投資方針に忠実に退屈な投資で資産形成

2017年投資方針に従い、
改めて銘柄の定点観測を実施します。


◆3230 スターマイカ

【独自モデルで時流に乗った事業】
販売用不動産として仕入がしにくい賃貸中物件を購入し、
ストック収入を得た後に退去後にリノベーション売買を行う。
ポーター賞を獲得したユニークなモデルにより、
ニッチな不動産流通を手掛けることに加えて、
不動産活況の時流に乗って事業は順調に拡大中。

【攻めの姿勢と株主ケア】
不動産活況の中、販売用不動産の積上げに注力。
将来の収支の源泉である仕入は順調に推移するも、
財務は脆弱でもあり、攻めの姿勢が鮮明。
資産評価が毀損すると大きなダメージを受ける点にも留意を要するが、
そんな中でも配当と優待、また昇格野心を全面としたIR姿勢により、
株主への配慮を忘れていない点は好感。


【総合評価】 ・・・「B」
足元の成長性は同社独自のニッチ戦略が奏功しており魅力が高い。
しかし、不動産好況という環境要素もあると思われ、
実際の成長性や安定性評価には慎重なものとしている。
今後も現状の不動産市況の状況が続く限りは、
仕入も含めて強く推移しているおり
成長基軸が継続すると思われるものの、
安全性もやや低く、更に直近で割安性も薄まったことで、
優待目的保有へ比率を落とす評価を行っている。
直近で上場昇格があると思われるが、
増資セットと思われ、中期的には今の株価では一旦整理タイミングを伺う。


 【成長性】 ・・・「B」
  <成長シナリオ根拠> ・・・12pt/20pt
   ・保有資産総量の拡大(物件数の拡大)
   ・周辺系新規サービスの開拓(管理やファイナンス等)
   ・リノベーション需要の拡大への対応(認知度向上型)
   ・不動産市場の評価額拡大による恩恵は限定的
   ・同社自身も値上がり益重視ではなくストックから新規バリュー創設重視
  <想定CAGR> ・・・10pt/20pt
   ・CAGR10%
   ・過去実績は凹凸あり(ビジネスモデル確立期)
   ・今後はストックとフローの循環で一定の安定期に入ったと推察
   ・但し後述の通り景況感の影響は確実に受ける
  <テーマ性> ・・・ 6pt/10pt
   ・中古住宅ストックの再評価
   ・少子高齢化や晩婚、非正規比率の上昇等による単身世帯増
・相対的にファミリー世帯の減少で同社主力の物件流通に影響か
   ・住宅へのニーズ多様化によるリノベーション需要の活性化
   ・住宅改修、取得時の税制変更(今は中古再生にとっては追い風)
   ・低金利(一時期より上がったとはいえ、引き続きローン契約は魅力高い)
   ・不動産投資が活況(サラリーマン/インバウンドなど多様化かつ総量増加)

 【安定性】 ・・・「C」
  <スイッチングコスト> ・・・8pt/15pt
   ・リノベーション物件の施工販売企業は競合多い
   ・仕入環境はレッドオーシャン
   ・施工も建材費や人件費の高騰で苦戦する場面もあり 
   ・賃貸収入部分は同社(貸手)側が優位(借手側が敢えて変える理由が少ない)
  <不況耐性> ・・・4pt/10pt
   ・賃貸部分は比較的安定
   ・売買は需要低下と物件販売価格の軟調さが影響
   ・不動産銘柄らしくそれなりの影響を受ける
   ・リーマンショック時も一時的には利益に相応のダメージあり
  <ストック性> ・・・5pt/10pt
   ・賃貸部分はストック性
   ・売愛部分はフロー型
   ・賃貸は仕入のタイミングで基本は売買主体
   ・従ってストック性の評価はそこまで高くみない
  <過去業績実績> ・・・6pt/10pt
   ・凹凸がみられる(外部環境(金融混乱や震災の影響もあり))
   ・今後は保有資産の積み上がりもあり今後は安定的に推移
   ・但し、景況感の影響で保有資産の目減りは要注視
  <顧客層> ・・・3pt/5pt
   ・住宅を求める一般消費者
   ・特に新築に拘らないニューエイジ(今後拡大するか)

 【割安性】 ・・・「C」
  <PEGレシオ> ・・・10pt/20pt
   ・PEGレシオ1.3
   ・足元上方修正もあり予想PERは一気に低下
   ・今の足元の活況に恵まれたのも一因なのでPER低下は調整して認識すべき
   ・とはいえ、当面の景況感が続く限り、同社スキームは健在か
  <目標株価GAP> ・・・5pt/20pt
   ・上昇余地20%台でそこそこ評価されている
   ・目標株価に今期の上振れは考慮していないため参考値。

