十分な教育資金と老後資金のために

Author:まるのん
30代イクメンサラリーマンです。
将来の教育資金と老後資金を形成するため、中長期視点で現物日本株へ投資しています。投資初心者の日々の状況を公表していきますので、叱咤激励のコメントを頂ければ幸いです。
年初来:+4.4%(2017/2/24時点)


【決算精査】 2475_WDBホールディングス(17年3月期_3Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング

前回の2Qでも計画上振れでしたが、
その好調さが続いて全般的に好調な決算となっています。

外部環境として、有効求人倍率も良化しており、
技術職や研究職に対する需要も底堅いため、
この好調決算は想定通りの内容です。

CRO事業などの種まきもしながら、
大幅な増収増益決算となっていますので、
ポジティブに捉えています。

同時に優待と、新たな事業の子会社設立のリリースがありました。
優待は実はここ何回か実施していたものを、
正式な制度としたものなのです。
特に驚きはありませんが、どう反応するんでしょうかね。

子会社設立の件は、インターネットを介した各種情報提供サービスだそうで、
全くなんのことかわかりません(笑)。
一応IRに電話して突っ込んでみました。

前回の決算でもややポジティブに近い、
想定通りの評価としましたが、今回も同様の評価です。

一方で、今の好調さがどちらかというと外部環境に助けられている要素も強く、
もう少し同社自身の潜在力なり姿勢の「変化」が、
主体的に機能していると判断出来るまでは想定通りの評価を継続します。

以上から、総合評価は「3」想定通りです。
但し記載のようにややポジティブ「4」に限りなく近いものとなります。



2.定量数値の確認


(1)売上の推移

◆3Q累計
2475_WDB(17年3月期_3Q累計)売上推移



◆3Q単計
2475_WDB(17年3月期_3Q単計)売上推移


特にどの事業なり領域なりが好調というわけではないのですが、
全般的な好調が継続しており、前期比で10%程度の増収が続いています。
新設した事業所も概ね順調に推移しているようで、
今後の売上寄与にも徐々に貢献も見られると思いますし、
海外を含めたCRO事業の受注も順調のようですし、
こちらも今後緩やかに寄与してくれるものと期待しています。
特に論点はなく、順調なのね、で終わりですね。




(2)利益の推移

◆3Q累計(営業利益)
2475_WDB(17年3月期_3Q累計)営業利益推移




◆3Q単計(営業利益)
2475_WDB(17年3月期_3Q単計)営業利益推移


営業利益面で見ても利益率は10%を超えて好調に推移しています。
こちらも2Qの時から特に変調はなく、継続して安心してみていられる状況です。
粗利率、販管費率の内訳も特に変化がありません。
また、純利益ベースでもトレンドは変わりません。
利益率がこの3Q単で一時的に上昇していますが、
経常利益ベースまでは営業利益と同トレンドなので
あまり着目すべき事実もないでしょう。


◆3Q累計(純利益)
2475_WDB(17年3月期_3Q累計)純利益推移



◆3Q単計(純利益)
2475_WDB(17年3月期_3Q単計)純利益推移







(3)利益の状況と今後の見通し

上期決算で計画超過の際にも修正はありませんでしたが、
さすがに今回は通期の修正があるかなと思っていましたが、
修正ありませんでした。
前回のIR電話の際にもいわゆる東証基準に抵触するかどうかで、
修正を決めているようなので、まぁさすがに30%は上振れないかという
ことなのだと思います。


<今期の通期会社予想>
売上 33,081百万円
営業利益 2,827百万円(8.5%)
純利益 1,696百万円(5.1%)

<今期の4Q会社予想>※3Q実績から通期予想の差分
売上 8,980百万円
営業利益 347百万円(3.9%)
純利益 267百万円(3.0%)

<前期の4Q実績>
売上 7,723百万円
営業利益 759百万円(9.8%)
純利益 467百万円(6.1%)


まず売上については、前年比16%増収が必要で、
こちらはハードルが高い印象です。
ここ3四半期はずっと10%前後の増収ペースなので、
4Qで急にこれが16%まで向上する根拠はありません。
従って、売上は未達濃厚でしょう。(念のため、IRに電話します)

次に利益ですが、こちらは逆に保守的過ぎるというか、
何か4Qに費用先行事象でもあるんですか?という状況です。
前年比で半額程度まで落ち込むことになります。
売上が未達だろうことを考慮しても
営業利益率で5%弱程度でしょうが、
過去を遡ると、リーマンショックの影響を受けた、
2010年3月期で4%程度ですから、
要するにこの程度まで落ち込むことになりますが、
まぁそんなことはないでしょう。

売り上げは前期比10%程度の増収ということであれば、
4Q単で8,500百万円程度でしょうから、
通期累計で32,600百万円が着地ポイントと思われます。
また営業利益率は10%を継続すると考えると、
4Q単で850百万円となり、通期累計で3,330百万円となります。
同様に純利益率は5.3%程度で、4Q単で450百万円、
通期累計で1,880百万円と皮算用できます。
もしかすると、支店新設やCRO事業のコストなどで、
少し4Qで支出して着地を調整するかもしれず、
少し利益は下ブレルかもしれませんが。

以上を整理すると、通期予想は、以下となります。

<今期通期の独自予想>
売上 32,600百万円
営業利益 3,330百万円(10.2%)
純利益 1,890百万円(5.8%)

会社予想比で売上は1.5%の未達、
営業利益は18%程度の上振れ、
純利益は11%程度の上振れとなります。

これに伴い、会社予想EPS84.6を支持していましたが、
独自予想EPSを93へ修正しています。
但し、増収増益への強いコミットメントが会社にはありますが、
一旦長期的な目標株価の前提である
19.3期のEPS102は変えずにいきたいと思います。
それは冒頭にも記載の通り、
同社の潜在力などに起因する変化がまだ確実視出来ないためです。
もし社長メッセージのように活路が顕在化してくると、
長期的にも更なる目標株価の上昇も期待出来ると考えます。


