Author:まるのん |
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【決算精査】 1384_ホクリヨウ(18年3月期_1Q決算)
銘柄分析シート(PDF)
1.サマリ
総合評価:「4」 (☆★★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング
ホクリヨウから1Q決算が開示されました。
同時に通期上方修正と食品事業の譲渡のリリースがセットです。
今回開示内容を受けてIRへ電話照会を行っています。
詳細は後述の通りです。
鶏卵相場は全農で東京の価格はたまに横目で見ていましたが、
1Q期間中は総じて堅調な推移でしたが、
売上は思ったより伸長しておらず、修正もほぼ横ばいとなっています。
飼料価格は3%程度高い前提での計画でしたが、
1%程度のプラス推移で抑制されているようで、
今回はこの部分で費用低減効果による修正となっています。
売上面では、北海道の鶏卵については、
季節要因による年末高が思った程高くなく、
また初市での急落も季節要因とはいえその落ち込み幅も大きく、
慎重にその後を見通す必要があるという判断のようです。
ただ1Qで+5%程度で推移したものは、
一気に当初見通し通り▲2%まで落ち込むとみるのは、
販売重量も生産余地が向上していることを考慮すると、
保守的ではないかなと思います。
とはいえ、足元でも落ち込みは大きく、
これも道内の親鳥の生育の安定化で供給サイドの安定化が寄与しているようで、
当面は下押し要素も一定程度考慮する必要があるかもしれません。
ですから、過度に追加の上ぶれを期待することも出来ないかなとも捉えています。
定量的に業績は堅調であると捉える位がちょうどよいように思います。
一方セットで開示されている食品事業の譲渡については、
個人的にはポジティブに捉えました。
ホテルなどの出入り業者として鶏卵を納入する時に、
ついでに食肉を中心とした食品を扱っていたわけです。
これは同社の注力事業でもなく、エスフーズから食肉を仕入れて、
納入するという付加価値の高くないスタイルでしたし、
実際損益ギリギリという状況が続いていましたから、
強みのあるエスフーズに譲渡して、選択と集中を高める意思決定は、
経営の英断だと思います。
元々、仕入れ先のエスフーズへ譲渡ということで、
既存顧客への影響や停滞も生じにくく、
このスキームもよいかなと思います。
譲渡金額として5.2億が妥当かどうかまでは、
デューデリもしていませんが、私の興味はこの使途です。
鶏卵事業へのリソースの集中を行うことは明言されていますが、
具体的にどのような形態で、どのようなスピード感でこれを進めるのか、
そのプロセスで生じえる新たなリスクはどのようなものか、
このあたりに気を配りながら、楽しみに見守るというスタンスです。
足元の数値にはやや弱さが見られることもあり、
目先の見通しは保守的であるという面もありますが、
総じて堅調な業績であること、
また今後より主事業への選択と集中が推し進められる見通しであることもあり、
全体としてはややポジティイブな要素のある決算であったかなと思います。
従って、総合評価は「4」(ややポジティブ)と評価します。
2.定量数値の確認
(1)売上の推移
北海道の鶏卵相場がほぼ5%増で推移したようで、
それに準拠した増収です。
特にコメントはありません。

(2)利益の推移
前期比で見ると大きな伸長です。営業利益については+70%台の増益ですからね。
ただ前期は減収の影響や雛鳥確保の原価増などの背景があったと記憶しており、
凹んだところが基点になっていますからその点も考慮し冷静に受け止めるべきかと思います。。
前々期の同期間は鶏卵価格が破格の高騰をしていたこともありますが、
その期の記録よりは額としてはまだ小さいですからね。
ただ鶏舎立替などの投資の償却費も立っていると思われる中で、
利益率をその水準まで上げていることは一定程度評価しても良いかなと感じます。
