Author:まるのん |
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翻訳センターの決算が開示されています。
今回、下方修正を出してすっきり?するかなと思っていましたが、
外部環境がコロナなどの問題もあり変化しており、
蓋然性のある今期の業績下値がみえない状況なのかもしれませんね。
本来は今期の業績達成可否や来期の見通しというより、
その先を見越して投資をしているつもりなのですが、
自分を守るために保有比率を下げている自分のチキンさにげんなりしますが、
まぁこれもまた自分の未熟さがゆえだと思っています。
熟考の上、判断したため後悔はないのですけどね。
決算の精査記事については、noteの記事にしています。
以下の画像よりご参照下さいませ。

ヘッダーの写真は流れ落ちる滝です。
冷たい印象のある青色で当時を撮っていますが、
今の足元の業績を表現しているかなと、
過去のストックから適当に選んで来ました。
※2019/11/8 追記しました。(IR照会)
【決算精査】 2483_翻訳センター(20年3月期_2Q決算)
■銘柄分析シート
リンク
※表紙なし
■1Qの精査記事 ※IR照会あり
リンク
■個人投資家向け説明会動画
リンク
1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング
1Qの決算が不調だったので、どうなるかなと思っていましたが、
半期計画に対しては売上、利益ともに未達となりましたがリカバリしてきました。
売上については、半期計画に対して7.3%の未達となり、
これは主に1Qの翻訳事業の減速が要因となっています。
その背景には自動車や金融部門からのお仕事が低位となった事が挙げられます。
そして、2Qではこれが若干回復し前期並み水準となりましたが、
累計では翻訳事業は減収となりました。
一方で、通訳事業やコンベンション事業の押し上げが下支えし、
全体としては前期並みの売上まで回復をしました。
利益については、翻訳事業のセグメント利益率が僅か2.8%と落ち込みましたが、
2Qでは10.7%と大幅に改善をしたことによる粗利確保が主因として
前期比増益を確保した形となります。
前期比という意味ではコンベンション事業が前期赤字だったものが、
黒転していたり、通訳事業においても利益率が7%確保ということで、
これも前期比での押上げ効果となっています。
と、まぁ色々改善余地もみえてきて、
1Qの失望からみればだいぶ見た目は良い内容になっていますが、
会社の当初の見通し、また更に中期的な展望にたってみると、
やはり景況感の変化にかなり過敏であることが改めて露呈していますし、
短信の文章上からも受注が低調ということで、
特に自動車分野は即座に回復してくるのかは予断を許さない印象を持っています。
このシクリカルさとある程度共存しながらお付き合いをしていかねばなりませんが、
改めてそういう側面を持っているということを十分に認識する必要もあります。
しかしながら、さすがに変動費率が大きいこともあり、
一定の仕事総量に対して適正なリソースに調整を図ることで
利益体質は比較的厚いということも改めて感じましたし、
MT化の進展や社内業務の改善による改善効果もあったかもしれません。
システム対応による効果は10月以降顕在化してくる見通しでしょうから、
この辺りがうまく起動に乗ってくれると、収益性は高い状態で維持できれば、
売上が多少ビハインドとなっても利益はなんとか水準に手が届くかもしれません。
今回修正がなかった点ももう少しこの辺りの効果も見極めたいということでしょうか。
全体としてみると1Qの悲観からは若干印象は回復する内容であるとは思いますが、
顧客情勢などの状況によって足元の業績という面ではやや心もとないという気がします。
一方で中期的な取り組みは効果が今後より発現してくることが期待され、
その道筋は一歩ずつ歩まれているとも思いますから、
この狭間での評価となりそうです。
総合評価はこの期待と不安の狭間の中で、「3」(想定通り)となります。
なお、株価的には一度1Qの失望から回復基調に戻ると、1Q前水準までは難しいと思いますが、
2000円台前半は維持してくるのかもしれません。
2.定量数値の確認
(1)売上・利益の状況

1Qの5.2%減収から2Qでは3.1%増収ということで、
リカバリはしたものの、上期予算は前述の通り未達です。
粗利率については、1Qで42.0%でしたが、2Qでは43.6%と改善しています。
翻訳事業の粗利率改善がメインですが、
これがどういう要素なのか、継続性があるものなのか辺りは気になるところです。
施策が奏功したとなれば再現性もあるので期待が高まりますが、どうでしょうね。
(2)販管費の状況

販管費は1Qで増額していましたが、
2Qでは前年並みの微増という結果です。
この辺りは利益確保のために
かなり社内で絞ったのではないかと思います。
(3)営業利益の状況

営業利益率は2Qで8.8%に達し、
2Qとしては、利益額・利益率共に過去最高となっています。
(4)進捗状況の確認
通期比の進捗率は売上44.9%、営業利益33.4%となっています。
売上進捗は過去3年平均で47.5%、5年平均で47.3%となっており、
営業利益進捗は過去3年平均で40.3%、5年平均で35.3%となってます。
営業利益進捗の過去3年平均がやや高いのは17/3期が特異的であったためです。
過去2年平均とすると35.0%となります。
以上からやはり売上、利益共に進捗jは遅れているようにみえます。
しかも足元で自動車や金融分野で受注が低調という環境下であることや、
コンベンションも2Qでだいぶ消化してきていることで季節ものでもあることを考慮すると、
ここからトップライン主体でのリカバリとなるとだいぶハードルが高いことは否めません。
施策の効果として2Qのように粗利改善が定着するなど、
少し状況が好転することがないと厳しいのは変わりないかなと思います。
まぁあくまで今期の予想達成可否という視点に絞って些末な話ではありますけどね。
(5)配当の確認
特に変更はなしですね。
(6)セグメントの確認
短信上のセグメント単位でしかみられませんが、
まずは雑感です。詳細は決算説明資料開示後に
改めて中身の詳細を確認したいと思います。
各セグメントの売上と利益について
グラフに描写しています。敢えてスケールはすべて合わせてあります。




