投資方針に忠実に退屈な投資で資産形成

私はあまり読書をしないのですが、
たまには読んでみた本について、
メモを残しておこうと思い立ちました。
あくまで主観による雑感なので、
あまりブログに書かなくてもと思うのですが、
自分の振り返りのためにもと考えています。

何も有益なことはない記事なので、
興味がない方は、スルーしてくださいませ。


どの本屋にも平積みになっていて、
何かと話題になる堀江さんの新刊です。

まず感じたことは、ライフスタイルとして憧れる一方で、
現実には凡人である私が実践するには難しい面がある
なという事です。
このように否定的に捉えてしまうと、
結局、現実から抜け出せないだけで
何も「変わらない」ということになり、
やはり凡人は凡人にしかならないという思考に終始してしまいます。

「自分のための時間」と「他者のための時間」を明確に切り分けて、
「自分のための時間」を突き詰めていくことこそが、
自分の価値を高め、充実さを実感する肝になるということです。

そのためには、「他者のための時間」を極小化する、
例えば電話をかけてくる相手を切り捨てるとか、
つまらん風紀を振りかざす退屈な人を排除するとか、
そういう厳密に明確に「切る」ことが肝要であるということですね。

ロジカルで我流を貫くという面でなるほどと納得させられますし、
そのように我を通せることは自分を突き詰める上で、理想的とも思います。
しかし、それを出来るのは、本当に「自分のため」を追求できる者で、
24時間という枠で無駄を排除し、
いわゆる意識が高い非凡人だけなのではないかなと思います。

自分に甘い私のような凡人が、
「他者のため」を排除に徹してしまうと、
いわゆる勘違い野郎的なものになってしまい、
単に嫌な奴になってしまうかもしれません。
アドラー心理学の「嫌われる勇気」的に言うと、
まさに「勇気」を持てないような印象です。

自分の人生であり、自分の好きなことに徹し、
それを土足で踏みにじるような者とは縁を切る、
このような振りきれた言動を取るまでに、
まだ自分は割り切れない、それが率直な印象でした。


自分の生産性を照らし、
興味をそそられない非経済的な活動はアウトソースするというのも、
ロジカルで理解は出来ますし、その通りに行動したら、
変われるのかもしれないとも思います。

では、明日から我が家に家政婦を呼び、
家事炊事など非コアコンピタンスな要素を全て彼らに任せ、
自分にしかできないことに我が家族が注力し邁進すればよい、
それはとても合理的ですが、
何かが欠けているような気もします。

別に出来ない理由を並べて否定するつもりはありません。
ただ、例えば洗濯を干して、取り込んで、畳むという作業。
確かに堀江氏の言うように、その分を時給換算し経済合理性を考慮したり、
あるいはその作業にワクワクがあるか、をみれば、
アウトソースすべきタスクということになります。
しかし、子供と洗濯機を操作し、外に干す時には、バサバサ広げることを教え、
取り込む時にシワに気を付けてみたり、
ひとつひとつを畳む作業をしながら、
雑談を交わす中で生まれる小さなプチ家族団らん。

タスクそのものの魅力度は低いかもしれません。
しかし、子供に生活の術というかいずれ自立する時に必要な工夫を
体験させたり、その中の雑談こそ大事なコミュニケーションであるとも思います。

そんなものはいずれ子供が自分で学ぶし、
必要なコミュニケーションは枠を決めて別途時間を割り当てればいいかもしれません。
でも緩いコミュニケーションの中で、
非ロジカルな無駄も大事な要素もあるとも思います。

この辺りはその言動の心得や狙いは十分理解出来るのですが、
実際に自分が実践するかというと・・・なわけです。

結局出来ない理由を並べてやらないのかと怒られそうですが(笑)。



多動力というタイトルからして、
本書の主張のひとつは自分が多動的に対応するためには、
自分のコアコンピタンスを3つ程度は持ち、
自分が周囲に影響を与える基点になることが大事
ということでしょうか。

本書では3つの名刺を持てるようにというのはぜひ目指したいですね。
私の場合、サラリーマンとしての専門分野と、
長期投資家の卵として専門分野(まだ見習い中ですが)と、
あとひとつはまだです。

では、その領域で自分が基点となり影響力を与えられるようになり、
自分が向きたい方向へ進めることが出来るか、
サラリーマンとしては一定程度は影響力があるかもしれませんが、
投資家としてはまだ全くだめです(笑)。
でもそういうことを意識していくことは大事ですね。

途中、元リクルートの藤原さんの1万時間を費やす話は、
私も同氏の影響を多く受けているので引用されていて嬉しく思いました。


最後の方は、やや情緒的というか表面的にも感じましたが、
結局、ストレスを開放し、「楽しいこと」に没頭して自分が楽しむことが大事ということです。

こうでなけれならないというのは、
特に社会人生活では様々なシーンで呪縛のように存在していますが、
そんな幻想を取り払い、「自分のための時間」に注力し、
「楽しいこと」のみを追求していこうということと解釈しました。

これだけを見ると好きなようにやれとなり、
理想としてはわかるけど・・・となります。
でもその楽しいことをやろうというシンプルな発想こそ、
著名な人だからこそそれを実践することを大事にしているということなのかもしれません。

シンプルに物事を捉えること、
これは私は特に苦手にしていることですが、
それでいいのだと示唆を与えられていると改めて感じました。


各章で述べられていることが読者への配慮からか、
せいぜい4ページ位に纏められており、
リズムよく一気に読めてしまいます。
そしてその各章ではそれを実践するためのTODOも掲載されています。
前述の通り、実践しにくい内容も多いですが、
実践できそうなものもそれなりにあるので、
少し意識して小さな実践から始めてみたいと思います。
特に最近も意識していたことですが、
改めて他人への配慮をもう少し軽くするという視点で
踏み込んでみたいなと思います。


自分自身の活動(サラリーマンとしての業務や投資家など)において、
周囲への配慮ばかりでなかなか生産性が悪いとか、
もっと自分の志向を模索するための行動指針を
検討・確認したいといった方にとっては一読するといいかなと思いました。



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