ただ、株価が驚いて高騰するようなものではないかなと思います。


(3)今期予想の状況
変則決算で残り4ヶ月ということもあり、
詳細な定量評価は割愛します。
ただ、前述の通り、今後の鶏卵相場の動向によってとはなりますが、
やや保守的な業績予想の修正という見方をしています。
ただ、再度の上方修正期待は今の所、持っていません。
(4)株価推移の状況

今期予想PERは変則決算ということもあり、
正確なバリュエーションを表せていないため、
参考程度なります。
(5)IR照会の状況
IRへ電話による照会を行いました。
あくまで私の主管による解釈に基づき、
参考までにメモを起こしています。
Q
業績予想の修正で飼料価格の低下を理由に利益項目のみ修正しているが、
1Qを対前年+5%で推移した結果を見て、
当初計画の前提である鶏卵相場の▲2%を据え置いているのはなぜか。
A
確かに1Q期間は総じてみると堅調な鶏卵相場であった。
但し月別にみると北海道では東京相場と異なり、
直近の12月期はそこまで高騰せずに終わった。
また年初の初市の落ち込み幅も想定よりもやや大きい状況となっている。
このため、通期で見た時には1Q分と残期間で行って来いとなり、
概ね当初計画の前提を据え置いている。
Q
今期は変則決算であり単純な日数ベースでみると3:4とほぼ半分が
進捗している。その前半で+5%となったものが、
通期で▲2%まで落ち込むと見るのは今後の見通しが
対前年で相当落ち込むことを想定していると読めるが、
何か懸念している事象があるのか。
それとも単にコンサバティブにみているということか。
A
特段懸念していることはないが、慎重に見極める必要があると認識している。
コンサバといわれればそれはそういう解釈になるかと思う。
Q
ところで北海道が東京相場などと比べて12月の高騰が抑制された、
また初市の落ち込みが大きいという足元の状況は何か背景があるのか。
今後の見通しも踏まえてどのように解釈されているか。
A
北海道では3年程前に比較的大規模な鳥インフルエンザの罹患により、
大量の親鳥の殺処分が行われた。
その際に一時的に需給がタイトとなったものの、
その後、事業者が新たな親鳥の生産体制をとり、
現時点で供給サイドが安定化してきたという側面があるかもしれない。
このため、他地域と同じように季節トレンドが明確に出るようになっている要素に
繋がっている可能性が考えられる。
いずれにせよ、このような需給も踏まえて慎重に計画策定を進めており、
今後も経過を見守りたい。
(鳥インフルが発生すると寧ろポジティブになる?なんて
倫理観に乏しい悪者の私は思ってしまいました・・・)
Q
食品事業の譲渡については、個人的には選択と集中という面から歓迎したい。
当件は、エスフーズと当社との間でどのような働きかけがあって
実現したものなのか。
(どちらが主導したなどあれば教えて欲しい)
A
元々当社の養豚事業を過去にエスフーズ社に譲渡した歴史もあり、
現在も食品事業の食肉はエスフーズ社から仕入れて当社が扱ってきた。
今回、ちょうど双方の意思のタイミングが合致して実現したもので、
どちらから働きかけたという事実はない。
元々、仕入先と納入者という役割や過去からの付き合いで、
初めてお見合いするような相手柄でもないため、
スムーズに双方の意思をマッチングさせることが出来た。
食肉に関してはエスフーズ社の方が大きな会社だし、ノウハウもあるため、
そのような部分は譲渡して本来の価値を顧客に届けると共に、
当社としても食品事業での伸長には限度も感じており、
またより鶏卵事業を注力していきたいという思惑もあり今回の件となった。
Q
ここで得た資金は当然、鶏卵事業へ注ぐことになると思うが、
多賀城などへの取組も踏まえてどのように投下していくつもりか。
A
多賀城の件は、粛々と進めており、
また開示が出来るタイミングがきたらお知らせする。
使途としては、鶏舎の立て替えはもとより、
