投資方針に忠実に退屈な投資で資産形成

【決算精査】9467_アルファポリス(16年3月期_4Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「2」 (☆☆☆★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング

前期の実績については既に修正開示が出ていましたが、
ほぼそれに合致するものとなり、一言素晴らしい実績でした。

セグメントでもライトノベルの減少に対して、
漫画や文庫が余りあるリカバリを叩きだし大幅な増収となっています。
ポートフォリオもライトノベル依存から脱却してきており、
戦略通りに推移していることが確認出来ました。

一方で今期予想ですが、
ゲートの反動は既に返本という形で4Qから顕在化しており、
今後前期の2Q~3Qに盛り上がったゲートの反動を
他の漫画でリカバリする必要性があり、
わかってはいたことですが、ハードルが高いように感じます。

それに加えてゲーム事業ではコンテンツ数も減らして
選択と集中を行うとのことで、
既存のやり方から転換することになり、
こちらも先行投資などが嵩み今期予想の数値は厳しいものとなっています。

会社側は保守的な計画に基づいて算出しているようですが、
この先行投資が本当に今期だけの一過性のものかどうかを見極める必要がありますが、
その要素もないわけではないものの、やはり一過性で、次期は花開くというのは、
あまりに楽観的だと認識しています。
今期に選択と集中を行うゲーム事業が成功すれば、
今期横ばいでも次期予想で30%超の増益達成をすれば、
CAGRは15%を維持出来ますが、それは容易いものではないでしょう。
(中計は更に厳しいものですが)
CAGR15%想定の私にとってみてもネガティブと言わざる得なくて
仮に今期横ばいで次期に20%程度の増益を達成出来れば、
CAGRは10%は維持出来ます。
感覚的な話ですがこの位がいいところではないでしょうか。


減益ではない点、また確度は未知数ながら次期に向けた種まき要素も
まだ結論は出ていないので、踊り場であるという見方も出来なくはありませんし、
ビジネスモデルそのものは不変で優位性も不変である点は評価出来ますので、
見通しより弱さを認識したという評価になろうかと思います。

総合評価は、「2」(ややネガティブ)とします。


9467_決算短信表紙(16年3月期_4Q)


2.定量数値の確認(実績)



(1)売上の推移

9467_アルファポリス(2016年3月期_4Q)売上推移

1Qから3Qまでは見事な増収ですが、4Qではかろうじて増収ということで、
足元で弱さが見られます。
これはゲートの返本などこれまでの反動が出ているものと思います。
計画は超過したのでそれでも好調だったと理解すればいいのか、
足元ではやはり弱いということなのか、ちょっと判断が難しいです。



(2)営業利益の推移

9467_アルファポリス(2016年3月期_4Q)営業利益推移

利益については4Qの減益ぶりが更に強いです。
粗利益率は1Qから3Qまでと4Qで大きなトレンドに変化はありませんから、
4Qの営業利益率の悪化は販管費率の上昇であり、
これは4Qのゲーム事業における広告宣伝費などを要したためだと思われます。
そしてそのゲーム事業は広告宣伝費をかけたものの、
想定より課金が進まなかったということではないかと推測します。
これは後述するIR照会とも辻褄が合います。


(3)純利益の推移

9467_アルファポリス(2016年3月期_4Q)純利益推移

営業利益と大きな変動はありません。


3.定量数値の確認(業績予想)


今期予想については、後述のIR電話で認識しましたが、
やや保守的なのかなとは思いますが、
しかしその利益減要素も一過性とは言えない部分も多く、
今後の成長のためには足かせも大きいように感じました。

特に大粒のゲームへ選択と集中をするという面は、
前期で試行した小粒ゲームで見えた課題をそれなりに分析した結果の
新たな戦略ですが、そもそもスケールの大きなゲームになれば、
開発プロセスでも普及プロセスでも課金プロセスでも、
それぞれに違ったノウハウが必要となるはずで、
これが成功するかどうかはやはり未知数だと言わざる得ません。

主力の漫画やその裏付けとなるコンテンツ数やユーザ数の伸びは
目を見張るものがありますが、
収益化という点で、CAGR15%見込みの成長が本当に実現出来そうなのか、
不安に感じる部分はあります。

この点で保守的とはいえ楽観的に捉えるにも限度があることと、
そもそも楽観的に評価したとしても中計はおろか、
自分の見通しすら満たせなそうという点では、今期予想はやはりネガティブに映ります。

また中計についても後述のIR電話で確認していますので、
そちらをお読みくださいませ。


4.目標株価の確認


前期(16年3月期)予想EPSは150円を基点として
以下の計算で目標株価を計算していました。
期中のCAGRは15%で18年3月期予想EPSは159円で
評価PER28倍として目標株価は4,450円です。

前期の実績EPSは118.18円ですから、
予想より若干未達もほぼ想定通りですが、
今期予想EPSは横ばいの118.37となっています。
このため、仮に上記予想EPSを維持させると、
18年3月期は前期比で34.3%もの増益となる必要があります。


