投資方針に忠実に退屈な投資で資産形成


1.パフォーマンス   ※ ( )内は月間パフォーマンス

            年初来パフォーマンス  (月間パフォーマンス)
 まるのんPF : + 9.4%   (+0.6%)
 TOPIX    : ▲10.8%   (+2.5%)
 日経平均   : ▲ 9.5%   (+3.0%)
 東証2部   : ▲ 7.2%   (+2.1%)
 JASDAQ  : ▲ 3.7%   (+3.4%)
 マザーズ   : +29.0%   (+1.5%)


2.全体所感

5月といえば、セルインメイと言われますが、
結局そんなものは関係なく、5月は上昇という結果になりました。

特に日経平均が強かったわけですが、
為替はドル円で106円から110円へと円安になっていますし、
ちょうど5月冒頭は勝手に期待していた追加緩和が裏切られ、
悲観の中終わっていたところから始まったので、
まぁ当然の反発なのかもしれません。
浮き沈みをしながらも一貫して上昇しており、
だいぶ雰囲気も楽観的なのでしょうか。
増税も見送りとなり、小売業など消費面で先行きは好材料のようです。
本当にそうなのか?と私はかなり違和感があるのですが、
いずれにせよ、私のような素人の感覚より、
マーケットの方が正しいのでしょう。
というか正解なんてないのでしょうから、
今がどう市場参加者に映るのかだけで目先の値動きが決まるのでしょう。

私のポートフォリオも僅かですが、月間で上昇しています。
恐らく今月は多くの投資家の方が好成績だったと思いますが、
それから見ればだいぶ見劣りしているのですが、
これで十分満足です。
何を血迷った事を言っているの?と思われるかもしれませんが、
今の私の実力や運の要素を加味しても、
十分な水準
だと感じています。
ただ、それだけのことです。



3.銘柄に対する所感

月間騰落の大きかった銘柄は以下の通りです。

 ◆上昇率上位
  3910 エムケイシステム  +25.5%
  2384 SBSHD       +23.5%
  3844 コムチュア      +21.2%
  2764 ひらまつ       + 6.2%
  3276 日本管理センター + 5.5%
 
 ◆下落率上位
  9467 アルファポリス      ▲18.6%
  2152 幼児活動研究会    ▲17.5%
  3179 シュッピン        ▲ 9.7%
  7164 全国保証        ▲ 7.4%



他の銘柄も含めた月間パフォーマンスは以下の表の通りです。


20160531_保有銘柄月間パフォーマンス



明暗がはっきりしていますが、その理由が大事だと思います。
業績推移や中長期的に評価出来る新たな材料によるものか、
単に盛り上がっただけ、もしくはただショックが来ただけなのかです。


エムケイシステムは全く業績面の評価や材料はなく、
単に盛り上がっているだけでしょう。
SBSHDは先月までにあまりに悲観し過ぎだったものが多少落ち着いたのと、
直近IPO銘柄の株式保有があり思惑を誘っているのもあるかもしれません。
これもあまり嬉しい上昇ではありません。
コムチュアは決算について私もややポジティブで評価したように、
想定よりよい印象を受けておりこれは嬉しい上昇です。
ひらまつや日本管理センターは決算はほぼ想定通りですが、
想定通りということは順調ということなので、
市場から普通に評価が継続していることはありがいたいことです。

マイナス側ですが、アルファポリスは随分下落しました。
長期的に直ちにNGとなるものではありませんが、
決算もややネガティブに評価した通り、
ゲーム事業へのリスクもより高まっているとの認識の下、
比率を下げていますが、これは迅速かつ妥当な判断だったと感じています。
(株価が下がったから結果的に良かったという意味ではありません)
2ヶ月で半分まではいきませんが、まぁよく下がりましたが、
この辺りが今の評価で妥当な所の印象ですから、
決して今が安いとも思えません。
今後、中計の修正有無や説明のIRをリクエストしているので、
その内容を精査して改めて対応を考えたいと思っています。

幼児活動研究会は前月に続き続落で2ヶ月で20%超の下落です。
決算前に期待や政策期待などで高騰していて、
私はここで一旦利益確定を済ませていますが、
買い戻しを検討してもよいかなと感じています。
ちょうど、立会外分売も明日あるようですしね。
決算についても想定通りに推移していますから。
 
シュッピンは私は想定通りなのですが、
市場は未達や無理な中計の維持など、
不信感が台頭しているのでしょうね。
昨日は証券会社から大量保有報告で買い増しが観測されていますが、
まぁ今の比率で応援を継続することに変わりはありません。
総会や今後の推移を見守ります。

全国保証は完全にマイナス金利の懸念が台頭しているのでしょうか。
マイナス金利の影響は限定的というのはIRで確認はしていますが、
仮に影響があったとしても、
それは同社のビジネスモデルを崩す脅威にはなるとは考えていません。
一時的に影響が多少は出て業績に陰りが出たとしても、
代位弁済など費用構造に多大なる影響が出るなど、
想定超のリスクが高まった時には対処が必要でしょうが、
今の所、その懸念は不要と認識しています。


銘柄選定は全て首尾よくいきません。
そもそも私はまだ到底銘柄の選定力は未熟です。
それにしては、むしろ上記でも振り返ったように決定的にダメだ~となる銘柄が
ないのはよいことだと感じています。


<参考> 前月(4月)の個別銘柄パフォーマンス

20160428_保有銘柄月間パフォーマンス




4.運用来パフォーマンスについて

20160531_運用来推移



2014年当初からの運用来パフォーマンスは+63.3%となりました。
日経平均は+5.8%、TOPIXが+6.0%となっています。
3月に急伸したPFは4月、5月と小休止となっていますが、
上記の個別銘柄にきちんとチェックの目は緩めずに、
あとは市場の雰囲気に任せて放置するしかありません。
現金を少し高めているので、どう対処するかは冷静に考えていきたいと思います。



◆月初のポートフォリオ
20160428_PF内訳



◆月末のポートフォリオ
20160531_PF内訳




 今月の取引は以下の通りです。
 それぞれ取引のタイミングではツイートしていますので、再掲になります。
 なお、インバースETFは今月はトータルでは売り越しです。


 売 3179 シュッピン (一部売却)
 売 9467 アルファポリス (一部売却)

 買 3277 サンセイランディック (買い増し)
 買 3910 エムケイシステム (新規買い)
 買 2475 WDB (新規買い)



詳細のPFの順位は以下の通りです。

********************

 1位 3276 日本管理センター(1) →
 2位 3277 サンセイランディック(2) →
 3位 3844 コムチュア(5) ↑
 4位 9090 丸和運輸機関(4) →
 5位 2384 SBSHD(9) ↑
 6位 2686 ジーフット(8) ↑
 7位 7164 全国保証(6) ↓
 8位 3230 スターマイカ(10) ↑
 9位 9467 アルファポリス(3) ↓
10位 3179 シュッピン(7) ↓
11位 9414 日本BS放送(12) ↑
12位 1384 ホクリヨウ(11) ↓
13位 3910 エムケイシステム(新) -
14位 2152 幼児活動研究会(13) ↓
15位 2475 WDB(新) -
16位 4245 ダイキアクシス(15) ↓
17位 2764 ひらまつ(15) ↓
-   1360 日経ベア2倍ETF



なお、資産については以下の通りです。

20160531_パフォーマンス推移表



最後にキャプチャも貼っておきます。

20160531_証券会社キャプチャ

1.年初来パフォーマンス   ※ ( )内は週間パフォーマンス

 まるのんPF : +8.9% (▲1.2%)
 TOPIX    : ▲12.8%  (+0.4%)
 日経平均   : ▲11.6%  (+0.5%)
 東証2部    : ▲ 8.1% (+0.1%)
 JASDAQ   : ▲ 4.9% (+0.1%)
 マザーズ    : +23.0% (+1.2%)


2.全体所感

今週は大きな反省をしなければなりません。

何を反省しなければならないか。
指数が横ばいだったのに、
自分のパフォーマンスがマイナスになったことでもなければ、
保有銘柄のパフォーマンスが冴えなかったことでもありません。

日々の資産の減少を気にしないようにと考えつつも
脳裏のどこかでウジウジと「理由」を追い求めてみたり、
一方で、こうやって週間騰落という数値で見た時に、
思いの外被害は少なかったことに安堵してみたり、
そういう自分のメンタル面に大いなる課題と反省すべき点が
凝縮されていると感じます。

残念なことに、課題は認識しつつも、
この弱いメンタルをどのように鍛えていけるか、
具体的なアクションプランを得られた実感もありません。
ですので、まだまだ長い道のりですが、
しかし投資家として成功するためには、
メンタルを強く持つことは基礎的要件と理解していますから、
時間と経験をじっくり醸成していきたいと思います。


指数は結果的に横ばいですが、
夜間の先物の動きも合わせて、
上へいきたいような動きですが、
G7やサミットなどのイベントに加えて、
来月には日銀やFRBの動向にも動きがあるかもしれず、
こういったものが材料視される神経質な動きになるのでしょうか。
イベントリスクは避けるべきとか、
イベントに乗っていこうなど、
まぁ色々な戦術があるのだと思いますが、
私は「術」は持ち合わせていないので、
出来るだけ何事もない、無風であるつもりでいきたいと思います。
(ただ無能なだけなのかもしれませんが(笑))



3.ポートフォリオ


20160527_PF内訳




20160527_セクター内訳



PFの内訳としては特に変調はなく、
全体の額は減っていますが、比率は大きく変わっていません。
特に記載することもありません。




20160527_保有銘柄一覧(概要)



※詳細版の保有銘柄一覧です。
20160527_保有銘柄一覧



日本管理センターの下落は決算後に騰がったものの反動であり、
決算の内容から見れば、当然の反落だと思います。

丸和運輸機関は決算や中計開示などを踏まえて、
ややポジティブに評価しており、
株価も上昇していましたが、
こちらも決算前の水準まで下落してきました。
やはりテーマ性も特にないですし、原油も高くなっているしで、
マーケットは非情なものだなと思います。

全国保証は相変わらず株価が安定しません。
スイングでやっていた方がいいのではと感じなくもないですが、
低金利の影響はあまりないというIR回答が実際に真実かどうか、
この後の決算も見て安定性を重視した銘柄として
保有を継続したいと思います。

スターマイカはそういえば、今日が権利落ちだったのですね。
全く知りませんでした・・・(苦笑)。

アルファポリスはようやく一旦決算ショックは終わったのでしょうかね。
まぁこの辺りがいいところなのでしょうね。
ちょうどPER20倍程度ですね。

シュッピンの上昇は全く油断を許すものではありません。

エムケイシステムは、もういいですね。。。

そして、地味にWDBが上昇していますが、
人材派遣系といえば今週はウィルグループでしょう。
WDBの上昇など目が霞むような素晴らしい中計開示で、
株価もストレートに評価されていますね。
多くの個人投資家の方が保有されており、
やはり優秀な方々が多いな、と感じます。