(4)セグメントの状況

人材サービス事業でほぼ決まる現状というのがわかるように、
同一スケールに各セグメントの収益をグラフ化しています。


私が貼付した以下のものは四半期単計です。

2475_WDB(17年3月期_3Q単計)セグメント収益


こちらも特にこれまでと変化ないですね。


3.IR照会

まず通期の修正をしなかった点について、
会社認識がどのようなものか念のため確認します。

また子会社設立のリリースはこれだけでは、
何をしようとしているのか、シナジーが何か、
全くわかりませんので、一応突っ込んでおきます。

最後に今期の好調さにより来期以降のハードルが高くなるが、
その点の認識についてですかね。

※私の主観によりサマリしていますので、投資判断される際はご自身で確認下さい。




まるのん
3Qも引き続き好調に事業が推移しているが、
売上面では通期予想の達成が難しいように見える。
10%増収だったものが4Qで16%程度増収となるのは、
何か根拠があってのものか。

IR
確かに売上面ではハードルが高いという認識を持っている。
社内では利益重視の姿勢のため、まずは利益をきちんと出していきたい。
(実質的に未達可能性を否定しなかったと私は判断しました)

まるのん
一方で利益については、会社予想を支持すると、
4Qで大きく利益率も下がり額面も前期比でも半額程度まで下がることになる。
何か特別な支出を予定しているのか、もしくは保守的だという理解か。

IR
特別な支出は特に予定はしておらず、保守的というわけでもなく、
きちんと利益を出していきたいと考えている。
なお、修正については、東証基準を想定した時に、
そこまでの状況と判断は現時点ではしていないため、修正開示は出していない。
今後必要があれば・・・。
(計画超過は実質認めたものの、+30%まではないということと理解した)

まるのん
同時にリリースしている子会社設立の件がリリースされているが、
インターネットを介した情報提供事業だけでは全くわからないが、
どういったビジネスになるのか。また既存事業とのシナジーは考慮しているのか。

IR
現時点で開示しているのは記載の通りであり、
今後具体的な事業内容をリリースする予定であるためそれを待ってもらいたい。
既存事業と全くかけ離れた新しいことというわけではなく、
既存事業とのシナジーも想定したものにしようと考えている。


まるのん
このような曖昧なリリースだと内容がわかりづらいため、
ぜひ早急に開示をお願いしたい。どの程度で我々が把握できるようになるか。

IR
出来るだけ早く、半年までいかない数ヶ月の間にきちんと開示したい。

まるのん
来期以降の成長性についての認識について質問したいが、
今期にだいぶ好調さを持って推移していることで、
相対的に来期以降の成長をどのように認識したらよいか気になっている。

IR
同社では増収増益基調はきちんと守っていきたいと考えている。
ただ、確かに今期が好調という背景もあり、
今後も成長していくためには、現時点で投資投下しているCRO事業などの
他事業の立ち上がりによるものと、
既存事業の拡大(エリアなど)が必達だと認識している。
投資家の期待に応えられるよう、今の種まきを収穫することで、
安定的成長が継続出来るよう社内でも議論している。

まるのん
優待新設について、なぜこのタイミングで正式な制度としたのか。
また長期保有優遇や保有株数に応じた傾斜の検討はされたのか。

IR
これまで1回のみの優待実施ということを続けてきたが、
投資家から正式な制度とする要望が強いことを受けて、
その要望を受けて、まずは一律の制度として設定したものである。


今回も前回同様、丁寧なIR対応でした。
全般的に満足しました。


4.株価推移

株価の動向ですが、想定PERを元に仮想株価を引いた表は以下の通りです。

2475_WDB(17年3月期_3Q)株価推移


図の中で赤色矢印が主に買いを入れたタイミングです。
目標株価は10%成長でPER15倍水準で、
現状でいえば1530円となります。
前述のように今後目標株価の修正を検討してもよいかなと
感じ始めています。
来期予想の開示など、同社の潜在力の変化がより強く見られれば検討したいです。


5.さいごに

PTSで目標株価を超える株価が付いていましたが、
これには驚きました。
恐らく誤発注かと思いますが、こういうこともあるのだなと思いました。

もし仮に直近で目標株価の1500円台に突入することになれば、
少し対処には悩みそうです。

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2017年投資方針に従い、
改めて銘柄の定点観測を実施。


◆2475 WDBホールディングス

【ニッチな専門スキル】
理学・医薬・工学の専門人材派遣で景況感影響受けにくい。
専門的な立場で組織の知見拡充のために必要不可欠な人材創出。
ポスドク問題で優秀な知見を活用できる環境提供の意義も高い。


【新規事業の先の野心】
海外CRO事業への進出順調。
社長の足下の安定維持に満足せず、
長期的な更なる成長に野心に期待。
中期目標の数値面はまだ実現性には懐疑的も、
その野心を実現出来るよう応援したい。


【総合評価】 ・・・「B」
人材派遣業でありながら、ニッチで固有の領域で勝負しており、
安定性の評価が高い。成長実現度合いは不確実性が高いものの、
種まきもされており意欲自体は高い。
株価の堅調な動きに割安性が薄まるも、
還元姿勢にも一定の配慮はあり(まだ足りないと感じるが)。
成長実現度合いにもう一歩進捗が見られれば、
評価を上げられると考える。


 【成長性】 ・・・「B」
  <成長シナリオ根拠> ・・・13pt/20pt
   ・新事業(CRO)の本格寄与
   ・工学系を中心としたエリア拡大余地
   ・M&Aによる事業の多角化を継続
   ・いずれも成果への確度は高いとはいえないものの、手堅い経営。
  <想定CAGR> ・・・8pt/20pt
   ・CAGR10%
   ・過去実績も順調に推移
   ・今後数年は投資期になり一時的には落ち込む可能性あり
  <テーマ性> ・・・ 5pt/10pt
   ・派遣法などの法的変化トレンドあり
   ・研究・開発への投資継続(不況に左右されにくい)
   ・少子化、高学歴化、理系人口の減少
   ・理系ポスドク問題
   ・米国保護主義の台頭

 【安定性】 ・・・「A」
  <スイッチングコスト> ・・・13pt/15pt
   ・当分野でトップシェア
   ・一朝一夕には確保出来ない専門人材
   ・それが故に競合参画も脅威は限定的
   ・自社社員化(内製化)による代替の懸念
   ・しかし、専門人材をいきなり正社員だけで登用は困難
  <不況耐性> ・・・7pt/10pt
   ・人材派遣業なので影響は受ける
   ・但しニッチ領域の上、専門性が高いため人材確保志向は高い
   ・研究開発分野は景況感の影響は相対的に受けにくい
   ・自社内での研究センターも併設して人材リソース確保
  <ストック性> ・・・6pt/10pt
   ・長期的に研究開発現場への派遣はストック性高い
   ・とはいえ、解約リスクもあり岩盤なストックとは言い切れない
  <過去業績実績> ・・・8pt/10pt
   ・安定の成長基軸を継続
   ・成長への種まきを平行
   ・リーマン時の業績低迷もみられるが影響は限定的
  <顧客層> ・・・4pt/5pt
   ・特定顧客には依存せず
   ・大手企業が多い(はず)
   ・研究開発に熱心な大手優良企業中心

