投資方針に忠実に退屈な投資で資産形成

【決算精査】 1835_東鉄工業(19年3月期_2Q決算)


■銘柄分析シート(表紙)
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■銘柄分析シート(詳細)
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1.サマリ
総合評価:「2」 (☆☆☆★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング


売上は1Qの減収をカバーして、計画通りに着地させていますが、
利益が大幅な減益となり、計画に対して未達となりました。

1Qで実に6割超の減益だったところから、
多少2Qでリカバリをしてきてはいますが、
大幅な減益で未達ということで、開示資料を見たときは、
失笑しましたが、株価は案外冷静な受け止めをしたようです。

IR照会に基づき、一過性要因や継続的なコスト増の要素など、
様々な面がありますが、とりわけJR東向けの豊富な繰越高を維持し、
完成基準の売上計上も進んでおり、大きなビジネストレンドは変調がありません。

一方で、建設業の工事はどうしても案件固有のリスクや、
個々の採算性の凹凸が激しく、ソフトウェア会社同様に比較的に利益も
凹凸が出てしまいます。
安定性を重視しているのにこれでいいのかといわれると恥ずかしい限りなのですが、
長い目で年次で並べてみるとそんなに安定性も捨てたもんじゃない、
なんて思ったりするわけです。

今回の決算という面でみれば、大幅な利益未達、また通期予想に対する未達懸念が、
より前面に台頭することになりますので、ネガティブなものです。
一方で四半期単位の凹凸や大きなトレンドで見たときに、
何かが毀損しているとも思えません。

個人的には株価の水準を鑑みた期待感からみても、
特段ニュートラルな受け止めをしましたが、
とはいえ、数値面が悪いことは事実ですから、
そこに目を背けるわけにもいきません。
従って総合評価は「2」(ややネガティブ)です。




2.定量数値の確認


(1)売上・利益の状況


■売上高-粗利推移
1835_東鉄工業(19年3月期_2Q単計)売上-粗利推移


1Qで減収減益となっていましたが2Q単では増収増益に転じていますが、
そのリカバリは1Qの大幅な減益をカバーするには至らなかったといった感じです。
粗利率も15.7%と前期に採算性の高い案件があったという割には、
前期の15.5%を若干ですが上回る利益率を確保してきています。




■販管費推移
1835_東鉄工業(19年3月期_2Q単計)販管費推移

1Qの時にIR照会をしませんでしたが、
今回は照会をかけています。
販管費は1Qで販管費率が高く8.4%でしたが、
2Qでは売上も伸びたこともあり6.0%まで低下しており、
ほぼ前期並みというカタチになっています。



■営業利益推移
1835_東鉄工業(19年3月期_2Q単計)営業利益推移

こちらも2Qでは増益となっていますが、1Qの減益をカバー出来ず、
多少リカバリしていますが、大幅な減益となっています。
営業利益率は累計では2%ほど悪化していますが、
2Q単でみると前期横ばいまで回復しています。



(2)今期予想について

通期予想達成のために必要となる下期ハードルは以下です。

売上    : 84,184百万円
営業利益 :  9,743百万円(利益率11.6%)


前期の下期実績は以下の通りです。

売上    : 81,420百万円
営業利益 :  8,762百万円(利益率10.8%)

求められる伸長率は、3.4%の増収、11.2%の増益となります。

売上は繰越高などを考慮するとまぁ十分射程というか問題なさげですが、
営業利益はかなりきついですかね。
販管費などでベースが上がっている部分もありますし、
様々な施策でコストも投下している事を考えると余計に心配になります。

この業界の場合、プロジェクトによっても採算性は結構ブレが大きくなりがちで、
また進捗具合などで計上される進行基準案件の場合、
ある程度恣意性が介入しがちなので、
この皮算用もどうなるかよくわかりませんね。
今期の着地よりもっと先を見ているわけなのですが、
私だけがそんな呑気な事を言っているような感じですね(笑)。


