投資方針に忠実に退屈な投資で資産形成

2018年4月号の日経マネーの付録において、
私のことを取り上げて頂きました。
※上記リンクは恐縮ですがアマゾンアフィリエイトとなっています

2018年1月号の本誌掲載に続き、
貴重な機会を頂いた事を大変嬉しく思っております。

何が嬉しいかというと、
私のような弱小投資家が知名度を広げられることではなく、
取材や校正を通して改めて自分の投資について、
省みるきっかけとなる
ことです。
この点も踏まえて、今回の雑誌掲載について、
補足等も含めて当記事をUPしておきます。

今回の誌面をご覧頂いて、
当ブログにお越し頂いた方もおられると思いますので、
以前に同誌に掲載して頂いた時の記事のリンクを貼っておきます。
(いずれも以前の記事の再掲となります)

★自己紹介 → こちら

★前回掲載時の補足記事 → こちら


さて、前置きはこれ位にして、
今回の取材を通して感じた事を気ままに書き残しておきます。



1.目標株価について

 今回の付録の企画は、初心者が投資判断を下していく中で、
 目標株価をどのように設定するかというものでした。

 初心者の私に対して、初心者が取り組める手法を指南して欲しいなんて、
 ご冗談でしょう、と思ったのが最初の印象でした(笑)。

 目標株価設定の是非については様々な議論がある事は認識してます。
 算出方法も利益面からみていくのか、資産面をどう評価するのか、
 そもそもどの程度の期間をみて計算するのか、
 その際に王道のDCF法を使うのか、そうではないのか、
 様々な要素において多様性が認められるわけですし、
 各自の投資スタンスによっても扱い方もまちまちになります。
 中には定量的に目標株価なんて算出する必要性はなくて、
 数年で2倍位には成長しているでしょ、
 とザックリ見るやり方でよいという立場だってあります。

 投資スタンスとしてファンダメンタルズ重視の方もあれば、
 テクニカル重視の方もあります。
 更に細かくみていけば、その手法は千差万別です。
 目標株価の算出手法だって、
 その要否も含めて千差万別なわけです。

 この千差万別な状況の中で、
 目標株価を算出する手法を初心者向けにご紹介するというのは、
 なかなか難しいだろうなと実感したところです。

 しかし、そもそも初心者にとって、
 汎用性のあるソリューションを提供して欲しいという要請でもなく、
 単に自分はこうやっているよ、
 というスタンスで取材に応じればいいのかなと緩く考えるようにしました。
 
 記事の中では、もっとも単純な想定EPS×評価PERという式を用いて、
 この2つのパラメーターを決めていくやり方となっています。

 本来は資産価値や利益成長を現在価値に割り引いて事業価値として、
 その評価と時価総額と比べるなどのプロセスもあってもいいのですが、
 私が整理してお話出来る程、頭が整理されておらず(涙)、
 そこまでのアプローチには言及していません。

 むしろもっとも簡潔なモデルでありながらも、
 脱線しまくりで取材対応頂いた記者の方には、
 このようにわかりやすく纏めて頂いて感謝の気持ちでいっぱいです。


 一番難しいのは、私自身も悩んでいますが、
 成長率をどの程度でみて将来EPSを見積もりするかです。
 将来の評価PERをどう見積もるかにも共通して言えることですが、
 ここで無視できないのは、その企業のビジネスモデルです。
 なぜ稼げるのか、それは今後も続くのかといった基礎的な考察を
 深めることが目標株価算出の楽しみでもあり醍醐味です。
 これが結果として、見積精度向上に繋がるわけです。
 ただ、矛盾するようかもしれませんが、
 EPSやPERの見積精度の結果なんてどうでもいい面もあります。
 ビジネスモデルの分析が大きくズレていなければ、
 目標株価のその数値自体は本質ではないという理解です。
 あくまで分析を通しての判断について、
 ひとつの道しるべとして定量的に可視化したものが、
 目標株価であるという認識をしています。

 ですので、目標株価を算出するというテーマとなっていますが、
 その裏にはビジネスモデルの理解が不可欠という意味も込めて、
 挿入した絵の下部に編集部の方に無理を言って、
 ビジネスモデルの文言を追記してもらった
経緯もあります。


