Author:まるのん |
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【決算精査】 3277_サンセイランディック(19年12月期_3Q決算)
■銘柄分析シート
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■決算説明資料(会社開示)
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1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング
3Qは営業利益以下が赤字ということで、
2Qで作った貯金を再び食ってしまいましたね。
同社は元々四半期で評価しても期ずれ頻出なので、
あまり右往左往しなくてよいと思います。
計画に対しても下振れしているとのことですが、
同様に期単位ではこれまでも何度もぶれていますからね。
それより、やはり状況を注視しなければならないのは、
底地だと思います。
今期に入ってからもずっと底地は苦戦しているように思います。
各地で好調な居抜きがカバーしているため、
まだ体裁を保ってはいるものの、この底地の状況は気掛かりです。
ちょうど前期にも在庫の整理を加速するための
体制を構築している中で、この不調が不遇の連続なのか、
構造変化なのかはよくわかりません。
マクロの環境としては相続に絡む需要は底堅いと思いますし、
権利調整ノウハウも秀でたものがあると理解しています。
そんなに毀損するとも思えないのですが、
底地のような場所の土地の需要が宅地業者などから
買われにくくなっているとかなんでしょうか。
仕入も底地は不調なようなので、やはり状況を確認したいところです。
四半期の水準ではなんともいえず、
底地の状況次第ではありますが、総合評価は想定通り「3」としておきます。
4Qでの挽回により通期予算にある程度近づけてられ、
中計最終年度となる来期に目標達成できるとまずはよいですね。
2.定量数値の確認
(1)売上・粗利の状況

売上が1Q程ではないにしろ低位で、
これによる粗利不足、更に販管費も相応に支出が続いており、
営業赤字です。
2Qの貯金を使っている状況です。
(2)販管費の状況

販管費は特に変調はないですかね。
売上が下がっている分、販管費率はやや上がっています。
(3)営業利益の状況

1Qに続き3Qは営業赤字です。
四半期単位で赤字というのはこれまでも何度もありましたが、
まぁ不安になる方はおりますよね。
まして、四半期単位の計画を示していずれも未達と書かれており、
初見だとびびりますね(笑)。
(4)今期予想の確認
4Qでどこまで挽回できるかですね。
ただ、今期玉を持ち越して、来期の中計達成のために、
調整するかもしれないなんて邪心をもっていたります。
(5)配当の確認
配当も特に変更なしです。
(6)セグメント毎の確認
底地が心配ですね。
(7)建築事業の受注状況
建築事業は受注も積み上がって、
駆け込み需要もあり仕事は膨れていますが、
引き続きセグメント赤字が続いています。
3Qで相応の引き渡しがあったものと思いますが、
それでもセグメント利益は僅か8百万円で、
2Qまでの7千万近いセグメント損失を埋めきれていません。
(8)仕入・棚卸状況
3Qで仕入は急増させています。
しかし、来期の中計に向けて玉込めしないとならないですからね。
底地仕入も3Qでは少し増えていますが、
ストックの構成比率としては低いものと思います。
利益率が高い部分でもあり、来期の利益率のところが心配です。
過去のQ3の棚卸資産の状況とその後の翌期予想を列挙してみます。
開示の営業利益は10%近くだったものが今期については9%程度に下がっています。
現状のポートフォリオや人員増強等の状況を考えると、
中計目標の営利20億を利益率8-9%程度で割り戻しています。※
16/12 Q3 棚卸資産 72.9億 → 17/12予想 売上145億/営利14.7億
17/12 Q3 棚卸資産 104.3億 → 18/12予想 売上175億/営利18.3億
18/12 Q3 棚卸資産 133.8億 → 19/12予想 売上182億/営利16.7億
19/12 Q3 棚卸資産 148.9億 → 20/12予想 売上222-250億?/営利20億?※
棚卸資産と翌期売上の比率は年々下がっています。
99% → 67% → 36% → 68%-49%
うーん、これを見るといけるようないけないような。
まぁよくわかりませんね(笑)。
全然ダメってこともなさそうですかね。