今回目標株価算出に当たり、
まず、今期予想の横ばいがどの程度リアルなのかを把握したいと思いました。

そこでIRに電話です(笑)。


まるのん
今期業績予想について、数値面ではかなり弱い数値が出ています。
具体的にゲーム事業やWebコンテンツへの先行投資により、
一時的な利益減の要素と解説がありますが、
これらの投資は一過性ではなく、
これまでもこれからも必要になるものと理解していますが、
なぜ今期にこれだけの利益減の要素になるのでしょうか。
他に何か理由があるのでしょうか。

IR
まず、ゲーム事業については、前期から取り組みを始めてきた事業であるものの、
今期では前期の反省も踏まえて取り組もうとしている要素もあり、
開発費や広告費が過大にかかるものです。
Webコンテンツについては投稿数などで圧倒的なインタフェース優位性を構築するために、
今後の成長の源泉を求めるために大型投資を計画しているものです。
この投資によりより差別化を図り、中長期的な業績拡大に資するものと考えています。

まるのん
ゲーム事業で前期の反省というのは、何か課題があるということでしょうか。
具体的にどのような対策を打とうとされているのでしょうか。

IR
前期では保守的に見積もった収益計画を掲げていましたが、
着地もほぼこの保守的なラインで着地をしています。
このため、今期についてもこの保守的な予想で計画を立てています。
また、この保守的なラインで終わったことの要因のひとつとして、
小粒のコンテンツで展開したことが挙げられると分析しています。
コアユーザーが多い同社顧客基盤に対しては、
より大粒で奥が深いスケールの大きなゲーム展開が必要だろうし、
それが刺さるゲームなのだと認識しました。
そこで、今期では敢えてゲーム展開数を落として、
選択と集中で開発を行い展開をする予定としています。
この一連の予定においても現時点では実現性のある数値とするために、
前期の実績を踏まえた保守的なものにしています。
但し、この部分が刺さるゲームとして認識した通り、
順調に推移し、また開発プロセスにおいてもコスト低減に努められれば、
上振れ余地となりえると認識しています。

まるのん
Webコンテンツへの大型投資はその収益化が見込めるのは、
次期になるということでしょうか。

IR
はい、その通りです。
今期に大型な投資を行い、更なる成長に向けたコンテンツ拡充、
とりわけ質の高いものを網羅できるような仕組み作りをしていきます。
その上で、集まったコンテンツが実際に書籍になり本格的な収益化となるまでには、
半年以上を要する(商品企画、編集のため)ため、
コンテンツ拡充を今期取り組んだとしても、
それらが収益化するためには相応の時間を要し、
本格寄与は次期になるという認識です。

まるのん
昨年に開示された中期経営計画では、18年3月期に売上100億、経常利益25億を掲げています。
一方で今回開示のあった、17年3月期の予想は売上37億、経常利益は9.2億です。
ゲーム事業の戦略も見えてきた中で、この乖離を説明するのは難しいと考えていますが、
中期計画の見直しは検討されていないのでしょうか。

IR
社内でも様々な議論をしてきた結果、現時点では見直さない判断としました。
安易に計画を繰延べさせたり下方修正したりすることはすべきではないし、
現時点で諦めることなく必死に知恵を出して頑張ろうという社内の判断となっています。

まるのん
その心意気は大変心強いものですが、
一方で上場会社として開示している中計経営計画ですから、
もし現実離れした計画であると認識しているとして、
それを気合と根性で頑張りますだけでは、
不安になることもご理解頂きたいです。
ですので、もし修正をしないということでしたら、
どのように達成に向けた取組みをするのかを明示化して頂きたいです。
決算説明資料も開示されると思いますので、その時でもよいですし、
その後個別開示でもよいので、その点は一意見として検討頂きたいです。

IR
真摯に受け止めて善処いたします。

まるのん
経常利益率について過去の30%水準から徐々に減少しておきており、
今期はやく25%という状況になっています。
それでもなお、利益率は高い水準と記載がありますが、
どの程度が適正な利益率水準と認識していますか。

IR
中計にも掲げている通り、25%程度が適正かつ目標とする利益率と認識しています。

まるのん
色々教えて頂きましてありがとうございました。
今後も応援しています。

IR
頂いた意見については、ガイダンス開示を含めて検討いたします。
ありがとうございました。



はい、電話終了です。概ね10分程度でしょうか。
貴重なお時間を頂き、IRには感謝です。


ゲーム事業の立ち上がりが想定より芳しくないのでしょう。
もっともこの事業で当たりを引くというのもそうたやすいことではないように思います。
まだ始まったばかりですし、会社としても方向性を掴んで、
試行錯誤しながらやられているようですからね。
電話で話した感じでも、それが正解かどうかはわからないものの、
中では相当、戦略を議論して対応されている印象を受けましたから、
失敗を恐れずに経営しているのを応援するのが適当と思います。


そして、中計の大風呂敷とは対照的に、
今期予想は全体的に保守的な印象を受けました。
ゲーム事業の行方は予想が難しいですが、
会社予想はミニマムラインのように感じます。