2.掲載銘柄について

 ステップを中心にご紹介する形となりました。
 初心者の方向けということで出来るだけ単純なものが良いと判断しました。
 超安定成長モデルのため、想定EPSの見積も取り組みやすく、
 大きく事業構造も変わらないため、
 評価PERも設定しやすいという面から適確と思いました。

 同社は私の中では成長率がやや弱い点を、
 見通し期間を長めに取ることで補う特殊性こそありますが、
 自分がその銘柄に対してどれ位先を見通すことが出来るかを考慮して、
 調整してよいものかなと思っています。

 ちなみに、他の銘柄として、
 日本管理センター、ソーシャルワイヤー、サンセイランディックの名前が
 上がっています。
 日本管理センターは成長力も評価PERも私の中で中立の銘柄です。
 ソーシャルワイヤーは成長力はまだ過度に大きく出来ない一方で、
 今後の期待が大きく評価PERを高めに取った銘柄です。
 サンセイランディックは成長率としては相対的にやや弱さがあるものの、
 PER水準も将来はもう少しレンジが上がることを期待した銘柄です。

 このようにいくつかの銘柄を分けて紹介することになりました。
 実は、日本管理センターは校了後に本決算を通過することとなり、
 不確実性が高い事を懸念し、一度取り下げ検討を打診しました。
 ですが、記者の方からも懸念は不要と励まされ(?)
 このような形となりました。

 なお、銘柄選定について、私の保有ポジションにおける損得も含めて、
 なんら他意はありません。 
 名前が挙がっていたこれらの銘柄に
 一番期待しているというわけでもないわけです。

 


3.ブラッシュアップ

 取材をお受けすると、さすがは初心者投資家の私ですから(笑)、
 様々な気づきが得られます。
 私は自分をよく見せようなんて微塵も思っていませんが、
 取材をお受けするために、
 改めて自分の手法や現状について見つめなすわけです。
 (いや、普段からやっておけよ、と思うわけですがね(苦笑))

 今回も目標株価算出について、改めて見つめ直してみると
 やや整合が取れていなかったり、評価が過大だったり過小だったり、
 まぁ色々埃は出てくるわけです。

 そしてそんな小手先の修正に追われながら、
 ふと、もう少し銘柄についてきちんと
 向き合えるようになってないといかんな、
 と色々改善したい欲求がこみ上げてくるわけですね。

 その結果として、ここ最近、銘柄分析シートも様式をブラッシュアップし、
 順次新様式に切り替えを行っています。

 特に表紙に評価基軸の観点別に定性評価を下せるようにし、
 その評価軸を踏まえた上で、
 目標株価という形で評価をする流れをよりスムーズにしました。

 エクセルの様式をブラッシュアップしただけか、
 と思われるかもしれませんが、
 実は、こういうテンプレートを持つことは、
 それを作る事だけが目的ではないのです。
 つまり、頭の中の思考プロセスをこのように標準化しておくと、
 銘柄を簡易的に捉える時に、より効率も上がるし、
 ポイントを抑えられるようになります。


 事実、現在、監視銘柄群の棚卸を進めており、
 その際の思考スピードも格段に早まり、
 また腑に落ちて進められている実感もより得られるようになりました。

 もちろん、まだまだ改善の余地は残されていますが、
 このように取材を通して、自分自身のやり方を省みることで、
 現状がブラッシュアップされたことを考えると、
 やはり冒頭に記載した通り、貴重な機会を頂いたなと思う
わけです。



4.最後に

 今回も私にとって、難しいテーマでの取材でした。
 でも記者の方のフォローもあって、
 楽しく取材の時間を過ごすことが出来ました。
 私は特段のテクニックも必殺技やストラテジーも
 確立したものはありません。
 ですから、守備範囲も狭く、都度考えるといった面も多いですが、
 このような取材を通して自分を省みて、
 それを自分の投資行動への改善につなげ、
 同誌の読者の方にほんの少しだけでも何かの参考(笑い者!?)になり、
 更にこのブログやツイッターの方で、フォローして頂ける方、
 そうではないアンチの方から叱咤激励を頂ける機会があるのであれば、
 大変嬉しい事だなと思っています。