一番ウエイトの大きい翻訳事業ですが、
2Qで利益率が10.7%となっており、2Qでは過去最高となっています。
売上も1Qに比べると回復していますが自動車や金融等の不調が
底打ちなのかはまだよくわかりません。
受注は低調とありますから、まだもう少し回復には時間がかかるのでしょうか。
派遣事業は稼働日の兼ね合いもありつつ安定推移ですね。
通訳は底堅さが見て取れますが、特に利益が一定程度出るようになっています。
前期3Qからですかね。これが持続するのか、
習熟等でもっと伸びる余地がないのか、まだ小さいですが、期待したいと思います。
コンベンションも引き続き堅調で、黒字転換しています。
3.定性情報の確認
今回は特に新規の施策等の言及はありません。
4.その他情報の確認
(1)株価推移の状況

株価は1Q後に順調に(?)下がっています。
この下落でどこまで織り込んでいるのかわかりませんが、
私の投資方針に沿ってどう対応するか悩ましいです。
来年からの3年は利回り目標が年利5%です。
安定と配当も意識した内容にシフトする必要があります。
この資産でそこまで守るかというご指摘はごもっともですが、
これが当初に決めたブログ資産の運用方針です。
その方針に照らすと現状の配当利回り、安定性に照らし、
また中期的な展望への期待も踏まえてどうあるべきか悩ましいです。
(2)IR照会の状況
IR照会は現時点で実施していません。
決算説明資料も出てきたら、
また要否判断して適宜実施したいと思います。
(2019/11/8 追記)
決算説明資料を待てず、IR照会をしてしまいました(笑)。
とりあえずいくつか聴きたいことを質問しました。
あくまで私の主観に基づく受け止めによって
脚色している妄想ですので、ご留意願います。
(事実と異なる可能性や私が意図せず誤認している可能性が多分あります)
Q
翻訳事業の利益率向上は、案件のポートフォリオとして
粗利率が高い案件が集中したという類のものなのか、
あるいは、MT化など施策が徐々に奏功する中で効率性が高まった結果なのか。
A
MT化の取り組みを翻訳家さんの協力を得ながら進める中で、
全体の効率性があがってきている効果が出ているものと考えている。
今後もこのような傾向が続くは断定的なことはいえないものの、
一つ一つの施策を推し進めることで改善に努めていきたい。
利益率の改善スピードが今後も加速していくというよりは緩やかになることも
あるかもしれないものの、この2Qの改善が案件固有の一過性のものというより、
施策展開による効果の表れであると理解頂きたい。
Q
自動車や金融管理部門の受注の低迷が続いているとのことだが、
足元でもやはり弱い状況が続いているのか。
また通期予算達成という観点からは、
下期にリカバリが必要な状況の中で、これらの低迷を受けて
どのような受け止めをされているか。
A
両分野の弱さはいまだ継続しており、
外部環境の弱さに影響を受けていることは否めない。
とりわけ自動車分野では主に社内ドキュメントの翻訳のお仕事が多く、
研究開発現場などにおける翻訳需要は顧客の収益水準の凹凸にどうしても
影響を受ける部分があり、当面は厳しさが続くものと捉えている。
一方で、通期予算という意味では好調持続の特許と医薬でいかに
底上げさせてリカバリできるかという状況である。
Q
コンベンション事業は凹凸が顕著であるが、2Qでは黒字転換していて、
2Qでの利益リカバリの一助となっているが、
下期以降の見通しはどうか。
A
ここ2期利益面で苦戦をしてきているが、
収益性を重視て受注する活動も進めており、
利益確保をしていきたい。
そのうえで、3Qにも会議が予定されており、案件が枯れているという状況ではない。
→ということで、決算説明資料開示前ということもあり、
短信から読み取れる定量的な考察に基づく質問ばかりになってしまいました。
自動車については相当弱さがあるようで、しかしそれを包み隠さず実直に
お答えいただいたIR担当の方には感謝です。
通期予算の達成可否みたいな所にスポットを当てて質問をぶつけると、
どうしても些細で退屈な質問ばかりになってしまい、
目先のリスクをきちんと理解したいという気持ちと、
中長期的な価値向上にどう夢を託すかという壮大な展望との狭間で、
板挟みなのですが、こういうひとつひとつのことを見聞きしながら、
会社により寄り添えるような投資家としてありたいと思っています。
なお、翻訳センターさんにもこのブログの存在が認知されているようで、
このこと自体は大変光栄なことです。
だいぶ見当違いな事を書いていて恥ずかしいわけでもありますが・・・(笑)。
危険因子とみられないよう(笑)、
妄想は大いに膨らませつつ、会社のご迷惑になるようなことにならぬよう、
今後も努めていきたいと思います。
5.さいごに
本来MT化の状況や社内システムの改修に伴う、
事業活動の変化など定性的な部分に触れたいのですが、
これは決算説明資料が出てから改めて妄想を膨らませます(笑)。
当記事は決算の定量的な評価を中心に、
皮算用をしてみた内容をまずは整理しました。
【決算精査】 2483_翻訳センター(20年3月期_2Q決算)
■銘柄分析シート
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※表紙なし
■1Qの精査記事 ※IR照会あり
リンク
■個人投資家向け説明会動画
リンク
1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング
1Qの決算が不調だったので、どうなるかなと思っていましたが、
半期計画に対しては売上、利益ともに未達となりましたがリカバリしてきました。
売上については、半期計画に対して7.3%の未達となり、
これは主に1Qの翻訳事業の減速が要因となっています。
その背景には自動車や金融部門からのお仕事が低位となった事が挙げられます。
そして、2Qではこれが若干回復し前期並み水準となりましたが、
累計では翻訳事業は減収となりました。
一方で、通訳事業やコンベンション事業の押し上げが下支えし、
全体としては前期並みの売上まで回復をしました。
利益については、翻訳事業のセグメント利益率が僅か2.8%と落ち込みましたが、
2Qでは10.7%と大幅に改善をしたことによる粗利確保が主因として
前期比増益を確保した形となります。
前期比という意味ではコンベンション事業が前期赤字だったものが、
黒転していたり、通訳事業においても利益率が7%確保ということで、
これも前期比での押上げ効果となっています。
と、まぁ色々改善余地もみえてきて、
1Qの失望からみればだいぶ見た目は良い内容になっていますが、
会社の当初の見通し、また更に中期的な展望にたってみると、
やはり景況感の変化にかなり過敏であることが改めて露呈していますし、
短信の文章上からも受注が低調ということで、
特に自動車分野は即座に回復してくるのかは予断を許さない印象を持っています。
このシクリカルさとある程度共存しながらお付き合いをしていかねばなりませんが、
改めてそういう側面を持っているということを十分に認識する必要もあります。
しかしながら、さすがに変動費率が大きいこともあり、
一定の仕事総量に対して適正なリソースに調整を図ることで
利益体質は比較的厚いということも改めて感じましたし、
MT化の進展や社内業務の改善による改善効果もあったかもしれません。
システム対応による効果は10月以降顕在化してくる見通しでしょうから、
この辺りがうまく起動に乗ってくれると、収益性は高い状態で維持できれば、
売上が多少ビハインドとなっても利益はなんとか水準に手が届くかもしれません。
今回修正がなかった点ももう少しこの辺りの効果も見極めたいということでしょうか。
全体としてみると1Qの悲観からは若干印象は回復する内容であるとは思いますが、
顧客情勢などの状況によって足元の業績という面ではやや心もとないという気がします。
一方で中期的な取り組みは効果が今後より発現してくることが期待され、
その道筋は一歩ずつ歩まれているとも思いますから、
この狭間での評価となりそうです。
総合評価はこの期待と不安の狭間の中で、「3」(想定通り)となります。
なお、株価的には一度1Qの失望から回復基調に戻ると、1Q前水準までは難しいと思いますが、
2000円台前半は維持してくるのかもしれません。
2.定量数値の確認
(1)売上・利益の状況