 【割安性】 ・・・「C」
  <PEGレシオ> ・・・14pt/20pt
   ・PEGレシオ1.6
   ・超長期の社長目標達成を仮に考慮するとまだ割安性
  <目標株価GAP> ・・・5pt/20pt
   ・上昇余地10%台で既に十分評価されている
   ・社長目標達成を考慮するとより上値余地ありとなる
   ・どこまでこれを考慮するか・・・

 【安全性】 ・・・「B」
  <営業CF推移> ・・・13pt/15pt
   ・営業CF+で安定的
   ・今後の投資規模増で多少キャッシュフロー悪化するかな・・・
  <自己資本比率> ・・・13pt/15pt
   ・70%前後で優秀
   ・無借金経営で財務は岩盤
   ・むしろもう少し攻めてもいいのではないか

 【還元性】 ・・・「A」
  <DOE> ・・・9pt/15pt
   ・DOE3%弱 資金需要が高くないためもう少し積極的であってほしい
   ・とはいえ、社長目標達成のため投資に回したいのならこれも許容
  <資本政策> ・・・4pt/5pt
   ・ROE20%弱で優秀
   ・自己株買いはない
   ・・・3pt/5pt
   ・IR資料は開示姿勢も含めて不足を感じる
   ・電話対応による十分誠意ある姿勢あり
   ・社長の強い思いが総会にも出ている(らしい)
  <株主優待> ・・・3pt/5pt
   ・株主優待は定常的にはないが実質あり


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【決算精査】 2475_WDBホールディングス(17年3月期_2Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング

個人投資家界隈で全く聞かない、レア銘柄の登場です(笑)。
私の準主力銘柄まで比率を上げており、
何気にきちんと精査しないとならない状況ですので、
即日IR電話もした上で、判断をします。

結論から書けば、
景況感、とりわけ人材派遣の引き合いが強い環境に助けられ、
新規事業の投資にも着手している中で、
十分私の期待に応えてくれた決算でした。
売上高は9%強の増収、営業(経常)利益は20%強の増益と、
減益予想から一転の大幅増益という結果は、
1Qからある程度は想定されていたとは思いますがね・・・。

この内容であれば、事前に2Qの上方修正や、
通期の上方修正があってもいいように思いましたが、
IRに照会した結果も踏まえて、まぁ良しと判断しました。

もう少し丁寧なIR開示姿勢を示してくれるとよりよいのですが、
IRの電話のご対応は的確かつ丁寧ですので、
今後に期待したいと思います。

通期予想との進捗率やIR電話の感触も踏まえると、
会社予想ベースを想定している私としては、
今期の業績面だけを見ればポジティブですが、
逆にあまりに今期が計画超過ということになると、
新規投資事業へのコスト投下が思い通りに進捗していない可能性もあり、
長期的スタンスに立つと必ずしも喜ばしいとは決めつけられません。

今回の決算で会社計画線で着地したとしても、
それが新規事業への順調な投資が進捗している結果であれば、
それはそれで想定通りですし、
今回のように計画超過をしつつ、それは一部の投資判断を
慎重を期したことによる期ズレ要素も含まれての結果と考えれば、
長期視点に立てば時期ずれの誤差の問題です。
この場合も計画通りに投資が進捗せず、
障壁が出てきているとなると逆にネガティブですが、
そういうこともないようですから、結果想定通りということになります。

というわけで、総合評価は「3」(想定通り)です。
但し、今期の計画上振れトレンドという点、
それの一因でもあるコストコントロールとトップライン拡大の顕在化の部分もあり、
その部分は少しはポジティブな評価をしてもよいともいえます。

私は長期スタンスをより重視しているので、
総合評価は「3」としますが、「4」(ややポジティブ)に近い内容です。



2.定量数値の確認


(1)売上の推移

◆2Q累計
2475_WDB(17年3月期_2Q累計)売上推移



◆2Q単計
2475_WDB(17年3月期_2Q単計)売上推移


同社の主力事業でもあり、現状の売上の9割以上を占めている人材サービス事業について、
理学、工学系の派遣事業が共に堅調に推移しています。
理学系では全国のエリア拡大が順調に進捗しており、
短信上でも「付加価値の高い人材を輩出できる体制が整いました」とあります。
化学やバイオ分野を中心とした顧客の中長期的な展望に立った研究開発部門ですから、
足元の景況感に比較的影響を受け難い点も私は評価しています。
全国の各拠点が本格稼働開始したそうなので、着々と積み上げて欲しいと思います。
工学系は相対的に景況感の影響を受けやすいわけですが、
今の所は追い風に乗っているとみるべきでしょう。
逆に逆風になるとここは凹むでしょうが、
それを見越して、CRO事業を含めた新規事業への投資を順次展開しています。

CRO事業も規模はまだごく小さいわけですが、
8.5%のセグメント増収となっています。
内容についても所掌子会社の受注も堅調なようですし、
海外CROへの進出も進捗しています。
この海外分は競争もより激化すると思いますので、
まだまだこれからだと思いますが、長期で楽しみのひとつと考えています。

トップラインは十分な伸長を見せており、総じて順調と見てよいと思います。
確かに売上高だけ見ると、上期計画は若干未達ですがね(1.7%の未達)



(2)利益の推移

◆2Q累計(営業利益)
2475_WDB(17年3月期_2Q累計)営業利益推移




◆2Q単計(営業利益)
2475_WDB(17年3月期_2Q単計)営業利益推移


粗利率は前期比でほぼ横ばいが微増で、
販管費率は微減ということで、営業利益率は1Q、2Qの各四半期で見ても
10%台を超えてきています。
前々期は8%台、前期は9%台、今期は10%台と年々改善していることがわかります。

これは全体のトップラインが旺盛な派遣ビジネスに対する需要に支えられて向上する中で、
固定費を吸収して損益分岐点を超えて改善していることと、
やはり全体のマネジメントコストの抑制策が徐々に改善することによるものかと思います。