根拠はありませんが、電話の端々に保守的ということがあり、
その言葉は鵜呑みには出来ないのですが、
もう少し増益幅は出るかなという気もします。

そこで、今期予想EPSを125とします。
これは従来の17年3月期予想EPS138を約10%下回るものです。

また18年3月期は収益化が期待されるわけですが、
そうはいっても投資は一過性で終わるわけでもないと認識していますから、
今期に選択と集中で展開するゲーム事業がある程度軌道に乗ったとしても、
従来の15%増益基調位がいいところと思います。
ここから19年3月期予想EPSを求めると165となります。

評価PERは従来は25倍としていましたが、
少し目減りさせて24倍程度にしたいと思います。

結果、新たな目標株価は3,960円とします。

従来の目標株価の4,450円から約11%の下方修正です。

なかなか思うようにいきませんが、これもまた試練ですね。




5.その他

同社のコンテンツを収集してそれを書籍化して販売するという、
基本のビジネスモデルは今でも秀逸で崩れたものではないと認識しています。
同社のような成長を続ける新興企業の場合、
やはりITや認知度向上のためにどうしても投資が必要になり、
今回のように踊り場を迎えることが定番の試練でもあります。

それが、本当に中長期的に資する踊り場なのか、
単に成長限界を迎えたものによるものなのか、
この見極めがとても難しいわけですが、
私は同社に投資を決断した時に、やはり新たなチャレンジで決意しています。

本来コンテンツ、特にゲームや漫画など、
自分が全く志向していない分野のサービスを提供する会社、
しかも当たり外れの大きそうな業界にあっても、
そのリスクを抑えたモデルを構築して頑張っている会社ということで、
期待を込めて投資しています。

今回のような踊り場で初心者なりに苦心して
対処をしていますが、決算通過前に何度も頭を過りました。
ゲートの反動、ゲーム事業の拡大投資など
前期はよかろうが今期は場合によっては減益すらあるかもしれないという恐怖。

本能に従えば、やはりリスクを回避して売却しておくべきか。
何度も考えましたが、結局、その感覚的なものに頼らずに、
決算を通過させて、そしてPTSで売却です(笑)。

PTSで売却した時には、
その予想していた踊り場を事実として認識し、
かつリアルにIRとも会話をして、
改めて最善を尽くして考えた結果の目標株価は前述の通りとなり、
PTSで売却する値段を考えれば、十分売却は説明がつくものでした。
3年間で上値余地は30%もないですからね。

結果論ですが、予めある程度想定していたことを
きちんと対処することも必要であるわけですが、
そうなるとどんどん投機的になってしまう面もあり、
なかなか難しい問題です。

改めてよく考えて、今回の件もまた教訓として整理をして
次に活かしたいと思います。





【決算精査】9467_アルファポリス(16年3月期_3Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング

先日、既に業績予想の修正(PDF)を発表していましたから、
特段のサプライズもありませんが、順調な業績推移を確認することが出来ました。

特に漫画の売れ行きが絶好調です。
前期まではライトノベルに偏重しており、
ここから新たな成長ドライバとしての漫画にリソースをシフトする戦略が奏功し、
狙った通りの結果となっていると思います。

前期では漫画は僅か10%弱の売上比率だったものが、
今期では25%程度まで急上昇しています。

ゲートの効果が支配的なのだと思いますが、
足元の状況は非の打ちどころがない結果です。
一方でゲートの効果を除いた場合に、
同社の潜在的な成長率をどう読むかがポイントになりそうです。

基本的にビジネスモデルが投稿(多くの閲覧者の口コミ)で
事前に十分なマーケティング機能を果たしたフィルタを通して生み出される商材は、
失敗リスクが少ないとはいえ、ではここまで爆発的なヒットが、
今後も継続出来るのかというのは、絶好調の時だからこそ気に留める必要がありそうです。

いずれにせよ、現時点で想定通りのプロセスでまた数値面でも実績が積み上がってきていますから、
総合評価としては3(想定通り)としたいと思います。


2.定量数値の確認

売上は35%、営業利益は36%と3割以上の増収増益となっています。

9467_決算短信表紙(16年3月期_3Q)



(1)売上の推移

9467_アルファポリス(FY15_3Q)売上推移

今期に入って順調に前期を上回って推移してきたわけですが、
3Q単計の結果はまたひとつ頭を飛び出るような伸長ぶりです。
具体的には、45.5%の増収となっています。
(累計にすると短信表記通り35%となっています)

当然ながらゲートが好調というのは想像通りですが、
ゲート以外の漫画も好調というコメントが決算説明資料(PDF)のP5表記されていますから、
注力してきた漫画が見事に奏功しているとみればよいと思います。

この伸長率がゲートの特需による効果と、
ゲート以外の漫画全体の底上げによる効果とどの位の寄与率なのか、
ここが少し気になります。

ゲートの特需の効果が圧倒的に強いということであると、
漫画の底上げが多少は寄与したとしても、
今の成長率は継続出来ないことになります。

また仮にゲート意外のRe:Monsterなどの漫画が好調だったとしても、
それはゲーム化とのシナジーによる瞬間風速の可能性もあります。

これらの点は少し留意しておく必要があるなという印象です。
心配し過ぎでしょうかね。
なにせ高PERの評価を得ているので、より慎重にみておきたいです。


(2)営業利益の推移

9467_アルファポリス(FY15_3Q)営業利益推移

利益についても3Q単計で見ると、
83%近い増益率となっています。
こちらも売上で記載した点と同じ観点を気にしています。


(3)純利益の推移

9467_アルファポリス(FY15_3Q)純利益推移

特記事項はありません。


(3)利益の状況と今後の見通し

修正後の通期会社予想から、
4Qでの単計の予想は以下の通りとなります。

 売上高  : 812百万円
 営業利益 : 181百万円 (22.3%)
 当期純利益 : 106百万円 (13.1%)