3.定性情報の確認
資金調達フレームの選択肢のため、業務提携を同時開示していますね。
仕入をより増やさねばなりませんが、
このようなスキームも積極化するということは、
やはり仕入環境はそんなに悪くないということなんでしょうかね。
4.その他情報の確認
(1)株価推移の状況
株価は地を張って、そこで売却していますね、私(笑)。
これはこれで構いません。
意図をもって一部売却していますからね。
しかし、この状況で株価が騰がってきているのはまた不思議です。
確かに2Qは良かったですが、楽観する感じでもないと思います。
単に指標面で低かったこともあるんですかね。
短期的に株価は騰がっていたので、
この3Q赤字に狼狽売りが出るかもしれないですね。

(2)IR照会の状況
IR照会は実施していません。
5.さいごに
保有比率を減らしていているあたりに
覚悟がみられません。私自身が一番自覚しています。
【決算精査】 3277_サンセイランディック(19年12月期_1Q決算)
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1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング
1Qでの営業赤字から回復し、上期予想も超過しての着地です。
四半期単位にみると営業赤字となったり、急に計画を超過してみたりと忙しいですが、
株価の方は地を張っていますね(笑)。
元々1Qで計上予定としていた居抜きは2Qで計上されてきた一方で、
底地は計画を下回っている状況のようです。
底地の方が利益率は高いわけですが、そこが大幅に計上未達となりつつも、
計画超過となったのは驚きましたが、
そもそも超過しようや赤字だろうが、四半期決算で論じても仕方ありません。
底地の状況がやや気掛かりではありますが、
仕入も概ね計画通りに進捗しているようです。
表面上は来期の中計最終年度に向けてやや弱くもみえますが、
まぁ今の市況でリスクを過大に仕入膨らませるのも怖い気もしますから、
居心地がよいのかもしれませんね。
私の総合評価は想定通り「3」となります。
2.定量数値の確認
(1)売上・粗利の状況

粗利率は30%程度で前期の2Qではやや大きく40%弱までありましたから、
この点では粗利率は下落していますが、
過去のトレンドから見れば大きく外れるものでもありません。
●底地
計画より下振れしているようですね。
ここは後述の通り、IR照会をしています。
●居抜き
計画を超過しています。
1Qから期ずれしたものも含めて計上出来て良かったですね。
ちょうど、1Qの時のIR照会の通りの結果となっています。
●建築事業
増税の駆け込み需要があったようです。
それでもセグメント赤字なんですけどね。。。
(2)販管費の状況

販管費は2Qでだいぶ抑制した印象です。
販管費率は2Q単では14.8%となっており、これは過去を見ても最低水準です。
とはいえ、額面では増額しており、給与に還元しているようですので、
いい傾向かなと思います。
(3)営業利益の状況

粗利率が安定する中で、特に2Qでの販管費のコントロールにより、
2Q単の営業利益率は15.7%となっています。
前期も高かったのであまり目立ちませんが、このビジネスモデルで、
この利益率が出るのは凄いな―と思います。
(4)今期予想の確認
上期の計画は超過していますが、
案件の入り繰りもあるでしょうし、特に底地の動向がリスク含みでもあるのか、
通期予想は据え置いています。
(5)配当の確認
配当も特に変更なしです。
(6)セグメント毎の確認
底地は一部に販売の遅れがあるのでこの点は注視です。
建築は相変わらず赤字ですが、最終的には黒字化にするということだったはずなので、
下期の動向に注目です。
(7)建築事業の受注状況
決算説明資料で受注も前期比+175%となっていますね。
まぁ前期までは弱すぎたともいえますし、
母数が少ないので%で表記してもあまり意味がないかもしれませんね。
(8)仕入・棚卸状況
仕入も底地、居抜き、所有権のバランスが良く仕入れられており、
棚卸資産も引き続き高水準を維持しています。
不動産は市況が転じてきているともいわれていますが、
実需で仕入の際に販売チャネルをあらかじめ見通しての対応をとっており、
そこまでリスクは高くありませんが、やはり居抜きではリスクも高まるので、
急な市況転換により在庫を抱え過ぎてしまうことには注意が必要ですね。
3.定性情報の確認
特に新しい情報はありません。
4.その他情報の確認
(1)株価推移の状況
株価は地を張っています。