1Qの5.2%減収から2Qでは3.1%増収ということで、
リカバリはしたものの、上期予算は前述の通り未達です。
粗利率については、1Qで42.0%でしたが、2Qでは43.6%と改善しています。
翻訳事業の粗利率改善がメインですが、
これがどういう要素なのか、継続性があるものなのか辺りは気になるところです。
施策が奏功したとなれば再現性もあるので期待が高まりますが、どうでしょうね。
(2)販管費の状況

販管費は1Qで増額していましたが、
2Qでは前年並みの微増という結果です。
この辺りは利益確保のために
かなり社内で絞ったのではないかと思います。
(3)営業利益の状況

営業利益率は2Qで8.8%に達し、
2Qとしては、利益額・利益率共に過去最高となっています。
(4)進捗状況の確認
通期比の進捗率は売上44.9%、営業利益33.4%となっています。
売上進捗は過去3年平均で47.5%、5年平均で47.3%となっており、
営業利益進捗は過去3年平均で40.3%、5年平均で35.3%となってます。
営業利益進捗の過去3年平均がやや高いのは17/3期が特異的であったためです。
過去2年平均とすると35.0%となります。
以上からやはり売上、利益共に進捗jは遅れているようにみえます。
しかも足元で自動車や金融分野で受注が低調という環境下であることや、
コンベンションも2Qでだいぶ消化してきていることで季節ものでもあることを考慮すると、
ここからトップライン主体でのリカバリとなるとだいぶハードルが高いことは否めません。
施策の効果として2Qのように粗利改善が定着するなど、
少し状況が好転することがないと厳しいのは変わりないかなと思います。
まぁあくまで今期の予想達成可否という視点に絞って些末な話ではありますけどね。
(5)配当の確認
特に変更はなしですね。
(6)セグメントの確認
短信上のセグメント単位でしかみられませんが、
まずは雑感です。詳細は決算説明資料開示後に
改めて中身の詳細を確認したいと思います。
各セグメントの売上と利益について
グラフに描写しています。敢えてスケールはすべて合わせてあります。




一番ウエイトの大きい翻訳事業ですが、
2Qで利益率が10.7%となっており、2Qでは過去最高となっています。
売上も1Qに比べると回復していますが自動車や金融等の不調が
底打ちなのかはまだよくわかりません。
受注は低調とありますから、まだもう少し回復には時間がかかるのでしょうか。
派遣事業は稼働日の兼ね合いもありつつ安定推移ですね。
通訳は底堅さが見て取れますが、特に利益が一定程度出るようになっています。
前期3Qからですかね。これが持続するのか、
習熟等でもっと伸びる余地がないのか、まだ小さいですが、期待したいと思います。
コンベンションも引き続き堅調で、黒字転換しています。
3.定性情報の確認
今回は特に新規の施策等の言及はありません。
4.その他情報の確認
(1)株価推移の状況