MAも検討して成長を果たしていけるように頑張る。
(MAの姿勢は社長にぜひ聞いてみたい。危ない捉え方をしていないかとか)
(6)さいごに
決算を受けて株価はポジティブに評価をしたようです。
食品事業の譲渡が今後の成長投資に思惑を生むとか、
そもそもPER的に相場と比して割安水準であるとか、
まぁ様々あるでしょうが、そんなに高騰して
驚くような内容でもないかなと感じています。
ただこれはあくまで私の個人的な心象ですし、
保有比率も既に小さくなっていますから、
のんびり眺めて応援を続けたいと思います。
【決算精査】 1384_ホクリヨウ(17年8月期_4Q決算)
銘柄分析シート(PDF)
1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング
ホクリヨウは、1年ぶりの決算精査記事です。
四半期決算をサボってしまいました。
鶏卵相場はここ数年の高値からやや落ち着きをみせて単価下落しているものの、
飼料価格の低減や生産数(販売重量)が堅調だったことで、
増収増益決算となりました。
今期予想ガイダンスは7か月の変則決算ということで、
単純比較は出来ませんが、
事前にIR照会していた通り、鶏卵相場は更なる下落をし、
飼料価格が上昇するという保守的な予想となっています。
但し、販売重量は引き続き堅調に推移するという前提であり、
それだけ東北地域の鶏舎立ち上げも堅調ということでしょう。
CFからみても、固定資産投資が旺盛で、
今期はついに営業CF以上に投資CFの支出が見られ、
こんな地味な会社でありながら、
なかなか攻めているな~という印象です。
私は本州への本格進出を更に進捗することで、
更なる成長をしていく可能性をメインシナリオに置いており、
前期に進出した加工卵の周辺系の開拓も多少寄与して、
今の低PERの中では引き続き応援に値するかなと感じているところです。
目標株価には肉薄してきているものの、
既に比率を下げていることと、
変則決算ということでやや目標株価の更新が見通ししづらいこともあり、
一旦は据え置きしています。
今期の配当は前期と同額15円で、
期間が短い中でも同額を配当してみらえる事は嬉しいのですが、
もう内部留保厚くしてどんどん投資を進めてもらってもいいのにな、
と個人的には考えています。
IRへの電話照会の時にも、
設備投資には意欲が高いため、
うまく還元とバランスを取ってのことだとは思うのですが、
もう少し展開にスピード感をもってもいいかなと思っています。
2.定量数値の確認
(1)売上の推移
増収規模は小さいですが、
鶏卵相場が前期に比べると軟調にしている中、
よく増収を確保したな、という感覚です。
北海道の天候不順による旅客減少による影響もあったと思いますし。
まぁ特にそれ以上のコメントはありません。
(2)利益の推移
営業利益率は前期と同様に9.5%を確保しています。
設備投資の償却費や、鶏卵相場の単価下落による影響もあったと思うのですが、
粗利率ベースで利益率は好転しています。
修正開示にもあった通り、鶏卵相場の安定基金からの特別利益もあり、
純利益ベースでは大きな増益率になっています。
(3)今期予想の状況
7か月の決算なので、比較が難しいです。
9月~3月ということですが、
ざっくりいえば、9月~10月は鶏卵相場が上昇傾向にあり、
11月から12月に天井をつけ、1月の年明けに一気に底をつきます。
2月~3月は徐々に回復しますが、低迷期となります。
9月~10月が並、11月~12月が好調、1月~3月が低調ということで、
ざっくりならせば、期中平均か少し割れる位の推移とみればよいのではないでしょうか。
前期の通期の売上は159.8億でこれを12か月で割って7ヶ月分とすると、
93.2億となります。
同様に営業利益は、8.9億となります。
一方で通期予想は売上91.1億、営業利益は8.3億です。
ということで、保守的な計画と期中平均から少し割れる位の推移という感覚からすると、
