投資方針に忠実に退屈な投資で資産形成

2017年投資方針に従い、
改めて銘柄の定点観測を実施します。


◆9414 日本BS放送

【認知度向上も設備投資も控える】
認知度向上によるトップライン向上の継続が見られるも、
販管費積極投入や設備への大型投資が見込まれる中で、
利益成長は当面緩やかな推移となる。
TV離れが続く中でニッチなファンとターゲットの明確な
同社モデルへの広告出稿の期待は継続出来るものの、
不況耐性や広告そのものの多様化の動向にも注視を要する

【安定さと還元の魅力】
大型設備投資が控えているとはいえ、
現金が厚く自己資本など財務安定は抜群。
その上、優待魅力度も高く優待目的で少数保有方針。
但し、成長と安定という主軸がいずれも評価が並である点も考慮が必要。

【総合評価】 ・・・「B」
成長性は認知度向上など視聴数の増加という明確なシナリオがあるものの、
それには費用を要する点と攻めの投資というより守りの投資が継続して要される点から、
利益成長は限定的と見る必要もある。
安定性は過去実績こそ実績は高いが、不況耐性などに一抹の不確実性もある。
これらから成長、安定はいずれも並の評価としている。
一方で安定性や還元性の評価は高く、
長く還元を楽しみながら長期保有をしていくには良い銘柄とみえる。
テーマ性に突出した点もなく、割安性も薄いため、
成長もしくは安定のいずれかにもっと確信が持てないと、今の優待銘柄保有のみが限度。


 【成長性】 ・・・「B」
  <成長シナリオ根拠> ・・・12pt/20pt
   ・視聴者の認知度向上
   ・番組の付加価値向上(ニッチ特化)
   ・視聴率向上が広告効率向上に寄与
   ・但しいずれも爆発的なシナリオとは感じない
  <想定CAGR> ・・・8pt/20pt
   ・CAGR10%
   ・過去実績は大局的には安定成長
   ・認知度向上策への投資でやや緩慢な成長基軸
   ・今後設備投資が必須の状況(償却費)
  <テーマ性> ・・・ 5pt/10pt
   ・テレビ離れ(ネット世界台頭)
   ・個人の多様化(ニッチへの要望増)
   ・オリンピックなどスポーツ放映
   ・韓流や競馬など根強い人気
   ・放送設備インフラの高度化(4K→8K)
   ・広告の費用対効果への重視基調の見直し

 【安定性】 ・・・「B」
  <スイッチングコスト> ・・・10pt/15pt
   ・BS専業としては少数
   ・民放キー局は元々棲み分け
   ・ニッチかつ視聴者セグメントが明確な広告出稿ニーズへ対応可
   ・ネット広告などTVメディア以外へのシフトは想定される
  <不況耐性> ・・・4pt/10pt
   ・TVメディア広告出稿は景況感に影響
   ・但し、民放と比べるとマス要素は低く効率性重視から見直し契機にも?
   ・通販など主力以外は影響も大きそう
  <ストック性> ・・・4pt/10pt
   ・基本的には一定期間の受注に基づくフロー型
   ・スポット広告は完全にフローだが、タイムは概ね常連の出稿が続き安定的
  <過去業績実績> ・・・7pt/10pt
   ・安定の成長基軸を継続
   ・但し直近では販管費積極投下によりやや利益成長は緩慢に
  <顧客層> ・・・3pt/5pt
   ・電通、博報堂など大手広告代理店

 【割安性】 ・・・「C」
  <PEGレシオ> ・・・10pt/20pt
   ・PEGレシオ1.3
   ・PERの絶対的水準も並の印象
  <目標株価GAP> ・・・6pt/20pt
   ・上昇余地50%弱でそこそこ評価されつつある

 【安全性】 ・・・「S」
  <営業CF推移> ・・・14pt/15pt
   ・営業CF+で安定的
   ・今後の大型設備投資局面で一時的にキャッシュフローは一時的悪化あるか
   <自己資本比率> ・・・14pt/15pt
   ・90%前後 現金厚すぎで逆に効率悪い印象だが、設備投資備えでやむなし

 【還元性】 ・・・「A」
  <DOE> ・・・9pt/15pt
   ・DOE2.1% 設備投資備えを考えるとやむなしか。配点は低めに評価。
  <資本政策> ・・・3pt/5pt
   ・ROE10%前後 設備を大きく持つ必要がありこの程度でやむなしか
  <IR活動> ・・・4pt/5pt
   ・決算説明資料開示
  <株主優待> ・・・5pt/5pt
   ・株主優待は魅力あり