株価は1Q後に順調に(?)下がっています。
この下落でどこまで織り込んでいるのかわかりませんが、
私の投資方針に沿ってどう対応するか悩ましいです。
来年からの3年は利回り目標が年利5%です。
安定と配当も意識した内容にシフトする必要があります。
この資産でそこまで守るかというご指摘はごもっともですが、
これが当初に決めたブログ資産の運用方針です。
その方針に照らすと現状の配当利回り、安定性に照らし、
また中期的な展望への期待も踏まえてどうあるべきか悩ましいです。
(2)IR照会の状況
IR照会は現時点で実施していません。
決算説明資料も出てきたら、
また要否判断して適宜実施したいと思います。
(2019/11/8 追記)
決算説明資料を待てず、IR照会をしてしまいました(笑)。
とりあえずいくつか聴きたいことを質問しました。
あくまで私の主観に基づく受け止めによって
脚色している妄想ですので、ご留意願います。
(事実と異なる可能性や私が意図せず誤認している可能性が多分あります)
Q
翻訳事業の利益率向上は、案件のポートフォリオとして
粗利率が高い案件が集中したという類のものなのか、
あるいは、MT化など施策が徐々に奏功する中で効率性が高まった結果なのか。
A
MT化の取り組みを翻訳家さんの協力を得ながら進める中で、
全体の効率性があがってきている効果が出ているものと考えている。
今後もこのような傾向が続くは断定的なことはいえないものの、
一つ一つの施策を推し進めることで改善に努めていきたい。
利益率の改善スピードが今後も加速していくというよりは緩やかになることも
あるかもしれないものの、この2Qの改善が案件固有の一過性のものというより、
施策展開による効果の表れであると理解頂きたい。
Q
自動車や金融管理部門の受注の低迷が続いているとのことだが、
足元でもやはり弱い状況が続いているのか。
また通期予算達成という観点からは、
下期にリカバリが必要な状況の中で、これらの低迷を受けて
どのような受け止めをされているか。
A
両分野の弱さはいまだ継続しており、
外部環境の弱さに影響を受けていることは否めない。
とりわけ自動車分野では主に社内ドキュメントの翻訳のお仕事が多く、
研究開発現場などにおける翻訳需要は顧客の収益水準の凹凸にどうしても
影響を受ける部分があり、当面は厳しさが続くものと捉えている。
一方で、通期予算という意味では好調持続の特許と医薬でいかに
底上げさせてリカバリできるかという状況である。
Q
コンベンション事業は凹凸が顕著であるが、2Qでは黒字転換していて、
2Qでの利益リカバリの一助となっているが、
下期以降の見通しはどうか。
A
ここ2期利益面で苦戦をしてきているが、
収益性を重視て受注する活動も進めており、
利益確保をしていきたい。
そのうえで、3Qにも会議が予定されており、案件が枯れているという状況ではない。
→ということで、決算説明資料開示前ということもあり、
短信から読み取れる定量的な考察に基づく質問ばかりになってしまいました。
自動車については相当弱さがあるようで、しかしそれを包み隠さず実直に
お答えいただいたIR担当の方には感謝です。
通期予算の達成可否みたいな所にスポットを当てて質問をぶつけると、
どうしても些細で退屈な質問ばかりになってしまい、
目先のリスクをきちんと理解したいという気持ちと、
中長期的な価値向上にどう夢を託すかという壮大な展望との狭間で、
板挟みなのですが、こういうひとつひとつのことを見聞きしながら、
会社により寄り添えるような投資家としてありたいと思っています。
なお、翻訳センターさんにもこのブログの存在が認知されているようで、
このこと自体は大変光栄なことです。
だいぶ見当違いな事を書いていて恥ずかしいわけでもありますが・・・(笑)。
危険因子とみられないよう(笑)、
妄想は大いに膨らませつつ、会社のご迷惑になるようなことにならぬよう、
今後も努めていきたいと思います。
5.さいごに
本来MT化の状況や社内システムの改修に伴う、
事業活動の変化など定性的な部分に触れたいのですが、
これは決算説明資料が出てから改めて妄想を膨らませます(笑)。
当記事は決算の定量的な評価を中心に、
皮算用をしてみた内容をまずは整理しました。
【決算精査】 2483_翻訳センター(20年3月期_1Q決算)
■銘柄分析シート
未作成
1.サマリ
総合評価:「2」 (☆☆☆★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング
翻訳センターは上期で2割の増益予想だったこともあり、
まさかの5割近く減益の1Q着地に、皆さん悶絶ということで、
PTSでもストップ安に売り殺到ということですね。
内容としては、特許分野は好調な一方で、
シクリカル要素の高い自動車分野はもちろん、
医薬分野でも減収となっており、
更に企業の管理系部門からの売上も低迷したようで、
減収をベースとした利益悪化です。
いわゆるグロース系の会社では最悪な状況ですね。
もちろんIR照会をかけていますが、
まぁ足元の状況としてはまだよくわからないというのが率直な所です。
ただ、私はMT翻訳の本格化による効率化による利益好転をメインにして、
長期的なグローバル化への対応といった所に期待しており、
そのメインシナリオが今回の決算で毀損したとも思えません。
短期的に懸念は台頭する一方で、
過敏に事業そのものが毀損していると判断する要素もないかなと思います。
ただ呑気にしていると、景況感の影響がより色濃く出てくると、
シクリカル面で規模の急激な収束がみられるわけでもあり、
そうなれば事態は決して甘くありません。
そしてそれを考慮して、5%以上の準主力以上に
比率を上げられていない側面もあります。
このシクリカル要素の影響は株主総会でも言及があったわけで、
短期的には影響を受ける、
長期的にはフォローだという判断はまだ変わりません。
総合評価は足元の不安が一気に台頭してきたという意味では、
「2」(ややネガティブ)となります。
株価的には残念ながら、相当な失望を買うものと思います。
2.定量数値の確認
(1)売上・利益の状況

売上は2,886百万円から2,735百万円となっており5%減収です。
減収額は1.5億です。通期予算が126億、上期予算が61億ですね。
まぁたかが1.5億、されど1.5億って感じです。
原価率は前期の41.1%に対して42.0%と微増です。
だいたいここ数年は39%から43%の間で推移しており、
今1Qもその範疇での推移です。
(2)販管費の状況

短信の中でも販管費増とありますが、
額にすると前期比で43百万円となります。
一昨年と昨年では+1億ですから、増額の幅そのものは抑制されています。
販管費率は38.8%とここ数年では15・3期の42.4%、
16.3期の40.0%辺りが高かったですが、
そこまではいってない感じですね。
なんにしても売上の抑制があったことが原因だと思います。
なお、有報によると、販管費の使途は半数程度が人件費のようですから、
特別な支出をしたというより、処遇や採用に係る人件費の上昇なのだと思います。
(3)営業利益の状況