前期の4Q単計の実績は以下の通りです。

 売上高  : 822百万円
 営業利益 : 264百万円 (32.2%)
 当期純利益 : 123百万円 (15.0%)

前期の4Qはゲートの販売も継続して伸びていた状況です。
ライトノベルは、栗田出版のドタバタの前ですので、
頂点の状況でした。

ゲートは第2クールやゲーム化の動きもあり
引き続き好調を維持すると思われます。
ライトノベルもそこそこは回復してくるのではないでしょうか。
(栗田出版の影響は徐々に緩和していることもあり)
漫画の好調は前期でも見られましたが、
今期3Qを見る限りそれは戦略がうまくいって加速度的に伸びているので、
4Qで急激に凹むというのはあまり想定出来ません。

つまり、ゲートとライトノベル合算でほぼ横ばい、
漫画で前期よりやや伸長するとみています。

すると、今の会社計画の売上はやや保守的ではないかと思います。
1Qで+26%、2Qで+34%、3Qで+46%ですからね。
それが急に4Qで-1%となるという計画は違和感があります。

刊行タイミングの問題などがあれど、+10%位はあるのではないでしょうか。

また営業利益率で見ても、24%程度ではないかと思います。
(特に根拠はありませんが、見通しとして過去実績の30%前後の数値は採用しにくいです)
当期純利益率についても15%程度かなと妄想しています(もはや妄想です)。


以上、超ざっくり皮算用から、4Qでは以下の数値位かなという想定です。

 売上高  : 900百万円
 営業利益 : 216百万円 (24.0%)
 当期純利益 : 135百万円 (15.0%)

このことから年度着地は以下となります。

 売上高  : 3,388百万円
 営業利益 : 936百万円 (27.6%)
 当期純利益 : 603百万円 (17.8%)

修正後の会社計画は以下です。

 売上高  : 3,300百万円
 営業利益 : 901百万円 (27.3%)
 当期純利益 : 574百万円 (17.4%)


売上で2.7%、営業利益で3.9%、純利益で5.1%程度の計画上振れを想定します。



(4)その他
月次のメーリングリストで前月と比較した発行部数などを
作品別になんとなく比較して読んでいますが、
それを統計的に処理していないので、
今回のように想像以上に漫画がいけてたのかと後付けで気が付くという状況です。

本当は作品別に色々数値をいじればもっと面白いのでしょうが、
なかなかそこまで出来ていないですね。
というかそこまでやらなくても、同社の成長はある程度理解していたので、
なかなか重い腰があがらないというのが正直な怠けている理由です。


3.定性確認の確認

ゲームがリリースされていて、
私は口コミなどを見ていますが、あまり評判はよくないようにもみえます。

ただ、こういう口コミって実は批判的な意見が多いものでしょうし、
そもそも投稿数が少ないということもあり、
課金モデルがどの程度機能して収益が上がるのかも含めて、
もう少し長い目でみないと何も評価できないでしょう。

その他気になることはきちんと決算説明資料(PDF)に整理されているので、
ここに改めて何か特記すべきことはありません。


4.目標株価の確認
従来の目標株価4,450円を変える予定はありません。


5.さいごに

最近ゲーム事業の立ち上がりから、
たった2名でどうやってやっているのか、
気になっていたのですが、
相互リンクさせて頂いているsunさんが、
当件をIRに照会した結果を記事にしてくださっています。

こちら

ありがたい限りです。
また、そのIR回答も安心出来るものでよかったです。

相場は荒れていますし、
高PERで怖さがないといえば嘘になりますが、
結局高PERでも低PERでも下がっていますから、
あまり気にし過ぎることなくいきたいですね。



アルファポリスが本日ストップ高となりました。

理由は以下のゲートのゲームアプリ配信の決定に関する
リリースによるものと思われます。

リリース文(PDF)


ゲートのアニメ化は規定路線だったわけで、
あとはどのタイミングになるかだけだったと思いますが、
このように事実となったことで暴騰している時には、
まさに事実で売るを実践する局面だと思うわけです。

しかし、私は2~3年先を想像して、
目標株価を定めて、そのシナリオが維持出来る限りは、
原則はその水準になるまでは、
じっくりホールドすることをルール化しています。

ある程度の臨機応変さまでは制御出来ていませんが、
少なくても株価の動きを見て、
そろそろいいところだろう、一旦天井だろうなどという、
値動きを見た取引には一切手を染めないと決めています。

これまでも明らかに決算を持ち越さない方がよさそうとか、
明らかに天井だろうとか、
一時的な材料(誰かがつぶやいたとかテーマ関連で短期筋が入った模様など)で、
値動きが激しい時には、
あまりにその動きが馬鹿馬鹿しく一旦ポジションをいじっておきたい、
そんな風に思って実際にその通り行動しておけば・・・ということも多々あります。