念のため、ポートフォリオの構成をテキストでも残しておきます。

 3276 日本管理センター
 3277 サンセイランディック
 3844 コムチュア
 9090 丸和運輸機関
 2384 SBSHD
 2686 ジーフット
 7164 全国保証
 3230 スターマイカ
 9467 アルファポリス
 3179 シュッピン
 1384 ホクリヨウ
 9414 日本BS放送
 3910 エムケイシステム
 2152 幼児活動研究会
 2475 WDB
 4245 ダイキアクシス
 2764 ひらまつ
 ※評価額順に記載しています

 1360 日経平均ベア2倍ETF



4.資産状況


20160527_パフォーマンス推移表





20160527_資産残高推移表



パフォーマンスも続落となり、2週間で見ると結構減りましたね。
PF上位が相次いで不調ですからやむなしです。

PF上位の銘柄を眺めてみると、
あまり材料性もなく、資金が入りにくい銘柄ばかりですからね(笑)。

バイオでもゲームでもフィンテックでもAIでもないですからね。
地味なサブリースや底地等の不動産、陸運業者たちですからね。


明日はIRセミナーに出席します。
ラジオ日経のアサザイのパーソナリティーの井上氏の講話が目的です。
主に需給を見ての解説がメインで、
私とは手法が違うのですが、いつも参考になるので、
定期的に参加しています。
その分、日曜日は家族とゆっくり過ごそうと思います。






新規銘柄の発掘は、今後のパフォーマンス目標を見通す上で、
大事な要素になると認識しています。
今回はこの銘柄の発掘の管理と方法について記事にしました。

まず、新規銘柄の発掘が重要な要素という点ですが、
あくまで大事な要素であるというだけで、
必須であるとは認識していません。

今のポートフォリオを形成する銘柄達が、
真に自分の長期的見立てが妥当と判断し続けられれば、
敢えて組み替える必要などないはずです。
その銘柄達をよく観察していれば、
年率10%前後(今年は15%目標)と置いている私の目標感からすれば、
十分に満足いくリターンが得られると思うからです。

ただ、私はこのブログのタイトルにもあるように、
株式投資の練習中の身であることを意識しております。
(いつまで練習のつもりだと突っ込まれそうですが(笑))
まだまだ自分が長期的に妥当と判断し続けられる程の、
洞察力や勘所を押さえていない部分もあることから、
自分の経験をより積むという視点や、
銘柄への判断ミスのリスクをカバーするためにも、
常に新規銘柄の発掘には積極的でありたいと考えています。

ところが、実際には、なかなか言動が伴わず、
ついつい成り行きで膨大な監視銘柄を野放しにしています。
これにはどうせ買えるだけの資金もないし、
ひいては儲からないことに力を注げないという、
汚い自分の心が滲んでいるのが実情です。

ただ、そんな意識で今の成り行きの管理を放置していると、
いざ本当に組み入れようとした時にも、
ずさんな監視銘柄の中から合理的な判断を下すのに、
課題があるのが実情です。

この反省を意識して、
最近は強制的に新規銘柄の発掘にも時間を割いて、
少なくても株価ボードに優先度別に管理出来るように、
整理を進めています。

監視銘柄を個別銘柄のリストの中に掲載をしていくつもりですが、
これまでずっといい加減に放置していました。
ですが、前述の課題も認識して、
今後はここにも少しずつでも掲載が出来るようにしたいと考えています。
目的は、皆さまに開示して、勝った負けたとたらればで一喜一憂するためではなく、
このように行動を縛ることである程度自分に強制力を持たせて、
こうやって見るということに対する、自分自身へのコミットメントを強めるためです。
そんなものに付き合って頂く読者の方には大変恐縮ですが、
見守って頂ければと思います。
ついでに叱咤激励のコメントも頂けるともっと嬉しいです。
(こんな銘柄だめだ~とかですね(笑)いきなりネガティブ発想ですが。)

なお、掲載に当たっては、
特定の銘柄の取引を推奨するものではありません。
そもそも私のような初心者の見立てが
皆さまの投資判断に影響を与えることはないと思いますが。


この監視銘柄にはいくつかの種別を設けています。


・監視銘柄(A群)
銘柄分析シートによる定量分析や、
投資方針に照らした定性分析を済ませた上で、
銘柄として購入してもよいかなと具体的に考えている水準の銘柄群。
基本的に保有銘柄と同等のトレース管理を行い、
内容理解についても同レベルまで完了しているという感触のある銘柄。


・監視銘柄(B群)
定量分析や定性分析を意識してトータルで見て魅力があるかなと感じた銘柄群。
実際に購入に向けての精査が十分でない部分もあるが、
銘柄として魅力があると感じる準購入候補の銘柄群。
但し、自分の精査の兼ね合い次第では、
ここから直接PF組入れも許容する。


・監視銘柄(その他)
定量分析や定性分析が十分ではないケースであっても、
なんとなく良さそうかなと感じた銘柄をピックアップしたもの。
単なる直観でとりあえずピックアップするものもあれば、
今後具体的な精度を高めて、B群、A群、PF組入れを検討していくものも、
全て混在している。
また本来の投資スタンス(成長性又は安定性重視のファンダ投資)より、
優待メイン(ファンダの基礎的要件はあると認識出来る前提)の目的の銘柄も
ここに掲載。



最初に、お断りしておきたいのは、
ここに掲載していない更に低精度の銘柄でも、
自分の見立てのプロセス次第では急遽PF組入れがあるという点と、
ここでは銘柄のポテンシャルをメインに見ているので、
バリュエ―ションについては二の次にしているため、
明らかに割高でしょ、と思う銘柄も編入することがあります。



次に銘柄発掘の方法についてですが、
皆さんは、どうやって新規銘柄の発掘を行っていますか。


私は主に以下のようなことを意識しています。
全く特別なことをやっていませんが、
もしお奨めの手法などあればぜひご紹介頂けると嬉しいです。


◆直近IPO銘柄の精査
IPO直後というのはかなり盛り上がり、
ありえない水準の株価が付くことも多々あります。
本当にテーマ性が高く業績が絶好調の場合、
そのペースのまま走り続ける銘柄もありますが、
中には不幸にもそのプレミアムが剥落して、
更には割安だなと感じるようになる銘柄も存在しています。
当然、過去の実績を把握する情報量が少ないので、
相対的にその企業を知るリスクは高まりますが、
株価への期待値が過剰に剥落しているケースと相まって、
高いリータンを期待出来ます。
特に期待値も剥落しつつ、ある程度の推移をみられるようになる、
1年から2年前位のIPO銘柄がいいように感じます。
私の成功事例では丸和運輸機関やHameeあたりが該当します。
(もっとも、短期間なのでHameeは成功とも捉えていないですが)
一方、失敗事例ではダイキアクシスでしょうか。
直近でもKeeper技研やソーシャルワイヤーとか
色々よい銘柄があるように思います。


◆他投資家やアナリストからのパクリ
パクリであっても自分できちんと精査をした上で、
自己判断(自己責任)で意思を持って保有するのであれば、
私はためらいません。
(情報発出者には敬意を表します)
特に自分の手法と似ている、
もしくは自分が目指そうとしているスタンスの方の判断は
大変勉強になりますし、それがきっかけで銘柄を知り、
自分の尺度で測ってPF組入れとなるのは自然の流れだと思います。
アナリストからのパクリでも、
テーマ性の高いすぐ騰がる銘柄一覧やチャート分析によるものとかではなく、
中長期で業績成長をなし得てきた又は今後もそう期待できるという内容のものです。
自分と違うスタンスの手法で洗い出された銘柄に触れて、
実際にそれが高騰したとしてもあまり響かないし参考にしようがないので、
ここでもあくまで自分が大事に思えると、
共鳴出来るような判断ロジックのものを重視します。
注意すべき点は、どうしてもその情報発出者により判断に
バイアスがかかりやすい点です。
あの方の銘柄なら多少のことは大丈夫だろうとかそういう安易な依存判断があると、
いざ課題に直面した時に握力は弱まりますし、自己判断出来ないばかりでなく、
自己責任のはずが他人の責とお門違いなことにも繋がり易くなりますから、
過度過ぎるくらいにバイアスを消す努力が必要だと思います。
私の成功事例ではエイジアとかが該当します。
失敗事例では桧家HDなどでしょうか。
(桧家HDは別に中長期的シナリオが崩れたわけでもないので失敗というのも憚られますが)


◆スクリーニングを活用
スクリーニングは多くの方が利用されているはずで、
単純に低PERとかで抽出すると
利益項目が不安定な商社とか、
景況感に影響を受けやすいハウスメーカーや自動車備品メーカーなど、
万年割安とも揶揄されるような銘柄が多数出てきます。
自分の中で凝ったスクリーニングモデルがあれば、
それで効率的に抽出出来ますが、
私の場合は、最近では時価総額がある程度少なく、
PERが異常に高くないものとかに加えて、
資金量が少ないですから単元投資額とかで絞っていきます。
凝ったスクリーンモデルがないので、
あとは目検でチェックしていきます。
だいたい上記のような改めての精査がいらないような銘柄は、
よく目にするので何度かやっていると、
サクサク進みます。
最近ではこれでHameeやエムケイシステムを発掘しました。
(株価は共に騰がっていますが私はまだ成功とも失敗とも認識していません)


◆四季報通読
私は未だに四季報を購入して通読をしていますが、
これは逆に惰性で読むようになってきて、
気の緩みもあるのか、あまり効率的なやり方でなくなっています。
とにかく時間がかかりますからね。
そもそもあのコンパクトな情報から真の会社の実力を知るのは難しいのと、
そこから直接的に認識出来ることは、
もっと早く四季報オンラインなどで確認されている方もおられるでしょうし、
機動性の面からも不利ですね。
とはいえ、全く自分の好みとは違う点から発掘出来るという点では
きっかけとしてはこれからも活用したいと思っています。
この四季報をきっかけとして知り得て購入した銘柄は、
日本管理センターやサイネックスがあります。
いずれも投資を始めた頃に気合を入れて発掘していた銘柄です。


◆IRフェア/IRイベントへの参加
日経や東証が毎年IRフェアを開催していますが、
こういった場でブースを構えている企業を接点にするケースです。
また証券会社などが主催するIRイベントで個社に触れるパターンです。
ここで良いのは私は中小型企業に触れることが多く、
大抵の場合、社長が自らプレゼンしていたりするので、
直接コミュニケーションが取れる点です。
注意すべきは、社長などに直接触れてお話しを伺うことで、
テンションが上がり、勝手にポジティブ評価をしてしまう点です。
夢の話とリアルな話を分けて評価せねばならず、
あくまで投資判断は冷静に努める必要があると思います。
このケースでは全国保証やサンセイランディックが購入に至り、
アニコムHDやアインHDを監視に入れています。