 【安全性】 ・・・「C」
  <営業CF推移> ・・・6pt/15pt
   ・営業CFマイナス(本業部分で物件仕入に注力のため)
   ・財務CFで借入金で調達(仕入で攻めの姿勢)
   ・ただ、長期借入比率も1%台後半と金利は高め(このご時世の割に)
   <自己資本比率> ・・・6pt/15pt
   ・20%台半ば 販売用不動産の比率が極大
   ・仕入順調のため、不良資産にならない限りは問題なし
   ・金融ショックなどで不良化した際の耐性は注視が必要

 【還元性】 ・・・「B」
  <DOE> ・・・9pt/15pt
   ・DOE2.5% 財務状況を見れば妥当
  <資本政策> ・・・3pt/5pt
   ・ROE10%前後 水準は平凡
  <IR活動> ・・・4pt/5pt
   ・決算説明資料各種開示
   ・IRのWeb充実化(1部指定のための前準備?)
  <株主優待> ・・・5pt/5pt
   ・株主優待は魅力あり


【決算精査】3230_スターマイカ(16年11月期_3Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング

2Q決算前に上方修正を出しているせいもあり、
3Qは力不足に感じる決算ですが、
外部環境を考えると現時点ではまぁよく頑張っているという感じでしょうか。

私は元々上方修正後の見込みはやや未達程度を想定しており、
特に違和感のあるものではないのですが、
それはあくまで私個人の感触の中で想定の範疇ということであり、
市場からそうは取られないでしょう。
つまり、株価的にはネガティブな決算だと思います。

同社の主力事業であり8割以上のポートフォリオである
中古マンション事業における利益率が、
過去のトレンドからみると営業利益率2%程度落ちており、
これが力不足を感じる主因です。
手元で計算してみると、粗利率の下落分は1%程度ですから、
粗利率と販管費に絡む要素の双方が
それぞれ寄与していることはわかりましたが、
これ以上の要因はわかりませんでした。
ただ、売買、賃貸それぞれの特色に従った
トップラインは全体でも2桁成長を続けており、
利益率の下落も直ちに構造変化を疑うものではないと捉えています。
むしろ、外部環境を見ると、
売買に陰りが見えていることや、
賃貸も今後の景況感の悪化によって収益性低下の予見もされており、
今後は更に利益率は下がる可能性を内包しているものと理解しています。

足元の利益率は外部環境にも影響されますし、
もっと細かなことをいえば、例えばリノベーションを施工するタイミングで、
資材高などの影響をより色濃く受けるなど、
まさにタイミングの問題である可能性もあり、
四半期単位でトレースしてみても、
今はなんともいえないし、
そもそも中計をそのまま鵜呑みにしないまでも、
そういうスケールで見ていかねばならないので、
今後の推移は外部環境も踏まえて注視していきますが、
クオカードと入浴剤(?)を楽しみに少量保有継続したいと思います。


以上の見解に基づき、あくまで自分の見通しを踏まえた評価として、
総合評価は「3」の想定通りです。




2.定量数値の確認



(1)売上の推移

3230_スターマイカ(2016年11月期_3Q)売上推移


売上は累計で11%の増収ですが、
3Q単計で見ると23%と大きな増収となっています。
この多くが売買によるものですので、
前述の通り、今後の外部環境には要注意だなと感じます。
ただ、同社の売買はいわゆる収益物件という性質より、
個人の新築需要の代替としての受け皿としての性質が高く、
例えばインバウンド需要による投機的な不動産売買取引に
一気に逆風となるといった外部環境が顕在化したとしても、
そこまで大きな目減りにはならないだろうと考えています。
新築物件の価格高騰が下落に転じた際に、
中古物件の価格優位性の妙味が希薄化するといった点は、
ネガティブな要素かもしれませんが、
それ以上にリノベーション需要というまだまだ顕在化出来ていない
提案が訴求されていけば十分カバーできるものと考えています。


(2)営業利益の推移

3230_スターマイカ(2016年11月期_3Q)営業利益推移


前述の通り賃貸を中心とした中古マンション事業で、
利益率が下がっている点は気になりますが、
引き続き注視していくという判断です。
前2Qからその傾向が出始めているのですが、
賃貸部分の利益率が更に下落トレンドを描くようであれば、
IR照会行きになります。