まぁこんなもんじゃないでしょうか。
個人的にはもう少し保守的なものになると思っていましたが、
案外、まともな計画ではないでしょうか。
保守的なので今期に上方修正があるかもしれませんが、
それもおでん需要がどうかとかケーキ需要がとか、
様々な需給も絡むことですし、
それにBETしているわけではないので、
ゆっくりと見守りたいと思います。
※超大雑把な決算精査となりました。
【決算精査】 1384_ホクリヨウ(16年8月期_4Q決算)
銘柄分析シート
1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング
前期の実績は予め修正がありましたが、
改めて見ると素晴らしい増益決算となりました。
これは既に要因もわかっており、
鶏卵相場の高騰に加えて、
円高基調による飼料価格の低減という効果も加わり、
まさに特需状況の中の実績ということでした。
従ってこのEPSから見るとPERは6倍台ということで、
一見すると割安だな~と思わなくもないわけですが、
どうせ今期予想で相応の減益を覚悟せねばならない状況ですから、
割安だから買い増しだなんて全く考えておらず、
むしろこの本決算に向けて優待分だけを残して、
ポジションを縮小させていました。
そんな重要な今期予想は予想通り、
大幅な減益予想となりました。
私の今期予想EPSは109、四季報と日経会社情報の予想は100に対し、
会社予想は94ですね。
会社予想は各想定より下側ですが、
歴史こそ浅いものの会社予想は保守的な傾向が強いので、
結果的に見通し通り位になるものと考えています。
特に前期の上期は鶏卵相場の高騰が続いていたので、
今期上期の減益幅が特に顕著で、
利益が約半分になる計算になります。
鶏卵相場が軟調に推移していることは既に周知の事実ですから、
大幅減益は想定通りだと認識しているのですが、
PTSの反応を見るとショックな方が多いようですね。
まぁ決算の見た目はとても悪いので、株価は下がるでしょうね。
決算前にツイートもしていましたが、一応私は20%安を覚悟していますよ~(笑)
減益に驚くのであれば、なぜ決算持ち越ししたの?と思いますが、
まぁ株価の騰落など横に置いておいて、中身を見ていきます。
ちなみに、これだけの大幅減益、しかも会社予想は想定より下ではありますが、
着地見通しとしては概ね当初の想定通り付近に落ち着くと思いますし、
仮にそうならなかったとしてもある程度外部要因によるもので、
私の期待する本州進出のためのMA含めた
緩やかな成長戦略前提は崩れていないので、
特に見立てを変える必要性は感じていません。
従って、総合判断はニュートラル(想定通り)の「3」です。
(これだけの減益にバカ?と思われるかもしれませんね(笑))
2.定量数値の確認
(1)売上の推移

前期実績では0.6%というかろうじての増収を確保という結果になりました。
鶏卵相場が特に軟調に推移した4Q単では7%近い減収となっており、
表現は相応しくないかもしれませんが、辛うじて逃げ切ったといった印象です。
銘柄分析シートにも表記している通り、
セグメント別に見ると鶏卵事業は通期でも減収ですが、
食品事業がインバウンド好調などの理由で増収となっている構図です。
4Q単では東京鶏卵相場で見ると前々期平均は概算で218円/kgですが、
前期平均は概算で187円/kgですから約15%弱の下振れです。
同社の主拠点である札幌は東京に比べると影響は限定的のようですが、
それでも東北地方の鶏卵は東京相場の影響を受けますし、
これは厳しい状況です。
というか前々期までが特需でおかしかったということでしょう。
これはホクリヨウの問題というより、
ここ数年の鶏卵の高騰により供給が増えたことによる
需給バランスの問題であると認識していますからあまり問題視していません。
ただ、長期的には同社の販売網が本州中心に増えたり、
新たに進出する加工卵の売上寄与などにより、
安定的に増収基調を継続出来るようになって欲しいとは期待していますが、