ただ、社長メッセージにもある通り、今の延長線では成長はしていっても、
たかが知れている領域にしかいけないのはわかりきっているので、
どこかで販管費率を上げてでも(営業利益率を落としてでも)投資をしてくるので、
その時期がたまたま上期中に費用化しなかったことによる、上振れ着地と見るのが自然でしょう。
そうなると、何かネガティブな要素で投資が遅れているのか、
他の要因があるのか、ここは確認が必要だな、となります。


なお、純利益ベースで見ると、
特別損失項目として減損損失を計上していますので、
その分、営業利益、経常利益の伸長率(20%超の増益)と比べると目減りしていますが、
それでも計画を超過する内容となっています。
なお、減損損失は千葉県の研究所の建物解体に伴う、
各種固定資産に対する処理であり、特に問題があるものではありません。

皮算用になりますが、この減損損失は約1.3億ですので、
これを割り戻すと営業利益、経常利益と同様の20%超の増益基調となります。
2Q期間にこの減損損失を一括計上しているので、
2Q単で見ると純利益は減益とみえますが、これも割り戻しの試算をすれば、
増益トレンドは変わらないことも確認しました。
法人税など細かな計算は割愛しています。あくまでトレンドの把握ですので。

◆2Q累計(純利益)
2475_WDB(17年3月期_2Q累計)純利益推移



◆2Q単計(純利益)
2475_WDB(17年3月期_2Q単計)純利益推移




(3)利益の状況と今後の見通し

さて、1Qの好調さが継続するという見方をしていれば、
通期の上方修正を期待していたところかと思います。
私はこの2Q期間で投資を行い、利益率を落として、
会社計画近辺での着地も想定していましたので、
通期の修正は期待していませんでした。

ただ、結果2Qの着地を見ると
逆に通期修正がないということをどう解釈すればよいかは
気掛かりですね。

つまり、元々、上期減益予想まで出して投資を行う計画だったにもかかわらず、
大幅上振れで着地したわけで、それが下期に投資期ズレした結果据え置きとなると、
投資が遅れている→何か新規事業側で問題が生じている?という疑念を持ったからです。
もしくは単純に保守的に修正をしなかったのか・・・。
というわけで後述の通り、IR電話照会です(笑)。


<今期の通期会社予想>
売上 33,081百万円
営業利益 2,827百万円(8.5%)
純利益 1,696百万円(5.1%)

<今期の下期会社予想>※上期実績から通期予想の差分
売上 17,194百万円
営業利益 1,197百万円(7.0%)
純利益 865百万円(5.0%)

<前期の下期実績>
売上 15,195百万円
営業利益 1,407百万円(9.3%)
純利益 872百万円(5.7%)


通期予想から、上期実績を踏まえて下期予想を見てみると、
13.2%増収、15%営業減益、0.8%純減益という内容になります。

売上は派遣できる人材が慢性的に不足している環境ですが、
どこまでその人材を確保できるかにかかっているように思います。
上期で若干の未達はほぼ誤差なので、
それをリカバリ出来るかどうかはどちらともいえないかもしれません。

一方で利益はさすがに計画超過するのではないでしょうか。
下期において元々上期に投下しようとしていた投資を
全て下期にスライドさせたらそりゃ計画線となりそうですが、
そういうわけでもなさそうなので、
利益の上振れはある程度ありうるかな~とは思います。



(4)セグメントの状況

人材サービス事業でほぼ決まる現状というのがわかるように、
同一スケールに各セグメントの収益をグラフ化しています。


私が貼付した以下のものは四半期単計です。

2475_WDB(17年3月期_2Q単計)セグメント収益


成長というより安定的とみるべきなのでしょうかね。
パッと見であまり高い成長が見られないようにみえますが、
元々、同社への成長は10%程度と見ていますので、
この程度で上出来だと思います。



3.IR照会

私が想定していたのは2つのシナリオでした。

1) 上期が会社計画線で着地 →2Qに新事業への投資コストが嵩む
2) 上期が計画超過 → 2Qに計画していた投資コストを見送る

1)になれば1Qの好調の反動で失望、
2)になれば上方修正とセット開示でも出尽くしで失望、
株価にとってはどうせだめだろうな~くらいに思っていました。

実際は2)でかつ修正なしということで、
いかにも株価暴落臭がプンプンするわけですが、
まぁそれはさておき、
では下期に投資が先送りして通期で見ればコストは変わらず、
下期で大きく収益性を落とすということになると理解します。
その場合、なぜ投資が下期にずれ込んだのか、
それが何か新事業展開への進捗に障壁があってのことなのかが気になります。
もしくは据え置きは単に保守的なだけなのか?
というわけで、その部分の確認は必須だと思い、
一言二言、言いたいこともあったので、IRへ電話しました。

※私の主観によりサマリしていますので、投資判断される際はご自身で確認下さい。




まるのん
今回の上期着地は、会社計画を大きく超過するものだが、
改めてなぜこのような着地となったのか?

IR
トップラインが順調に拡大したことに加えて、
全体のコスト削減が着実に成果が出てきている点が挙げられる。
また当初計画の予算には新規事業への投資を
保守的に過大に予算に組み入れていた。
実際には新規投資のコスト投下に対して無駄を排す地道な努力を徹底させた。
その上で、個々の投資案件に対して慎重を期して判断をしているところもあり、
元々の予算のコスト投下をせずに経過し、結果的に大幅な上振れ着地となった。

まるのん
新規事業への投資について今回の上振れ着地となったのは、
投資が遅滞又は先送りしたことによるものであり
ネガティブな要素がどの程度あったのかを懸念しているが、
投資コストに対して無駄な努力をしたという要素と、
計画した投資が進捗しなかったことのどちらが支配的な要因であるか。

IR
双方の要素があるが、どちらかというと保守的に投資コストを計画してものに対して、
個々を慎重に判断しているという観点からすると、
投資進捗がなかったことが主因である。

まるのん
では、上期で投資コストを投下しなかった部分は下期に投下すると考えればよいか。

IR
上期から下期へ単純に期ズレしたというわけではなく、
個々の投資判断を慎重を期していることもあり、
計画している投資コストを下期に纏めて計上するという単純な構造ではない。

