ社も同様に
国内外で貢献しているようです。
課題だと認識していた米国での取り組みについは、
グローバルCRO体制の構築という中で丸められてしまっていますが、
この点は引き続き注視だと思います。
特段懸念を示すような結果が定量面からもみえないので、
直ちに分析を要することはありませんが、
定性的な活動としてどのような事に苦労しており、
対策しているかは、株主総会の場でもぜひ聞いてみたいことです。

業績数値の部分については、前期に営業利益ベースでは20%台の成長を示し、
不動産売却の特益が乗った純利では600%超の伸長を見せています。
コンセンサスに未達だったとか細かな指摘もあろうかと思いますが、
十分過ぎる結果だと受け止めています。
なお、現時点で未確認ですが、4Q単では粗利率が下がっており、
その背景として特別ボーナスを支出したとのことで、
これが事実だとすると私は大いに拍手を送りたいと思います。
なお、この要因で独自に皮算用していた着地見込みも
3Q時点の見込みからやや下ブレました。
利益で差額が2.8億でざっくり1000人の従業員に還元したと仮定すると、
支払われたかもしれないボーナスは1人平均で30万弱となります。
従来の給与体系にプラスとなるとそれなりにインパクトもありそうです。
このような一種家族的な雰囲気があるところがこの会社の魅力でもあります。

2Q決算時の分析記事
売上377億  営業利益41.4億

3Q決算時の分析記事
売上385億  営業利益46.3億

■実績
売上380億  営業利益41.9億


今期見込みについては、前期の伸長を受けても営業利益ベースでは約10%の伸長となっており、
個人的にはかなり強い数値だと受け止めています。
但し、特益が剥落する純利ベースでは減益でEPSも減ります。
単純にEPS、PERで見ている投資家も多いと思いますので、
株価面ではネガティブに働くかもしれません。
ただ、私の中では上出来なガイダンスだと思います。


特益でキャッシュインも多く、手持ち現金が増えているわけですから、
同社はMAが物凄く堅実(初年度からのれん込みで黒字化当然)なので、
安易な買い物はしないと思いますが、じっくりやっていってもらえればいいと思います。

それから、最後に言及しておくべきは、
同社のWebページです。
同社は同業他社からの目線に配慮して、
敢えてパワポ資料を開示していないわけです。
その点は理解を示すと共にはがゆい気持ちもありますが、
代替としてというわけではないですが、
きちんとWebページが更新されています。

社長メッセージやもちろん、事業戦略、カレンダー、総会案内、
財務ハイライト(しかも過去遡及された本格的なもの)、
そしてこれまでなかった中期的配当のコミットメントまで出ています。
このような姿勢に改めて感謝ですし、
その心意気は素晴らしいものだと捉えています。

EPSが目減りするとか、
好調とはいえいわゆるコンセンサスに未達だったとか、
色々言われる要素もあるようですが、
個人の感覚としては前期着地、今期見込みの定量面、
そして取り組みやWebページで掲げられている展望や哲学などにふれて、
改めて魅力的で独創的な会社だと感じました。

その見立ては特に従来と変わるものではないという意味で、
総合評価は「3」(想定通り)です。




2.定量数値の確認


(1)売上・利益の状況

■年次(売上-粗利率)
2475_WDBHD(18年3月期_4Q累計)売上-粗利推移



■期次(売上-粗利率)
2475_WDBHD(18年3月期_4Q単計)売上-粗利推移


通期で売上は順調に伸長しています。
粗利率も3Qまでは高水準(25%台)で推移していたものの、
4Qでは大きく利益率が落ち込んでいます(23.6%)。
前述の通り、これは従業員へ特別還元したためという情報もあり、
私も来週以降IRにきちんと確認したいと思っています。
その際には、4Q単の売上もやや増収率の低下がみられるため、
足元の話として4Qの状況については別途確認したいと思います。
(といっても前年同期比で+12%増収なので十分なのですがね)




■年次(販管費推移)
2378_ルネサンス(18年3月期_4Q累計)販管費推移



■期次(販管費推移)
2475_WDBHD(18年3月期_4Q単計)販管費推移


販管費率は前々期から15.4%→14.6%→13.9%と低下を続けています。
売上が伸長していることが起因していますが、
固定費はそこまで増えないで効率経営の意識が高い会社でもあり、
このような状況になっていると思います。
あとは研修センターの充実など費用対効果に引き続き留意して、
必要なコストはきちんと投下して成長を志して欲しいですね。



■年次(純利益-EPS)
2475_WDBHD(18年3月期_4Q累計)純利益-EPS推移



■期次(純利益-EPS)
2475_WDBHD(18年3月期_4Q単計)純利益-EPS推移


純利益は資産売却に伴う特別利益を計上しており、
これが押し上げの要素になっています。
額面で9.5億が特別利益として計上されています。
税金(ざっくり40%)を考慮すると当期純利益の押上げ効果は
概ね5.7億位の効果があるのでしょうか。
この分を差っ引いた実力値としては28億位かと思います。
これは前々期比では35%程度の増益率となります。
(特別利益込みの財務上は+62.7%の増益ですね)
そしてこの実力値の28憶程度からみた今期予想の29憶は、
増益率+4%程度となります。
税金の考え方など色々変わるので、少し大雑把すぎますが、
いずれにせよ、短信表紙にあるように10%超の減益というのは、
見た目の問題であり、実態としては営業利益などからうかがえる通り、
増益ペースは乱れていないと判断出来ます。