(3)純利益の推移

3230_スターマイカ(2016年11月期_3Q)純利益推移


特に純利益として語ることはありません。



(4)利益の状況と今後の見通し

過去2期の4Q単を見ると、
他四半期に比べると利益率が下がる傾向がみられますが、
それが偶然なのか、構造的なものなのかわかりませんが、
そのことを念頭に独自に着地点を皮算用しました。
結論としては、着地予想は以下位です。
ただ、これもあくまでイメージで、
あまりこれが当たる/外れるという事自体は、
どうでもいいことです。
自分のイメージを予めて設定しておくことで、
結果を振り返る際にどの程度想定と異なるかで、
考察レベルを調整するためのものです。


 売上高  : 20,225百万円
 営業利益 : 2,900百万円 (14.3%)
 当期純利益 : 1,400百万円 (6.9%)

会社予想の修正後予想は以下の通りです。

 売上高  : 20,225百万円
 営業利益 : 3,079百万円 (15.2%)
 当期純利益 : 1,519百万円 (7.5%)

営業利益で5%強の未達、純利益で8%程度の未達です。
今回の決算を受けて今期EPSは160から155に修正しました。
まぁだからといって中期的な見立ては変えていません。


上記の独自見立てにおいても4Q単で営業利益率は
3Q単と横ばいの13%程度となりますが、
過去2期の4Qは10%を割り込んでいますから、
う~んどうなんでしょうかね(笑)。



(5)その他
BSの主要項目として現金と販売用不動産をチェックしています。
販売用不動産は今後の収支計上に大きく影響をしますので、
この費目の積み上がりが重要です。

3230_販売用不動産と現金推移(16年11月期_3Q)


現金が急速に増えておりますが、
元々財務レバレッジも高く財務はお世辞にも良いとはいえないので、
そこまで安心する内容でもありません。
また、販売用不動産は20%増収の売買をこなしながら、
仕入も進めているとみられ、
販売用不動産は高止まりとなっています。
ただ、現金が増えているにも関わらず、
ここから更なる仕入をしていないあたりが、
今後の不動産市況の先行き不透明感への懸念を露呈させているようにも感じます。



3.定性確認の確認

今回銘柄分析シートを更新していていて改めて気が付いたのですが、
同社の従業員の平均年収が高いように感じましたし、
実際前期からも向上しています。
これだけの労務費をかけてでも、
これだけ地味な業態でこの利益率を出せているのは、
やはり売買が好調だからということになるのでしょうかね。



4.さいごに

同社は公言している通り、近く東証1部に昇格するでしょう。
但し、財務状況を踏まえると増資とセットだとは思いますし、
その規模次第で、むしろネガティブなものになるかもしれません。

ただ、長い目で見れば、東証1部は信頼性向上に繋がるので、
事業にとってプラスに寄与出来ますし、
増資もその資金使途次第ですが、より同社が長期的な成長のために、
効率的に使われればそれはそれでいいことです。
というか、そのイベントでどうこうしようとも思っていないので、
あまりその観測で一喜一憂しないようにしたいです。


主力銘柄ではないこともあり、
イマイチ惰性感が否めませんが一応記事をUPしました。
(前回の2Qでは記事UPをサボリました・・・。)


というか、会社開示の決算説明、決算補足資料、
更にShared Research Report(PDF)なども即日開示されているので、
そちらを見れば十分ですね。




【決算精査】3230_スターマイカ(16年11月期_1Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング

足元の業績は特に利益率の改善がみられて、
同社が提供するような中古不動産の需要が大きく
価格面などで優位にビジネスが出来ていることが伺い知れます。

またそれが一過性になることなく、常に在庫を積み上げられており、
販売用不動産費目の残高も過去最高に積み上がってきているところです。

需要が多く、その需要に応えられるよう在庫をきちんと持ち、
足元の販売状況、販売条件も優位に進められており、
安心の決算内容と捉えています。

業績面では現時点の皮算用は後述しますが、
やや会社計画より上側をいっていると(勝手に)認識しましたが、
これも市場はある程度織り込んでいると考えています。

良い意味で全ては想定通りの範疇の結果であり、
総合評価としては3(想定通り)としたいと思います。


2.定量数値の確認

売上は横ばいでありながら、営業利益は26%、経常利益は33%と3割前後の増益となっています。
つまり利益率が大幅に改善していることになります。
営業利益率は、前期1Qの14.1%に対して、今期1Qは17.8%と3.7%の改善となっています。
その主な要因は主業の中古マンション事業の良化によるもので、
特に売買で稼いだものと思います。
決算説明資料(PDF)にも「物件に応じた最適な販売戦略が奏功」とありますから、
つまり高需要に支えられ、強気な価格設定が通用したということでしょう。
中古マンションの需要が高まっているということは事実としてあるでしょうが、
それがどこまで続くのかは不透明で、
マクロな視点でみていけば、人口減少に伴い住宅ニーズは緩やかに減衰するはずなので、
今のような供給側が強気になれるのもボーナスステージと見た方がよいのかもしれません。