まるのん
となると、元々予算にバッファを見ていることもあるのであれば、
下期に収益性は極端に低くなることもなく、
上期実績の進捗率のよさを考えると、
通期修正をしてもよさそうなものだが、なぜ今回しなかったのか。
やはり投資の可能性を考慮してのことか、
それともそれも含めて全体をコンサバティブに見ていると理解すればよいか。

IR
当社は元々業績予想をコンサバティブに策定する傾向があることは事実である。
投資判断の状況にもよるが、今後修正の必要があれば適時開示していきたい。

まるのん
仮に今期の上方修正ということになったとしても、
私は長期で応援しているため、逆に長期的な成長のために、
投資が遅れることはネガティブにも映るのだが、
現在、その投資判断の進捗や、背景などで何か判断の障壁になっていることはあるのか。
慎重にならざる得ない状況が何かあるのか。

IR
特になく、むしろ積極的な投資判断のために前向きな議論をしており、
それをより慎重に自信を持って進められるように意欲的に取り組んでいる。
特にネガティブな要素はないと認識しているため、安心頂いてよい。


まるのん
CRO事業でいよいよ海外進出のコストが本格化しており、
上期ではセグメント減益となっている。
これは将来の成長のためにはあるべき過渡期であると認識しているが、
現状において、米国を中心としたCRO事業における先行投資において、
想定外のことは起こりえているか。
また投資のリターンとして何か手ごたえは現時点で認識出来るものはあるか。

IR
先行投資は目立った想定外の事態は発生しておらず、
順調に継続している。
またその結果、ようやく体制が整いつつある中で、
これからリターンが見えてくることもあり、
現時点ではまだ手ごたえを評価するには時期尚早な時期である。


まるのん
個人投資家向けに決算説明資料の開示や説明会などの開催はないか

IR
機関投資家向けの対応のみとなってしまっている。

まるのん
個人投資家への認知度も低く、意義ある事業もされているので、
ぜひIR普及活動をもう少し努力して頂きたい。今すぐに開示というのは難しいと思うので、
例えば今期末の決算から開示するなど、社内で検討して頂きたい。

IR
貴重な意見として今後のIR活動の参考にする。


まるのん
またIR姿勢という点からいうと、
今上期でこれだけの上振れをしたのであれば、
事前に2Qだけでも修正開示が出来たのではないか。
材料が欲しいわけではなく、
IR姿勢として適時適確なIR姿勢をもう少し工夫してもらいたい。

IR
(他の方からも指摘があった模様で)はい、そちらの件は改めて社内で検討して、
あるべき姿を検討する。


まるのん
長期の成長を期待しているので、今後も応援しています。
お忙しい中、ありがとうございました。

IR
今後もよろしく~



というわけで、かなり丁寧なIR対応でした。
受付の電話からIR室の受け答えやその姿勢、
こちらも真摯に対応してもらえたという感覚が強く残り、
よい機会を頂きました。




4.株価推移

株価の動向ですが、想定PERを元に仮想株価を引いた表は以下の通りです。

2475_WDB(17年3月期_2Q)株価推移


図の中で赤色矢印が主に買いを入れたタイミングです。
目標株価は10%成長でPER15倍水準で、
現状でいえば1530円となります。
社長の壮大な長期展望に完全にお付き合いをするのであれば、
もう少し高い成長率を期待してもよいですが、
まだそこまで織り込むのは様子見かなとも思います。

もう少し、海外展開も含めた投資状況の行く末の見守りが必要かと思っています。



5.さいごに

改めて同社のBSとPLの過去の長期推移を見てみます。

◆BS
2475_WDB_BS推移

年々自己資本も厚くなり、かつ現金も増えています。
今後の海外展開含めた投資やMAも視野にした成長基軸に乗せるためにも、
うまく資産を活用してもらいたいですね。
それにしても、いまどき、もう少し配当性向を上げてくれてもいいんですがね・・・
まぁ配当によるインカムゲイン目的ではないので欲をかくなと。


◆PL
2475_WDB_PL推移

人材派遣業というと不況耐性が心配ということになります。
当然、投資する際にここは自分なりに評価しました。
また過去の実績(が必ずしも正しいわけではないのですが)も参照しました。

リーマンショックの影響で2010年に減益となっています。
概ね2/3位に落ち込んでいますが、
その翌期には回復していますね。

特に理学系は化学バイオ系に強いわけですが、
この分野は相対的に不況耐性に強いですからね。
洗剤だって薬だって不況とは関係なく使います。

工学系といっても同社が派遣するのはいわゆるラインの工員というより、
商品企画や開発要員などのエンジニアですので、
不況期にあっても商品開発は止まることはありませんので、
いわゆるラインが止まるなどの影響ほど
直接的な影響は出にくいと理解しています。

もちろん、総じて影響がないわけではなく、
過去の実績の通り、減益にはなりますが、
十分テイク出来るリスクだなと考えています。



さて、同社は全くもって個人投資家から名前を聞くこともありませんし、
光り輝くテーマ性を備えているわけでもありません。
優待や配当の還元姿勢も弱く、IR活動もおとなしいです。

改善の余地が多分にあるわけですが、
ここまで誰からも注目されないものか~と思います。

やはり人材派遣といえば、ヒトコムやウィルグループ、夢真など、
個人投資家に大変人気のある、かつ個性に溢れた
成長意欲に満ちた会社が多数ありますから、
敢えて地味な同社を選ぶ必要がないということでしょうかね。


そんな美人投票といわれる株式相場では、
人気がないのに突っ込んでいる私はやっぱりイマイチなんでしょうね~
ただ、それはそれでいいと開き直ってますがね。




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【決算精査】 2475_WDB(17年3月期_1Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング


夏休みでサボリ中だからというわけではないのですが、
短信上からも特に読み取れる情報にも限りがあるものの、
定性的な説明文書、定量数値を見ても総じて順調な決算です。

これでもう少し丁寧なIRをしてくれれば最高なのですが、
そういうことをしないので、相変わらず評価は低いわけですが、
本来そういう姿勢の会社は敬遠するのですが、
こちらの記事 で分析した通り、
私はなかなかよい会社かなという印象を持っていますので、
今後も応援していきたいと考えています。

主力の人材サービス事業は約10%の増収に、
20%超の増益となっています。
CRO事業やその他事業での減益を跳ね返しています。
特にCRO事業は海外展開も含めて新たな事業への投資期ということもあり、
額としては大したことはないのですが減益幅も大きいです。