3.定性情報の確認


決算説明資料も踏まえてまた定性的な取り組みも考察してみたいと思います。


4.その他情報の確認


(1)株価推移の状況

1835_東鉄工業(19年3月期_2Q)株価推移


私が買うと下がる、ってまぁ誰にでもあるあるですかね(笑)。
今日の未達をみて、株価が下がらなかったのは、
いわゆる織り込み済みってやつなんですかね。
PERは10倍を切ってきそうですが、未達懸念が台頭するなどすると、
そんなに割安ではないのかもしれませんね。



(2)IR照会の状況

IR担当へ電話しました。
終始丁寧な電話対応でいつも感謝です。

なお、あくまで記載内容は、私の主観に基づいて記載していますので、
事実と異なる点などがある可能性があります。ご容赦下さい。



1Qの状況からみると2Qでは収益性も改善はしているものの、
上期計画に対して大きく利益が未達となっている。
前期比で採算性の良い案件があったことの反動で減益と
なっているものと理解しているが、
計画比でマイナスになっている要因はどこにあるか。


建築部門の一部の工事において、戦略受注した案件において、
チャレンジングな取り組みを行ってきたものの、
当該工事の採算性が悪化したものがあり、引当金の処理をしている。
このことで計画対比でビハインドとなっている要素がある。



JR東を中心とした既存の事業において、進捗遅れや採算性の悪化、
とりわけ労働コストの増加により利益が想定より削られているということはないか。


個別に見ると凹凸はあるものの計画対比で採算性を削られるような事象はない。
前期比で見ると、耐震工事など横展開できる工事により採算性が高く、
あるいは民間工事でも高利益率の案件があったところからみると、
今年は通常の範囲での収益確保となっていることもあり、
減益が目立つ見た目の悪い決算になっていて申し訳ない。



確かに足元の粗利率は改善傾向にあり通常の比率に向上している。
一方で、販管費率が2Qでも1%以上の増加となっているが、
これはどういった要素があるか。


一過性のものとしては、本社フロアの大幅なリニューアルを行うなど、
労働環境の改善を図ったコストを計上している。
また計画内ではあるが、ベースアップや諸手当などの改善の面で、
人件費の上昇も要因としてあり、こちらは継続性のある内容である。
概ね、1億円程度がベースアップされている。



先ほどの工事の引当金を要した戦略受注の案件の状況は、
まだ止血が終わっていないのか、あるいは対策中、
もしくは既に完了しているのか。


当該プロジェクトは既に完了しており、
これ以上の引当金等の一過性のコストアップとなる要素はない。



これだけの未達となると、繰越高が高水準とはいえ、
通期予想の達成が困難にも思えるが、どのように下期をリカバリするのか。


JR東からの引き合いや予算達成に向けた案件化の追い込みなどで、
まずは数値を作っているところを意識している。この他にも民間からの引き合いも
好調なため、採算性を考慮しながらチャレンジしていきたい。
(ここは明言は当然出来ないわけですが、個人的にはだいぶ苦しそうでした(笑))



土木事業において足元の受注が減少に転じているが、
これはトレンドが変わっているという面がないか。
例えば、建設需要の動向はオリパラを見据えて不安定なものだと受け止めているが、
引き合いに変化がみられるとか、今後案件獲得に課題があるような面はないのか。


特段トレンドに変化はなく、JR東や民間からの引き合いは引き続き好調である。
しいて言えば、官公庁の案件がやや弱かったが、
一因として、9月に確定するはずの案件が10月に月跨ぎになり、
50億相当の受注が2Qに計上できないという特殊要因もあった。



決算説明資料はいつ頃開示されるか。


11月27日に公開することを予定している。




5.さいごに


本当に色々なことがありますよね。
ちょっとプロジェクトがうまくいかないと利益を削ることもあれば、
高採算で棚ぼた案件が入ってきたりと。
そんな凹凸を繰り返しながらゆっくりと社会的使命を
果たしていってくれればいいのですが、
私のような少額投資家が限られた資金で、
成長基軸を見据えて投資をするのに、
この銘柄かとずっと自問しています。

ですが、合理的な面だけで判断出来ない自分の弱さがあります。
投資方針に照らして違和感がなければいいのです。
ですが、それに固執ばかりせず、ニュートラルに見て
今後も判断していきたいと思います。(一般論ですけどね)

【決算精査】 1835_東鉄工業(19年3月期_1Q決算)