【決算精査】 9414_日本BS放送(16年8月期_4Q決算)

銘柄分析シート

決算説明資料


1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング


前期着地は毎度のことながら利益が上振れしています。
売上は過去もほぼピッタリなのに対して、
利益が上振れするのが同社の特徴です。

今期は売上が2桁伸長で順調なのに対して、
利益は横ばいで、特に上期で大きな減益予想となっています。
これが相変わらず、同社の常套手段である保守的なものなのかどうか
気になるところですが、
そもそも上期が減益になっている背景はきちんと確認しておくべきかもしれません。
放送設備の増強や認知度向上のための販売費の上昇、
更に魅力的な番組編成のための直接原価の上昇など、
利益を押し下げる要因は目白押しですからね。

決算開示前の今期予想EPSは84に対して、
会社予想ガイダンスは82ですから
確かに若干見通しより下ではありますが、
特に見立てを変える必要性は感じていません。
従って、総合判断はニュートラル(想定通り)の「3」とします。


2.定量数値の確認



(1)売上の推移

9414_日本BS放送(2016年8月期_4Q)売上推移

売上は順調に伸長しています。
過去3期の平均伸長率は約14%ですから、
十分な成長を続けてくれていると認識しています。
決算説明資料で、タイム収入は計画通りでスポット収入は計画超過とありますが、
それでほぼ計画通りの着地ということと整合しないのですが、
ここはどういうことなのでしょうかね。


(2)利益の推移

営業利益について、以下の通りです。
9414_日本BS放送(2016年8月期_4Q)営業利益推移

利益は前述の通り計画をいずれの期も上振れしています。
また過去3期の伸長はCAGRで11.6%となっており、
私の期待する10%成長とほぼ同じとなっています。

一方で利益率が右肩下がりになっています。
以前として20%水準を維持しているのでそもそも高い水準でありますが。
細かく見てみると、粗利率は51.5%→53.1%→54.7%と期毎に向上していますが、
販管費率が30.0%→31.0%→34.0%と年々上昇しています。
つまり粗利で稼いだ利益を認知度向上などのために利用していることになります。
実際広告宣伝費は5億→6億→10億と3期で倍増していますからね。
同社の一番の課題であり認知度向上のために必要な施策ですから、
これはまぁよいことだと理解しておきます。



なお、純利益の推移は以下ですが、
概ね営業利益と同傾向です。
9414_日本BS放送(2016年8月期_4Q)純利益推移



(3)今期予想の状況

一番の肝かもしれませんが、今期予想についてです。

さて、売上はタイム収入、スポット収入共に伸長の計画となっており、
特に問題はありません。同社を成長企業だと思えれば、
ここで及第点ということになります。
ただ、やはり利益の中で特に上期の減益予想の根拠が気になります。

設備投資のためとなれば、こんなに短期的かつ規模で済むはずはないと
考えていましたし、いきなり上期に特化した広告宣伝費でも投入するものであれば、
それが一過性と捉えるべきなのか。。。


IRに電話しました。
ですが不在でなかなか会話が出来なかったので、
またその内容は別日にここに記載したいと思います。



今期予想の中で利益項目が上期において大幅な減益となる計画であるが、
従来から番組制作における魅力度向上などの取り組みは継続されてきており、
今上期だけが大幅減益になる理由がわからないので教えてもらいたい。







前期売上について決算説明資料では、
タイム収入は計画通り、スポット収入は計画超過とありますが、
売上全体で見ればほぼ計画通りであったことから、
整合しないと思うのですが、
タイムが計画より弱かったということか、
スポットの計画超過は限定的であったということか
売上の構造について詳細の説明を教えて欲しい。







御社の理想とする自己資本比率はどの程度の水準を意識しているか。
一般的に見て自己資本比率は低すぎるのは論外ですが、
高ければよいというものでもないと認識している。
特に金融市場で調達が比較的容易だといわれる環境を考慮し、
今後の投資を鑑みたとしても今の水準は保守的過ぎると考えますが、
どの水準を目指されているのでしょうか。






今後4K8K対応の大型投資がなされる事と認識しているが、
資金は自己資本のみで対応するつもりか、
借入金や市場調達も検討されているか。
また、その時期についてはどの期から本格化する予定であるか。








以上、既に優待分のみの保有となっており、
中途半端なポジションになっていますが、
とりあえず本決算ということもあり、決算精査を行いました。
といってもかなり浅い表面的な内容ではありますが。