こんなことで良い銘柄が本当に見つかるのか?と思いますが、
こういう地道な泥臭いことの繰り返しでしか、
私のような取り柄のない投資家は生き残れないと感じています。
これからも前述の通り、改めて監視銘柄を挙げていく運用を目指して、
質のいい銘柄探しを楽しんでいきたいと思います。



先週の週末を使って、ラジオ日経のIRセミナーに行きました。

目的はサンセイランディックのIRセミナーです。
もう1社はインフォテリア(こちらも良い企業でした)です。
この他、櫻井英明氏と杉村富生氏のセミナー(こちらはネタですね)です。

会場の平均年齢の高さに驚きです。
ほぼ60歳以上という構成だったと記憶しています。
30歳台の私はかなりレアキャラだったと思います。

皆さん、会場裏のサンセイランディックの小ブースで
休憩時間に配布した『てぬぐい』(底地くんプリント)に群がり過ぎです(笑)。
IR担当の方に色々質問したい私は押しつぶされそうになり、
閉口してしまいました。
『てぬぐい』がなくなってしまって文句たらたらの方もおられましたが、
あなたは『てぬぐい』をもらいに来たのかと問い詰めたかったですよ(笑)。
こういう所でのノベルティ配布も考え物ですね。
あれもコストがかかっていることですからね・・・。

櫻井氏や杉村氏のセミナーについては、
とにかくテーマを並べて個別銘柄を呼称していくわけです。
それを必死に皆さんメモを取る光景は異様ですらあります。
自動運転だ、AIだ、民泊だ、と来るわけですよ。
そんなにテーマを挙げて数多くの銘柄を挙げれば、
それはひとつやふたつは大きく跳ねるでしょう。
問題はそれを首尾よく買い、そして売れるかということですが、
短期のことはわからないのでなんともいえませんが、
そのメモは多くが無駄になるのではと傍観しておりました(笑)。
投資化のマインドとして、テーマ材料に飢えて、
すぐに騰がる(かもしれない)という
鶴の一声にすがりたいという心情があるのでしょうね。
これを否定するものではありませんが、
それではその鶴の一声を発してくれる人がいなくなったら、
もう投資はしなくなるのでしょうかね・・・。
まぁどうでもいいことです。

インフォテリアはこれだけの高PERで評価されるのはなぜかと思いましたが、
なるほど、確かに良い銘柄だと思います。
ブロックチェーンが本当にITシステムを根本から変えるアーキテクトになるのか、
そこには私はまだ懐疑的なわけですが、
そういう時に確信を持ってリスクを取れるのならいいと思うのですが、
それを考慮してももう十分な期待値が織り込まれていると思います。
展望や夢、そして足元の活動もしっかりしていますが、
数値が安定して伸びていないのはまだ立ち上がり期だからやむ得ないのでしょうかね。
コーポレートカラーである緑色への拘りにびっくりました。
ネクタイ、PCケース、靴、名刺ケースなど全て緑一色ですよ。


さて、本論のサンセイランディックについてです。
今日の松崎社長は、インフォテリアの緑色に対抗して(←違います)
やや派手な紫色のスーツをお召しになっていました。
見た目はかなり怖そうな印象であるものの、
プレゼンなどお話しされている様子はいつも通り丁寧で、
一生懸命説明されようとやや早口になりながら熱意がこもっている辺り、
また途中に織り交ぜられるジョークも会場の笑いを誘い、
GAPが相変わらず大きい感じでした。


底地と上物の関係性を、
カップとソーサーの関係で説明する、いつものやつ(笑)が展開され、
今日も新たな話はパンの優待拡充位かなと思っていましたが、
底地の権利調整でちょっと前まで使われいた札幌の事例から、
横浜の最新事例にUPDATEされていました。

また居抜きの実例などもこれまで伺っていなかったような
実話やビジネス上大変だったことなども織り交ぜて話して下さり、
改めて権利調整の大変さが身に沁みました。

もう屋根も傾いて玄関の戸もへし曲がったような3連棟の平屋があって、
その一棟にだけ入居者がいるケース。
入居者は歩いて移動するのにも苦労を要する高齢者がおり、
その方に転居頂き、更地にして販売するまでの話がありましたが、
まぁ壮絶ですよね。
その入居者のご子息との調整や必要費用の拠出など調整すべきことは多々あります。

氷山の一角だけ聞いていても、
少なくても大手が参入する市場ではなく、
完全にニッチでしかも手間とノウハウを有するビジネスモデルであることを、
改めて伺い知ることが出来ました。

こんな話の中で、私が感じたことは、
入居者が新たな場所で安全に暮らすというWin、
そしてその物件の潜在的価値を向上させることによるWin、
新たな価値をそこに創造するための事業機会を提供するWinと、
多くのWin-Win-Winの連鎖に見る当社の存在意義を改めて実感しました。

そして社長がサラリと仰っていましたが、
個々の調整にはそれぞれのストーリーがあり、
その調整には相応の難しさがある点を挙げられていましたが、
一方で同社内に蓄積されたノウハウによって、
ある程度パターン化されてきていることも認めてらっしゃいました。
このパターン化は個々の対応で大変だとは言いつつも、
経営効率を考える上ではポジティブな要素だと思いました。


相続に関わる物件の現金化ニーズは今後も続くでしょうし、
底地というニッチな市況は不況期においても影響は相対的に受けにくいです。
但し、社長も認めてらっしゃいましたが、
特に居抜きの場合は、買い取りした物件を更地にした後に、
市況悪化で売れないリスクによる打撃を受けることがあるわけで、
そういった時にも永続的に事業をしていくためにも、
「不断」の精神(8分の力で事業を行う)ということを徹底しているという話は、
改めて良いことだと感じました。


不動産に関わらず景況感の影響には注視を要するものの、
権利調整というニッチな部分での大変さが改めて伝わってきたことで、
同社に対する見立ては変わらずに魅力があるものと理解しました。


但し、1Q決算で若干の期待を抱いていた仕入状況ですが、
IR担当の方と直接お話しをさせて頂きましたが、
やはり1Qはやや仕入が軟調に推移したということです。

理由としてどうしても物件の情報量が多少浮き沈みがある中で、
タイミングの問題で結果的に小粒の案件が多くなったということで、
あくまで一時的と捉えているようです。
足元では仕入市況も回復しているようですので、
当面は注視を継続したいと思いますが、
少なくても販売用不動産の積み上がり状況から、
仮にここから仕入が軟調に推移したとしても、
今期への影響は限定的との見方で、
影響が出るとしても次期ではないかという見解でした。
同社を見る場合、本当に長期で見ないと四半期の仕入・販売の状況に、
一喜一憂してしまうとなかなかお付き合いが難しいと思います。

前述の権利調整ビジネスが本当に必要とされているとしたら、
大きく成長はしないまでも堅実な経営に徹することで、
不動産業界でありながらも安定的に推移してくれるものと期待しています。


なお、民泊の話も出ました。
大田区で4番目の認可を取り、事業を開始しているようですが、
まだ規制の壁が高く今後ゆっくりとやっていくというトーンでした。
無理をせず、ゆっくりやっていけばいいと思いますし、
そもそも一時的な空室リスクなどをヘッジする目的で、
小金稼ぎでやればまずはいいくらいに私は思っているので、
民泊関連とかでワイワイやるのは他でやってもらいたいと思います(笑)。


現状、同社はフロービジネスで、
しかも需給もニッチということもあり不安定な状況なので、
四半期毎に見るとかなり浮き沈みがある点で、
不安定なのがネックです。
そのビジネスモデルの危うさが、
市場からの評価を下げている元凶だと認識していますが、
今後の新たな施策は現時点ではまだ全て抽象的なものばかりですが、
ひとつひとつ具現化していく中で、事業の安定性を確保しようと努力しているものを、
実にしていってほしいなと思っています。


特に際立って同社への見立てを変える必要性があるものはありませんでした。



今月の投資雑誌(Zaiと日経マネー)は、
敏腕個人投資家に関する特集記事が組まれています。

ツイッターでも懇意にさせて頂いている方や、
ブログなどを通して勉強させて頂いている方もおられ、
興味を持って記事を拝読させて頂きました。
(ケチなのと雑誌ということもありカフェ書店でじっくりタダ読みしました(笑))


ここで感じたことは、
私のような初心者投資家がこういった記事に触れるには、
心構えが必要だということです。

私のような初心者は何も考えずに読み進めると、
ついつい、元本がいくらでそこからいくら殖やしたのかという実績や、
どういった銘柄で利益を得たのかということに目がいきます。
(そんなのお前だけだよと思われればそれまでですが)

これらはいずれも「結果」に対する着目でありますが、
私のような初心者は「結果」ではなく、
「思考プロセス」に目を向けるべき
だと考えています。
なぜその時にこの銘柄に注目したのか、
その時に想定しうるリスクをどう捉えて資金を投入出来たのか、
また利益確定をしているとしたら、なぜそこで利益確定を出来たのか、
もしくは含み益の状態であれば今後どういったシナリオを想定しているのか、
そういった思考プロセスこそが、
自分の投資家として成長するための糧になりうると思います。

「結果」だけに注目していては、
いつかはこうなりたいという憧れだけに終始してしまったり、
場合によっては自分がうまくいかない局面では、
僻みという感情すら抱いてしまうかもしれません。
(私は小さな人間ですので(笑))
「結果」は過去の事であり、それを見聞きしただけでは糧にはなりえず、
むしろ害になってしまうと思うわけです。


「結果」を残している方は、必ずといっていい程、
自分の成功体験に基づいた方程式のようなものを持っているように感じます。
それがその方の思考プロセスですし、それは千差万別です。
ファンダメンタルズを独自のレシオに基づきモニタリングしている方もいれば、
需給やテクニカルを併用している方もおられます。
手法だけ見ても異なるので、その手法に行きついた
思考プロセスは必ずオリジナルのものがあると思うのです。

私は思考プロセスを学ばせて頂くと共に、
更にその思考プロセスを模倣するだけではなく、
そこにオリジナルのエッセンスを盛り込んで、
投資方針を構築する必要がある
と感じました。
(当たり前のことに改めて気が付いたわけです(笑))


私は、稚拙な投資方針を掲げることで思考プロセスを磨こうと、
現在進行形で試行錯誤しているわけですが、
その試行錯誤の結果を可視化し、
その方針に倣って徐々に行動出来るようになったのは、
一歩前進と捉えています。
そして、これを実体験やこういった記事の触発を受けて、
更にブラッシュアップしていきたいと感じました。



2014年にブログを開始して本格的に投資を始めましたが、
それより前にはいわゆるテーマ材料や配当、優待など
気ままに投機をしていました。
その際には、こういった雑誌を見て、
他人を羨んで根拠のない、いつかは自分もこうなりたいという、
漠然とした思いで読んでいたわけですが、
もっと芯をを持って取り組めていたらよかったな、と今になって猛省しています。
きっと当時の自分は、まさにこういった記事に毒されていたのだと思います。