社長のあいさつ において以下の文言があります。


結果として、これから1~2年のグループの利益は、
大きくは伸びないということになります。
従来の事業だけであれば、売上高700億円、
経常利益率10%の会社になることは見えています。
しかしながら、さらに企業価値を高めていくためには、
一時的に利益率を下げてでも、将来への投資を大きくすべきだと判断しました。



今後この投資した事業が花を咲かすのか、
失敗に終わるのか未知数ですが、
うまく人材サービス事業の収益を新たな種まきにまわすという考えは、
合理的だと思います。
しかも、全くシナジーがない多角化というわけではなく、
広義的な人材派遣サービス業の領域だと理解しています。

この1Qの結果だけを見れば、
短期的にはポジティブだと思いますが、
一方でCRO事業が花開き、本当に風呂敷を広げたCAGR30%の成長に、
少しでも近づけるのか否かを私は期待していますから、
その長期的な成否を考える立場からいえば、
この決算は別に想定通りの範疇です。

というわけで、私のスタンスからみれば、
総合評価は「3」(想定通り)です。
但し、短期スパンで見れば「4」(ややポジティブ)となります。



2.定量数値の確認


(1)売上の推移

売上は順調に推移しています。
特にCRO事業として新たに立ち上げているセグメントで20%超の増収率を実現しています。
かつこのセグメントでは受注も好調に推移しているようで、
とりあえずコスト面はさておき、立ち上がりは順調なのかなという印象を受けます。
人材サービス事業も10%程度の増収ということで、
全体が堅調に推移しているようです。


2475_売上高推移(17年3月期_1Q)




(2)利益の推移

営業利益率が10%台となり、
これは2009年3月期の記録を付けてから初めてのことです。
今1QはCRO事業の先行投資もありながらのことですから、
想定以上に進捗しているようにみえます

上期予想通りと考えると、
上期予想は7.8%程度の営業利益率の予定なので、
余程、2Qにコスト先行が台頭することになるわけです。
この辺りはIRに照会しようか悩んでいますが、
とりあえず様子見です。

ちなみにこの営業利益率の好転は、
粗利率向上と販管費率減少の双方が寄与しているので、
それぞれがどういう要因かを含めてIR照会してもよいのですが、
機会をみて聞いてもようかなとこれを書いていて考えています。



◆営業利益推移
2475_営業利益推移(17年3月期_1Q)


◆純利益推移
2475_純利益推移(17年3月期_1Q)




(3)利益の状況と今後の見通し

1Qの結果を踏まえて上期予想の実現可否を皮算用したいと思います。
(長期スパンで見るのであればほとんど無意味であるわけですがね・・・)

<今期2Q単会社予想>
売上 8,247百万円
営業利益 462百万円(5.6%)
純利益 315百万円(3.8%)

<前期2Q単実績>
売上 7,331百万円
営業利益 665百万円(9.1%)
純利益 422百万円(5.8%)

前期比で約12.5%の増収となり、
利益面では、大幅な減益となる予想になります。

営業利益率が5.6%に落ち込んだのは、
過去を振り返ると2011年3月期の5.3%や
2009年3月期の5.0%ですね。
リーマンショックなどで生産研究活動が冷え込んだ頃です。
さすがにここまで下がることはないでしょう。

確かに景況感の冷え込みから
トップラインが落ちる可能性もありますが、
いずれにしてもやや上期予想は上振れするのではないでしょうか。
ただ、そんな短期的なことはどうでもいいことなのです。




(5)さいごに

前述の社長のあいさつは以下のようにも記載されています。

「利益率は下げますが、毎年の増収、増益は死守していきたいと思います。」

この利益率の低下はこの2Qから生じるのかもしれません。
ただこれも四半期という短いスパンというより年次決算レベルで語られていることと思います。
私はこのあいさつに記載の2020年構想をあまり信じていませんし、
市場は相変わらずPER1桁台の評価をしているわけで、
全く期待していないどころか悲観しているのでしょうね。
さすがに決算発表後は多少是正されてPER10倍を回復しているようですが、
元々人材派遣という評価が低くなりがちな業種なので、
これ位がいい所と見る向きも多いでしょう。

株式投資は人気投票なので、
どうせ人材派遣業に投資するなら、
もっと人気のあるヒトコミュニケーションやウィルグループなどが
よいのかもしれませんが、まぁ私はこれでいきたいと思っています。







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2475 WDB 東証1部 【サービス】

人材派遣サービスを提供する会社です。
この時点で多くの方がパスされる銘柄かなと思います(笑)。
なぜかといえば、景況感に大きく左右される業態であり、
真っ先に業績に陰りが出て来そうと思われるからです。

人材派遣業といえば、ウィルグループやヒトコミュニケーションと、
個人投資家にとても人気があり足元の業績も好調な優秀な銘柄がある中で、
成長性も特徴がない同社をなぜ?と思う方もおられると思います。
(もっとも両社とも派遣というより請負ですかね)

最初に断っておきますが、
結局この後、なるほど、そんな凄い会社なのかという特徴もこれといってありません(笑)
成長性もCAGR10%程度とみています。
ですので、成長性重視の方には疑問に思われるかと思います。


従来通り、まずは分析シートは以下に纏めています。
(PDFファイル直リンクとなっています)

 銘柄分析シート 2475 WDB




1.事業内容

企業理念に、「埋もれた価値」を「発掘」するとあります。
別にビットコインを意識したものではないと思いますが、
派遣を主業としているにしては能動的な印象を受けまして、
この辺りで興味もそそられました。
この理念を見ると同社の人材派遣は、
稼働提供型というよりコンサル型に近いのかなという印象を受けます。

事業ですが、3事業に分かれていますが、
売上も利益も人材サービス事業がほぼ全体の93%となっていますので、
人材サービス事業に重きを置いて確認していく必要があります。

2475_WDB(事業紹介(人材サービス事業))

理学系(化学・バイオが中心)の専門職の派遣に特化しています。
同社の見立てですとこの理学系研究職の派遣事業で概ね30%程度のシェアを有しているようで、
この業種ではリーダーということになります。

一方で工学系(機械電子電気)の技術職の派遣においては、
同社はフォロワー的な立ち位置ですが、
圧倒的なリーダーがいるわけでもないようです。
(TOP2社でシェア率は10%程度)