3230_決算短信表紙実績(16年11月期_1Q)



(1)売上の推移

3230_スターマイカ(2016年11月期_1Q)売上推移


主業の中古マンション事業で7.8%の増収ということで、
賃貸、売買共に伸長しています。
一方で、インベストメント事業は前期に保有資産見直しに伴う一過性の大きな数値の計上があった反動から、
減少しています。この部分が売上が横ばいとなっている要因ですしので、
売上成長が鈍化しているということではないと理解しています。
それは保有資産の積み上がりなどからみても想像しやすいと認識しています。


(2)営業利益の推移

3230_スターマイカ(2016年11月期_1Q)営業利益推移


インベストメント事業は資産の入れ替えも進み、
利益率で30%以上の大幅改善しており、
トップラインが小さいですが、それなりの好影響があったものと思います。

一方中古マンション事業も増益なのですが、
賃貸で利益率がやや落ちている(2ポイント減)のが気になるといえば気になります。
賃貸なので、たまたまこの期に賃貸として収支計上された物件の偏在によるもので、
特に問題がないとは思いますが、少し念頭の片隅に置いて動向は見ていこうと思います。


(3)純利益の推移

3230_スターマイカ(2016年11月期_1Q)純利益推移

特に変調があるわけではありませんが、
税金等の効果もあり、38.9%の大幅増益となっています。



(4)利益の状況と今後の見通し

1Qは会社側もアナウンスしている通り、
順調な着地となっているようですが、
上期業績予想から、2Qがどの程度になるのかを資産してみます。

 売上高  : 4,470百万円
 営業利益 : 512百万円 (11.5%)
 当期純利益 : 189百万円 (4.2%)

前期の4Q単計の実績は以下の通りです。

 売上高  : 5,005百万円
 営業利益 : 630百万円 (12.6%)
 当期純利益 : 284百万円 (5.7%)

単純に比較すると、営業利益で18.7%減益、
純利益で33,5%減益となります。
利益率も落ちますね。

ということで、保有資産も順調に積み上がっている中で、
収支計上出来る物件の利益率に多少偏在があることがあれど、
さすがに上振れするでしょう。

売上をガイダンス通りに概ね推移するという仮定で、
利益率を多少好転するイメージかなと感じています。

超ざっくり皮算用してみると、2Q単では以下の数値位かなという想定です。

 売上高  : 4,500百万円
 営業利益 : 585百万円 (13.0%)
 当期純利益 : 248百万円 (5.5%)

このことから上期着地は以下と想定してみました。

 売上高  : 9,234百万円
 営業利益 : 1,426百万円 (15.4%)
 当期純利益 : 689百万円 (7.5%)

会社計画は以下です。

 売上高  : 9,204百万円
 営業利益 : 1,353百万円 (14.7%)
 当期純利益 : 630百万円 (6.8%)


売上で横ばい、営業利益で5.4%、純利益で9.4%程度の計画上振れを想定します。


但し、これも売上は会社見通し前提、
利益率も過去期を見てエイヤーで決めたものでやや保守的かもしれません。
四季報も会社予想を支持していますが、
相場はこの程度の上振れは既に織り込んでいるのではないかと思います。



(5)その他
BSの主要項目として現金と販売用不動産をチェックしています。
販売用不動産は今後の収支計上に大きく影響をしますので、
この費目の積み上がりが重要です。

3230_販売用不動産と現金推移(16年11月期_1Q)

この販売用不動産の評価損には留意が必要ですが、
足元でも十分低い水準で推移しているようですから、
今後も注視はしつつ積み上がりを期待していきたいです。

現金が減っていますが、
ここは早く東証1部へ昇格して、
信用力をつけて今の低金利の恩恵を存分に受けてほしいですね。
現在の同社の長期借入金利率は1.7%とのことですから(有報より)、
信用力向上に加えて今の長期金利の情勢や銀行の資金シフトの流れなどを見れば、
恩恵を受けられる余地は十分あるように感じています。

それからこの資金調達の事も考えると、昇格の時には市場調達もあるかもしれませんね。
私は、中長期的な事業拡大に資するものであれば、
どうぞ調達でもやってくれていいと考えていますが、
市場調達と借入金による調達は慎重に検討して最善の策を講じて欲しいと願っています。

ちなみに同社はJASDAQから東証2部に昇格していますから、
東証1部への意欲もあり、かつ形式要件の時価総額40億円も軽くクリアしており、
株主数もOKですからほぼ東証1部昇格は間違いないと考えています。
あとはタイミングだけですから、ゆっくりその時をまって、
その後の事業を優位に進められる姿を妄想しているところです。