「結果」を出すことは大変重要です。
しかし、投資家3年目に突入した勉強中の私にとって必要なことは、
「思考プロセス」を鍛えて自己流を構築していくことだと思います。
「結果」はそこそこについてきてくれればよいですし、
実際、今は相場の環境が良かったこともあり、
そこそこの結果がが付いて来てくれていますが、
それに満足せず、「結果」ではなく「思考プロセス」に注意を払いたいと思います。


最後に、私はこういった雑誌特集を否定的には捉えていません。
むしろ大変貴重なきっかけを与えて頂けるものと理解しています。
今後もこういった記事からも自分の思考プロセスを深掘りしていきたいと思いました。




新規銘柄にエントリするまでにどのような判断プロセスを経るか。

私は基本的に以下のようなプロセスを経るようにしていますが、
買い付けの箇所に課題があるように感じています。

結論として、買い付けのルールをそもそも定めていないことが問題であり、
その場における感覚的な判断に依るのではなく、
最低限保有したい枚数までは一気に買い、
残りの+α分を段階的に様子を見ながら買う
ということがよいのでしょう。
(書けば当たり前ですが、そう行動するのが実際出来ないのですよ・・・)


(1)銘柄に出会う

四季報精読、スクリーニング、他投資家パクり、生活の中で認知、テーマ性抽出など
きっかけは様々ですが、
まずは銘柄に出会うことから始まります。
直近の購入銘柄のうち、Hameeやエムケイシステムは、
直近数年で新規上場した銘柄チェックを定点観測しており、
そのチェックを経て出会いました。
また、WDBはスクリーニングから出会いました。
まずは大枠で自分の基準に適合しそうな銘柄を、
とにかくたくさん発掘することが大事と認識しています。
(入口の間口を大きくするイメージ)



(2)ホームページから初期判断

自分が理解出来る事業かを確認します。
この他、社長メッセージ、経営理念、投資家向け情報、採用情報辺りを重点チェックします。
WDBはこの辺りにかなり強いシンパシーを感じました。
(でないとさすがにこんなに地味な銘柄は通過しません)



(3)投資基準判定

まず、銘柄分析シートに定量情報を整理します。
ここである程度判断が出来るわけですが、
投資方針 に掲げた
基準にマッチするか定性的な情報も補完していきます。
これを書いてみて、よしいけると思った銘柄についてブログ記事をUPしています。



(4)買い付け

初心者投資家らしく逆張りタイミングを測ります。
少しでも安く仕込みたいというスケベ心が出て、
成行で注文することはまずありません。
まあ、期間的なリスクも回避するために、
一度に買付をすることはせず、ゆっくり買っていくようにしています。
これも短期的なエントリタイミングの判断誤りの影響を
軽減させるためです。






Hameeにしてもエムケイシステムにしても、
買い付けを始めて満足いくまでポジションを作る前に、
高騰してしまい機会損失となっています。
(エムケイシステムはまだまだ戻ってきてくれると信じていますが)

基本的に、新規の買い付けの段階で、
上値余地は数十%はあると判断していることもあり、
買値など誤差の範囲であると判断し、
成行で必要な枚数を一気に買えばいいのでしょうが、
そういう勇気を持ち合わせていないのも事実です。

この買い付けにおける具体的な指針を曖昧にしていることが問題であり、
今回悔しい思いを単に悔しい思いにするのではなく、
きちんと反省しておこうと思いました。
つまり買い付けの指針をある程度示しておこうと思いました。

買い付け方法にはざっと以下のようになります。
(ベース比率と理想比率を予め決めておく)


【買い付け方法1】
一気に理想比率まで買う

【買い付け方法2】
ベース比率と理想比率の2段階で買う

【買い付け方法3】
まずは1単元を買い、
残りを値動きベースでタイミングを見て断続的に理想比率まで買う

【買い付け方法4】
まずは1単元を買い、
残りを期間タイミング(定間隔でドルコスト法のイメージ)を見て理想比率まで買う



自信度が極大化している場合は、1でもいいかもしれませんが、
どんなに自信があっても自分の判断が至らない点は必ずあるので、
1は避けるべきと思っています。(今の私の実力を鑑みても)

一方で最近主流になっている3や4のやり方は、
一見リスクを最小限にしている気がしていますが、
「買えないリスク」も内包してしまっています。
そもそもここまでのプロセスで目標株価までの上値余地も
ある程度自分の中で合理的に計算されている中で、
それを信じずに誤差の範囲の部分で調整していくことこそ、
合理的な行動と思えません。

目標株価に対して自信があるのであれば、
1単元だけ買って様子見をするという3、4のやり方は
あまりいいやり方でないのかもしれません。
今回のHameeやエムケイシステムのように
ルールがない中で一番ヘッジ側に寄せたのは、
決まっていないのなら一番保守的な方法でという点では正しい判断だったと思います。
反省すべきは、その時に目安となる拠り所がなかったことです。

というわけですが、まずはやっつけですが、
以下の図の左の側になるようになると思いました。

◆買い場が上昇トレンドの場合
上昇トレンドの買い方

◆買い場が下降トレンドの場合
下降トレンドの買い方


とりあえず適当に図の右側に1単元ずつやってみた場合もシミュレーションしてみましたが、
(あくまで概念です)
集められる枚数が少なくその分、利益額が小さくなってしまいます。



というわけで、以下を買い付けルールに追加してみたいと思います。



(4)買い付け

買い付け前に同銘柄のベース株数(最低目標率)を定める。
その上で、理想的な枚数を理想株数をセットで定める。
(上記画像例はベース株数500枚、理想枚数1200株のイメージです)

ベース比率までは一気にお買い上げをした上で、
一定期間までに理想株数まで引き上げられるように努力する。

2475 WDB 東証1部 【サービス】

人材派遣サービスを提供する会社です。
この時点で多くの方がパスされる銘柄かなと思います(笑)。
なぜかといえば、景況感に大きく左右される業態であり、
真っ先に業績に陰りが出て来そうと思われるからです。

人材派遣業といえば、ウィルグループやヒトコミュニケーションと、
個人投資家にとても人気があり足元の業績も好調な優秀な銘柄がある中で、
成長性も特徴がない同社をなぜ?と思う方もおられると思います。
(もっとも両社とも派遣というより請負ですかね)

最初に断っておきますが、
結局この後、なるほど、そんな凄い会社なのかという特徴もこれといってありません(笑)
成長性もCAGR10%程度とみています。
ですので、成長性重視の方には疑問に思われるかと思います。


従来通り、まずは分析シートは以下に纏めています。
(PDFファイル直リンクとなっています)

 銘柄分析シート 2475 WDB




1.事業内容

企業理念に、「埋もれた価値」を「発掘」するとあります。
別にビットコインを意識したものではないと思いますが、
派遣を主業としているにしては能動的な印象を受けまして、
この辺りで興味もそそられました。
この理念を見ると同社の人材派遣は、
稼働提供型というよりコンサル型に近いのかなという印象を受けます。

事業ですが、3事業に分かれていますが、
売上も利益も人材サービス事業がほぼ全体の93%となっていますので、
人材サービス事業に重きを置いて確認していく必要があります。

2475_WDB(事業紹介(人材サービス事業))

理学系(化学・バイオが中心)の専門職の派遣に特化しています。
同社の見立てですとこの理学系研究職の派遣事業で概ね30%程度のシェアを有しているようで、
この業種ではリーダーということになります。

一方で工学系(機械電子電気)の技術職の派遣においては、
同社はフォロワー的な立ち位置ですが、
圧倒的なリーダーがいるわけでもないようです。
(TOP2社でシェア率は10%程度)

理学系の専門職派遣で得た経験を元に、
今後工学系の技術職の部分を伸ばしていく目論見のようで、
まだ1期生がようやく派遣された状況なので、今後が楽しみですね。


2475_WDB(事業紹介(CRO事業))

CRO事業では臨床後の開発の代行支援を行っているようです。
臨床後からのサポートなので、
臨床通過までの専門的なプロセスやリスクについて私は理解していませんが、
まぁ許容できると思います。
臨床後の開発では翻訳や申請業務など手間がかかり経験が求められる事務も多いようで、
この辺りは同社から派遣される人材が活躍できるフィールドが多いかなと思います。


2475_WDB(事業紹介(研究開発事業))

素材開発、海洋生物の生体影響測定、バイオ関連機器開発と3つの子会社において、
実際に同社グループ独自の研究開発製造の事業へ取り組んでいます。
これは、所属する人材が心置きなく研究開発に携われるようにして、
そこで得た経験(知識的なスキルと手法的なスキルの両面)を顧客へ還元することも目的とあるので、
ニュアンスとしてOJTに近いイメージもあるのかなと感じました。


※画像出典:会社開示資料(決算報告書より)



さて、これらの事業を俯瞰してみると、
「専門的スキル」を有した人材を派遣する事業だということがわかります。


人材派遣というと、オフィスに派遣される事務員とか、
小売量販店に派遣される販売員とか、
建築工事現場に派遣される作業員とか、
一般的に稼働を提供するものが多いという印象です。
しかし、同社の派遣事業は稼働を提供するというより、
専門的な知見を元に、顧客の商品開発現場などに赴いて、
価値を創るというニュアンスが強く、
それが前述の企業理念にも通じているのかなと感じます。


またこれらの事業のシナジーが広義的に同じ理系分野の
専門性を活かすという意味で生かされやすいということも特徴かもしれません。
しかも海外を含めたエリア拡大余地もあり、
これをどこまで評価するかで成長性の評価も変わりそうです。
ちなみに、私はこの辺りは現時点ではあまり過度に評価しませんが、
夢はあるかなとは思います。

2475_WDB(事業の展望)



最後に同社は上記の派遣業務に対して子会社を多く要し、
各事業会社に業務を任せているわけですが、
この中のひとつにポスドクスタイルという会社がありますが、
これがスタッフ供給側の現実を表していると思います。


つまり多くの理系出身で研究や専門職を志している学生にとって、
就職口がないことが日本固有のネックになっています。
ポスドク問題は私が学生の頃から問題でしたが、
修士卒までであれば、民間就職が選択肢として残りますが、
(それでも研究や専門職固有の採用となると更に狭い門ですが)
博士卒であれば、大学機関に残ってバイトをしながら繋いで、
アカデミックの分野(助教や教授へのキャリア)へ進んでいくわけですが、
実際にその道を切り拓けるのはごくごく限られた者だけで、
多くが研究を志しているにも関わらず、
ポスドクとして大学学部生の授業の手伝いなどをしていて、
なかなか本業に携われないという問題があります。
このため、研究職の地位が高く存在価値を認められやすい海外に出て、
実力勝負の世界に出るとか皆さん苦労されているわけです。

私も理系出身ですから、
修士の時にそのまま博士にいくこともほんのちょっと考えましたが、
その後の人生を考えて、かつ自分の能力とモチベーションの問題から、
民間に就職したわけです。
同じように研究をやりたいといっていた同級生も、
多くが現実を見て民間へ就職をしています。
もちろん民間でも研究や技術を活かした職種で多くの方が活躍していますが、
同社のような博士卒の方の人材斡旋や、
ひいては同社の優秀なスーパー派遣スタッフとしても採用出来ると思うわけです。