販管費の増というより、粗利の伸長が悪い、
すなわちトップラインの伸長が抑制された結果の大幅減益です。
(4)進捗状況の確認
上期予想に対しての進捗率は売上44.9%、営業利益22.0%です。
売上の進捗率は、3年平均で50.7%、5年平均で50.0%
営業利益率の進捗率は、3年平均で48.7%、5年平均で39.1%です。
過去最低では営業利益率10.6%というのが15.3期でしたね。
従って上期進捗からみるとだいぶ出遅れている感じがします。
通期でみると今期は売上で21.7%、営業利益で8.6%の進捗で、
5年平均ではそれぞれ、23.6%、14.4%です。
こちらの観点でも出遅れていますね。
ちなみに5年平均で単純に割り戻すと、売上116億、営業利益6.1億です。
利益は4割ほど予算未達ということになり、
単純に考えるとEPS120程度。
株価を2000円とするとPER16倍位ですね。
大幅減益となったとして、決して割安感が出ないので、
株価も下がるということなのだろうと思います。
(5)配当の確認
特に変更はなしですね。
(6)セグメントの確認
後述するIR照会の結果も一部踏まえて整理しています。
■特許
受注は好調。
特許事務所、企業内知的財産部署からの双方から引き合い堅調。
売上計上も問題なく2桁増収。
■医薬
製薬会社から引き続き大型案件の受注あり。
前期のスポット大型案件の検収分の差額剥落により減収。
元々、相応に長い線表の案件があったのだが、
それが前4Qと今2Q以降に計上される計画となっており、
元々1Qの計上が弱くなる傾向は織り込んでいた。
医薬は新薬のタイミングやその規模やスケジュールによって
検収のタイミングなどもずれてくる傾向があって、
今回はIR担当としても大変見え方に苦心した模様。
(つまり間が悪いということで、そのようにおっしゃっていました)
■工業・ローカライゼーション
エネルギー業界は堅調も自動車業界が受注・売上共に低調。
自動車各社の決算を見ていても業績が停滞している部分もあり、
各社十分な予算取りが取れにくくなっている要素があるのは事実。
(つまりシクリカル面の影響を早速受けているということですね)
一方で自動車各社はグローバル化の流れは止められず、
一定の業務は今後も発生するし、
一時期の停滞感からは足元は脱して営業部門内からは
復調の傾向になってきているようだ。
(ここの復調はまだ眉唾ものですけどね)
■派遣
求人の需要は堅調。但しGWの影響もあり稼働日が減り、
減収要素となった。
■通訳事業
堅調に推移。
■コンペンション事業
堅調に推移
■その他
子会社売却の影響もあり減収
こう見ると、医薬はちょっとタイミングが悪く不幸だった、というように
受け止められなくもありません。
もちろん楽観も出来ませんし、通期の視点でみないと
なかなかトレンドが見えてこないのかなと思いました。
感度が高い方にとってはもうわかるよ、ってことかもしれませんけどね。
自動車については、正直よくわかりません。
もっと悪くなるのかもしれません。
とはいえ、ビハインドであることは認められていましたし、
上期で挽回できるかという点でいうと厳しい印象を受けましたし、
通期も危ぶまれる状況だと思います。
ただ、今期の可否で元々の投資判断を下しているわけではないので、
その先を見据えていきたいなとは思います。
ただ、本格的なシュリンクに繋がるのかは、
2Q以降の動向をよく注視して、
状況次第では対応を慎重に考えたいと思います。
(ポートフォリオ全体の状況次第ですかね。)
3.定性情報の確認
今回は特に新規の施策等の言及はありません。
4.その他情報の確認
(1)株価推移の状況

(2)IR照会の状況
IR照会をしています。
あくまで私の激しい思い込みによる主観に基づき記載されており、
曲解している箇所も含め正確ではない可能性が含まれています。
その点、ご容赦くださいませ。
また、配慮をして書いていますが、
もし会社側を含めどなたかにご迷惑をおかけするようであれば、
即刻記載を削除いたします。
Q
自動車向けが停滞しているとされているが、
その背景はどのようなものか。
シクリカル面の影響を受けている、あるいは競合の関係も含めてどうか。
A
どこかに仕事が奪われているというより、
自動車各社の決算からも業績にブレーキがかかっており、
各社内での予算取りについてはより厳しさが増している事による影響と捉えている。
一方で、自動車業界全般において翻訳需要は必ず求められるものでもあり、
1Qで落ち込んだままで終わるとは考えておらず、リカバリをしていきたい。
Q
リカバリということだが、外部環境がなかなか好転していない中で、
足元の営業活動はどのような状況なのか。
既に底入れしているということなのか、まだ不透明なのか、
あるいはまだまだ底を掘っているという状況なのか。
A
足元の状況として営業現場から聞こえてきている状況は
底入れして復調してきているという状況である。
Q
医薬向けの減収は大型案件もあれど、スポット案件で減収も大きいが、
どのような状況なのか。
A
医薬向けは前期に大きな案件が計上されてきている反動という面もあるが、
元々、足元で検収までにやや長い線表の案件を抱えており、
たまたま前4Qと今2Q以降に計上される案件が内在しており、
今1Qに計上出来なかった要素がある。
IR担当としては悩ましく、間が悪いなというのが率直なところ。
Q
ということは医薬向けのビジネスの状況そのものに
何か変調があるというわけではないのか。
例えば競合に仕事を取られているとか、
医薬全般に需要停滞がみられるということはないのか。
A
特にビジネスの概況は変わったとは思っていない。
但し、新薬の申請などはタイミングや量によっても
案件となる量や線表の長さがまちまちであり、
今1Qに関してはどうしても間が悪く見栄えが悪くなっている。
しかしながら、足元でも大型の案件を受注出来ているため、
表面の数値ほど悪い状況ではない。
※金融・法務分野の管理系部署の低迷についてはここでは割愛します。
Q
上期や通期に対する認識は
A
リカバリが必要な状況である。
元々、予算策定のタイミングでやや自動車向けが弱いことは感じていた。
そんな中で予算策定を行っており、そこから回復基調にあることや、
医薬や特許の受注堅調な状況なども踏まえて修正はしていない。
ただ、出遅れている事は事実なので、頑張っていく。
(主観的には上期は無理、通期でもリカバリは無理かなという印象)
5.さいごに
自動車向けをはじめとして、シクリカル要素の影響を受けていますが、
今後どのように推移するかは注視が必要です。
回復が超長期になると思われるくらいに毀損してしまうようだとどこかで一旦株を売るという
選択もでてくるかもしれませんが、その判断には敢えてもう少し時間を置いてみてみないと
ならないかなと思います。
(その時には既に手遅れかもしれませんけどねw)
投資前提のシナリオを照らして慎重に判断をしていきたいと思います。
なお、同社は原価構造も登録翻訳者さんへの支払いが大変であり、
直営労務費はそこまで高くなく、また材料費等も少なく、
損益コントロールは比較的しやすい構造になっていると理解しています。
実際にIRの方とお話をする中でもそのように感じているわけです。
ですから、仮に予算未達となってもそこまで醜いことにはならない
つまり通期で赤字、なんてことにはならないのかなと思っています。
財務も厚いですしね。
もちろん、同社へはどうやらSNSでも期待が高かったようで、
失望売りは容赦ない気がします。
てか、そもそもなんでそんなに期待が高かったんですかね。
この領域では皆さんロゼッタだと思っていましたよ(笑)。
株価は半値の1250円でPF全体への影響は2%程度ですから、
軽微なわけですが、仮に1250円になったとすると
EPS120円とするとほぼPER10倍ですから、
シクリカル面の影響を受けたとするだけなら、
MT翻訳などの本格化での収益貢献期待が残っているなら、
面白いのかもしれませんね。
翻訳センターの株主総会に行きました。
※聞き間違いや主観に基づく誤認を含む可能性が多分にあり、
個人的見解も介入しておりますので、ご参考程度としてお読み下さいませ。
※記載内容には配慮をしているつもりですが、当記事が会社からの指摘も含めて何かしらの不都合が生じた際には、
即座に公開を取りやめます。