3.定性確認の確認

同社は巷では、民泊のテーマ関連株らしいのですが、
確かに決算説明資料にも言及はありますが、
まだ事業化には相応の時間を要する印象です。

法整備など外的な環境整理もこれからでしょうし、
最初は試行錯誤でしょうから、私はおまけ程度にしか考えていません。

それより、中古マンションに関するニュースを見ていると、
新築の供給が追い付かない、もしくは消費者が価格面で折り合えないなどで、
中古マンションで自由にリノベーションしてということへの抵抗感がなくなり、
需要は旺盛という記事を見ますね。
一方で中古マンションについても需要は頭打ちから減少に転じつつあるという、
足元のレポートも見るようになった気がします。

元々リノベーションはインテリックスなど専業の上場した競合会社もある中で、
需給に変調が出た時の影響はよく考えておかないとならないと思っています。

同社はストックで賃貸収入部分もありそのモデルを考え、構築して運用出来ていることは、
強みのひとつと思っており、直ちに業績が大きく冷え込むことはないとは思いますが、
不動産のニュースには日々敏感になっておかないとなりませんね。


4.目標株価の確認
従来の目標株価2,450円を変える予定はありません。


5.さいごに

競合のインテリックスの株価や同社の決算前の値動きなどを見ていると、
だいぶ評価が上がっていることがわかり、
このリノベーションを前提とした不動産について、
民泊などのテーマ性も追い打ちをかけて過熱感を与えていることから、
足元で株価は調整する気がしていますが、
それはそれで歓迎したいと思います。
変に投機的にどんどん値だけが騰がっていってしまうと、
私のような初心者は対処に困ります(現時点で邪念が色々出てきて困っている)。

調整を挟みながらゆっくりと決算の好調さを少しずつ織り込んでいけるように、
静かに評価されていって欲しいと願っています。


【決算精査】 3230_スターマイカ―(15年11月期_4Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「4」 (☆★★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング


中古マンションの賃貸・売買ともに大きく伸長し、
インベスト事業、アドバイザリー事業も堅調に推移していることで、
前期比で大幅な増収増益決算となりました。
これは既に上方修正されていたので、
既に織り込まれているものですが、素晴らしい実績だと思います。

またこの大幅伸長をした上で、
16年11月期がどの位の水準となるのかに注目していました。
15年11月期は30%~40%の増益ということは修正により把握されていましたが、
16年11月期が0%成長だとすると、
CAGRでならせば15%前後の成長となります。
私は当社の定常的なCAGRは10%で見積もり目標株価を算出しています。
ですので16年11月期が減益でなければ十分と考えていました。

しかし、会社側見通しは、営業利益で10%成長、純利益で14%成長です。
四季報予想よりやや強気の開示となっています。

またこの成長を牽引するための前提となる
保有不動産残高も今期のストレッチを踏まえても減るどころか、
順調に中計目標である水準で増額推移しており、
リノベーションマンションの需要と賃貸住宅の需要が高水準で続く限り、
同社の成長は今後も継続すると考えられます。
短信でも新たなエリア拡大への意欲も示されており、
期待は継続出来ると判断します。

前期の大幅な成長に加え、今期に向けた仕入も順調に推移しており、
かつ定量面でも大幅増益に続いて堅調な2桁成長を見込む会社開示は、
私の予想よりも上であり、総合判断はややポジティブの「4」を付与します。


2.定量情報の確認

2桁の増収増益決算となっています。
3230_決算短信表紙実績(15年11月期_4Q)


これは既に上方修正開示があったためサプライズはないわけですが、
その時の修正理由は主に物件の販売が好調でったためということでした。
そのため、実は今期に計上すべきものも前倒しで計上されてしまうと、
むしろ今期の伸び代が抑制されてしまわないか、
この点を若干心配していました。
当然それは収支計上の期ズレの問題であり全体としてみれば問題なく、
長期で見ればそんなことは無視してよいと判断し、決算前に買付をしていました。

ですから、今期の予想がどの程度で出てくるのかに興味を持っていました。
結果は以下の通りです。

3230_決算短信表紙翌期予定(15年11月期_4Q)

売上高は増減なしの一方で利益は2桁成長を継続する計画です。
前期の実績差分から考えると多少物足りない感じはしますが、
私のざっくりとした見通しは10%成長を期待しているので、
前期の上振れによるハードルが高い中でのこの計画は評価します。

ただ短信上で次期の取り組みとして、
新規投資の促進や人員増加など利益率が一時的には停滞しそうな表現もある中で、
売上横ばい、利益2桁成長の根拠が少し理解が追い付いていません。

同社からは決算補足資料が出ていて、
そんな疑問にも少なくても定量的には可視化して開示してくれています。

3230_セグメント別情報(15年11月期_4Q)