値動きに動かされないという私にとっては、
シンプルでありながらもとても難しくメンタル力が求められる
難しいルールで自分を縛ることで、
機会損失になっていることは事実としてはあります。

それは客観的に見れば下手な取引手法だなと思われることもあるでしょうし、
私自身でもそう思うことがあります。

しかし、これは自分で決めたルールなのです。
私はアルファポリスの目標株価を強気で、
年平均15%成長でPER28倍で4150円の目標設定を行っています。
確かにこれは意欲的な目標であることは自認していますが、
だからといって、では、今日の水準(3255円)で売るのかというと、
それは私の基準では中途半端なものになります。

冷静に考えるとゲートがいつかゲーム化されるだろうというのは、
市場のコンセンサスだったはずですが、
それがただリリースされただけです。
具体的な時期や内容についてはまだこれからですし、
何より、ユーザの反応だってこれから徐々に出てくるわけで、
現時点で良し悪しなど議論などできないでしょう。
どれだけ魅力的なコンテンツが配され、課金率がどうで、
その裏でどれだけの開発原価を投じて作られるのか、
またはどれだけの販促費を積み増すのか、
色々なことがわかりません。
当然、利益貢献がどの程度なのか、
ファンダメンタルズ重視なのに、それが見通せないということは、
現時点でそもそもああだこうだ言うことなどできません。
黙ってまずは事業展開は順調なのだなと確認する通過点のリリースです。

ですので、このように冷静に考えると
ストップ高をするような材料ではないような気がしてなりません。
ですが、市場はそういう評価をします。
そしてこれも想像ですが、そんなに長くは続かないと思うので、
明日には・・・な状況になっている可能性も高いわけです。

今日たまたま少し相場を眺められる時間があったのですが、
正直に申し上げて、
どれだけ今日、売ってしまおうかと思ったことか!


ブログがなく、
自分のルール適用ルールも曖昧にしていたら、
間違いなく売却していたと思います。

しかし、今の私は初心家投資家として、
自分の経験のために、敢えて出来るだけルール通りに、
対応することを是としています。
ですから、その感情で取引をしてはなりません。

アルファポリスの今回のリリースは確かに前向きなものですが、
私にとっては、これは通過点で今後、事業計画通りに、
配信がなされ、ユーザの心を射止めてくれるものに仕上げて欲しいと、
期待をするものではありますが、
大いに買い増すようなものではありません。


それより、今晩にIR通信として配信されているメールの中に、
漫画が好調ということが記されています。
こういうIR通信などはいい事が強調されていることが多いので、
前月など前のものとの記入レベルを比較しながら読みます。

例えば新刊数33点刊行!と記載がありますが、
これだけを見ると評価が難しいものも、
前月も33点刊行だったんだなと比較しながら読むと、
勢いが横ばいで継続中なのだなと一歩進んだ評価が可能となります。


週間ベストセラーも前月まで連続でランクインしていた作品は、
4ヶ月連続ランクインにはならなかったのか、
とかも記憶だけに頼って配信されたものだけを読んでいると、
私のように記憶力が曖昧だと流して読んでしまいます。


そういう観点で増刷情報を見ると、
これまでの記入レベルとは明らかに量が異なり、
多数の書籍が増刷され、かつ注力分野である漫画が花咲いていることが、
とてもよくわかります。
注力分野が順調に数値となり実績があがっているようです。
こちらの方が、ゲームリリースよりリアルにわかりやすい情報ですね。

ゲームのリリースも嬉しいですが、
私は変わり者かもしれませんが、
この月次のIR通信の内容の方が、
より安心出来てうれしい気持ちになりました。

皆が注目する情報に群がるだけではなく、
当たり前のことが当たり前であることを確認していくことも、
また大事なんだなと思います。

そして群がっている中での株価動向に左右されず、
自分が冷静の中で算出した目標を大きく崩さず、
そこまでは黙って見守る忍耐が大事なんだと思います。

というわけで、感情的に取引をしなかったという、
当たり前のことが貫けた自分を褒めてあげたいと思います(笑)。


今日は、他にもシュッピンの1部昇格や
日本管理センターの新事業の開示など、
心揺さぶられる開示が溢れてきています(笑)。
揺さぶられるのは心だけにして、
PFを揺すぶらして変なことをしないようにしたいと思います。
ルール通りに行動して短期的な利益機会を失ったとしても、
変なことをして一時的な利益を取ることの方が、
長期的な自分にとっては恥だと思うように、
こういうときだからこそ、厳しく律していきたいと思います。


 アルファポリスの決算説明会の動画がアップされています。

 こちらです
 ※自動で再生されるようなので、音に留意ください


 実は昨日アップされていたので、
 深夜に一生懸命聞いていたのですが、
 途中までおもしろく視聴していたのですが、
 体が疲れていたのか、
 そのまま自分の書斎の席にうっつぶして眠っていました。
 やはり疲れが溜まっているのでしょうかね。