いずれにしても外部環境でここまで鶏卵相場が振れると、
小さな会社である同社にとってはやむ得ないと理解しています。
(2)利益の推移
営業利益について、以下の通りです。

鶏卵相場の影響によりトップラインが下がると、
利益は一気に飛びますね。
4Q単では大幅な減益となっています。
元々鶏卵相場は夏場にかけて落ち込むため、4Qは苦しいんですよね。
なお、純利益の推移は以下ですが、
概ね営業利益と同傾向ですが、もう4Q単では損益トントンまで下押ししています。

(3)今期予想の状況
鶏卵相場の軟調がすべてでしょうね。
ここに償却費負担も下押し要因となっています。
一方で飼料価格は低減を想定しているようですから、
これは利益面で唯一のプラス要素です。
鶏卵相場ですが、前期比▲7%を前提としてます。
前期の期中平均は東京で概ね215円/kg位です。
従って東京で200円/kg位が今期の想定線となります。
もちろん札幌を見ないとなりませんが、
すぐに札幌のデータがわからなかったので、
東京で見ています。
足元で9月平均は192円/kg、10月に入り200円/kgを超えて、
今日時点では212円/kgです。
これから冬場にかけて高騰して、年明けから落ちてという
トレンドがありますが、まぁ今のところは想定通りなのではないでしょうか。
こればかりは石油の相場を当てるのと同じ位、私にはよくわからない世界です。
この相場で勝つことを目的に同社株へ投資しているわけではないので、
まぁ極端な話、どちらでもいいです。
飼料価格は円高基調を理由に▲4%を前提としています。
原価が低くなるということですね。
前期の通期の為替はドル円で115円位でしょうか。
(月毎の単純平均をすると114円位、ザックリです(笑))
為替だけで決まるわけではありませんが、
4%コスト減(4%円高)と勝手に読み替えてみると
ドル円は110円位でしょうかね。
まぁいいところかもしれません。
実際には多くの企業が105円などを前提としているので、
実際にはもう少しコスト安の効果があるような気もしますが、
為替やトウモロコシなど商品の動向はあまりよくわかりませんので、
こちらもふーんとみておきます。
食品事業でインバウンドは引き続き好調ということで、
5%増を前提としているようです。
インバウンドが低調というニュースをみるようになっていますが、
北海道の観光需要はどうなんでしょう。
案外影響は少ないんでしょうかね。ちょっと気になりますね。
鶏舎建て替えの影響による増重は1%とありますが、
今後建て替え進捗によって販売増に備えるためにも期待したいですね。
この他気になる事も含めてIR照会です。
(従前通り、私の主観を大いに反映したものとなっています)
Q
鶏卵相場の見立て(▲7%)は?
A
前期の上期は特にまだ鶏卵相場が高騰していた反動が大きいものの、
下期については影響も前期比という観点からすると限定的である。
札幌市況では既に5月より前年割れをしていることもあり、
既に相場変調の影響は前期後半から生じていた。
このことから全体で精査してならすと前期比で7%程度の減少を見込むという
判断となった。
Q
インバウンド需要は一部で低調という報道も見られるが、
北海道地域におけるインバウンド観光の動向などはどのような状況か。
また今後の見通しはやはり楽観的なのか。
A
北海道におけるインバウンドの観光は好調に推移している。
特に冬場のスキーシーズンでは根強い人気もあり、
需要は高いものと認識している。
一部で節約志向の高まりなどの傾向もあり、
それも考慮しているものの、
総数として非常に多くの観光客の方に来て頂いている。
Q
鶏舎建て替えはまだ進捗中という理解でよいか。
また増重1%というのはどのようなインパクトがあるのか。
A
まだ途中であるが、進捗を進めながら増重出来る体制を構築すべく
対応を行っている。1%というと少ない数字に思われるかもしれないが、