 ですから、もしよろしければ否定的な意見も大歓迎ですので、
 感想などお寄せ頂けますと嬉しく思います
。 

 今後とも、よろしくお願いいたします。

コメント
この記事へのコメント
個人投資家全般への批判になりますが、「医学の知識がないのに民間療法を力説する」ようなブログが多いと思います。

大学の経営学科で家計学の授業か何かで習った保険と株についての概論について少し書きます。

保険とは、
何かあった時に30万円が必要だが、今は持ってない。
そんな時に、毎年1万円を保険料として払い、30年の間にもしもが起きた場合に、30万円が保険金として受け取れる。そうならなかった場合、1万円×30年間に払った総額の30万円は失う、という仕組みです。
(厳密には保険会社は徴収した保険料を運用するので30年満期でいくらか返って来ますが、ここでは単純な仕組みの説明をしてます)

株は、逆です。
今、30万円を持ってるが、特に使う予定がない。
そんな時に、先に30万円を払って株を買うと、毎年1万円が配当として貰える。(利回り3.3%の場合)
倒産などのもしもが起きなかった場合、30年経つと、最初に払った30万円が返って来た事になるが、保険とは逆で、その後も配当は受け取り続けられる。

このように、保険と株は、家計の立場からすると、完全に表裏の関係です。

30年前のバブルの絶頂期にNTT株を買った人は、その翌年から株価は暴落の一途を辿りましたが、配当を積み重ねていくと総額ではプラスになっています。
しかし、個人投資家という人種は、翌年に株価の下落を受けて、「証券会社に騙された!」と恨み節を言うタイプの人が多いですよね。
今、投資ブログを書いてる人も、ほぼ全員がそのタイプです。
自分中心の視点です。

保険を買って、30年間、病気も事故もなく、一度も保険金は受け取れなかった。30年分の保険料を、ただ保険会社に取られただけだった。でも、そういう人が、「保険会社に騙された!」と恨み節を言ってたらどうでしょう。
そういう事を言う人がいたら、ただの馬鹿だと思いませんか? 保険の仕組みが分かってないのか? と思うでしょう。

同じように、個人投資家のブログを読むと、「ただの馬鹿」だとよく思います。学術的な株という物の仕組みよりも、儲けるという自分の目的こそ正しい株のあり方だと信じて疑わない人ばかりです。だから、自分の儲けに繋がらない事については、否定的なスタンスを取る。
証券会社、アナリスト、ファンドマネージャーに対して否定的な揶揄を言うブログばかりです。

保険は、ほとんどの人がトータルの収支がマイナスになる(保険料を掛け捨てて保険金を受け取る人は少数だから)
株は、ほとんどの人がトータルの収支がプラスになる(ピケティが証明した通り)
まず、そこからじゃないでしょうか。
証券会社も、アナリストも、ファンドマネージャーも、基本的にはプラスになるという事を前提に仕事をしている。(実際、年金も保険も運用でプラスである)
一方、個人投資家は、損をするのが普通だと思ってる人が多く(9割が退場するという謎の俗説)、それがそもそもの間違いでしょう。
儲ける事よりも、損をしないように頭を使えば必ずプラスになるのです。
だから、儲けを煽るような、サラリーマンの卒業を狙う投資ブログばかりな事に違和感を感じます。

そういう意味で、まるのんさんは一番まともな感覚の株ブログに思えます。

家計視点も面白いと思います。
保険と対比させると、冷静になれます。
保険料と保険金のバランスを見てたまに見直した方が得である、とか。
運用難で保険料のアップを要求してくる保険があるのと逆で、配当がアップする株がある、とか。
同じような物に思えます。
保険料がコストなら、株の買い値もコストです。下がって売る意味が分かりません。リターンに変化があったり、家計を見直したりする時以外に、売る必要がない。
2018/02/22(木) 19:16 | URL | 理論家 #VSKjR08Q[ 編集]
>理論家さん
こんにちは、理論家さん。
コメントを頂きましてありがとうございます。
沢山の文章をお寄せ頂きまして、お時間も割いて頂いたかと思います。
私へのコメントに貴重なお時間を割いて下さりありがとうございます。

大学での専門分野の授業の内容も踏まえての見識に対して、
全くの経済学素人の私が的確な回答を差し上げられるか不安ですが、
頂いたコメントに対して、私なりの所感を述べさせて頂きます。