これを見ると、今期には「賃貸」と「インベストメント」の利益率が牽引する計画であることがわかります。
この辺りは私自身もまだ構造を咀嚼出来ていませんので、
今後の進捗を見ながら考察を深めていきたいと思います。



また、定量数値の確認という意味で結果である収支ばかりでなく、
その収支の源泉である物件投資残高の積み上がりは要チェックです。
当然、会社側もそのことを強く認識しており、
17年11月期に向けた中計でも530億の積み上げをコミットしています。
そしてその推移の状況は決算説明資料に開示されています。

3230_物件投資残高(15年11月期_4Q)


前期に2度の上方修正を行う程、販売は好調だったわけですが、
それでも残高は順調に積み上がっています。
この仕入力は目を見張るものがあります。
一方でこれだけ投資を行うわけですので、
財務面には注視が必要な状況です。
ですから、私も分析シートの別紙につけているように、
以下のように現金の推移には留意しています。
同社は営業CFがマイナスですからね。
これは物件への積極投資をしているので当然なわけです。
私は現金に注視していますし、
同社の経営指標はROEに加えてEBITDAを指標にしているようです。

3230_販売用不動産と現金推移(15年11月期_4Q)


こちらの各推移を見ても、
まず財務面では特記すべき改善も悪化もないわけですが、
販売拡大に向けた在庫の積み上がりは順調であることが伺えます。



3.定性情報の確認

リノベーションマンションの市況は日本ではまだ主流ではなく、
新築マンションが主流です。
一方で、利便性に優れており条件のよい土地というのは、
多くが既にマンションなどが建っています。
新たなストックを作っていくというより、こういったストックを有効に利活用していくことが、
今後の大きなトレンドになることは間違いありません。
特に人口減少などが今後の不動産において逆風と言われますが、
確かに全体を見ればそうかもしれませんが、
世帯数はいまだ増加をしていますし、
あと10年、20年後には世帯数も減少に転じてくるはずですが、
その時にこそ、1等地や1.5等地に存在するストックは
より注目されてきて不動産ははっきりと線引きがなされてくると考えています。

その時に既存物件のリノベーションというのは、
大事な訴求力を持った商品になると考えています。

一方で、そのような将来性がある分野なので、
大手も含めて参入が相次ぐと考えられます。
参入障壁が低いというのは、大きなマイナスリスクではありますが、
同社は既に仕入力やそれを収益に結びつける差別化戦略が奏功しています。
利益率で10%台を維持しているのは、その証拠だと感じています。

また、短信でも埼玉県や千葉県など、
首都圏でもまだ開拓出来ていない地域への進出の意欲も示されています。
エリア拡大の余地はまだ存在していて、ここにも一定の成長余力があると考えます。


また決算説明資料上には、明確に民泊への取り組みにも言及があります。
もちろん民泊には多くの構造的な問題や収支モデルが確立できるのかという課題が山積しています。
ですから過度に期待は禁物ですが、今後の展開には注目していきたいと思います。


4.目標株価の確認
まず従来の目標株価については以下の通り策定していました。

18年11月期予想EPS150を想定。
但しそれまでには東証1部昇格していると思われ、
その際に増資があると想定しますので、EPSは10%程目減りさせて評価します。
つまりEPSは135とします。
その上で、評価PERは16.5倍としてざっくり2,250円としていました。

今回の実績を踏まえて、以下の通り再算出をします。

15年11月期実績EPS 123
16年11月期予想EPS 140
18年11月期予想EPS 170
18年11月期予想EPS(増資考慮) 150
評価PER16.5倍

以上から目標株価を2,450円とします。
従来の2,250円から+200円の上方修正とします。



5.さいごに
同社の魅力は仕入力、そしてそれを回転させるノウハウだと思います。
一方でリスクは財務的なリスクです。
特に不動産市況が悪化したり、
経済全体が停滞期に入り、賃貸の動きが悪くなった際に、
今の逆回転が起こりえることは常に念頭に置いておく必要があります。

既に日本管理センター、サンセイランディックを組み入れており、
住宅ローン関連の全国保証を保有している中での、
同社の買い増しは慎重にならざるえません。
現時点ではあと1枚追加するのが、私のポートフォリオでは限界かもしれません。
これは同社の財務的なリスク見合いも織り込んだ上での判断です。
あとはその1枚をどこで追加するかですね。

3230 スターマイカ 東証2部 【不動産業】

かつてインテリックスを保有している時に、
ずっと隣の芝生は青く見てた銘柄です。
その後ずっと監視銘柄としていましたが、
ずっと決め手がないままにこれまで経過していました。