■参考
・昨年の株主総会レポート → 今年が初参加となりますので過去記事はありません。
なお、ネットを探したのですが、同社の総会の記事は一切見当たりませんでした。
■当日の流れ
10:00 開会
10:02 議決権数・株主数報告
10:03 監査報告
10:08 事業報告(社長読み上げ)
10:19 対処すべき課題の説明(社長読み上げ)
10:23 付議事項上程
10:38 質疑応答
10:57 質疑終了→決議
11:04 閉会
※手元の時計による概算ですので多少ズレはあるかもしれません。
全体的に話の口調がゆっくりで大変聞きやすかったです。
実はこれには開会前にちょっとした事情があってのことなのですが、
いずれにせよ、途中の招集通知の読み上げの時には、少し退屈をしました。
また決議事項が9号議案まであったことで、
付議事項の上程にも時間を要しました。
その割には質疑が少なく、あっさりと終了ということになりました。
参加株主数も20人程度だったようです。
(ツイッターでは10人程度と記載していましたが、最終的にその程度の人数だったようです。)
■議決権行使の状況
議決権行使株主数 : 672人/2,254人(29.8%)
議決権個数 : 22,913個/33,168個(69.1%)
株主数は昨年から312人の減少です。
株式投資は人気投票だともいわれるので、
株主数が減っているということは
あまり期待されていないということなのでしょうかね。
事業は堅調に推移していると思いますが、
わかりにくさなどがありますから仕方ありませんね。
しかも今回は定款の変更もあり、2/3の賛成が必要だったわけですが、
そもそも議決権行使の比率が2/3ぎりぎりという状況だったのですね。
個人株主が4割強を占めているようなので、
もう少し株主側も議決権行使をきちんとしないとだめですし、
会社側もより会社の魅力を伝える事を考えて歩み寄らないといけないのかもしれませんね。
もっとも、IRも一定程度しっかりしていますので、
わかりにくい事業などのIRのやり方が課題なんですかね。
■全体所感
今回、比較的若い所で世代交代して社長となった二宮さんが
どんな方なのかを感じてみたくて総会に出席することにしました。
二宮さんのお人柄は以下の母校のインタビュー記事(こちらのサイト)があって、
興味深く拝読していました。
いい意味で、普通の人だなと思っていて(失礼)、
打算的な面を持ち合わせているのも力が抜けていてよいなと思いつつ、
でも決算説明動画などから、業界への造詣や戦略についても明るい印象もあり、
そのしっかりした部分と人間らしさの介在を垣間見て、
どんな方なのだろうと関心がありました。
学生時代や入社した時も翻訳会社に就職しておいて、
英語あまり話せなかったらしいですからね。。。
総会ということでしっかりしないとならないという思いからか、
終始そつなくこなされていて、しっかりした対応を取られていて、
運営方法は社長さすがっ!だったのですが、
あれだけ少人数の総会でもありますし、業績も堅調なわけですから、
もう少しざっくばらんに力が抜けていてもよいかなと思いました。
株主総会という性質上、しまりがないとだめなのかもしれませんけどね。。。
ただ、その真面目さや誠実さはよく伝わってきました。
答弁の中でも敢えて一部に遅れが見られるという点も、
敢えて事後にコメントを足されていたりするあたりで、
しっかりと誠実さをもって伝えなければならないという思いを感じました。
別に概ね計画通りです、って終わっても全然よかったんですよね。
でもつい口に出てしまったということであっても、
そういうことを隠してうやむやにはしないということは
案外ふとした時に姿勢が滲むものだと思います。
また、MTの取り組み、とりわけ、みらい翻訳を基点とした
データ蓄積、ナレッジ構築部分については当社が強みを生かせる部分であり、
この部分は自らの言葉でロジカルに説明されていたので、
きっと、しっかりご自身で経営判断をされているのだろうということも伝わりました。
MAの姿勢も無理なくやる点もリスク先行ではありませんし、
全体的に地に足をつけた経営をされている印象を受けました。
敢えてロゼッタとか外資(Google)を引き合いに出して競合関係も聞きましたが、
これも深く言及はしませんでしたが、
要するに自社としてはみらい翻訳を基点としてなすべきことを粛々と進めることに
集中されていて、そこまで競合環境に脅威がある雰囲気は感じませんでした。
AI活用のフレームワークだったり、機能という面では、
他社も強みがあるわけですが、
当社はコーパスを作成し、エンジンを高めていくこと、
つまり翻訳そのものの品質にこそ強みをもっているわけで、
かつこれは専門翻訳ということで、そのデータ量が大きな障壁になることも学びました。
もちろん、安易に楽観できるようなものではありませんが、
しっかりと一顧客だけでなく、業界というものを意識して取り組まれていることもあり、
みらい翻訳を基点として展開は今後も期待が持てるかなと思いました。
社員の皆さんもしっかりしていて、普通に満足いく対応をされていたと思います。
全体的にとてもしっかりした会社だという受け止め方をしました。
退出後、会場ホテルのロビーで東会長、二宮社長以下役員の方が
自社へ戻られるところに出くわして、
改めてご挨拶させて頂きましたが、
普通に仲良くみんなでワイワイしながら帰られていました。
これだけでは判断できませんが、
役員の中も風通しはいいのかなと感じました。
一方で、答弁はすべて社長が行ったことから、ほかの役員の方にも
質問を振ればよかったと反省したのですが、
それぞれの方の状況がわからず少し残念でした。
事業としては、足元も順調ですし、
今後どこまで利益率が向上するかわかりませんし、
中計達成は実際のところ利益率10%まで本当に手が届くかはわかりませんが、
戦略やその狙い、取り組み内容はよく理解が出来ました。
機械翻訳は高度化、つまりは再学習の繰り返しが必要ですが、
専門翻訳になればなるほど、データ量は乏しいため、
ある程度時間を要します。答弁の中で業界標準を作っていくために、
当社も努力をしている一面が垣間見れたことは貴重な材料でした。
こういう業界を巻き込んでナレッジ蓄積をして、
それを効率化させていけるスキームがあることは魅力です。