成長率を15%以上で見られるなら安いといえますが、
私のように10%程度で見ていると案外割安性もそこまで高くなく、
PFのメリハリの意味では一旦手放してもいいかなとも思っています。
ただ長期優待の権利を失うのもな~と本質から外れた
思考を巡らせています。



【決算精査】 9414_日本BS放送(16年8月期_2Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング

前回の2Q決算で唯一売上高の減収が気掛かりに感じていましたが、
今回の決算でそれは特に変調の兆しではなかったという点で安心しました。

と同時に、売上、利益面で極めてサプライズもない、
順調な推移となっており、特に記載すべきこともありません。

以上から、総合判断はニュートラル(想定通り)の「3」を付与します。


2.定量数値の確認



(1)売上の推移

9414_日本BS放送(2016年8月期_3Q)売上推移

タイム、スポット共に増収となっており、
全体としても2Qでやや減収となったものが気にならない、
増収トレンドとなっています。



(2)利益の推移

 利益を見る上で、原価推移、販管費推移、営業利益、純利益をみています。

◆原価推移
9414_日本BS放送(2016年8月期_3Q)原価推移


3Qでは番組制作費が増加してます。
4月の番組改組時期に報道番組も含めて、
番組の魅力度向上を行った結果ですので、全く問題ないと考えます。



◆販管費推移
9414_日本BS放送(2016年8月期_3Q)販管費推移


販管費も3Qでは増加傾向が過去年のトレンドですが、
今回は番組改組への対応も強化しており、
それにつれて販管費も増加したと認識しています。

最近ビックカメラの店頭にもでかでかと
BS11の広告を目にするようになりました。
現時点でそれが売上上昇にも繋がっており、
よい傾向が継続していると考えます。

利益率だけみると、
どうしても番組制作費と販管費の積み上がりによって、
利益率も落としていますが、それでも営業利益率で20%前後の
高い水準を維持しています。


◆営業利益推移
9414_日本BS放送(2016年8月期_3Q)営業利益推移

◆純利益推移
9414_日本BS放送(2016年8月期_3Q)純利益推移




(3)利益の状況と今後の見通し

通期業績予想は修正していないので、
3Qまでの結果と業績予想を比較します。

◆通期予想(会社予想)
 売上高  : 10,200百万円
 営業利益 :  2,000百万円 (19.6%)

◆4Q単予想
 売上高  : 2,738百万円
 営業利益 :   334百万円 (12.2%)

前期比で見ると、19.4%増収、23.2%の減益ということになります。


今回の春の番組改組の効果が継続して、
番組の魅力度が向上していることから、
売上がやや強気に感じますが特に問題はないかなと感じます。

但し、企業の広告費については、
足元の景況感の影響も受けやすいということを考えると、
今の景況感はだいぶ減速している印象もあり、
当社の構造的な問題ではないにしても、外部要因の影響を受けて、
やや売上はショートするかもしれません。

一方、販管費などを積みましたとしても、
利益率は単期で見ても15%は上回るものと考えます。


以上から4Q単の独自の予想としては、
前期比10%増、利益率は16%とみます。

 売上高  : 2,522百万円
 営業利益 :   404百万円 (16.0%)


ここから通期の独自予想は、以下の通りです。

 売上高  : 9,984百万円
 営業利益 : 2,070百万円 (22.0%)


ということで、会社予想より若干売上が未達、
利益は若干上振れくらいかなと考えます。
いずれにしても大きなトレンドとしては、
会社予想通りといっていいでしょう。



【決算精査】 9414_日本BS放送(16年8月期_2Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング

既に修正開示があったので、特に全体としてはサプライズもありませんが、
当初計画に対して、利益面では30%程度の上振れという結果となりました。

私が気になったのは、売上です。
1Qでは前期比16%超の増収に対して、
2Qでは前期比9%弱の増収となっています。
これらを累計で見れば、12.5%の増収ということですが、
その内訳として特に気掛かりなのは、
スポット収入が累計期間で未達という結果になっている点です。
しかも8%近い未達となっています。
確かに前年比としてみれば好調だということで、
説明資料上にもこの計画未達については触れられていませんが気になります。

また利益面で計画上振れとなったのは、
粗利率の改善のためとわかりました。
粗利率が1Q対比で1.8ポイント改善、前期2Q比で4ポイント改善しています。
しかし、営業利益率は1Q対比で1.8ポイント悪化、前期2Q比で1,2ポイント悪化となっています。
これは広告宣伝費を精力的に支出した結果と思われ、
認知度向上が同社の課題なので方向性として間違ってはいないと思いますが、
前述の売上が伸びていない中で販管費を精力的に支出することが、
今後の収益性に問題が生じないかが気になります。