今回、来年に向けたPF再構成を検討する中で、
不動産セクターを概ね25%程度にしたいと思っています。
本命である日本管理センターですが、
2番手でサンセイランディックを保有しているわけですが、
本来はこれで打ち止めでいいはずなのですが、
もう1銘柄入れたいと考えた際に、
この銘柄をごく少量入れておいて、
自分の監視の目を向ける意味でも購入検討することとし、
今回分析記事をUPすることにしました。
前置きが長くなりました。


まずは定量情報は以下に纏めています。
(PDFファイル直リンクとなっています)

 銘柄分析シート 3230 スターマイカ



1.事業内容
不動産物件を取得してそれをリノベーションして再販する事業が主力です。
と書くと非上場の会社も含めてレッドオーシャン状態だなという印象です。
では、同社の特徴はなんでしょうかということになります。
それは賃貸中の物件も取得し、
その入居者が在室し続ける限り、その賃料を得て、
退室時にそれをリノベーション物件として再販するという
ハイブリッド型の特殊なビジネスモデルを持っている点が魅力です。
競争戦略で有名なポータ博士の賞(ってものがあるんですね)を受賞しています。

確かに賃貸中の物件まで仕入が出来ると、
仕入環境はより向上します。
だいたいこのビジネスで仕入は命ですからね。
かつてインテリックスが新たなエリアに新設した際に、
仕入に苦戦していた記憶もあり、
また物件の種類は違いますがサンセイランディックも仕入状況は生命線です。
この部分に他社が仕入れない物件を射程にしている所は面白いです。

しかも、売却までのリードタイムが長くなるわけで、
数年後に本当に再販出来るのかというリスクは、
当然ながら高まるはずですが、
仕入のノウハウがあるのかそれをうまく回しています。
きっと、不動産ニーズがあるいわゆる1等地や1.5等地というのは、
早々ニーズが後退することはないのでしょう。
ただ、ここは不況があった際に評価額が下がることは考えられ、
その点はリスクとしてきちんと認識する必要がありますね。
もちろん会社側もそれを認識して、数年前から低価法を採用して、
毎期末の時価評価を行って洗い替えを行っています。
このため、極端な評価損というのはそこまではないのだろうと推測します。

賃貸中でストック収益を生み、
売却でフロー収益で底上げをするということで、
このハイブリッドモデルはなかなか面白いことを考えるな、
と初めて見た時に感じました。
簡単に思い付きそうではありますが、
それをコントロールして収益化の仕組みまでもっていくのは、
なかなか難しいことだと思います。

サンセイランディックの底地を仕入れて再販するノウハウが高く、
参入障壁が高いように、
同社の手掛ける賃貸中物件を仕入れる際の
再販までを見越したノウハウもまた
早々マネは出来ないのではないかと思います。
マネ出来ればもっとインテリックスやeグランドなどの同業が
相次いで参入しているはずです。
これらの会社と比較しても営業利益率は大きく優位ですから、
こういったビジネスモデルの違いが表れているのだろうと思います。


2.成長性について
成長性は読みにくいです。
足元の業績は上方修正を繰り返し、
四季報によると今期、来期と20%以上の成長となりそうです。
しかし、では安定的に2桁成長をしてくれる
成長銘柄なのでしょうか。

過去のPLの推移を見てみると、
やはりリーマンの時や震災の時には、
それぞれ影響を受けています。

またそれ以外にも横ばいになっている時もあります。

足元の業績が好調なのは、
仕入の状況とそれが収益化するタイミングとがたまたまよくて、
収益を押し上げている面は多少は割り引いておく必要はあるかもしれません。
ただ、上方修正の要因を見ると、
リノベーションマンションの需要が想像以上に強いということが伺えます。
リノベーションマンションはここ数年で特によく聞くようになり、
新築が高騰する中で、中古の需要が見直される環境下でもあり、
もしかするとその流れがより本格化して、
かつ国策でもあるため、それが加速すると、
当面は2桁成長もあるかもしれません。(20%は無理でしょうが)

当然競合であるインテリックスも同じではありますが、
女性目線でのリノベーションの工夫など、
魅力を訴求する取り組みは同社であればリノベ研究所などと名付けて、
普及活動がされていて、
それが自社提供物件の魅力度向上に繋げる販促にしています。

一定のリノベ力はあると考えると、
成長の先行指標としてやはり販売不動産に注目するのがよいでしょう。
というわけで、手元で簡単に入力してみました。
なお、だいぶレバレッジを効かせているため、
念のため現金の推移もプロットしています。

3230_スターマイカ販売不動産推移(15年11月期3Q)