■銘柄分析シート(表紙)
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■銘柄分析シート(詳細)
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1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング


場中に減収、大幅減益という決算を開示し、株価も悲観的に受け止めたようです。
まぁ6割減益とかみると、もう反射的に投げますよね。

減収となっていることもあり、
よく成長企業でトップラインさえ伸びてれば許容という空気もなく、
短信表紙からは悲壮感が溢れています。
そもそも同社は成長株ではないので、トップラインさえ・・・
というロジックすら適用出来ませんけどね。


ゼネコンや一部の大規模Sierなどでみられるのですが、
進行基準による会計があって、完成工事高があがらないと
収支が計上できないわけすが、
これは進捗度や案件特性によって四半期単位で見ると凹凸が出ます。
また通期でみても期ズレの影響(良し悪しそれぞれですが)も受けるので、
評価が難しい部分もあります。

私が一番懸念したのは、
この収支の落ち込みが単なるタイミングや案件特性の問題であるのか、
それが計画差異としてどの程度変化が生じているのかという面です。
こういった時に、進行基準上で収支が計上が出来なかったとなると、
その裏側に進捗遅れが生じているとか、スコープが収束してしまい
総量が減っているなどのネガティブな要因も念頭に浮かぶわけですが、
その有無です。

結果的に、IRに照会した限りにおいては、
そのような事実はないように感じましたので、特段の問題はないと思います。

ただ、とはいえ、定量面ではそれなりの減益幅ということもありますので、
そんなに楽観的には捉えられない気もしています。
今期だけをみると下方修正のリスクだって付きまとうわけですが、
これまた私の時間軸からしたらビジネスモデルそのものが崩れていなければ、
そんなに大した問題ではありません。

繰越高が仕掛中案件の持越しのようなイメージですが、
こちらは前期比で+10%の水準で、
更にその前段の受注については、前期比で+18%となっています。
特にJR向けの安定した部分は横ばいでありながら、
中計に沿った民間の鉄道以外が2倍の水準で繰越高が計上され、
受注に至っては3倍弱まで急増しています。
同社にとって鉄道以外の民間は完全にチャレンジャーな位置づけですが、
採算も十分考慮しての対応への意識が高いため、
この部分はポジティブに評価しています。
もちろん、同社を成長株という側面で見れば、
この程度では足りないとなりますが、
PER10倍水準まで売り込まれている中にあっては、
まぁまぁいいんじゃないでしょうかね。

こちらも下方修正がくれば、PER水準も変わるので、
あまりアテにならない面もありますけどね。

足元ではタイミングの兼ね合いもあり弱い動きですし、
今期きちんとリカバリしきるのかは
不確実性もありますが、
その先の中計に沿った動きとしては受注の状況も好調ですから、
そんなに右往左往しなくていいかなと思います。

総合評価は足元だけ見ればネガティブですが、
私の時間軸の捉え方からすると、総合評価は「3」(想定通り)です。



2.定量数値の確認


(1)売上・利益の状況


■売上高-粗利推移
1835_東鉄工業(19年3月期_1Q単計)売上-粗利推移


売上も1Qはどうしても季節要因で落ち気味ですね。
工事完成基準の場合は年度末が多いですからね。
粗利率は民間での高利益率案件の剥落がありますが、
過去数期に渡る中で見ると、
この水準までとなると2013年3月期まで遡りますね。



■販管費推移
1835_東鉄工業(19年3月期_1Q単計)販管費推移

販管費の構造までIRへ聞けていませんでしたが、
研修体制の強化などの対応なども多少はあるのでしょうかね。
なにせ中計のテーマは「パワーアップ」ですからね。
ホップ、ステップときて、ジャンプではなくて、
充電するんで、コストも投下するんでしょう。
今回の期でどの程度こういった施策費が入っているかまでわかりませんが。



■純利益-EPS推移
1835_東鉄工業(19年3月期_1Q単計)純利益-EPS推移


特に営業利益以下で特別な構造の費目での動きはありません。
大幅減益ですね。



(2)今期予想について

上期予想の達成のためには、
2Q単で+2.3%の増収、+38.5%の営業増益が必要です。
この際の営業利益率は+13.1%となります。
採算性が急伸する要素はないため、
過去のトレンド通り10%程度の営業利益率とみると、
売上は382.5億必要で、この場合は+34%の増収が必要です。