理学系の専門職派遣で得た経験を元に、
今後工学系の技術職の部分を伸ばしていく目論見のようで、
まだ1期生がようやく派遣された状況なので、今後が楽しみですね。


2475_WDB(事業紹介(CRO事業))

CRO事業では臨床後の開発の代行支援を行っているようです。
臨床後からのサポートなので、
臨床通過までの専門的なプロセスやリスクについて私は理解していませんが、
まぁ許容できると思います。
臨床後の開発では翻訳や申請業務など手間がかかり経験が求められる事務も多いようで、
この辺りは同社から派遣される人材が活躍できるフィールドが多いかなと思います。


2475_WDB(事業紹介(研究開発事業))

素材開発、海洋生物の生体影響測定、バイオ関連機器開発と3つの子会社において、
実際に同社グループ独自の研究開発製造の事業へ取り組んでいます。
これは、所属する人材が心置きなく研究開発に携われるようにして、
そこで得た経験(知識的なスキルと手法的なスキルの両面)を顧客へ還元することも目的とあるので、
ニュアンスとしてOJTに近いイメージもあるのかなと感じました。


※画像出典:会社開示資料(決算報告書より)



さて、これらの事業を俯瞰してみると、
「専門的スキル」を有した人材を派遣する事業だということがわかります。


人材派遣というと、オフィスに派遣される事務員とか、
小売量販店に派遣される販売員とか、
建築工事現場に派遣される作業員とか、
一般的に稼働を提供するものが多いという印象です。
しかし、同社の派遣事業は稼働を提供するというより、
専門的な知見を元に、顧客の商品開発現場などに赴いて、
価値を創るというニュアンスが強く、
それが前述の企業理念にも通じているのかなと感じます。


またこれらの事業のシナジーが広義的に同じ理系分野の
専門性を活かすという意味で生かされやすいということも特徴かもしれません。
しかも海外を含めたエリア拡大余地もあり、
これをどこまで評価するかで成長性の評価も変わりそうです。
ちなみに、私はこの辺りは現時点ではあまり過度に評価しませんが、
夢はあるかなとは思います。

2475_WDB(事業の展望)



最後に同社は上記の派遣業務に対して子会社を多く要し、
各事業会社に業務を任せているわけですが、
この中のひとつにポスドクスタイルという会社がありますが、
これがスタッフ供給側の現実を表していると思います。


つまり多くの理系出身で研究や専門職を志している学生にとって、
就職口がないことが日本固有のネックになっています。
ポスドク問題は私が学生の頃から問題でしたが、
修士卒までであれば、民間就職が選択肢として残りますが、
(それでも研究や専門職固有の採用となると更に狭い門ですが)
博士卒であれば、大学機関に残ってバイトをしながら繋いで、
アカデミックの分野(助教や教授へのキャリア)へ進んでいくわけですが、
実際にその道を切り拓けるのはごくごく限られた者だけで、
多くが研究を志しているにも関わらず、
ポスドクとして大学学部生の授業の手伝いなどをしていて、
なかなか本業に携われないという問題があります。
このため、研究職の地位が高く存在価値を認められやすい海外に出て、
実力勝負の世界に出るとか皆さん苦労されているわけです。

私も理系出身ですから、
修士の時にそのまま博士にいくこともほんのちょっと考えましたが、
その後の人生を考えて、かつ自分の能力とモチベーションの問題から、
民間に就職したわけです。
同じように研究をやりたいといっていた同級生も、
多くが現実を見て民間へ就職をしています。
もちろん民間でも研究や技術を活かした職種で多くの方が活躍していますが、
同社のような博士卒の方の人材斡旋や、
ひいては同社の優秀なスーパー派遣スタッフとしても採用出来ると思うわけです。

日本の国力を強いものにするためにも、
こういう専門的な価値想像を考える同社のような存在は貴重なものになると思うのですがね。



2.成長性について

成長性についてですが、いくつか考えられます。
ただいずれも未知数です。


(1)業容の拡大
従来の理学系だけでなく工学系系への進出という業態拡大という要素、
CROへ進出して間もないこともあり、この業態の拡大という要素が主なところでしょうか。

工学系のマーケットは理学系に比べればずっと大きい
(同社見立てでは技術派遣で1兆円程度の市場)ですが、
一方で工学系の需要が多いのは主に製造業であり、
これは景況感に影響を受けやすいとも思われ、
景況感の悪化で、生産や研究活動が停滞するとそこまでの成長が本当に望めるかは控え目にみておく、
というか減少もありうるとみておくべきだと思います。
(これは理学系にも言えることですが、相対的に影響は限定的だとは思います。)


(2)エリア拡大
国内の拠点で見ると、工学系の拠点はまだ少ないですから、拡大余地はありそうですが、
良く見ると浜松とか名古屋とか厚木とか
それなりに顧客層が厚そうなところへは進出しているようで、
そんなに余地がたくさんということもなさそうです。

海外の拠点という点では、CRO事業などの進出余地が多く、
実際に製薬会社が多い米国東海岸へ直近でも進出しています。
海外拠点での研究開発活動は拡大傾向にあると思われますので、
こちらは拡大戦略は続くと思います。
ただ、残念ながらそれが収益化されるのかどうかには、
まだあまり自信が持てない点もあります。
実績もまだ少なく、とりあえず進出が始まったところですから、
もう少し実績を見てみないとならないかもしれません。

(3)M&A
M&Aについては充実している会社Web内に、
考え方が示されています。 こちら(会社Web)

ただ、ここにも記載されている過去の買収案件についても、
本来は効果について考察せねばなりませんが、
情報が限られていることもありちょっと個人では難しいですね。
IRに聞くにしても私の質問力が乏しく知りたい情報には行きつけ無そうです(笑)。


さて、同社ですが、2021年3月期に売上1000億、経常利益100億を掲げています。

→ こちら(会社Web)


2016年3月期実績はザックリで売上300億、経常利益27億ですから、
3倍強の増収、4倍弱の増益ということになります。

この期間のCAGRは売上で約27%、利益で約30%です。

シュッピンもびっくりの30%増益です(笑)。

まぁ正式な中期経営計画でもないので、
あくまで現時点では5年後の「夢」の域でしょうが、
心意気や記載のあるアプローチはなかなかいいのではないかなという印象を受けます。


前述の成長性の評価も未知数のものばかりですが、
どれもこれも全くダメということにはならなそうですし、
期待度は現時点は過度に見積もれませんが、成長はしていくかなと思います。