これを見ると2012年位まではほぼ横ばいでしたが、
その後、緩やかに右肩上がりに推移しています。
そして特に足元で2015年に入って更に積み上がりが加速しています。
今後東証2部そして1部にいくでしょうから、
その知名度向上で益々環境はよくなるでしょう。

これらのことを考慮し、CAGRで10%とします。
国策の動向や世の中の中古住宅への動向を気にしつつ、
この販売不動産の状況にはよく注視しておきたいと思います。

なお、グラフにマッピングした通り、
同社は財務面は弱いので、念のためのことを考えて、
現金の推移にも注視しておきたいと思います。

3230_スターマイカ10年PL

 
3.株価水準について
 現在の株価は1,449円です。

 時価総額:145億
 PER(14.11期実績):16.9倍
 PER(15.11期会社予想):11.8倍
 PBR:1.1倍
 ROE(14.11期実績):6.9%
 DOE:1.8%
 ※優待あり(500円クオカードと2000円相当美容用品)

成長率10%で予想PER12倍弱となると
一般的に見れば割安でも割高でもない水準です。



4.リスク要因

リスク要因は在庫評価損と財務がそれに耐えられるかです。
天変地異によるリスクは地域ポートフォリオを分散しているということで、
会社側も認識はしていて一定の対策は打たれているようですが、
実際ことが起こればやはりそれなりに影響を受けるでしょう。
確かにリーマンも震災も乗り越えられているわけですが、
当時と今では所有不動産のレベルが異なります。
そしてその資金源は主に借入金ですから、
規模が大きくなっていることが、そのリスクをより高めているとも見られます。
上場時から資産は倍になっているわけですからね。
BPSが2倍になっているとアピール文書もありましたが、
資産が大きくなることは良いことばかりではないとも思いますので。

財務については不動産の担保もあるでしょうから、
そこまで不安になることはないのでしょうが、
やはり留意が必要でしょう。
ちなみに有価証券報告書の借入金明細によると、
長期借入金の利子率は1.8%ですから、
この財務の割にはよい条件だと思いました。
優良財務であれば1%を切ってきますし、
財務が弱いなど事情がある場合には2%とか3%とか普通にありますからね。

同社は東証1部指定を目指しているでしょうから、
最短で来年にはいくでしょうが、
東証1部になると借入金の条件もよくなるので、
そこで金利の利息支払いが緩和されると、
経常利益ベースでもう少しかさ上げされるでしょう。
現時点ではここは織り込みませんが。

逆に東証1部に昇格するタイミングでは、
確実に増資があると思いますので、
それがリスクといえばリスクですね。
会社側は優待を拡充したり、IRにも積極的のようですし、
東証1部に早く行ってそこで資金調達を行って
加速させたいと考えていると思います。

株主としてはいつ来てもよいように、
覚悟をしておくべきだと思います。
中長期的に見ればポジティブだと思います。


5.目標株価について
目標株価ですが、
まずは18.11期EPSはCAGR10%程度とみて150と予想します。
販売用不動産の積み上がり状況次第で、
このCAGRの見通しは調整の必要がありそうですが。

評価PERですが、東証1部指定や国策に支えられるところもあり、
16.5倍程度とみます。

この時点で株価を算出してみると、2,475円となります。
ただ、前述の通り公募によるEPSの目減りがあるでしょう。

EPSで10%の希薄化を織り込むと18.11期EPSは
150から135に変更します。
これに評価PERを掛け算すると2,228円となります。

ここからキリがいい数字に切り上げて目標株価は2,250円とします。

現状の株価からの上値余地は55%程度となります。
向う3年間で概ね平均16%程度の上昇が見込めることとなります。


6.サマリ
不動産で日本管理センターとサンセイランディックを各10%前後組み入れ、
残り5%を2社で分割しようと考えて、
安定性のある全国保証で5%弱、
少し面白いモデルを持つ同社を2%弱ということで、
概ね25%程度としたいなと今は考えています。
もちろん思うようにリバランスも含めて運用する自信はないのですが、
まずはやってみようと思っています。

資金量が限られるので、
今後も販売用不動産など注視していく必要があるので、
資金比率が立った2%弱しか入れるつもりもない銘柄で、
労力対効果は限りなく悪いですが、
元々私は今でも練習中の身であることを自認していますから、
まずは色々試してみようと思っています。
勉強のために、労力の割に効果は限定的になりますが、
それでもいいと思います。

ご褒美は美容関連の優待を妻に送ること位かもしれません(笑)


最後に直近3期のPL情報の詳細も画像UPしておきます。
※既に今期は修正も出てほぼこのラインになると思われるため、
先に4Qには修正後の数値を仮実績として記入済です。

◆四半期単計
3230_(15年11月期3Q)単計

◆四半期累計
3230_(15年11月期3Q)累計



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