 というわけで、先ほど帰宅して続きを視聴しました。


 ぐだぐだ書くのはやめて、一番印象に残ったのは、
 最後の、当中期計画の定量目標について、
 チャレンジングでありながら決して実現不可能なものではない、
 塩梅のいい水準だという趣旨の説明がありました。
 それをサッカーの日本代表がWカップ1次リーグを突破するくらいと
 例えられていました。

 面白い例えをするなと思いました。
 私はサッカーには疎いですが、
 確かに日本代表がWカップ本予選の1次リーグ突破は、
 チャレンジングでありつつ、なかなかチャレンジングだとも思います。

 いやーそもそもアジアの予選を突破できるのか?という問題もありますが、
 それでもアルファポリスの業績はきっと
 順調に推移してくれると信じています。


 決算説明会動画に沿って話を聞いていると、
 概ね違和感なく推移していることを確認出来ました。

 前期の着地については、やや下振れを想定していましたが、
 刊行数も大きく伸び、結果的に予想比上ブレでの着地となっています。

 漫画事業が目覚ましい成長を続けています。
 こちらは当社の目論見通りに推移しており、
 一時は疑われたものもきちんと結果で示してくれた点はよかったです。

 またライトノベルで新シリーズが5作品ということで、
 これが今期に次作の発刊による収益の継続性を生むという点で、
 期待が持てます。
 また説明の中で、2巻、3巻と進むにつれて、
 徐々に発刊数は収束してくるというわけで、
 やはりどんどん新作を出し続けていることが、
 成長には欠かせないものだと改めて実感しました。

 ですから、その新作が出続けられるかが
 当社の現事業における成長の肝になります。
 そのことは、当然会社も認識しているわけで、
 だから投稿コンテンツのボリュームを殖やす、
 そのために、ユニークユーザ数や投稿インセンティブなど、
 仕組みを入れてそれを定量化してコンテンツ確保に努めているのだと思いました。
 また今期に更にコンテンツ増に結びつく
 スマホアプリの新サービスを計画しているようで、
 今後の開示が楽しみです。

 投稿インセンティブ制度は、
 その仕組みが他社に比べても使いやすいようで、
 実際この仕組みの導入後の投稿コンテンツ数の動向を見れば明らかです。
 もちろん今後の動向にも留意が必要ですが、
 このプラットフォームが早々にデファクト化されることにより、
 ボリュームと質を確保したコンテンツが確保できると思います。


 また、随所の説明に精緻さと野心が伺えます。
 これは社長のWILLでもあるのかもしれませんが、
 例えば今期の出版事業の各セグメントの売上高のポートフォリオは、
 精緻に積み上げていることが伺いしれます。
 漫画事業は前期9.5%が今期18%となっており、ほぼ倍増ですが、
 既にこれはもう見えているという発言がありました。
 もちろんその利益がどういう水準になるのかとか、
 そもそも当てが外れるというリスクだってよく見ていかないとなりません。
 しかし、中期目標でもリスクバッファを見込んでいたり、
 説明の中で、今回の開示資料上の数値より社内目標は
 更に上に置いていると明言されており、
 なかなか投資家への期待も持たせてくれるなと感じています。


 月次のIRニュースのメーリングリストを開始というのも、
 それだけ自信の表れなのかもしれません。
 私はIRに積極的であることはとても重要視していますので、
 大歓迎です。

 中計についてはまずゲーム事業のことをどう捉えるか、
 まず基本的なことですが、スマホゲームなど既にレッドオーシャンで、
 かつ当てれば大きいものの失敗リスクが高いということを十分認識されているようです。
 この点は当たり前の分析と感じますが、そのような前提で検討されていることは安心です。

 イケイケドンドンのゲーム新興系の中には、
 ヒットできることを前提に事業計画を策定しているのでは、
 と感じることもありますので、そうでないだけ、まともだと感じます。

 そして正直、現時点で当社が成功するのか失敗するのか、
 まだ見極めは難しいです。
 ただ、会社説明にもありましたが、既存事業である漫画やライトノベルの愛好家と、
 ゲームの愛好家とは親和性が高い点、
 また既にヒットしている漫画やライトノベルからゲーム化することで
 より利用者にリーチがしやすいという点で、
 参画リスクはだいぶ低減は出来ると考えます。
 
 ここはもう少し時間をかけてモニタリングしたいと思います。
 少なくても、ゲーム事業開始で株価は上昇しましたが、
 あまりに稚拙な動きだと思いました。

 インターネットのメディアパワー強化について、注目は海外展開でしょうか。
 FY2016までは国内成長が原則のようですが、
 FY2017は海外配信開始とあり、ここでも急激な上昇を見込んでいます。

 確かに日本の漫画は海外ではとても人気があると聞きますからね。
 現時点では期待できるとしか言えませんが、
 今後の海外展開動向にも気を配っておきたいと思います。

 またFY2017はTVCMを打つということで、
 認知度向上施策もより加速することになりそうです。

 
 定量目標はリスクバッファを考慮して売上100億、経常利益25億です。
 FY2014実績では売上26.6億、経常利益7.7億です。
 単純計算では利益水準は3.2倍です。
 期間3年で3倍超ということですから、意欲的な計画です。
 ただ特にゲーム事業の失敗などリスクが大きいことも事実で、
 リスクバッファだけで吸収できず未達となる可能性だってあります。