と皮算用するのですが、やはりタイミングや進捗度によっても、
増減すると思うので四半期単位の評価はあまり意味がないかもしれません。

感覚的にはまぁ色々厳しいんじゃないのとも思うんですけどね。



3.定性情報の確認


特段、特記すべきことはありません。



4.その他情報の確認


(1)株価推移の状況

1835_東鉄工業(19年3月期_1Q)株価推移



決算開示後、急落しましたね。
もう少し下げてくれると嬉しいんですがね・・・。
まぁそんなことを言っているとたいてい下がらずにウジウジするんですよね。



(2)IR照会の状況

IR担当へ電話しました。
一番の懸念点である、案件特性や収支計上タイミングが
純粋な理由なのかですね。
なお、あくまで記載内容は、私の主観に基づいて記載していますので、
事実と異なる点などがある可能性があります。ご容赦下さい。



大幅減益ということで驚いたけど、どうよ?


心配かけて申し訳ない。
売上計上出来る案件がタイミングの兼ね合いで減ってしまい、
利益を削った面が主因。前期比という意味では、
前期の一部に民間工事で高採算の案件があり、
その剥落も要因のひとつである。



短信記載からもタイミングの兼ね合いであると理解しているが、
例えば、想定通りに工事進捗せずに計上できなかったというような要因はないのか。
計画に対しての観点からみても想定超に工事に稼働を要し、
労働市場全般的に労働力不足等が叫ばれる中で、そのような事もあろうかと思うがどうか。


もちろん、全くゼロではなく、細部で見れば、想定より前倒しとか遅れといった事象はある。
ただ、計画から見て逸脱するような遅れ等のネガティブな要素はないと認識している。



繰り返しになるが、労働力不足や働き方改革などで、
同社の要員リソースが不足しているというようなことはないのか。
これが工事進捗に影響を及ぼしている面はないのか。


人材の採用や育成には力を入れており、かつ働きやすさの推進のための活動もあり、
労働力に余裕がある状況ではないが、工事進捗に影響をきたすような状況ではない。
そのひとつの状況証拠として、足元の受注も確実に積み上げている。
消化ができないとか、採算性を犠牲にした受注はしない方針のため、
きちんとコントローラブルな状況と理解して頂きたい。

(このあとも様々な切り口で質問を重ねましたが、
最後は感覚的な話ですが、そんなに悲壮的な印象ではありませんでした)



JR東向けは安定的な推移である一方で、
民間は大幅に増えているが、これは狙い通りなのか、
結果こうなっているのか。


JR東は安定基盤としてあらかじめ予算措置も取られている中でのことで、
安定的であり、その水準についても想定通りである。
民間向けは新中計での狙いの通り、戦略的に進めていることもあり、
こちらも想定通り。
但し前期に一部あった高採算というものはなく、
社内の適正な利潤確保を踏まえた受注活動を行っている。


この他、様々な会話の中で感じた事は以下の通りです。


・社内は受注や繰越高の積み上がりからもむしろ期待先行の雰囲気で、
これらを着実にこなしていこうと士気も高まっている。

・修正要否の議論はしていないし、投資家に一喜一憂させるようなことは、
真意ではない。
(実際、IRの声からは順調となるけど、冷静に受け止める必要はあるかなと)

・受注の引き合いはJR東向け、民間双方から非常に強い。
その中で一定の選別のような事をやって利潤確保をしているよう。
色々案件パスしてこの受注増なのか・・・

・これだけの受注増をこなせるだけのリソースは問題なく手当て出来ている。
(まぁそう答えるよね。無理してますとは言わないからね。)

・JR東からのお仕事はきちんと利潤確保出来るように発注される。
(そりゃJR東が大株主に連ねていますからね・・・沈んでもらっては困るのでしょうし)

・開示後、株価が急落しているけど、まぁこのような見た目の決算出しちゃうと、
アルゴ取引とか機関投資家が機械的に取引をしたりするので、
どうしても突っ込んじゃいますよね~
(笑った)