(2)IR照会の状況
IR照会をしています。
あくまで私の激しい思い込みによる主観に基づき記載されており、
曲解している箇所も含め正確ではない可能性が含まれています。
その点、ご容赦くださいませ。
また、配慮をして書いていますが、
もし会社側を含めどなたかにご迷惑をおかけするようであれば、
即刻記載を削除いたします。
Q
底地の販売が計画を下回っているとのことだが、
以前にも測量の遅れや業務が回っていない、
あるいは想定していた買い手の都合で新たな契約先を見つける必要があるなど、
様々な要因があったが、今回はどのような経緯か。
A
大型物件にチャレンジしたのだが、区画の引き渡しが続く中で、
最終的に残った区画の一部がどうしても販売停滞している面がある。
これまでの在庫の適正化の一環で特命チーム等で対応しているように、
適正な利益を確保しつつ、多少利益を削っても販売に注力し、
プロジェクト全体としての利益を確保するように今後も対応していく。
※つまり一部に販売停滞しているものがあって、
その販売に少々手間取っているということですね。
Q
その販売先はこれから探すという状況なのか、
ある程度商談が進み纏まる方向に進んでいる状況なのか。
A
ゼロベースでこれから探すというより、既にいくつかの候補があって、
利益の状況をコントロールして、プロジェクト全体として利益確保を目指している。
Q
景況感の変化なども影響しているのか。
A
景況感の変化というより、経験が浅い大規模底地を手掛けたという側面もあり、
想定していた利益もやや強気になった上での仕入であったかもしれない。
そのため、販売にやや苦戦しているという状況であり、
景況感の変化という捉え方はしていない。
但し、景況感の変化というと、底地は心配しておらず、
むしろ居抜きの方がリスクは高いと考えている。
※これは今までもずっと教えて頂いたことですね。
Q
建築事業はまだ赤字だが、増税駆け込みの影響があったのか。
それを踏まえての赤字とはどう捉えているか。
A
増税の駆け込みはあったと考えている。
今期に黒字にするためのリカバリプランをもっており、
下期に向けて検収が進み黒字化できる見通しで捉えている。
Q
当社は業績の計上見込み時期によって進捗を見ても意味ないと
知りつつ、上期は超過しているか下期は何かリスク含みな事項はあるか。
通期を据え置いているので聞かせてもらいたい。
A
特段のリスクはないが、やはり底地の動向は注視している。
今後多少利益率が下がっていくことも想定しつつ、
プロジェクト全体の利益を確保していくよう取り組みを継続していきたい。
5.さいごに
1Qの時のような赤字という悲壮感もなく、
一転計画超過ですが、底地の状況などやや気掛かりな面もあります。
赤字になっても特段不安もありませんし、
今回超過したといわれても楽観もありません。
それくらいニュートラルに達観していればいいかなと思います。
【決算精査】 3277_サンセイランディック(19年12月期_1Q決算)
■銘柄分析シート(表紙)
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■銘柄分析シート(詳細)
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■決算説明資料(会社開示)
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※1Q決算であることや会社開示資料がきちんとしているため、
独自のPPTは今回は作成していません。
1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング
1Q決算は前期で大型物件の決済があった反動もあり、
大幅な減収減益となり、営業利益ベースで赤字ということになりました。
四半期推移を見ても仕方ありませんから、特にこれまでと見方は変わりませんが、
チェックすべき在庫の状況とリソースの充足についてはきちんとモニタリングしていきたいですね。
既に市場はネガティブな受け止めをしていますが、
さすがに株価も安く推移していたこともありそこまでの下落とはならなかったですね。
私の総合評価は想定通り「3」となります。
2.定量数値の確認
(1)売上・粗利の状況

前述の通り計画比でも未達で、減収減益ですね。
要因はいくつかの物件において引き渡し決済が完了しなかったためです。
●底地
・測量等の遅れによる期ずれ
→ 売却目途はついている。
業務量が増えている事もあり、効率化専門部隊組成しテコ入れ中。
・売却交渉の期ずれ
→ 通常手掛ける物件より規模大で最終的合意に時間要するが目途あり。
こちらも結局はリソース不足の課題と認識。
●居抜き
・大型物件1件が売却先都合で見合わせ
→ 新たな売却先目途(多少利益率は落ちる)
それぞれに問題があるものの、上期ないし通期では吸収できるのかなと思います。
それでも期ずれリスクはあるわけですけどね。
一部に不動産諸問題の影響が出てきて、それが大きくなり販売停滞に陥らないか、
引き続き注視しながら、単なる期ずれか、構造的な問題に発展するかは
これまで同様にチェックしていきたいと思います。
(2)販管費の状況