 ですから話半分で見ないといけないかもしれませんが、
 社長の説明を聞いていると、個々に要観察と判断するものもありますが、
 直ちに否定しなければならないような説明もなかったように思います。

 私は現時点ではCAGRは15%、18.3期EPSは172、
 評価PER22.5倍とした目標株価3,870円は変更しません。
 今後のゲーム事業の動向など、最終的に中計の信憑性が高まり、
 そして四半期決算で実績も確認しながら
 目標株価も精査していきたいと思います。

 なお、現時点で完全に中計を信じた場合のEPS想定は3年後に約340となります。
 PERを同水準の22.5倍とした場合7,650円となります。
 この場合、現時点から3.4倍の上昇余地となります。
 これは完全に現時点では水ものですが、皮算用しているとワクワクしてきます。


 当社は認知度向上による成長とプラットフォーム型を活かした成長に加えて、
 海外を視野にしたエリア拡大戦略、
 そしてゲーム事業に代表される新商品・サービスによる成長と、
 様々なファクターが存在しており期待が持てます。
 もちろん各内容を見ていくと、小売業などのようにわかりやすさとはかけ離れており、
 不確定要素によるリスクも高いですが、うまくそれと付き合っていけるようになりたいものです。


 
9467 アルファポリス 東証マザーズ 【サービス】

 直近IPO関連銘柄は、
 過去の実績がみえにくいという点で、
 評価が非常難しく本来、手をつけるべきではないと考え江います。

 とはいえ、やはり気になるものは気になりますので、
 定期的にIPO銘柄もみるようにしています。

 そんな中、当社のこともモニタリングしておりました。
 この前の日曜日の遅い時間に軽く中身をみてみました。
 簡単にメモを残しておきます。

1.事業内容
 簡単に書いてしまえば、ライトノベルやコミックなどの
 編集、発刊という出版社のような事業です。
 ポイントは、Webを通して投稿されたものを商材にしている点です。

 出版業者は何より書物を発刊するにあたり、
 その企画が当たるかどうかが非常に重要だといえます。
 売れ残った場合、一定の保証を出版社側で対応するために、
 PL上にも返品に係る費用調整分を引当金として積んでおくわけです。

 最新のPLを見ると売上原価と当該引当金がほぼ同規模ですから、
 この売れ残りリスクが大変大きいものと考えられます。

 しかし、当社のビジネスモデルでは、予め人気投票の結果を受けて、
 発刊を決めていますから、その損失リスクを小さく出来ます。
 またこのようなスキームで発刊されているわけですから、
 このような趣向のある方にとっては、
 それが口コミになり人気投票で上位であったというお墨付きが得られます。

 また投稿する側も同人誌がその筋の方に人気を博するように、
 投稿する側のモチベーションをうまく掻き立てるようなモデルです。

 投稿する側がよい刺激の中で切磋琢磨?され、
 また投票する方が当社のファンになり、
 そのお墨付きを得られた状態で発刊された本が売れるわけです。
 このようなプラスのスパイラスが当社の利益率の高さに
 表れている様に感じます。

 もちろん、最近はやりの電子化に加え、
 上場調達費用を使ったスマホ対応など、
 このビジネスモデルをより磨き上げられるような形へ進化しています。

 単に出版社というわけではなく、
 こういった人気に裏付けされてそれがテレビ化されたりと、
 ビジネス形態も広がっています。
 最近でも映像化のリリースが出ており、
 該当タイトルは本屋でチェックしてみましたが、
 平積みの一等地に陳列されていました。

 私はライトノベルやコミックというものは一切やらないのですが、
 こういうニッチでマニア受けしそうなものは、
 価格競争にもなりにくく、
 かつ上記のような投稿者、読者を巻き込んだビジネスモデルが、
 それより頑固にするように感じました。

 パズドラでヒットしたガンホーですが、
 このようなゲーム業界の一番のリスクは、
 2番手、3番手のビックタイトルが出るかどうかだと認識しています。
 それは企画して出てみないとわからないという大きなリスクが存在しますが、
 当社の場合、自らのビジネスモデルでそれを低減させることができると考えます。

 ここが一番の当社の強みであると感じます。


2.成長性について
 出版全体で見れば、当社のIRにもある通り全体のパイは低下しています。
 これはWeb化やコンテンツの多様化のためだと思われます。
 当然電子書籍はそれに代わる成長分野であるわけですが、
 一方で競争も激化しており、結局価格競争になっているように感じます。

 大手のアマゾンと楽天のキャンペンの張合いをみていても、
 それを実感しますからね。

 ところが、当社は、そのコンテンツの企画時点で既に独自色、差別化が図られています。
 
 当社の事業ではシステム投資は必要ですが、
 大型の固定設備投資は不要でしょう。
 編集や企画といった人財投資が主であり、
 今期に大量採用をしている中でも、足元の業績は好調です。
 なお、大量採用といっても有報によると、わずか従業員は28人です。
 1人当たりで7千万近くを売り上げています。 