日本の国力を強いものにするためにも、
こういう専門的な価値想像を考える同社のような存在は貴重なものになると思うのですがね。



2.成長性について

成長性についてですが、いくつか考えられます。
ただいずれも未知数です。


(1)業容の拡大
従来の理学系だけでなく工学系系への進出という業態拡大という要素、
CROへ進出して間もないこともあり、この業態の拡大という要素が主なところでしょうか。

工学系のマーケットは理学系に比べればずっと大きい
(同社見立てでは技術派遣で1兆円程度の市場)ですが、
一方で工学系の需要が多いのは主に製造業であり、
これは景況感に影響を受けやすいとも思われ、
景況感の悪化で、生産や研究活動が停滞するとそこまでの成長が本当に望めるかは控え目にみておく、
というか減少もありうるとみておくべきだと思います。
(これは理学系にも言えることですが、相対的に影響は限定的だとは思います。)


(2)エリア拡大
国内の拠点で見ると、工学系の拠点はまだ少ないですから、拡大余地はありそうですが、
良く見ると浜松とか名古屋とか厚木とか
それなりに顧客層が厚そうなところへは進出しているようで、
そんなに余地がたくさんということもなさそうです。

海外の拠点という点では、CRO事業などの進出余地が多く、
実際に製薬会社が多い米国東海岸へ直近でも進出しています。
海外拠点での研究開発活動は拡大傾向にあると思われますので、
こちらは拡大戦略は続くと思います。
ただ、残念ながらそれが収益化されるのかどうかには、
まだあまり自信が持てない点もあります。
実績もまだ少なく、とりあえず進出が始まったところですから、
もう少し実績を見てみないとならないかもしれません。

(3)M&A
M&Aについては充実している会社Web内に、
考え方が示されています。 こちら(会社Web)

ただ、ここにも記載されている過去の買収案件についても、
本来は効果について考察せねばなりませんが、
情報が限られていることもありちょっと個人では難しいですね。
IRに聞くにしても私の質問力が乏しく知りたい情報には行きつけ無そうです(笑)。


さて、同社ですが、2021年3月期に売上1000億、経常利益100億を掲げています。

→ こちら(会社Web)


2016年3月期実績はザックリで売上300億、経常利益27億ですから、
3倍強の増収、4倍弱の増益ということになります。

この期間のCAGRは売上で約27%、利益で約30%です。

シュッピンもびっくりの30%増益です(笑)。

まぁ正式な中期経営計画でもないので、
あくまで現時点では5年後の「夢」の域でしょうが、
心意気や記載のあるアプローチはなかなかいいのではないかなという印象を受けます。


前述の成長性の評価も未知数のものばかりですが、
どれもこれも全くダメということにはならなそうですし、
期待度は現時点は過度に見積もれませんが、成長はしていくかなと思います。

但し、リーマンショックのような危機的な状況が来ると、
1期、2期は減益となることもあるでしょう。
しかしまさにリーマンショックの時がそうであったようで、
確かに影響を受けて減益をしていますが、
その後、そこできちんと人材投資も継続したことも奏功して、
今ではそれ以上に成長してきています。

短中期的には懸念は残るものの、長期的にはトレンドとしてシェア率を高めて、
このニッチの業界の中でデファクトスタンダード化がより進むと思います。


以上のことを総合的に考えて、最後はどうしても感覚的になってしまいますが、
CAGRは10%とみます。




3.株価水準について

 現在の株価は887円です。
(5月20日終値で表記しています)

 時価総額:178億
 PER(16.3期実績):10.6倍
 PER(17.3期会社予想):10.5倍
 PER(17.3期四季報予想):10.0倍
 PBR:2.2倍
 ROE(16.3期実績):18.9%
 DOE:2.3%


成長率10%で予想PER10倍となるとPEGレシオはちょうど1倍近傍です。
この成長率が正しいとすると現時点では妥当な水準かもしれません。



4.リスク要因

人材派遣業ということを考えると、
一番のリスクはやはり景況感による影響かと思います。
有効求人倍率とか完全失業率などを このサイト から期間取得して、
株価などとマッピングしてみましたが、
株価データがある期間はこれらの雇用指標はずっと改善を続けているので、
あまり参考になりませんでした。

私が想定しているのは、一言に人材派遣業といっても、
建設現場の作業員や小売店の販売員等の一般的な派遣と比べると、
影響は相対的には少なく済むのではないかと考えています。

ここに同社の主な取引先の記載があります。

→ こちら(会社Web)


よく医薬品セクターがディフェンシブだとか言われますが、
それは需要が大きく衰退することがない点と、
景気の浮き沈みのサイクル以上に、
長期的な視点で研究開発・創薬を行っているからです。

これは化学や食品など生活必需品にも繋がる研究についても、
生活必需品に関連する測定、開発などの作業は、
ずっと減衰したままというのは考えにくいと認識しています。

ただリーマンショックの時の影響を見ると、
そうはいっても一時的には減益となっています。
ただ、その後、きちんと回復してきています。

この景況感のリスクをどう捉えるかですが、
ここでも単なる稼働提供型ではなくコンサル型として「価値」を重視していると、
回復も早いのではないかと思います。


次に法令におけるリスクですが、
労働者派遣法が改定され、最近では期限を定めた(3年)ものに改められます。
しかし、同社のWebサイト色々読み漁ってみると、
その後、派遣先の正社員へと羽ばたくキャリアやWDBの研究開発現場で邁進するかなど、
選べるキャリアプランを用意している旨、記載があります。
短信上にも、既にこれらのリスクには同社は対応出来ている点も記載があり、
そこまでリスクは高くないかと思います。


派遣スタッフの確保が滞る点のリスクは確かに存在するかもしれません。
特に今のように景況感が比較的よい局面では、
顧客からの派遣依頼は増える一方で、
スタッフは多くが直接雇用されメーカーなどに就職され、
同社内の需給は崩れやすい傾向にはあると思います。
とはいえ、理学系派遣分野では既にトップシェアとなっている点も踏まえると、
一時的にはそのようなことで対応に追われることもあろうかと思いますが、
長期的にみれば、さほど問題になるものではないと思います。


5.目標株価について
目標株価ですが、
まずは19.3期EPSはCAGR10%程度とみて102と予想します。

評価PERですが、私は15倍で見積もりました。
成長性は緩やかではあるものの、
総合的に評価しても東証1部平均位は評価があってもいいと思います。
参考までにいくつかの会社のPER評価を時価総額と利益率を
ざっくり拾ってみました。

2475 WDB
 (予想)PER:10.5倍
 (実績)営業利益率:9.2%
 時価総額:178億


3654 ヒトコミュニケーション
 (予想)PER:25.7倍
 (実績)営業利益率:9.0%
 時価総額:373億

6089 ウィルグループ
 (予想)PER:11.5倍
 (実績)営業利益率:3.2%
 時価総額:98億

2181 テンプHD
 (予想)PER:20.8倍
 (実績)営業利益率:5.4%
 時価総額:3,968億

4641 アルプス技研
 (予想)PER:14.8倍
 (実績)営業利益率:9.5%
 時価総額:254億

9744 メイテック
 (予想)PER:16.0倍
 (実績)営業利益率:12.4%
 時価総額:1,196億


イメージ的にはアルプス技研あたりのバリエーションが近いかもしれません。


EPS102、PER15倍として
目標株価は1,530円と算出されます。
(これで時価総額は300億程度です、これでも今のヒトコミュニケーションより低いですね)

現状の株価からの上値余地は73%になる計算になります。



6.その他

同社のWebサイトは色々コンテンツが充実しています。

例えば採用情報ですが、採用実績校を見ると名だたる大学が名を連ねています。
そして理系が多いと思いきや、文系が活躍していたり、
経営戦略人材の採用コースが別にあって、経営についての意識が高い点も特徴です。
社長も途中でMBA取得したことが紹介されています。

その紹介されている会社の歩みは、なかなか読み物としても面白いです。
と同時に同社の遺伝子がよく伝わってきます。
もちろんこれは美談化されていると思うのですが、
拘りが強かったり、人材に対する考えがより伝わってきます。

それはグループ経営人材にも表れていて、
若い経営者がそれぞれのドメインの中で活躍しようと切磋琢磨しているようです。
これも経営のスピードや競争原理を機能させる面でもよいかなと思います。


最後に課題と感じている点をもうひとつ記載しておきます。
IRについてですが、まず毎年のように業績予想の修正を繰り返しています。
リーマンショックの頃は下方修正を出していますが、
それ以外はほぼ上方修正です。
年によって同じ期に何度も修正を入れたりしています。
これは数値精度がどうしても読みにくいということなのか、
それとも精度が甘いのかどちらなのでしょうか。
読みにくい数値であるということは、
それだけ、ビジネスも不安定ともいえますが、
単に保守的にしているだけなのでしょうか。
そしてIRにはあまり積極的ではないようで、Webページは一応充実していますが、
決算説明資料などもう少し丁寧なIRを期待したいです。
なんだったら、IRフェアとか出展して欲しいですね。
ぜひ、経営者にお話を伺いたいですからね。


1.年初来パフォーマンス   ※ ( )内は週間パフォーマンス

 まるのんPF : +10.0% (▲2.6%)
 TOPIX    : ▲13.2%  (+1.5%)
 日経平均   : ▲12.1%  (+1.7%)
 東証2部    : ▲ 8.2% (+0.4%)
 JASDAQ   : ▲ 5.0% (▲0.3%)
 マザーズ    : +21.8% (▲14.2%)


2.全体所感

今週はまるのんPFは大打撃を受けた印象でしたが、
測定してみると表記の通り今週は2%台の下落で許してもらえています。
週間で2%下落すれば十分ゲンナリする域のはずですが、
年初からずっとボラティリティが高いので感覚が麻痺しているかもしれません。
いずれにせよ、現金比率を高めていたお蔭で、
保有株の下落は比較的大きかったわけですが、
この程度で済んでいるという理解をしています。

一方、TOPIXや日経平均は週間で続伸だったようです。
巷では、消費増税延期の方向がより強まってきたそうで、
それが目先にとってはプラスのようです。(本当か!?)
また、それに加えて米国の利上げタイミングが
早ければ6月にもという議論もあったようで、
これを受けて為替も円安側に振れていたようです。
こういった外部要因で指数は買われやすかったのかなと想像しました。

では、なぜまるのんPFのパフォーマンスはマイナスかといえば、
マザーズの下落が響いていたように思います。
私の保有株はマザーズはアルファポリスだけですが、
総じて個人投資家の保有も多いようにも感じており、
マザーズがこれだけ下がると、換金売りとかリスクヘッジのために、
売らざるえなくなり売っている方も多いように思います。
となると瞬間風速では驚くような値付けが為される時があるので、
こういう時にはチャンスと買い向いたいと考えています。
もちろん、今はまだその域ではないと認識しているので、
じっと我慢しています。