一方で今後よりスケールしていくための営業戦略については、
今回は質疑の優先を下げて聞きませんでした。
領域によって顧客内シェアを高めていく部分と
顧客数を伸ばしていくところと色分けをしている部分は、
なんとなく各領域の特色や現状を見れば理解はできるのですが、
より多く認知してもらい、使ってもらうためのスキームについては、
改めて機会を見て質問をしてみたいと思いました。
配当面も利益が停滞した時にも
配当性向を高めてでも増配基調を維持し、
減配を回避している点にも説明の中で言及されていたため、
今回は配当性向やDOEによるコミットメントを高めてというコメントは
飲み込んでおきました(笑)。
そんなコメントをしなくても重々承知してそうでしたので。
外部環境の変化によって、短期的には業績が停滞することだって
当然ありえそうですし、シクリカル要素を持ち合わせているわけですから、
そういう点を頭の片隅におきながら、技術進歩や顧客の囲い込みをしつつ、
生産性向上をしていくプロセスへ期待を寄せていきたいと思います。
■質疑応答の様子
※繰り返しになりますが、聞き間違いや主観に基づく誤認などが介在している可能性が高いため、
あくまで個人的なメモとして参考にして頂ければと思います。
Q 中計の利益率向上シナリオの取り組み状況について
中計の利益率向上シナリオとして最終年度で10%ということで期待をしている。
この実現のためには、大きく戦略的MTの推進と社内業務のRPA等を活用することにより、
生産性向上を図ることであると認識をしている。
現状でこの2つの取り組みについて、どのような進捗となっていて、
どのような課題が生じているか教えて頂きたい。
中計達成のためにどのような点がポイントになるのかを踏まえてご回答頂きたい。
MT推進は、外資(Google)や国内でもロゼッタなど競合環境はめまぐるしく変化しているが、
当社はその中でどのように取り組まれるのか。
また今期には社内コーディネータを主体とする
自動化システム導入による効率化を狙っていると思うが、その開発の状況等も合わせて教えて欲しい。
A
指摘の通り、年々利益率を高めていく計画としており、
最終年度では10%の利益率目標を掲げている。
利益率向上の牽引する要素のひとつとしてはMTの推進を通して、
翻訳者の生産性を向上させ粗利率を高めていくということである。
こちらの取り組みについては、当然中計の各年度で想定しうる
粗利率改善要素を織り込んで策定を行っている。
足元の進捗としてはその効果はほぼオンスケジュールで進行できていて、
実際は若干ながら計画より早いペースで粗利率改善が進んでいる状況である。
もうひとつの利益率を高める活動としては、
ビジネスマネジメントシステムの高度化によるプロセス管理の改善の開発を行っている。
こちらのシステムは主に社内コーディネータ業務を効率化することを狙っている。
現状では開発途中であり、ほぼスケジュール通りに進んでいるが、
個々には開発という性質上、若干の遅れがある部分もあるものの、
計画の範囲内で進められている。
Q MT(機会翻訳)活用による翻訳循環システムの構築スキームについて
MT活用の循環システムを構築するにあたり、
個社エンジンをより機能させるためにどのようなアプローチで作成をされるものなのか。
あくまで個社毎にコーパスを作りゼロから組み立てていくものなのか、
あるいは業界標準のようなエンジンを共用しながら、
その上に個社の+αを乗せていくような運用になるのか。
展開するスピード感だったり、エンジンの精度向上の観点から
どのようなアプローチをされているのか教えて欲しい。
A
まず我々はみらい翻訳を拡販して契約頂く事を基本とした進め方をしている。
みらい翻訳は既に膨大な汎用データを取り込んだ基礎エンジンをもっているため、
個社別のエンジンはこの汎用的なエンジンの上に載せていく形で実装していくことになる。
この実装時には追加学習、再学習を繰り返し行う必要があり、
これを当社が支援しながら進めることで個社エンジンがより機能する形へと進化する。
また、より自社ビジネスに親和性のあるエンジンを作り上げていくためには、
同業のデータ(コーパスして学習させる総量)をより多く取り込む必要が出てくる。
そのため、1社でエンジンを作っていくより、同業の方にお声がけして集まって頂き、
みんなでその業界に適合した業界エンジンを作っていくことは大変意義のあることであると
認識して活動を行っている。
Q M&Aへの今後の取り組み方針について
翻訳業界は年商1億程度の小さな会社がひしめき合っている状況のため、
今後もM&Aの機会も多く存在し、成長の一つの要素として期待している。
一方で、M&Aにはリスクがつきものであるとも認識しており
リスクを考慮しつつどのようなポリシーでM&Aに取り組まれるのが
考えを聞かせて頂きたい。
A
当社はこれまでもISSやメディア総合研究所などのM&Aに取り組んできた。
これらのM&Aの考え方としては、同じ翻訳業界の中で、
特徴や強みを持った会社であることを前提として、
それらの特徴や強みが当社事業とどのようなシナジーを産むかという視点で
意思決定をしてきている。
今後も何でもかんでも買うということではなく、
当社にとってシナジーを発揮すること、
またそれに加えて、当社グループに参画してもらうことで、
経営の効率性が担保出来るような会社を見つけていきたいと考えている。
Q 翻訳家の登録者数の状況について
決算説明資料をみると翻訳家さんの登録者数は大きく減っている。
これはアクティブな方のみを集計するようにカウント方法を変更したためと
考えているが、いずれにせよ、昨今の人手不足や人件費の高騰といった中にあって、
MT化の推進による効率化はあれど、登録者数の推移によって、
事業の機会損失になるような事態は生じていないのか。
A
翻訳者数の減少については、表面的にそのようにみえるかと思うが、
敢えてそのようにしている。というのも指摘の通り、
実際にお仕事をして頂いている方だけを集計するように変えていて、
お名前だけ登録があって実際のお仕事をお願いできていない人に関しては、
控除をするようにした。
お名前だけが登録されているといった状態を放置すると、
管理コストも若干とはいえ嵩むこともある。
従って戦力になって頂けている実働のあるかたのみを集計しており、