 そして今後も、上場もひとつのきっかけとなり、
 当社の認知度があがることで収益貢献が望めそうです。

 今後のIRの中で会員数や投稿数に関する推移なども開示対象にして頂けると、
 より安心できます。

 9467_業績推移


 上場前の決算とはいえ、
 この利益の伸長ぶりには驚きです。
 どこまで信憑性があるのか、そして継続性があるのか、
 そこは評価が大きく分かれるところでしょう。
 
 当社の成長性は何よりまずは認知度向上によるところが大きいでしょう。
 そして、ニッチで特定趣向のある商材ですから、
 値上げなどの課金も対応しやすいところがあると感じます。
 極端な例かもしれませんが、コミケなどに集まるような方々は、
 誤解を恐れずにいえば、お金よりその時の価値を重視するように感じます。

 またスマホ対応や映像化への進化により、
 ビジネス領域の幅が広がるという効果も期待出来そうです。

 過去の業績から推測するに、成長性は20%を超えてきそうですが、
 ここでは、保守的に15%程度とみることにしたいと思います。


 3.株価水準について
 現在の株価は1,971円です。
 ※当記事を執筆時点(1/9終値)

 時価総額:95億
 PER(14.3期実績):20.0倍
 PER(15.3期会社予想):17.7倍
 PER(15.3期まるのん予想):17.4倍
 PBR:5.9倍
 ROE(14.3期実績):44.7%
 ROE(15.3期会社予想):33.0%
 ROA:19%
 配当利回り:0% (当面は内部留保優先で無配)
 ※優待なし

9467_チャート
※ゴールデンチャート社から出力


 上場して初値形成後は右肩下がりです。
 ですが、足元でやや変調の兆しがみられるようにも思えます。
 私はチャートは読めませんので、よくわかりませんが、
 評価の難しい成長性との兼ね合いでそろそろ買い始めてもよい水準ではないかと思いました。


 4.リスク要因
 一番大きなリスクは模倣企業によるビジネスモデルの優位性が損なわれる点です。
 大手はライトノベルというニッチに対しての対応こそ集中投資投下しないと思いますが、
 新規参入者はライトノベルやコミックといったニーズが高い分野での進出が想定されます。
 実際当社の開示資料でもそのリスクには言及されています。

 現在の投稿者を含めてユーザが当社の既存モデルの中で囲い込みが進み、
 実質的なデファクト化がなされれば、
 質の高いコンテンツを輩出し、優位性は損なわれないものと考えます。

 ですが、このリスクについては、他社の動向にアンテナを張っておく必要があると認識します。

 また電子書籍化が進展する中で、
 その潮流に乗れない場合のリスクも言及されています。
 電子化の対応は当社も対応をしていますが、
 そのスピード感がマッチしないと機会損失に繋がり、
 優位性が損なわれます。
 今後安定的な発刊、ヒット作の継続性については推移を見守る必要がありそうです。

 このほか、自己資本比率は四季報によると56%、
 長期固定利率は1%台半ばと良くも悪くもないながら、
 有利子負債額そのものは利益剰余金に比べれば十分小さく
 財務的なリスクはないでしょう。
 キャッシュフローも新興企業にしては安定的であり安全性も高いと思われます。

 またIPOならではのVCも存在していませんから、
 需給的にもややこしい事態はなさそうです。

 ビジネスモデルに裏付けされた高い収益性が存在しており、
 ビジネスモデルや障壁面でのリスクは当然存在していますが、
 現時点での不安は小さいです。
 IPO間近で見通しがつけにくいという最大の弱点があっても、
 決して高いリスクが存在しているとは思えません。


 5.目標株価について
 EPSは15%成長で、今期予想を113としており、
 これを基点に17.3期予想を150とします。

 評価PERは22.5で評価を行い、目標株価は3,375円です。

 今後成長や内部留保の拡充と共に、
 配当や優待新設があると思われますし、
 その先には本則への昇格もあるでしょう。
 

 6.サマリ
 PER15倍位まで待ちたいとも思いますが、
 一方で打診買いでこの水準でエントリーしてみたい衝動にも駆られます。
 PER20倍割れ程度で買うというのは、
 やはり一般的に今までの私のやり方ではありえませんが、
 当社の強みを理解すると決して割高に感じません。
 当社の事業は私の中では馴染まず、敬遠するような感じなのですが、
 自分の単純な好き嫌いの感情を反映して、
 ダイヤモンドダイニングに投資が出来なかった失敗を元に、
 好き嫌いで判断しないようにしたいと思います。



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 誘惑に負けず、本日、2,115円でエントリーしました(笑)。
 (どうせ誘惑に負けるなら、昨日の安いところで入ればよかった・・・)
 何の効果もないのですが、気休めに昼休みに改めて本屋に行って
 本を手に取り、最終的に購入することを決めて注文を出しました。

 さて、どうなることか楽しみですが、
 IPO初値とまでいいませんので、
 目標株価に到達してほしいなと思います。


 本日の購入により、目標株価までの上昇余地は77%。
 自信度はCで新規評価開始します。


 なお、余談ですが、本日はもう1銘柄、
 パクリ投資で新規に購入しています。

 銘柄をスリム化して、現金比率を上げるというのはどうなったのか、
 自分の一環しない言動に忌々しく思います。
 
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