今後、サミットを通過し、選挙などの動きも出て来る中で、
増税の判断など、政局面で色々動きが出て来ます。
私はこれらの材料で特に動くことはありませんが、
(というかどう動いてよいかわからない(笑))
様々なイベントなどの動向にはアンテナは張っておこうと思います。
自分の投資スタンスには関係ないから完全無視というより、
動向はきちんと把握、理解した上で、スタンスに照らしてどう行動するか、
それが大事だと思います。(どう行動するかの判断が何もしないもありです)




3.ポートフォリオ

20160520_PF内訳



20160520_セクター内訳



先週増やした現金ですが、29%まで増やしていましたが、
今週は26%と約3%程度を新規銘柄に当てました。
私の今のスタンス上の目安では現金比率は13%程度が妥当という状況ですから、
引き続き、現金比率は目安から見れば厚いことになります。

新規銘柄についてですが、
既に銘柄分析の記事 をUPしていますが3910 エムケイシステムと、
銘柄分析の記事をこれから書く2475 WDBです。

エムケイシステムは今の私の投資スタンスから見ると、
成長性はやや控え目な点も含めて私の中の王道的な銘柄です。
一部の懸念が完全には払拭出来ていないこともあり、
打診買いでPF内の2%弱程度というのが情けないですが、
その後、たまたまタイミングがよかったのか上昇してくれています。
(リンク先のすぽさん効果ですかね。。。)

一方、WDBは昔の割安安定性重視の投資スタンスを踏まえた、
少し守りの強い銘柄です。成長性より長期的な安定に主眼を置きました。
もちろん人材派遣業という特性から、
景況感が今後悪化すると短中期的には業績悪化が考えられますが、
長期的に見て優秀な人材が財産として蓄えられていることもあり、
私としてはこれはこれでとてもよい銘柄だと認識しています。



20160520_保有銘柄一覧(概要)



※詳細版の保有銘柄一覧です。
20160520_保有銘柄一覧




既存銘柄の騰落状況ですが、
アルファポリスはまぁこうなりますよね(笑)
決算後から見て35%の下落率で、今期予想PERも20倍を割れてきました。
これで同社に対する過度な期待はだいぶ落ちたのではないでしょうか。
決算を受けて私の新たな目標株価は3,960円ですから、
上値余地も70%程度まで広がってきました。
同社のゲームを大規模なものに選択と集中でリソース投下する方針は、
正しい戦略だと思いますが、一方で失敗した時のリスクも高まることと、
漫画を含めた書籍の発行数などが少し弱まっているなという一抹の不安もあり、
かつ中計のロジックをUPDATEしてくれるようお願いしてあるので、
それを見てから買い戻しを考えようかと思っています。
(決算後、PTSで半分を利益確定済だったので、被害は最小限で済んでいます。
といってもこの決算後の下落で、PF全体に約▲1.5%の影響を与えてくれています。)
ここから更に下がってきてくれるようであれば、先に買い戻ししてしまうかもしれません(笑)。

PF主力としている、日本管理センターやサンセイランディックも弱かったようです。
日本管理センターは先週が強かったのでその反動だと思いますが、
相変わらずサンセイランディックは評価が低いなと思っています。
パン祭りがダメなら何をすれば評価してもらえうのか・・・。




念のため、ポートフォリオの構成をテキストでも残しておきます。

 3276 日本管理センター
 3277 サンセイランディック
 3844 コムチュア
 9090 丸和運輸機関
 2384 SBSHD
 2686 ジーフット
 7164 全国保証
 3230 スターマイカ
 9467 アルファポリス
 3179 シュッピン
 9414 日本BS放送
 1384 ホクリヨウ
 3910 エムケイシステム
 2152 幼児活動研究会
 2475 WDB
 4245 ダイキアクシス
 2764 ひらまつ
 ※評価額順に記載しています

 1360 日経平均ベア2倍ETF



4.資産状況


20160520_パフォーマンス推移表




20160520_資産残高推移表


先週年利回り目標である15%が見えてきたと
浮かれたことをここに書いていたら、
見事に今週は反落となりました。
それでも今週の時点ではまだ10%の水準を維持してきました。

資産は先週1000万円台に乗りましたが、
今週は再び1000万を割り込みました。
ジグザグしながら少しずつ増えてくれればいいです。


私のポートフォリオPERは12.8倍とだいぶ低い水準となっていて、
割安性が高まっているようにも思いますが、
目標株価までの余地をみるとそこまで高い状況でもなく、
少しずつ新規銘柄も含めて銘柄の棚卸しも必要だとも思っています。
なかなかそう思うようにいかないのですが。


明日の土曜日は投資セミナーに参加する予定はあるものの、
日曜日はゆっくり家族で過ごせそうです。
溜めている決算書にも目を通していきたいですが、
マイペースにやろうと思います。



ジーフットの株主総会に出席してきました。

私が見聞きした情報を元に、
主観を織り交ぜて記事にしておきます。
(ですので、参考程度にお読み下さいませ)


昨年までは名古屋に本社があったということもあり、
名古屋で開催されておりましたが、
さすがに名古屋までは行けませんでしたので、
初参戦となりました。

場所は秋葉原ということと、
たまたま自宅で朝食が割愛されたので、
朝かつやにデビューしてみました。
(アークランドサービスのホルダーではありませんが)

朝かつやでは定食が500円を割るので、
いつももらえる100円割引券が使えません。
そこで400円台後半の朝かつ定食(?)に
豚汁を大に変更でぎりぎり500円オーバーとなり、
晴れて100円割引券が使えました。
このように注文した方が、割引券が使えてお得になるんですね。
となるとリピーターは必ず割引券を持っているはずので、
豚汁大にしない方がおかしいですよね。。。
と、かつやトークはそこそこに、
腹を満たして会場へ向かいます。


入口では案内札を持った方が案内係りとして等間隔に立っています。
会場では皆さん元気よく挨拶をして下さり気持ちよく会場入りしました。

途中開会までにイオングループの環境への取組みの
植樹の取組みなどが映像で紹介されており、
ジーフットの社員も多く参加しましたと案内があります。
しかし、その様子を映像で見ると、イオンのジャンバーなどを来ているわけですね。
もちろん、ジーフットはイオングループの一員なのでこれでいいのですが、
「ジーフット」の認知度はあまり上がらないななんて、
欲深い発想の自分が嫌になりました。
環境への取組みは別に認知度向上のためにやっているわけではないので、
こういう発想が意地汚いなと自分自身を省みました。


時間になり開会です。

堀江社長と初めてのご対面です。
ちょっと緊張していたのでしょうか、
ところどころ噛んでいたり挙動不審なこともありましたが、
通して丁寧な進行です。
間違ってもシュッピンの鈴木会長のようにグダグダではありませんでした(笑)。

監査報告、映像による事業の結果報告などが続き、
対処すべき課題については、映像ではなく堀江社長が自ら説明されました。
(一番大事な所ですから自分で説明されるのは良い姿勢だと思いました。)
お世辞にもプレゼンは上手ではありませんが、
伝えたいメッセージは伝わります。
良くも悪くも無難な内容かなとは思いましたが、
業種や現状を考えてもあまり大風呂敷をぶちまけるようなものでもないので
こんなものかという感覚です。

そして本番である質疑応答の時間です。
私もいくつか質問させて頂きましたが、
総じて、丁寧な対応であった点と、
思ったより戦略や数値などが
頭に入っているのだなと好印象を持ちました。
(私が勝手にハードルが低く捉えていただけなのかもしれません)

受け答えの回答がかなり丁寧で、
質問によっては5分以上お話しされていたのではないでしょうか。
きちんと伝えようという真摯な思いは伝わってきました。
(時間を書ければよいというものではありませんが)


客数の減少ひいては既存店売上の回復がきちんと定着するかは、
かなり今後も注視が必要と認識していますが、
少なくても今日の受け答えから見れば、
まだ浮き沈みは続きそうですが、施策がフィットしていけば、
ある程度の回復は望めるかなという印象を持ちました。

それからオムニ戦略はあまり自分が消費者として利用しているシーンで
進捗を実感することはないのですが、
具体的な店舗名などを織り交ぜて取組みやそれが奏功している様子なども聞けて、
この点は一歩進んでいることが確認出来て良かったです。
今後の横展開を早く早く進めて欲しいですね。


店舗戦略も地方店を中心に新たな業態の取組みもされていて、
それらがそれぞれに小さな結果を残しているようなので、
こちらも早く横展開をしてほしいですね。


イメージとしてこれまでは店舗という箱ものをどんどん展開していく形でしたが、
今後はハードである箱ものの拡大だけでなく、
その中身(コンセプトの強化)やオムニ戦略、
また店舗の人材育成による提案力や施策の推進力の向上といった
ソフト面の寄与による拡大が期待できるのかなと感じました。

ただ、今の経営層を見てみると、
あくまで今日受けた印象だけですが、
変化より堅実という印象もあり、
どこまでイノベーションを発掘していけるのか、
この辺りはまだ未知数かなとも思いました。

思いのほか、前期の反省も形式的なものではなく、
質疑回答などから傾向面を捉えて真面目にやっている印象もあったので、
それがすぐに改善に繋がるかはわかりませんし、
気長に待つしかありませんが、
そこまでネガティブな印象は持ちませんでした。

これはあくまで、私が長いスパンで考えていいやと思っているからであり、
もう少しスピードを求めるのであればイマイチな評価になるのかもしれません。
そもそも本格回復に至るかは未知数ですからね。


というわけで、後は、質疑応答について主観的な理解に基づいて
以下に記載します。
あくまで主観的なものに依っているので、
実際のやり取りとニュアンスや解釈が違う点があるかもしれませんが、
それはご了承ください。あくまで私はこう捉えたという参考程度ということで。



(1)客数減への対応について

【質問趣旨】
昨今、再度デフレ化する様相を示している中で、
例えばユニクロが商品力向上と共に値上げをしたところ、
市場にマッチせずに苦戦を仕入れてている一方で、
低価格を謳う会社が好調であることが見て取れるようになっています。
当社は商品力を高めてそれを認めてもらえるよう、
正価販売に徹しておられると思いますが、
これが客数減の一因と考えています。
当社経営者の中では、この客数減について
どのような理由がある考えられているのかと、
認識と今後の対策について教えて欲しい。

【回答】
客数減については現在の一番の課題と認識している。
前期には天候の問題などの外部要因があったことも挙げられるものの、
全般的に客数が落ち込んでおり、
これには内部で反省すべき点があると考えている。
1点目として、マーケット動向を見誤った点である。
前期はスポーツシューズが靴市場で大きく需要が伸長してきたが、
当社はこのスポーツシューズの展開に後れを取ることとなった。
元々当社は婦人靴と子供靴に強みがあると自認しているものの、
前期では婦人靴は暖冬等の天候要因により大きく市場全体が低迷していた。
しかし得意分野でなんとか頑張ろうとしたことも
マーケットの読みを見誤り、経営判断が遅れた所以と反省している。
2点目として、値上げにより消費者が敬遠した点である。
我々に限らず円安による材料調達費などのコストを転嫁せねばならず、
それに加えて正価販売に努めている背景もあり、
顧客の消費感覚と実際のプライシングがやや乖離していた点も要因と捉えている。