(2)今期予想について

前述の通り、当期純利益は見た目上、減益予想ですが、
実態としては、増益基調でビジネスは推移していると思ってよく、
営業利益ベースでは9.8%の増益は前期の伸長をみてみると
優秀ではないかと感じるところです。
増収ペースも2桁成長を維持しますので、楽しみですね。
1000億企業を目指しており、MAを除いて600-700億は
オーガニックでと仰っているため、今期の426億はまだまだ
伸長する必要があるし、その余地を社長は認識していることになります。
従って、その見立てをより具体的に方向性を聞いて、
その思いを共有できるとより腰の据えられる投資になりますね。


3.定性情報の確認


社長のメッセージが更新されており、
そこに色々ヒントが隠されている気がします。

例えば、既存の理学や工学の域に留まらず、
高度な職種も視野に入れていきたいとは、
どういったことでしょうかね。薬学系ももちろん含まれるでしょうが、
どういった展望を抱いているのか、もう少し想像をしてみたいなと思わされます。

またインタラクション事業はその後の状況がなかなか進展せず、
ビジネスモデル構築の設計中とのことでしたが、
ようやく具体的な日付感が示されてきました。
どんなサービスになるのか楽しみに待っていたいと思います。

(メッセージ抜粋)
自由と自己責任を謳う以上、着実に売上を上げ、利益を残す努力は惜しみません。
そのために顧客の声に耳を傾け、我々を通じて働く人たちが
気持ちよく働けるよう努力し、利害関係者の方々との良好な関係を維持していきます。
株主の皆様へは、毎年確実に配当をお支払いします。


この辺りの独特ながらなかなかこういうコミットを明文化することがないので、
新鮮ですよね。これも同社らしい独創性だと私は好んでいるところですが、
よし、頑張れと応援したくなる気持ちになります。
投資とはを語れるような立場ではありませんが、
でもこういう感覚が大事なのだと思います。




4.その他情報の確認


(1)株価推移の状況

2475_WDBHD(18年3月期_4Q累計)株価推移


株価は相変わらず高く推移しています。
理念等に共感してずっと応援していたい気持ちが強すぎるわけですが、
だからといって、ポートフォリオ内の比率は調整せねばなりません。
最近も少し青丸が示すように売却を進めています。
本当は赤丸でもう少し買えばよかったわけですし、
早売りが祟っているのですが、
当時はなかなか会社の素顔を知れず、
ある意味では会社の理念の部分にまで入り込んで「投資」をしていなかった表れです。
銘柄に惚れてはなりませんが、共感を強く持ち、
将来像をより長期目線で展望することが大切なのですね。
この辺りは反省というより自分の投資家としての
方向性へのヒントになっている気がするので、
胸に刻んでおきたいところです。




(2)IR照会の状況

別途、照会をしたら追記します。


(3)配当の見込み

私の記憶では、配当還元については、
段階的に配当性向を上げるという意気込みをリリースしていたわけですが、
具体的な配当金額の推移は今回初めて開示されたのではと思います。

こちら に配当の見通しの記載が新たに掲載されています。


配当性向を5年後に30%に引き上げると言っていて、
その時の配当金額は49.5円とする計画です。
(前期配当は17円、今期見込みが22.5円なので結構増えますね)

ただ、配当性向と配当金額が明示化されているので、
22.3期見込みEPSが計算できます。

 EPS × 0.3 = 49.5 → EPS=165

ん?特益があったとはいえ、前期実績EPSは168.7円なので、
それより下となります。19.3期EPSが146.3円なので、
1000億企業になるといっている割には、
極めてマイルドですね。

この辺りを突っ込むと野暮な質問だと
中野社長に一蹴されてしまいそうなので(笑)、
どうやって質問するか考えます。
というか野暮だと言われてもストレートに聞くしかないかな。
ミニマムのベースでのコミット値だからということであれば、
それはそれでいいのですがね。



5.さいごに

さて、同社の本社は姫路ですから、株主総会も姫路で行われます。

当ブログを永くご覧頂いている方は昨年の株主総会への道中の
極めてレアな経験について記憶にある方もおられると思います。

今年こそ、姫路城のライトアップが拝めるといいのですが・・・(笑)

何の話かわからないという方は、
だいぶ長い記事になりますが、 こちら をご覧くださいませ。


細かく数値をこねくり回した質問より、
もっとビジョンや大きな方向性の質問をした方が盛り上がるのですが、
とはいえ、定量分析の質問をなおざりに出来ないので、
バランスをとって質問をすることが必要だなと思っています。

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