この業界においては今後の拡販や加工卵への対応という意味で
大変意味ある体制構築が進んでいると理解してもらってよい。
(ふ~ん、そういうものなんだ・・・と納得したようなしないような(笑))
Q
償却は今回で大きなものは概ね終了と思ってよいか。
来期以降も大きな償却は続くのか、そうだとするとその規模はどの程度か。
A
前期に鶏舎、今期は加工卵工場とそれぞれ設備投資が大きく、
それにつれた償却を計上しているが、
大きなものはこれでひと段落するものと認識している。
(まぁあくまで現時点ではということで、
今後MAや更なる設備投資計画が開示されればその限りではないんだろうな・・・)
Q
4Q単が損益トントンまで落ち込んでいるのは鶏卵相場の影響だけと考えてよいか。
他に何か特殊な要因があったのか。
A
鶏卵相場の影響と思ってもらってよい。
4Qは元々厳しいQである上に、相場が軟調に推移しておりこのような結果となっている。
季節要因と外部要因が重なり、四半期という短期で見るとこのようにみえる。
Q
以前に増資に対して、
既存株主には成長で返すと聞いている。
今期予想だけで成長が止まったとは思わないが、
一方で長期ビジョンで成長意欲に変わりはないか。
A
前期が一種の特需のような形で今期の見た目が悪いようにみえるが、
今期は外部要因などの影響で見た目が悪い状況となっている。
しかし、新たな事業への進出や、販路拡大、生産体制増強など、
手は打ってあり、成長意欲はきちんと果たしていきたいと考えている。
(以下略)
まぁ今期予想が大幅減益とは言ってますが、
私が同社へ期待しているCAGRは5%です(低っ!?)
15年8月期営業利益が1036百万円に対して、
17年8月期営業利益予想は1167百万円で
この期間のCAGRは6.1%ですから、
まぁ十分っていえば十分なんですよ。
私が敢えて全株を処分せずに
敢えて今期予想が大幅減益になることを見越して
決算を持ち越したかというと
たまご券が欲しかったからです(笑)
ではなくて、
私が投資をして期待をしている前提シナリオは
変わらないという中でのせめてもの抵抗のようなものです。
つまり、投資前提が崩れていないのに全株処分まで対応するのは、
ポリシー違反にもなるので悩ましい中での決断でした。
投資前提としては、
MAの活用などによって本州地域への拡販や、
加工卵を始めたとした複合化による成長などを期待しています。
このシナリオには時間もかかりますし、
そうそう簡単ではないのですし、
訳の分からない増資に嫌気を持ちつつも、
IR対応もそこそこ丁寧ですので、
まぁ低いポジションながらも継続保有という選択をしています。
ただ、この対処にはやはり悩ましい部分もあるので、
自分のスタンスなどを見つめる中で、
どう対処していくかよく考えたいと思います。
【決算精査】 1384_ホクリヨウ(16年8月期_3Q決算)
銘柄分析シート
1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング
鶏卵事業は飼料価格の低下は引き続き良い効果を発揮している一方で、
鶏卵相場は軟調に推移しています。
ただ、私が想定していたよりはまだ影響は顕在化していないようです。
私は、基本的に全農から開示される東京や名古屋のデータを見ていますが、
同社の主戦場である札幌はその程度はまだやさしめだったようです。
鶏卵相場は元々夏場に軟調になることはわかっていることですが、
足元を見れば今年はより弱い感じでしょうか。
ただ、前年がむしろ相場が堅調だっただけともみえます。
4Qがこの鶏卵相場の底でしょうから、
数値は伸びないだろうと感じていましたが、
今回の3Q累計の結果は既に修正後の通期業績予想を達成している、
つまり、4Qは赤字になるということで、
想定以上に保守的な印象でした。
このあたりの感触は気になったので、
IRに電話をした所、自分の見通し通りだったので、
想定通りの決算として、総合評価は「3」(想定通り)とします。
2.定量数値の確認