但し、リーマンショックのような危機的な状況が来ると、
1期、2期は減益となることもあるでしょう。
しかしまさにリーマンショックの時がそうであったようで、
確かに影響を受けて減益をしていますが、
その後、そこできちんと人材投資も継続したことも奏功して、
今ではそれ以上に成長してきています。

短中期的には懸念は残るものの、長期的にはトレンドとしてシェア率を高めて、
このニッチの業界の中でデファクトスタンダード化がより進むと思います。


以上のことを総合的に考えて、最後はどうしても感覚的になってしまいますが、
CAGRは10%とみます。




3.株価水準について

 現在の株価は887円です。
(5月20日終値で表記しています)

 時価総額:178億
 PER(16.3期実績):10.6倍
 PER(17.3期会社予想):10.5倍
 PER(17.3期四季報予想):10.0倍
 PBR:2.2倍
 ROE(16.3期実績):18.9%
 DOE:2.3%


成長率10%で予想PER10倍となるとPEGレシオはちょうど1倍近傍です。
この成長率が正しいとすると現時点では妥当な水準かもしれません。



4.リスク要因

人材派遣業ということを考えると、
一番のリスクはやはり景況感による影響かと思います。
有効求人倍率とか完全失業率などを このサイト から期間取得して、
株価などとマッピングしてみましたが、
株価データがある期間はこれらの雇用指標はずっと改善を続けているので、
あまり参考になりませんでした。

私が想定しているのは、一言に人材派遣業といっても、
建設現場の作業員や小売店の販売員等の一般的な派遣と比べると、
影響は相対的には少なく済むのではないかと考えています。

ここに同社の主な取引先の記載があります。

→ こちら(会社Web)


よく医薬品セクターがディフェンシブだとか言われますが、
それは需要が大きく衰退することがない点と、
景気の浮き沈みのサイクル以上に、
長期的な視点で研究開発・創薬を行っているからです。

これは化学や食品など生活必需品にも繋がる研究についても、
生活必需品に関連する測定、開発などの作業は、
ずっと減衰したままというのは考えにくいと認識しています。

ただリーマンショックの時の影響を見ると、
そうはいっても一時的には減益となっています。
ただ、その後、きちんと回復してきています。

この景況感のリスクをどう捉えるかですが、
ここでも単なる稼働提供型ではなくコンサル型として「価値」を重視していると、
回復も早いのではないかと思います。


次に法令におけるリスクですが、
労働者派遣法が改定され、最近では期限を定めた(3年)ものに改められます。
しかし、同社のWebサイト色々読み漁ってみると、
その後、派遣先の正社員へと羽ばたくキャリアやWDBの研究開発現場で邁進するかなど、
選べるキャリアプランを用意している旨、記載があります。
短信上にも、既にこれらのリスクには同社は対応出来ている点も記載があり、
そこまでリスクは高くないかと思います。


派遣スタッフの確保が滞る点のリスクは確かに存在するかもしれません。
特に今のように景況感が比較的よい局面では、
顧客からの派遣依頼は増える一方で、
スタッフは多くが直接雇用されメーカーなどに就職され、
同社内の需給は崩れやすい傾向にはあると思います。
とはいえ、理学系派遣分野では既にトップシェアとなっている点も踏まえると、
一時的にはそのようなことで対応に追われることもあろうかと思いますが、
長期的にみれば、さほど問題になるものではないと思います。


5.目標株価について
目標株価ですが、
まずは19.3期EPSはCAGR10%程度とみて102と予想します。

評価PERですが、私は15倍で見積もりました。
成長性は緩やかではあるものの、
総合的に評価しても東証1部平均位は評価があってもいいと思います。
参考までにいくつかの会社のPER評価を時価総額と利益率を
ざっくり拾ってみました。

2475 WDB
 (予想)PER:10.5倍
 (実績)営業利益率:9.2%
 時価総額:178億


3654 ヒトコミュニケーション
 (予想)PER:25.7倍
 (実績)営業利益率:9.0%
 時価総額:373億

6089 ウィルグループ
 (予想)PER:11.5倍
 (実績)営業利益率:3.2%
 時価総額:98億

2181 テンプHD
 (予想)PER:20.8倍
 (実績)営業利益率:5.4%
 時価総額:3,968億

4641 アルプス技研
 (予想)PER:14.8倍
 (実績)営業利益率:9.5%
 時価総額:254億

9744 メイテック
 (予想)PER:16.0倍
 (実績)営業利益率:12.4%
 時価総額:1,196億


イメージ的にはアルプス技研あたりのバリエーションが近いかもしれません。


EPS102、PER15倍として
目標株価は1,530円と算出されます。
(これで時価総額は300億程度です、これでも今のヒトコミュニケーションより低いですね)

現状の株価からの上値余地は73%になる計算になります。



6.その他

同社のWebサイトは色々コンテンツが充実しています。

例えば採用情報ですが、採用実績校を見ると名だたる大学が名を連ねています。
そして理系が多いと思いきや、文系が活躍していたり、
経営戦略人材の採用コースが別にあって、経営についての意識が高い点も特徴です。
社長も途中でMBA取得したことが紹介されています。

その紹介されている会社の歩みは、なかなか読み物としても面白いです。
と同時に同社の遺伝子がよく伝わってきます。
もちろんこれは美談化されていると思うのですが、
拘りが強かったり、人材に対する考えがより伝わってきます。

それはグループ経営人材にも表れていて、
若い経営者がそれぞれのドメインの中で活躍しようと切磋琢磨しているようです。
これも経営のスピードや競争原理を機能させる面でもよいかなと思います。


最後に課題と感じている点をもうひとつ記載しておきます。
IRについてですが、まず毎年のように業績予想の修正を繰り返しています。
リーマンショックの頃は下方修正を出していますが、
それ以外はほぼ上方修正です。
年によって同じ期に何度も修正を入れたりしています。
これは数値精度がどうしても読みにくいということなのか、
それとも精度が甘いのかどちらなのでしょうか。
読みにくい数値であるということは、
それだけ、ビジネスも不安定ともいえますが、
単に保守的にしているだけなのでしょうか。
そしてIRにはあまり積極的ではないようで、Webページは一応充実していますが、
決算説明資料などもう少し丁寧なIRを期待したいです。
なんだったら、IRフェアとか出展して欲しいですね。
ぜひ、経営者にお話を伺いたいですからね。


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