保険と株は表裏一体であるという点は、
改めてご指摘頂いて、なるほどそういう捉え方もあるのかと思いました。

将来の「もしものとき」に備えるという安心に対するコストが保険であり、
将来の「成長や還元」に対する期待に対して
自身の将来の資産構築の源泉としての株があると考えています。
どちらも将来の不確実性に対する備えであり期待であるわけですので、
これらを大きな枠では同類のものと考えいました。

ただ、家計の立場から、備えた結果の失うという話と、
期待の結果得るという話は表裏一体であるというのは、
納得感があるものだと思いました。



頂いたコメントを拝読し、個人投資家のあるべき姿に対して、
理論家さんはとても強い信念があるのだなと感じました。
つまり、短期的な損得に敏感であり、
特に損をもたらした自らの責任に基づく結果を
他者へ責任転嫁することの醜さ、
そもそも、長期でプラスサムになるという視点の欠如が
滑稽であるという主張と受け止めました。


私は個人投資家にも様々なタイプがあり、
短期的な損得に関心が強く、それを極大化させるゼロサムの世界で
勝負をしている投資家の存在も認識していますし、
それを真っ向から否定するつもりはありません。
但し、その自らの責任に基づくべき行動の結果を
責任転嫁する姿勢は全くもって受け入れられませんがね。

しかし、やはりこの種の対応は
少なくても私のようなど素人が
本格的に手を染めるべき領域ではないと思います。
理論家さんが仰るように私も目線を出来るだけ長期として、
そこではプラスサムになる世界の中で、
ゆっくりと資産形成をするべき立場です。
ですから意識的に短期的な損得を重視しないようにしています。
まして、その時々の結果、特にネガティブな時に、
他者の責任とするのはあまりに醜いことだと思っています。



ちなみに個人投資家の多くが損をしているというのは、
私は感覚としては正しい状況理解だと思っています。
(9割かどうかはわかりませんが)
理論家さんは、あるべき投資家スタンスとして
長期でのプラスサムの中でやる限り、
損をするはずがないという立場だと思いますが、
私もそこは大いに同意です。

ただ、残念ながら、個人投資家の多くが、
やはり短期的なゼロサムの中で
「勝負をしている」ということなのだと思います。
これは感覚的な話ですが、
私も含めてどうしても相場に対して「勝負をしている」といった
ニュアンスで対峙されている方が多いと感じています。
利の最大化、早期化を図る貪欲なアグレッシブさとみれば、
良い面もありそうです。
しかし短期になればなるほど、
価値等の本質的な者とはかけ離れた、
いうなれば雰囲気によるところとなり、
結局のところなかなか資産が形成されない結果になるのかなと
思っています。

ご指摘の通り、そういう短期的な相場の中で
利を追求するばかりに、知らず知らずのうちに
煽り手法なども散見されるようになるのかなとも思います。


ちなみに私は煽りも含めて雰囲気には出来るだけ目を向けず、
相場に対して勝負をするのではなく、
長く相場で育てていくスタンスで対峙すべきではないかなと思います。
相場の中で長く企業と向き合い、その事業や還元を受け止めていく中で、
価値が増していく、それが資産形成の源泉となる、
というのが私の理想です。


私のこのような思考プロセスは完全に自己流です。
理論家さんのように大学での専門も含めて、
様々に学ばれた方からすると、
私のこのような思考は滑稽にも感じられるかもしれません。


私としては、普段あまり考えないアプローチでしたが、
結論としては長期投資こそ自分にマッチしたやり方だと
改めて見つめ直す意味でもありがたいコメントを頂いたと思っています。


私はブログやツイッターでもいつも自分に言い聞かせていますが、
儲けることにもこだわりが必要だと思います。
納得感が伴わなければいけませんし、
そのためには長期で臨まなければなりません。
こういうことを書くと、ボラ狙いの方々から、
もっと大きく狙わないと!なんてアドバイスを頂きますが、
私の目指してるリターンも踏まえると、
マイペースにゆっくりやっていくしか道はありません。
この融通の利かなさをポジティブに捉えていきたいと思います。


私は専門の知見も、書籍からの知恵も乏しく、
色々未熟な点ばかりですが、また何かありましたら、
ご非難も含めて叱咤激励を頂ければ幸いに思います。

今後もよろしくお願いいたします。



2018/02/22(木) 23:24 | URL | まるのん #-[ 編集]
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