(1)売上の推移

3Q累計では、3%程度の増収ですが、
3Q単計では、2%弱の減収となっています。
要するにほぼ横ばいということです。
鶏卵相場は札幌は、
まだ前年比累計で4%程度の上振れのようですから、
ほぼ販売数量は変わらないのかなという皮算用です。
大きな変調はなく、引き続き、
鶏卵相場と連動する形が継続すると思います。
特に変調はなく、あとは鶏卵相場の動向次第といったところでしょうか。
こればかりはどうにもなりませんからね。見守るだけです。
(2)利益の推移
◆営業利益推移

◆純利益推移

売上は単計では減収となっていましたが、
利益面では増益となっています。
しかも、営業利益では利益率が前期比で良化しています。
(前期:8.6% → 今期:9.8%)
累計でも営業利益率は鶏卵相場の好調さが前半にあったため、
11.6%とやや2Q累計から見れば下がりましたが、
それでも前期比で見れば高い水準を維持しています。
今回売上は微減収ながらも、
利益は増益となっていることをみると、
飼料価格の7%減がかなり効いているのかなという印象です。
もちろん、今後、札幌でも鶏卵相場は前期比でマイナスに落ち込んでくるでしょうから、
4Qの収支はかなり気になりますね。
いずれにしても、3Qまで見れば、順調そのものだと思います。
(3)利益の状況と今後の見通し
通期業績予想から、4Qの業績予想をみてみます。
◆通期予想(会社予想)
売上高 : 15,555百万円
営業利益 : 1,360百万円 (8.7%)
◆4Q単計予想(実績と通期会社予想から算出)
売上高 : 3,671百万円
営業利益 : ▲15百万円 (-)
会社四季報との予想対比で4Qの予想を皮算用してみます。
◆通期予想(四季報予想)
売上高 : 15,600百万円
営業利益 : 1,460百万円 (9.4%)
◆4Q単計予想(実績と通期四季報予想から算出)
売上高 : 3,716百万円
営業利益 : 36百万円 (1.0%)
まず、会社予想は通期で据え置きとなっています。
ということは素直に読めば表記の通り、4Q単では赤字となることになります。
本当に?どの程度の信憑性があるのかこの辺りは気になります。
4Qの鶏卵相場の軟調さがこんなにも影響するものなのか、
単に保守的に見ただけなのか、この辺りは非常に気になります。
ということで、IRにお電話いたしました。
(割愛して主観に基づきメモ書いています)
Q
4Qが赤字になるけど本当に?
A
鶏卵価格も軟調に推移しているので・・・(ごにゃごにゃ)、
現時点では赤字にならないように、
鋭意努力をしようと頑張っているところである。
Q
数値に関わることなので明確な回答を頂く事は難しいと考えているが、
逆にこの程度の鶏卵相場の変動で赤字になってしまうようでは、
今後が心配なのだが、本当にそのような状況になりそうなのか。
A
(苦笑しながら答えにくそうに) 赤字になることはないように、
きちんと管理していきたいし、数値を出して株主への期待に応えられるように、
積み重ねてきている。
Q
つまりある程度保守的にみられているということか。
A
コンサバにしているつもりはないが、
赤字にはならぬように頑張っていきたいという意気込みから考えれば、
予想は保守的な要素もないわけではない・・・・・(ごにょごにょ)
元々同社は夏場の鶏卵相場が弱くなる時にはどうしても収支が厳しくなる傾向にあり、
その分、冬場などは大きく相場が好転する傾向にあり、
ならせばそれなりの数値を出してきている。
前年は夏場においても相場が崩れない特需的な要素があったが、
元々どうしても季節性のあるビジネスとなっている。
Q
札幌と東京でだいぶ鶏卵相場の動向が違うがどのような背景があるか
A
相場は需給により決まるわけだが、
東京相場においては、やはり供給がやや多い上に、
需要が頭打ちという状況の中で弱い傾向が顕著となっている。
しかし、札幌相場においては、供給がそこまで多くなっておらず、