5.さいごに


株価の下落はやむ得ないですね。
確かに先行きに希望が持てる要素もありますが、
足元で6割減益となると下方修正リスクも付きまといますし、
なにも同社でなくてもいいわけですし、
そもそもグロースの方からすると、なんでこんな会社を?となるでしょうし、
だからといって、バリューや配当が際立っているわけでもなく、
中途半端に映るでしょうからね。

PER10倍水準は少し買い増してもいいかなと思っています。
(ナンピン地獄のフラグですからねw)


【決算精査】 1835_東鉄工業(18年3月期_4Q決算)

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1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング


前期着地は大きな未達とはならず、
純利益、EPSについては固定資産売却による特別利益などちょっとずるもありますが、
計画超過となっています。
また、あまり意識していませんでしたが、中計最終年度として総還元性向30%を意識して、
大幅な増配と自己株買いを発表しており、
ザラ場中ということもあり、株価はこれに反応して少し騰がったようですね。

今期予想は売上や営業利益ベースでほぼ横ばいとなっています。
純利益は特別利益や税金効果による前期押上げの反動で
むしろ減益となっていますが、前期の押上げもあり、トータルでみるとまぁ想定線という印象です。


同社については、今後のJR東における安全性を中心とした投資環境に支えられ、
安定業績と還元に期待をしているわけですが、
そんな野望を満たすように新中計も開示されています。
ちょっと定量面で目標が過小にも思えますが、
中身は色々読み応えがあります。

いずれにせよ、同社に大きな成長を期待しているわけではないので、
組織力を高め、今後インフラを裏で支える会社として
ポテンシャルを高めてくれる事に期待していますから、
そういった方針が掲げられており私は長期的展望で満足出来そうです。

ただ、私のような資産上昇を展望する者が保有する銘柄としては異色かもしれません。
もう十分に資産を築いた方が還元や安定重視で保有する銘柄に思えます。
そのことを承知の上で、中位くらいで保有していこうと思っています。


定量面、定性面、特に新しい材料はなく、
見通し通りとなりますので、総合評価も「3」(想定通り)です。


2.定量数値の確認


(1)売上・利益の状況

■年次(売上-粗利率)
1835_東鉄工業(18年3月期_4Q累計)売上-粗利推移


■期次(売上-粗利率)
1835_東鉄工業(18年3月期_4Q単計)売上-粗利推移


安定的に推移していますが、
直近では粗利率がやや頭打ちになっている印象もありますね。
これは人材を含めたコスト高騰の影響もあると思います。
むしろよく持ち堪えているなと思いますよ。

四半期単位でみると、工事完了という観点からも4Qに収支計上が集中します。
4Q単としても粗利率もなんとか上昇させることができているようです。




■年次(販管費推移)
1835_東鉄工業(18年3月期_4Q累計)販管費推移


■期次(販管費推移)
1835_東鉄工業(18年3月期_4Q単計)販管費推移

販管費もきちんとコントロールされているようですね。
販管費率は5%ちょいの所で安定しています。
販管費は今後の種まきでもありますから、単に額が減ればいいという
短絡的なものでもないので、この辺りでよいのではないでしょうか。
ゼネコン事業ですが、営業利益率10%超ですからね。
十分優秀だと認識しています。



■年次(純利益-EPS)
1835_東鉄工業(18年3月期_4Q累計)純利益-EPS推移


■期次(純利益-EPS)
1835_東鉄工業(18年3月期_4Q単計)純利益-EPS推移


特別利益で約92百万円の押し上げ効果がありました。
この他税金関連もありますが、それでも十分リカバリした印象です。
前期は未達幅がやや大きくなるかなと思いましたが、
意味は薄いですが、純利益ベースは増益となりましたからね。


(2)今期予想について

3%の増収、1%の営業増益です。
純利益ベースは前期の押上げ効果の反動で逆に減益ですね。
ただ、中長期的な視点で還元も意識されて、2円の増配です。

私は2桁成長の企業を前提に、成長銘柄への投資を
志向していることもあり、
こんな万年割安株のような銘柄をなぜ?と思うかもしれませんが、
後述の通り、新中計、更にその後の活況な需要へ応えるために、
人材だけでなくハードへの投資も含めて
充電期間が続くようですから、冬眠したように還元もらいながら、
気絶しておくような感覚ですね(笑)。
ゼネコンのようにシクリカルで気絶ってバカなの?と思われるかもしれません。
私もバカなのかもしれないとよく思います。