同社の場合、小売りや外食と異なり、
広告宣伝費を支出したものがある程度早く消費者の行動に寄与して
売上面に効果が表れるのが早いモデルではないので、
そんなに心配しなくてもいいかもしれませんが。

いずれにしても、過去2年間に渡り四半期単位で順調に増収を続けてきたのが、
今回四半期単位で見た際に減収となったこと、
これを単に偶発的なものと見るか、
何かの偏重と見るかによって評価が分かれると思います。

私はスポット収入が大きく計画から出遅れていること、
また足元の景況感の後退から企業の広告費の抑制など、
販売枠そのものの需要が後退するリスクも気になるところです。


以上から、ややネガティブ要素を新たに認識したものの、
総合判断をネガティブ方向にするまではないと判断し、
今回はニュートラル(想定通り)の「3」を付与します。




2.定量数値の確認

この結果だけを見れば順調な推移に見えます。

9414_日本BS放送(2016年8月期_2Q)決算短信表紙




(1)売上の推移

9414_日本BS放送(2016年8月期_2Q)売上推移

更にセグメント(?)別の売上も開示されています。

9414_日本BS放送(2016年8月期_2Q)売上詳細

前述の通り、スポット収入が計画に対して未達となっています。
タイム収入は好調を維持していますし、
こちらの方が規模も安定性も高いですから、
直ちに業績不安に繋がるとまでは考えていませんが、
売上のこの状況を見ると利益で上方修正が入っても、
手放しでは喜べないのが率直な印象です。



(2)利益の推移

 利益を見る上で、原価推移、販管費推移、営業利益、純利益をみています。

◆原価推移
9414_日本BS放送(2016年8月期_2Q)原価推移

番組制作費が縮小されています。
一方で番組購入費はやや増えています。
いずれもタイミングの問題だと思います。
この原価の低減が今回の粗利率上昇に繋がりました。
今後売上が伸びずに再び番組編成のタイミングで
制作費や購入費が上昇するとどうなるのかなと考えてしまいます。


◆販管費推移
9414_日本BS放送(2016年8月期_2Q)販管費推移

販管費は広告宣伝費を投入しています。
会社発表によれば計画範囲内での投入らしいのですが、
この販管費率の上昇が営業利益率低下という結果になっています。


◆営業利益推移
9414_日本BS放送(2016年8月期_2Q)営業利益推移

◆純利益推移
9414_日本BS放送(2016年8月期_2Q)純利益推移



(3)利益の状況と今後の見通し

通期業績予想は修正していないので、
2Qまでの結果と業績予想を比較します。

◆今期下期予想(会社予想)
 売上高  : 5,302百万円
 営業利益 :   815百万円 (15.4%)

◆前期下期実績
 売上高  : 4,512百万円
 営業利益 :   846百万円 (18.8%)

前期比で見ると、17.5%増収、3,7%の減益ということになります。

売上の状況は前述の通り、
私はやや先行き不透明という直感があり、
計画達成には少しハードルが高いかなという印象です。

10%程度の増収がいい所ではないかという感じです。
(厳しいですかね。。。)

逆に利益率は上期で24.2%ですから、
今後の広告宣伝費の投入計画がわからないのでなんともいえませんが、
15%台まで落ちることはないのかなと思います。
前期は3Qで広告宣伝費を投入していますが、
今期は2Qでそれを実施したということであれば、
前期よりは改善するかもしれませんし、今期上期の結果も踏まえると、
営業利益率は20%程度とみたいと考えています。

以上から独自の予想としては、以下のように考えました。

 売上高  : 4,960百万円
 営業利益 :   990百万円 (20.0%)


ここから上期実績を足すと通期業績予想は、以下の通りです。

 売上高  : 9,858百万円
 営業利益 : 2,175百万円 (22.0%)

据え置いた会社予想は以下です。

 売上高  : 10,200百万円
 営業利益 :  2,000百万円 (19.6%)


ということで、3%程度の売上未達、9%程度の利益上振れを予想します。
ですので、通期の修正はないと思います。


こんな皮算用になんの意味があるのか、
いやないと思いますが、
自分のアウトルックを数値に頼らざる得ないことが今の私の現実です。


【決算精査】 9414_日本BS放送(16年8月期_1Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング

BS放送での広告費は12%超の成長を続けており、
外部環境は引き続き堅調さが見られるようです。
そんな中、素材となる魅力ある番組を自社で企画して制作し、
新たな番組改変を通して認知度向上や視聴者のパイをより広げようと、
地道に活動されているようです。
定量数値面でも懸念すべき事態はなく、
むしろ早速計画比上振れ着地が期待されるような動きになると思われる。

私は同社への成長性は概ね10%程度を想定しており、
今四半期もその水準での増益幅となっており、
想定通り順調な進捗であることが確認できた。

以上から、総合判断はニュートラル(想定通り)の「3」を付与します。



2.定量数値の確認

2桁の増収増益決算となっています。
9414_決算短信表紙(16年8月期_1Q)



(1)売上の推移
9414_売上推移(16年8月期_1Q)

スポット収入、タイム収入共に堅調に推移しており、
会社側の番組の付加価値向上策が進捗しており、
それに伴う広告枠の単価向上の効果が見られます。
なんの違和感もない想定通りよい結果だと思います。


(2)費用の推移
9414_費用推移(16年8月期_1Q)

費用は大きく原価要素と販管費要素とに分かれます。
同社、決算説明資料によると、番組や放送に要するものは原価要素で、
広告や販促費は販管費要素ですが一般的な区分かと思います。

決算説明資料から数字を広い、
原価要素側には粗利率をプロットし、
販管費要素側には営業利益率をプロットしています。

いくつかの区分けがあるわけですが、
大部分を占める要素を見れば、
同社は魅力ある番組制作を自ら行い(外部調達の比率は低い)、
それを広告宣伝費を投入して認知度を向上させることで、
トップラインである主に広告収入を増やしていくというモデルであることがわかります。
そして各費目の推移はこれまでのトレンドと大きく差異はありません。
広告宣伝費が直近四半期ではやや低下気味ではあり、
当社の生命線である認知度向上策にブレーキがかかりはしないかとも思いますが、
それでも過去から見れば水準としては高い広告宣伝費を投入継続していることがわかりますので、
そこまで気にはなりません。


(3)利益の状況と今後の見通し
営業利益ベースで評価します。

上期会社予想から、2Qでの単期の予想は以下の通りとなります。

 売上高  :2,383百万円
 営業利益 :  291百万円 (12.2%)

銘柄分析シートのP2に過去の四半期数値を拾っていますが、
これまでの営業利益率が20%を割っていることはありません。
各期において広告宣伝を強く打つ月とそうでない月などあれど、
概ね20%超の営業利益率はコンセンサスだと考えています。
となると、据え置かれている会社予想については、
2つのシナリオが考えられます。

 A)2Qに大きな支出や収入面で端境期となる合理的なリスク要因が内在している

 B)単に保守的に見積もっている


今回の決算で気になった所を敢えて指摘するとするとこの部分です。
とういうわけで、早速IRへ電話で確認します。(念には念を入れて)



<まるのん>
本日開示の決算については、従来から継続して好調だと認識している。
一方で、据え置かれている上期業績予想から2Qの予定収益を逆算して求めると、
過去に例のないくらい控え目な利益率に落ち込むことになる。
これは2Qに特別な支出や収入面で落ち込むリスクを想定してのことなのか、
それとも単に保守的に策定していると理解すればよいか。

<会社IR>
もちろん、2Qにおいても広告費や制作費など必要な箇所へ
資金を投下していく活動は行っていく予定である。
一方で、特記すべきような大きな支出や収入減の予定はなく、
どちらかといえば保守的に策定ということになろうかと思います。
但し、繰り返しになるが、必要な設備投資や施策対策や広告費については、
資金を投入していくこともあり、結果的に見通しは現時点では据え置いている。

<まるのん>
では2Qでこれといってこれまでと異なる水準感の費用支出の予定はないと理解したが、
その認識でよいか。

<会社IR>
その通りに認識頂いて構わない。





はい、とういうわけで、念のため確認してよかったです。
すっきりしました。



(4)その他
銘柄分析資料のBS状況を見ても、
BSから流動比率などのレシオを計算してみた結果を見ても、
とにかく岩盤な財務です。
キャッシュフローも安定しており、現金で60億を突破してきて、
いよいよ前向きでない、既存維持のために必要となる、
この程度の資金を使って投資するわけですね。

それから短信上で、新たな番組が発表されています。
しかし、個人的にタイトルをチェックしてみましたが、
どれもこれもつまらなそうでこれはアニメに興味のない私が
アルファポリスを見守っているのと同じ種類になりそうですね、

IR照会結果も含めて、安心の決算でまずはよかったです。
◆最近のお気に入り