実際のアクティブな数はきちんと増加してきている。
毎年新規で登録いただける方が200人程度はおり、
その中でアクティブな翻訳家さんが毎年少しずつ積み上がっている状況である。
従って、人材不足などによって、当社事業の機会損失になっているような事態は
発生していないと捉えて頂きたい。
Q シクリカル面を踏まえたマクロ環境の変化への対応について
当社はリーマンショックの頃は赤字にはならずとも
一時期業績が停滞した時期があったものと理解している。
現状では景況感もよい中で業績も堅調に推移してきているものの、
足元では世界的な景況感の変化や地政学的リスクの高まりから、
やや転換点を迎えつつあるという見方もある。
このようなリスクが台頭することによりグローバルな活動が停滞した際に、
当社事業にどのような影響があり、
長期的に見た時にどのような対処をとられていくのか教えて欲しい。
A
長期的な展望という前提で回答する。
(短期的には相応にシクリカルリスクによる数値影響はあるということですね)
指摘の通り、世界的な景況感の変化は当社経営としても注視している部分である。
ただ、一方で当社事業はほぼ国内法人を顧客として事業活動をしており、
日本国内の人口減少等のマクロ状況を鑑みると、
マクロなトレンドとしては日本企業が海外へ進出していくシナリオが逆回転することは
考えづらいと考えている。もちろん、世界経済の変化によって、
外資企業が日本への進出や投資抑制ということで、
日本へのインバウンドは減ること想定しうることではあるが、
一方で、日本からのアウトバウンドは長期的なマクロな視点でみると、
今後も増えていくと考えている。
従って、そこに当社の翻訳事業は十分に寄り添える余地があると考えている。
Q ICTのセキュリティ対策について
対処すべき課題の中でICT活用を挙げられているが、
サイバーセキュリティなどの危機管理体制についてどのように取り組まれているか。
A
当然のことながら当社においても様々なセキュリティ対策のソフトを導入したり、
サーバーの補強等の対策を十分にとっている。
→この質問をするなら、以下のような聞き方の方がもう少し具体的に回答してもらえたのかなと思います。
上記の回答だけではちょっと寂しいですからね。。。
「特許や医薬といった機密事項に富んだ情報を扱う事が多い当社事業において、
情報漏洩のリスクは信頼失墜に繋がり大きな経営上のリスクだと捉えているが、
当該リスクへの認識と、セキュリティソフト導入やサーバー監視という当たり前の対応に留まらない
特別な意識付けとしての社員教育等の対応についてどのような具体的アクションをとっているか」
Q メディア総合研究所のIT事業の売却について
メディア総合研究所を買収する一方でIT事業を売却しているというのは、
どういう背景、意図によるものか。
A
メディア総合研究所の事業は大きく2つに分かれている。
ひとつはメインであったシステムエンジニアの派遣事業であり、
こちらに関しては売却を行った。
一方で、規模は小さいがAIデータの加工、
とりわけ音声認識に基づくデータ生成に強みある。
この部分は当社MTの推進という一貫でより技術対応を可能とするため、
本格的な対応を行っていくため、本体に移管して対応する事とした旨、
先月にリリースをさせて頂いたところである。
Q 国内の地域毎の収益数値について
拠点別(東京、名古屋、大阪)の売上を教えて欲しい。
A
地域別の収支状況については公表をしていないため、
回答を差し控える。
→この質問もせっかく聞くのであれば以下のような聞き方であれば、
もう少し回答を引き出せたかもしれませんね。
公表していない定量データをピンポイントで聴いても、
それは差し控えるとなっちゃいますよね。
この文言だけでは意図も伝わらないので忖度して回答も出来ないですし、
さすがにそこまで義理を果たさないということでしょうかね。
「当社事業は大手企業も多いことから、大都市圏でそれぞれ事業展開を行っていると認識している。
今後各領域を伸ばして成長していく事を期待する中で、
地域別にどのような伸長余地があるのかを知りたいのだが、
地域毎に売上の強弱や収益性の濃淡はあるのか。
満遍なく営業活動や単価を含めた採算性を確保していくのか、
地域毎に攻め手やスケール余地に差異があるのか。」
コメント
・社外取締役に士業の先生を固めているのは事業特性からよいこととは思うが、
事業会社の経営者など多角的な経営のために今後参画させることを検討してみてはどうか。
・せっかくの総会の機会なので総会後に事業説明会のようなものを企画してみたらどうか。
u>■最後に
総会後に近くに本社があると社員の方から聞きつけたのでとりあえず本社ビルを拝んできました。
ビルはとても立派なビルでしたが、入居はそのうち1フロアです。
まぁそりゃそうですよね。
たまたまそのビルを仰いでいる時に、
総会の片づけを終えて戻ってきた社員さんらに出くわしてしまいました。
彼らはニコニコ挨拶をしてくれましたが、きっと不審者と思われたに違いないと
悪いことをしているわけではないのにキョドってしまいました(笑)。
そのままコテコテの大阪の商店街を歩いてみたくて、
心斎橋の商店街を歩いていました。
ふと、とある交差点に差し掛かり、
横に伸びる古びたアーケードをみて、あれ、どこかで見たなと思ったら、
ソーシャルワイヤーが大阪に事務局を出すというリリースを見た時に、
ストリートビューで見た光景でした。
住所をみるとやはりすぐ近くだったので、
とりあえず立ち寄りました(笑)。
ビルがどんな感じかなと思ってビルの前に差し掛かると、
自動ドアが空いてしまい、
すぐ目の前にビル共同の受付があって、
お姉さんが立ち上がって礼をしてくれたのですが、すかさず立ち去りました。
やっぱり不審者ですね(笑)。
大阪府内はどこもG20の警戒態勢が敷かれていて、
観光どころではないですし、そもそも1人で行きたい所もないので、
早々に京都に移動して、先日京都を訪れた際にもらえなかった
御朱印を授かりにいきました。
ちなみに今回は上賀茂神社です。
前回は下鴨神社でしたので、これで世界遺産のペア?が揃いました。
最後に、興味がある方もおられるかもしれないので載せておきますが、
総会のお土産を頂きました。
五感というお菓子屋さんのお米の最中らしいです。
こちらの10枚入りなので1000円相当のもののようですね。