3.定性情報の確認


人材の教育や働きやすさについて
様々な取り組みがなされていう様子がうかがえます。
もちろん外部の人間にとっては、
表面的なことしかわからないので、期待をしておくしかないのが実態ですが、
IRの電話等で見聞きしている状況からも真面目に対処をされている印象です。

この業界では特に人が大切になりますし、
そういう所へきちんと配慮をもって事業運営されている点は、
とても重視すべきことだと思います。
細かいですが福利厚生の充実や技術者としての育成の仕組みを展開したりと、
人へのフォーカスがきちんと当たった活動形跡が短信上からも読み取れ良いなと思います。


それから感覚的な話になりますが、
JR東以外の業務の請負も増えているように思います。
相鉄や小田急など関東圏私鉄各社はもちろん、九州地方などでの受注もありますね。
採算面ではやや心配になりますが、数少ない鉄道インフラを得意とする会社として
リーダーシップをもって頑張って欲しいですね。



4.その他情報の確認


(1)株価推移の状況

1835_東鉄工業(18年3月期_4Q累計)株価推移


こんな地味な銘柄でもアベノミクスで2倍程度に上昇していますね。
そしてこんな時に買うのもどうかしている気がしますが、
IR担当の方とお話をするようになってからも居心地よくなっています。
あとは天下り社長が実は熱心なのではと思っているので、
そのあたりは一度どこかでお話を伺いに行きたいなと思っています。



(2)IR照会の状況

保有して日が浅いということで、
自分の理解の促進のために些細な疑問をぶつけるために、
勉強だと思い、IR担当の方のお時間を頂きました。
2度目ですが、非常に丁寧な対応をして頂きました。
初回の照会の時のことも記憶して頂いていて嬉しかったですね。
そして、秋頃には恒例の個人投資家説明会もやるので、
ぜひ来てねと案内も頂きました。
お声掛けいただければまたなんでも質問にお答えしまうと。
なかなか惚れてしまいますね。(笑)。

以下は、個人的に主観に基づくメモなので、
会社の公式見解や事実と異なる可能性がありますので、
ご了承下さい。


Q
前中計期間並びに前期着地においても
売上は計画未達となっている。
トップラインの伸長に苦戦をしている印象だが、
どういった課題を認識しているか。

A
まず、前中計については、売上面でやや過大な計画だった点が反省。
JR東以外の民間の仕事をもう少し取れるという前提で策定していたが、
民間の業務は、入札等で場合によっては利益構造を
犠牲にしてまで競合するケースもあり、
利益重視の観点から無理な追求はしなかった。
(やはりこの業界にあってホワイトなのかもしれませんね)
特に土木関連のJR東外の公共入札は無理な価格を入れずに
結果的に負けることもあり、そのあたりでトップラインではショートした。


Q
新中計のトップラインの伸長は今期予想が1350億に対して、
3年後目標が1400億となり辛うじて増収という印象だが、
この程度に留まるとみているのはどのような背景か。

A
まず2020年のオリパラまではJR東はホームドアなど最低限の対処に留まる見込み。
喫緊で整備が必要なインフラ工事を優先させる考えであり、
必ずしも当社が得意とする領域ばかりというわけではない。
従って、当社が対象とするJR東の業務は減ることはないが、
大きな飛躍はないと踏んでいる。
ただ、オリパラが終わった後に、本格的に駅やホーム、橋梁などへの
安全性や拡張を展望した設備投資が旺盛に計画に盛り込まれており、
それまでの新中計期間は充電期間と位置付けている。
また、JR東外の工事については、実は既にゼネコンが衰退を懸念して、
今から手持ち工事を確保するために受注競争が激しくなっており、
当社はあくまで利益を重視する志向でもあり、
手持ち工事を増やすことを第一にトップラインを追求するようなことはしない。
従って、トップラインが大きく伸長するような計画にはしていない。
もちろん、コンサバに作っている部分は否定しない。