需要もそこまで落ち込んでいなかったことから、
相対的に札幌相場の下落は限定的であった。
Q
同社は北海道が主業と理解しているが、
東京相場の影響はどの程度と考えればよいか。
A
東京相場はいわゆる東日本の相場を決めるものとなっていることから、
全体の30%程度の雛を持つ東北(岩手)でのビジネスに影響がある。
(要するに無視は出来ないものの、そこまで過度な心配は不要かな)
70%が札幌相場に依拠しており、
相対的に足元でも東京の落ち込み程ではない。
但し、相応に下落は見られるので、
4Qでは苦戦はするという見立てである。
(とはいえ、赤字にはしないように頑張っているということか・・・)
IRに照会した印象としては、
4Qでは相応の苦戦は強いられそうです。
但し、円高効果もあり飼料価格面ではポジティブという要素もあり、
会社が頑張っている通り、赤字は回避するのではないでしょうか。
一方で、3Qまでの四半期のようにはいかず、
売上、つれて利益についても凹むでしょう。
特に言及はしていませんが、インバウンドに依存がある、
食品事業でもネガティブですから、(規模感から影響は軽微と思いますが)
全体で見れば、四季報位の予想+αがあるかないか位かなと思います。
私は今期の通期のEPSは103程度と見ており、
これは増資による希薄化を考慮すると概ね四季報程度の見込みです。
ということは、概ね想定通りかなということです。
来期は液卵事業の内製化も進められることになり、
設備投資、それに相応する償却費など、
いわゆる先行投資期になりそうですが、
そういう浮き沈みに一喜一憂せずに長期でみていきたいとは思っています。
そして何より、増資をしてM&Aにも控えているようですから、
良い案件をゲットしてぶっ飛んでいってもらえればいいなと妄想しています。
鶏卵相場の動向や飼料価格の動向に一喜一憂することも大事かもしれませんが、
M&Aがどうなるか、新事業がどうなるか、
こちらがメインドライバーとして思考を深めることが大事かもしれません。
【決算精査】 1384_ホクリヨウ(16年8月期_2Q決算)
銘柄分析シート
1.サマリ
総合評価:「4」 (☆★★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング
私は2Q決算についても多少の上振れはあるにせよ、
概ね計画線で着地すると認識していました。
確かに1Q決算は好調でしたし、
その後の鶏卵相場の動向並びに飼料価格の動向は、
いずれも同社にとって追い風の状況で推移していましたが、
1Q決算後にIR電話した際に、雛の仕入タイミングの問題もあっての好調さということで、
2Qでは雛の仕入費用なども計上されて1Qより収益性は落ちるだろうと見ていました。
確かに後述するように、1Q比で見れば悪化していますが、
想定超に収益性を確保しており、
大幅な上方修正となり結果的に上記の私の見通しは外れました。
上期の決算は売上は概ね計画ラインであるものの、
利益においては営業利益率が12%超となっており、
これはさすがに出来過ぎの結果ですし、
飼料価格などのコストが継続的に抑制できるものでもないと思いますので、
一過性の要因が多分に存在している上での結果と捉えています。
とはいえ、鶏卵相場や飼料価格の追い風を加味して
ある程度意欲的な私の個人的な予想数値に対しても、
通期で営業利益ベースで10%超の上振れということで、
これはさすがにポジティブな要素となりました。
これに加えて、直接決算精査には関連しないかもしれませんが、
新事業への進出もリリースされています。
加工品マーケットへの進出ですので、
同業でも上場会社がありますので、こちらもセットで評価していきたいと思います。
前回1Qでも驚きはありましたが、
一過性要素もありと判断はニュートラルとしましたが、
今回は一段評価を上げて、ややポジティブの「4」を付与します。
決算の中身については、
冗長となりますので、 続きを読む よりお進み下さいませ。