対策については、マーケットインの視点で、
需要が強いスポーツシューズのラインナップを拡充させることはリカバリをしており、
今後はその動向に注視していくことで同様の見誤りをしないことが必要と捉えている。
また、価格戦略については、高付加価値の商品については、
正当に評価してもらえるように訴求力を高めていくことで、
安易な値下げ(ポイント還元含む)は考えていない。
一方で、ローエンドの対策も考えねばならない状況と理解しているため、
ローエンド商品のラインナップを図りつつも、
最近店頭で需要とマッチしている軽量シューズ等の商品魅力度を訴求する機会を得たい。
また兼ねてから直近でもご説明している通り、
業態の進化をうまく把握して、
市場にフィットする新フォーマット店舗の開発・展開が急務と捉えている。
地方の郊外で新たなコンセプトショップに着手しており、多くがよい効果が出てきているので、
今後はこれを展開することに注力していきたい。

商売事なので、急に客数や売上が増えるというマジックは、
特に靴販売の場合難しいが、今期期初にかけて徐々に成果の実感も出てきているので、
商品と価格の魅力がバランスして訴求出来れば、
価値を認識して頂けるものと思い、少しずつでも改善努力を進めていきたい。



(2)コスト改革について

【質問趣旨】
今期の重点施策のひとつにコスト改革が掲げられ、
その項目として、商品在庫の適正化と販管費の抜本的改革の2点が挙げられいる。
一方で、在庫適正管理や販管費の削減努力は、
これまでも継続的に実施されてきていると認識しているが、
これまでの取組みと何が異なるのか、
どの点で抜本的なのかを教えて欲しい。

【回答】
在庫の適正管理はコストにも影響が大きく注視をしている。
成果から申し上げると、まず足元で8億程度の在庫削減を行っている。
(この規模感が妥当なのか即座に私には判断出来なかった)
またこの在庫の管理は、経営側でのコントロールは難しいのが実態で、
やはり現場である店舗責任者が如何に受発注システムから需要を登録してくるか、
その精度や読みに依るところも大きい。
このため、今後も管理職である各店長と背景を共有しながら、
適正化に努めていきたいと。

また、販管費の削減についてであるが、
率直に反省すべきは、これまでの店舗拡大戦略において、
ややコストに緩い部分があったことが否めないと捉えている。
この部分に反省すると共に本部管理費だけでも3億程度の費用削減が実現出来る。
また当社はダイバーシティ経営を掲げているが、
結果的に労働時間(残業代)を圧縮させることで経費減になる。
当社は女性比率が高いものの、男女に関係なく、
社内にダイバーシティの浸透が図れてきている手応えもあるので、
効率的な業務運営に社内で知恵を絞りたい。
以上の通り、今期には具体的に億単位での経緯削減策を見据えて
対策を検討している状況である。



(3)中期経営計画について

【質問趣旨】
昨今のコーポレートガバナンスの指針にもある通り、
中長期的な事業運営を的確に情報開示していくべきと示されている。
当社では中期経営計画について開示はされていないと認識しているが、
どのような内容を踏まえたものになっているか。

【回答】
店舗戦略、商品戦略を主軸に戦略を考えている。

店舗戦略においては、店舗毎の価値を向上させる取り組みを進めたいと考えている。
具体的にはより業態に磨きをかけた新フォーマットの展開が、
ニーズに深くマッチしていけばそのセグメントで価値が最大化出来る。
(恐らく例えば、made in Japanの職人が手当てした高付加価値ショップ等のことかな)
また特に郊外の小型店(九州某店舗の実例話)で在庫も少なく大変評判が悪い店舗があったが、
最近オムニチャネル戦略の一環で店舗内にタブレット端末を配置して、
その場で在庫がない商品(色、サイズ)を選択して自宅に配送する仕組みを使って、
在庫を持てない小型店であっても大型店と同程度の価値を提供できる点で、
店舗の価値を向上させることが出来たと認識している。
このようにITも活用した店舗毎の地道な価値向上の取組みが店舗戦略で重要と考えている。

商品戦略では、直近でもスケッチャーズのブランドライセンスを取り、
商品の幅を増やしたところであるが、このような商品魅力度を訴求して、
このような新規事業を推し進めることが必要と考えている。
また、NBとの連携は当然のことながら進めるものの、
PBの企画は、我々の店舗スタッフが見聞きする消費者のニーズを
ダイレクトに商品へ反映する意味で差別化要素の強い商品戦略を取ることが出来る。

これらのことを踏まえて中長期的に経営していきたいと考えている。
(って数字の開示はしないのか、ってそりゃそうか。するなら公式に開示するはな。)



(4)社外取締役の担務

【質問趣旨】
社外取締役の設置について、単なる義務感にかられた配置であるとすると、
大変もったいない話だと感じているが、具体的にどのような役割や活動を行っているのか。

【回答】
取締役会の意思決定のプロセスにおいてその妥当性や、
経営の意思決定として広い知見を活かして議論に参画頂いている。
実際に活発なご意見を頂戴しており、当社の経営において大変参考になるものとなって、
有機的に機能しているものと理解しているため、ご理解頂きたい。



(5)女性の登用

【質問趣旨】
靴を扱う(増して婦人靴に強い)当社において、役員席に女性は一人もいない。
もっと女性の活躍機会を増やして、
役員登用も含めて善処して頂きたい。

【回答】
現状でも女性には多く活躍頂いているが、
確かに役員にはまだ登用出来ていないのが実情である。
今後、役員登用できるように人財育成を頑張っていきたい。
なお、女性店長(管理職相当)は全店長のうち37%、
管理職の女性比率は33%となっている。
今後それぞれ50%、46%まで向上させようと社内で目標を置いている。



(6)総会会場での商品PR

【質問趣旨】
今回の株主総会において、当社の商品である靴などを陳列して、
PRすることは考えなかったのか。
こういう機会にPRをする姿勢も必要かと思うので、
今後は検討頂きたい。

【回答】
(社長自身の個人的思いとして)今回は反省している。
もっとそういう部分に配慮すればよかったと考えていた。
来年はまた貴重なご意見を参考に考えたい。



(7)Eコマースにおける付加価値

【質問趣旨】
Eコマースを活用した取り組みをされると認識しているが、
せっかくEコマースを使ったビジネスを行うのであれば、
他社がやっていないような差別化出来る取組みを検討されたらどうか。
一例としえt、Webから注文する際に、名入れサービスをオプション化して、
付加価値向上と客単価上昇というようなEコマースなら出来ることを検討して頂きたい。

【回答】
Eコマースにおける優位性を確立するために各種施策を検討している。
例えば、店頭で足型計測器を用意しているが、
お子様が計測されたデータをスマホのアプリ連携を行うことで、
サイズが変わりそうな頃合いを見てクーポン付のプッシュ配信を行い
サイズの再計測や靴の買い替えを喚起するような仕組みである。
これ以外にもEコマースを活用したオムニチャネル戦略として各種検討していきたい。



(8)イオン内の複数出店戦略

【質問趣旨】
地元のイオンモール内にはASBEEやGreenboxなど
ジーフットの複数業態の靴屋が乱立している。
またその近くにはABCマートも存在しており、
似たような商品が複数の値段で乱立している状況なのだが、
イオン内の出店戦略としてどのようなことを考えて出店しているか。
また、各業態毎の利益率などはどのような状況なのか。

【回答】
一般論として、ショッピングモールにおける靴の売上はだいたい3%程度である。
このため、そのモール内のマーケット規模は大抵読みやすい傾向にある。
その中で、顧客セグメントやターゲティングによって、
業態を明確に分けているので、そこにフィットした店舗を配置している。
このため、複数のセグメントにフィットさせるだけのマーケットがあるという場合には、
複数業態の店舗を出店して取りこぼしのないように考えた出店判断を行っている。
なお、各業態の利益率等は開示していないため、回答を差し控える。



(9)プロパ社員の処遇

【質問趣旨】
役員の経歴を見てもイオン出身の方が多数を占めており、
その他中途採用の方も多いのが実情と理解しているが、
生え抜きのプロパ社員が処遇されていないように感じるが、
これでは現場を支えているプロパ社員のモチベーションにも影響が出かねないのではと
危惧しているが、どのように現状を捉えているか。

【回答】
現状、イオンの靴事業を継承する形で存続し、
またイオングループの一員として事業参画している現状や、
人財育成の過渡期ということを考えると、現時点の役員構成としては妥当と考えている。
但し、ご指摘の通り、今後はイオン外の活動も含めて事業拡大をしていくわけであり、
プロパ社員を今後登用させていけるように人材育成に努めていきたい。



(10)役員の自社株保有

【質問趣旨】
役員の自社株の保有数が率直に申し上げて少ないように感じるが、
株主と企業価値の向上を共感して経営に当たって頂くためにも
個人的にはもう少し保有をして頂いた方がよいと考えているが
どのように現状を捉えているか。
ストックオプションも持たれているかと思うが、
全体としてきちんと株主と共感する体制となっているのか。

【回答】
東証上場前にはインサイダーの問題もあり、自己株を役員が購入することは難しかった。
その経緯もあり、最近役員の自社株会も組成したので、今後は各自の判断となる点、ご了承頂きたい。
(恐らくこれは買わないんだな、という印象)
一方で、ストックオプションの付与を受けているため、
十分に株主の皆さまと企業価値向上へ向けて共感していけると考えている。



◆その他メモ
・前期の暖冬による利益への影響は概ね5.7億程度とみている。
(どう計算したのか、そもそも未達額とほぼイコールだけどそれをそのまま言っている?)
・賃料は全体の約8割が歩合制による支払となっている


最後にお土産としてレザー付きのシューホーンを頂きました。



もし、何か所感を持たれた方がいらっしゃれば、
ぜひ一言でもいいので、何かコメントをお寄せ頂けると嬉しいです。
理由はその頂いたコメントから異なる視点で見つめ直してみたり、
自分の思考を深掘りすることに大変参考になるからです。
(自分主体で恐縮ですが)




※2016/5/22 AM1:00 追記(続きを読む欄)

3910 エムケイシステム 東証JASDAQ 【情報通信】


社会保険労務士の一連の手続きに関するオペレーションを
システム化した上で、それをクラウドサービスとして提供しています。

社労士業務というニッチな部分で、
クラウド型で高い収益率を維持して事業を行っています。

ここ3年程度で損益分岐点を超えてきて、
まぁタイミングよく昨年上場してきた直近上場銘柄です。

どうも私は直近IPO銘柄が好きなようです。
もちろん上場前の情報が不足しがちで、それだけリスクも高いですが、
IPO間近でわいわいやっている投機が一区切りついた
長い視点でのセカンダリ投資は自分の眼を鍛えるにもよく、
この投資ブログの目的でもある練習記録にもよい題材です。