販売費は体制が大きくなっている事に伴い、
金額ペースではこれまでの傾向と特段変わらず増額となっていますが、
売上が低調のため、販管費率は高い状況になっています。
(3)営業利益の状況

前述の通り、売上総量が足りず、粗利が少ないため販管費を吸収できず赤字です。
売上がその後に立ってくればよいですが、
ヒアリングをした限りは特段問題ないと思います。
なお、1Q赤字なんて珍しいことではなく、
15年12月期、17年12月期も同様です。
奇数年は1Q赤字になるんですかね(笑)。まぁたまたまですけどね。
ちなみに過去2回はいずれもきちんと着地ではいい結果を残していますね。
(4)今期予想の確認
今期は増収減益予想となっています。
まぁ頑張って頂きたいですね。
(5)配当の確認
配当も特に変更なしです。
(6)セグメント毎の確認
建築事業は相変わらず赤字ですが、
固定費も抑制され浮上しそうですがどうでしょうか。
足元で受注も何棟かとれたようでさて黒字化どうなるでしょうかね。
(7)建築事業の受注状況
規模が小さいので数棟受注するだけで急増するのですが、
増税駆け込み需要とやらで急増しています。
というか増税対策もあって、いったいぜんたいいつ建てる(契約締結)するのが
一番いいのかよくわかっていません(笑)。駆け込み需要が生まれる程、
前の方が有利なんでしたっけね・・・。
(8)仕入・棚卸状況
仕入はヒアリングによると計画比でも好調のようです。
ですが、金額ベースでみるとまだまだ翌期の中計達成に向けては
仕入をしないとなりません。
とはいえ、無理をして高値掴みしてはいけないのでバランスみながらでしょう。
ただ、環境はだいぶよいようになっているようです。
市況も落ち着いたそうで。。。
棚卸も積み上がっていますが、
これはどちらかというと1Qの決済期ずれの影響もあるでしょう。
むしろ不良在庫になっていないかということが客観的には危惧されるかもしれませんね。
3.定性情報の確認
業務効率化の専門部隊を組成しているようです。
標準化の効果も出てきていたはずですが、
まぁ色々業務量が増える中で、業務遂行上、色々な課題が出てくるのでしょうね。
リソースがどうしてもボトルネックになりがちですから、
効率化、頑張って効果が出るようになることを期待したいと思います。
4.その他情報の確認
(1)株価推移の状況
利益がぶれやすいとはいえ、PERは低いですね。
それでも年単位にみていくとEPSは着実にあがってきていますけどね。
安いとは思いますが四半期でこれだけぶれたりすると、
なかなか見向きしてもらえないのかもしれませんね。

(2)IR照会の状況
IR照会をしています。
あくまで私の激しい思い込みによる主観に基づき記載されており、
曲解している箇所も含め正確ではない可能性が含まれています。
その点、ご容赦くださいませ。
また、配慮をして書いていますが、
もし会社側を含めどなたかにご迷惑をおかけするようであれば、
即刻記載を削除いたします。
なお、細かいやり取りは割愛し、
概要をツイートしているのでこちらを貼付しておきます。
サンセイランディックお電話。お待ちしてましたと言われてしまいました(笑)。
— まるのん (@marunon_invest) 2019年5月15日
販売期ずれはまぁいつものやつですが、リソース不足も一因でボトルネックになる可能性もあり引き続き注視かと。業務効率化の取り組みで少しずつでも改善してくれるといいですね。
何かご質問があれば可能な限りでご回答申し上げます。
5.さいごに
まぁ短信の見た目が相変わらず悪いので、
普通にしていると心配になってしまいます。
中身をみていくと心配はないわけですが、
ただ、不動産業界の不透明さの中で、今後物件売買の面で停滞するネタはいくらでもあるため、
同社起因の問題ではないものの、煽りを受けてしまう可能性も念頭にして
モニタリングをしたいなと思います。