Q
一方で利益については、前中計では上方修正を伴う程、
早期に目標実現を果たしている。これはどういう背景か。
また足元でやや利益率が低下しているのは、何か収支モデルが変化しているのか。

A
前中計では駅の耐震工事などで、大量のアンカーを打つ工事が多く、
実は、何本か打つとあとは横展開出来る工事でもあり、
習熟度が上がることによる生産性向上がみられた。
ここに加えて公共工事などJR東外の大きな工事もたまたま重なり、
案件特性として利益が出やすいタイミングがたまたま重なった。
また足元の話は確かに利益率は若干下がっているが、
特に収支モデルの構造が変わっているわけではなく、
案件の特性によるもので、今後ダウンサイドトレンドになるようなものではない。
ごくわずかではあるが最高益となっている。


Q
新中計でもROE10%が掲げられている。
総還元性向を30%で還元意向もあり、僅かではあるが、
堅実な増益を続けていく計画であり、
現状のROE13-14%であることを考えると、
目標が低いように思うのだが、何かこの程度に留めなければならない
背景があるのか。

A
前中計同様、ミニマムラインとして10%をコミットしているにすぎず、
現状よりROEが下がることを意図しているものではない。
認識の通り、還元を続け、増益が続けばROEは向上するものと認識している。
但し、JR東の工事などが今後数年というスパンで見た時に
端境期があった時に万が一、一時的に低下し、
9.9%になることもありうるわけで、そういうことがないように最低ラインとして
掲げているものである。


Q
今期受注見込みが前年から減少見込みとあるが、
受注環境はあまりよくないのか。

A
予想の前提として現状の手持ち案件の積み上げから
このような数値を出している。
当然、経営として、ここをストレッチさせて案件を選別しつつ
伸ばしていけるよう、鋭意努力していく。



(3)目標株価について

2020年のオリパラまでとその後ということで大きく
JR東の設備投資の状況も変わってくるのですが、
逆にそれだけ長期で見る必要がありそうです。

評価起点の期を23.3期として5%CAGRとしてEPS予想は320円とします。
評価PERは同業種から考えると15倍位がいい所のような気もしますが、
途中17倍にタッチすることもあり、やや強気に17.5倍とします。

ついては、目標株価を5600円としています。

なお、暫定的にEPS350×評価PER17倍で6000円と仮置きしてきましたが、
若干下方修正したことになります。
この背景はIR担当の方と電話でお話をして、
JR東の設備投資のタイミングとして、中央線や新幹線の橋梁など、
大きな工事の計上がやや想定より後ろだった
(というか開示されていたのに勝手に2020年頃から計上と解釈していた)ので、
そのあたりを反映しています。


(4)新中計について

新中計がリリースされています。 → PDFリンク


HOP、STEPときたら、JUMPだと思ったのですが、
まさかのPower-UPっていう裏技を挟んで随分マイルドな定量目標を掲げてきました。

ただ中身は一部で、ん?となるところはありますが、
読むほどに奥深さを感じます。
詳細版がUPDATEされるらしいので、改めて言及したいと思いますが、
やはり充電するために人材への投資、ハードへの投資など
盛り込まれていますし、ステークホルダーへの配慮という点では、
株主への還元についても強く意識が継続しています。

もう少し成長への意欲があればと思いますが、
無理にがつがつやらず、適正な収益を求めながらマイペースにやっていくのも
悪くないでしょう。退屈な会社ですが、私は結構好きです。



5.さいごに

同社は銘柄分析もすっ飛ばしているのですが、
もはやここまで低成長ですと、読者の方にも興味無かろうという点と、
精緻な分析を必要としなそうということもあり、
後回しにしておりました。

相変わらず退屈で、もはや定量的視点から開示する意味ある?という感じ
になる方もおられそうですが、私はゆっくり見守っていきたいと思います。


ただ、非常にマイルドで極端に還元や安定に偏っているので、
もし他の銘柄で有望なものがあればスイッチすることも
躊躇なく検討したいと思っています。


1835_東鉄工業(18年3月期_4Q)配当推移

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