というわけで、儲かるかはわかりませんが、
分析を軽く纏めておきたいと思います。


まずは分析シートは以下に纏めています。
(PDFファイル直リンクとなっています)

 銘柄分析シート 3910 エムケイシステム




1.事業内容

決算説明資料(PDF) 内に事業内容のペーパーが入っています。

3910_エムケイシステム(事業内容)


社会保険労務士は給与計算などの日常業務に加えて、
社会保険などの各種保険に関する業務全般を行う士業を生業にしています。

証券リサーチセンターによるアナリストレポート内に、
社労士推移がありましたが、ゆっくりと増加傾向にあるようです。

社労士推移


社労士が扱う業務は、会社として一人でも従業員を雇用すれば、
必ずそこに申請手続きの事務が生じます。
そしてそれは雇用期間中も給与計算処理や就業管理などが継続し、
退職時には各種保険の申請手続きと、
「人」の雇用におけるライフサイクルで欠かせない存在となります。

そして日本の事業所のうちほとんどが中小企業と言っていいわけですが、
そのひとつひとつの事業所には必ず雇用があり、
この業務は切っても切れません。

私は社労士業務は全くの素人ですが、
仮に不況が来ても必ずその業務は継続します。
そして不謹慎かもしれませんが、本格的な不況が訪れると、
解雇などによる退職に伴う各種手続きでより忙しくなるかもしれません。

そして、一連の管理や申請業務において、
社労士は当たり前ですが手で申請書を書いて・・・などとやっていると日が暮れてしまいます。

そこで、専門のソフトのお出ましなわけです。

企業の「金」を司る会計士や税理士向けが使う会計ソフトは
多くの専業ベンダーから○○奉行だとかなんだとかで色々ありますね(笑)。

しかし、企業の「人」に纏わる社労士が使う業務ソフトは、
調べてみると三菱系のIT企業など限られた企業からしかリリースされていないうえに、
圧倒的なシャアを取っているところもなく、
かつ中小企業が圧倒的に多い中で、
高いパッケージ商品がずっと君臨し続けることは想定しにくく、
だからこそ、エムケイシステムの少額で気軽に始められる
クラウド型サービスが刺さるのだと思います。

なお、このクラウドサービスに付随して
オプションサービスとして初期設定の対応やハードの提供サービスも提供しています。
更に、最近実はシステム対応はほぼ要らない方向で各社対応中と言われている、
マイナンバー関連もあります。
もちろんこれはあくまで付随的なものと位置付けて私は認識しています。




2.成長性について

同社の成長性はトップラインの向上に依拠するでしょう。

同社が注目している経常利益率で既に30%を超えており、
短信に記載されている当面の目標として、
経常利益率30%の維持が掲げられています。
つまり、これ以上利益率は向上しないことを示唆しています。

となると、今後の成長は売上高の成長率にほぼ収斂するものと理解しています。

同社の場合、多額の営業コストをかけるというより、
セミナーなどを開催することでそれをトリガに商談が決まっていくようなスタイルのようです。
また人材投資やサポート要員の拡充が急務で、
この辺りを踏まえて成長率をざっくり見極めていきます。

社労士全体の推移は毎期数%増えています。
また同社の社労士事務所のシェアは7%程度となっており、
まだ拡大余地は十分である一方で、
セミナーなどの集客にも限度があり、
かつ、実際に導入サポート要員のリソースにも限度があるため、
過去のトレンドを見ると10%台前半の増がいいところだと思います。

今後システム投資も継続しており、
特に言語コンバートや多言語化対応などの対応を通して、
償却費もそれなりの額の計上が必要になると思います。

以上のことを総合的に考えるとCAGR12%程度かなと思いましたが、
過去の実績を踏まえてみてももう少し楽観視してみてもいいかなと思います。
CAGR14%程度でみておこうと思います。
(最後がかなりいい加減ですが(笑))

なぜ上記のように考えたかですが、
同社のもうひとつの成長戦略である一般企業向けの開拓です。
社労士事務所には当然社労士がおり、
そこで社労士業務がやられています。

一方で日常の就業管理や給与計算は一般企業の人事部や総務部といったところで、
社内労務士が先導して対応しているわけですが、
この部分への開拓はまだ余地がありそうです。
そしてこちらの開拓にも本格化していくとしていますから、
こちらのセグメントでの成長も多少は織り込んでもいいだろうということで、
2%上乗せしました。

社労士事務所などのシェア率を見ても、まだまだ拡大余地がある点と、
年商5億を超える一般企業は約21万社あり、
そのどの企業でも労務管理は必ず存在しているはずですが、
同社のサービスが提供されているのは、実に39社しかないようです。

3910_シャア状況



多くの中小零細企業は、各自がタイムスタンプを押して、
パートの方がそれを月次で手集計して・・・ということが日常だと思いますが、
それをシステム化して、
かつ月額数万円で全ての業務を網羅してくれるのであれば、と
徐々にスイッチングが進んでも不思議ではないと思うのですが、さてどうでしょうか。

最後に同社をマイナンバー銘柄とテーマ性を持ちあげられることもあるようですが、
私ははっきりいって全く期待していません(笑)。
マイナンバーの取得代行サービスも不調に終わったようですし、
一種の営業のきっかけを作ってくれる面では良かったようですが、
マイナンバーの取り扱いが業務拡大に直結するとは思えませんし、
そうなったとしても一過性の特需のように感じます。
ですので、変なテーマ性で持ち上げてわいわいやるならもっと他でやってもらいたいです(笑)。

 
3.株価水準について

 現在の株価は1,196円です。
(5月18日終値で表記しています)

 時価総額:31.7億
 PER(16.3期実績):15.4倍
 PER(17.3期会社予想):13.9倍
 PER(17.3期四季報予想):14.4倍
 PBR:3.4倍
 ROE(16.3期実績):24.7%
 DOE:4.8%


成長率14%で予想PER14倍となるとPEGレシオはちょうど1倍近傍です。
この成長率が正しいとすると現時点では妥当な水準かもしれません。



4.リスク要因

いくつか気になる点があります。
開発の状況、開発要員の問題、一般企業へのアプローチ手法などです。
というわけで、IRとやり取りしていますので、一部、ご紹介します。
(主観的な判断が入っていますのでその前提でお読み下さい)


まるのん
次世代ASP製品の開発状況が前期末に完了する予定が、
今期末予定に変更されており遅延している印象ですが、
なぜ遅延しているのでしょうか。
またこの遅延によりよりコストを要していると思われますが、
業績予想への織り込みはされていますか。

IR
マイナンバー関連サービスの開発に開発要員を優先投下したためです。
今期に想定出来る範囲で必要なコストは計上しています。

まるのん
開発要員は各種商品の魅力度向上のためにも不可欠と理解しています。
一方で二戸という郊外でも採用活動もされているようですが、
優秀な人材はきちんと確保出来ているのでしょうか。

IR
大阪本社と二戸の両拠点で多様なチャネルを確立して、
人材獲得を行っている。今後もより優秀な人材獲得のために努力していく。

まるのん
利益の成長性について利益率目標は当面現状水準維持と掲げられていることもあり、
売上高の成長に従うと理科いしていますが、その理解でよいのでしょうか。

IR
同社のビジネスモデルは直接原価が少ないASP型の売上増で更に利益率は向上します。
一方で、人への投資、サポート体制の拡充、セキュリティ対策などの投資も必要であり、
こちらも継続的に行っている予定であることもあり、
これらを踏まえて利益率30%を維持という目標としています。
このため、利益率向上による利益成長というより、
売上の成長と同トレンドになるという指摘はその通りと認識しています。

まるのん
一般企業向けの顧客獲得について、
既に既存事業者は人事、労務業務が存在してそれで回っている中で、
どのように参入余地を見出していくのでしょうか。

IR
一般企業では給与計算を含めた人事システムは拡充されているものの、
申請業務は非システム化に留まっている点は訴求点があると考えています。
直近ではAPI連携が既存の人事システムと同社が提供しているシステムとの、
連携が実現したことによる優位性に関してのレポートもPR情報として開示しています。

まるのん
競合他社との関係性、特に同社の優位性についてはどのように分析されていますか。
その中で今後はどの程度の新規顧客の積み上げを期待していますか。

IR
社労士マーケットでは、申請システムの視点が弱かったり、
クラウド型ではないことでイニシャルが高く導入が困難であることに対して、
同社の提供スキームに優位性があると考えています。
また付随的ではありますが、マイナンバーの対応が迅速な点も優位性かもしれません。
一般企業においても人事関連システムの導入は競合商品もある中で、
申請システムを提供している競合がそもそも少ない点も優位であると考えています。
新規獲得のペースは、従来と同水準を異時出来るように営業活動頑張ります。

まるのん
顧客層にエリア的な偏在は認められますか。

IR
特に認められず、社労士事務所が多い関東県圏が多いかもしれない。
一般企業はそもそも取引そのものが少ないので、エリアを議論する段階でもない。

まるのん
本則市場への意欲と優待新設の検討状況はいかがですか。

IR
本則市場への市場変更は、公表できる具体的な予定はありません。
株主優待は検討はしているが具体的な予定はない。



冒頭の質問で、開発要員の獲得辺りが最大リスクと見ています。
開発の遅延による影響や、システムを使う際のサポート要員について、
不足感が台頭してくると商品の魅力度低下を招くだけでなく、
顧客の離反(新規の伸び鈍化も含めて)が起こって、負のスパイラルになります。


今の所、目立った競合もないために、
直ちに流出するリスクはそこまで高くないとは思いますが、
早々に安定した開発体制、サポート体制の構築が必要と思います。

このことを認識してかどうかわかりませんが、
今回の決算補足説明の中でサポ―ト等の拡充が+αとして追記されました。

2017年3月期方針





5.目標株価について
目標株価ですが、
まずは19.3期EPSはCAGR14%程度とみて115と予想します。

評価PERですが、私は20倍で見積もりました。
20倍で見積もるには成長性が控え目ですし、
マザーズ銘柄のいわゆる高成長銘柄と比べてれば、
見劣りすることは否めません。
但し、事業内容が囲い込みに比較的強いこととや高い利益率が継続していることも踏まえ、
一定の事業優位性は認められますし、
おまけかもしれませんが、将来的に本則市場への昇格により評価も上がることが期待出来ます。

以上から目標株価は2,300円と算出されます。
(これでも時価総額は60億程度です)

現状の株価からの上値余地は92%で約2倍弱になる計算になります。

なお、仮にCAGR12%で見た場合19年3月期EPSは110位です。
この場合目標株価は2,200円ですが、まぁ2,300円としておきます。

◆最近のお気に入り