投資方針に忠実に退屈な投資で資産形成

イオンディライトの決算精査記事をUPしています。
こちらにnoteの記事をリンク貼っておきます。
(だいぶ時間が空いてしまい失礼しました)


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イオンディライトが本決算を開示しています。

note記事に簡単に纏めましたので、
リンクを貼っておきます。
以下の画像よりご覧くださいませ。


株価はややネガティブに受け止めたようですね。

写真は今年は行けなかった花見ですが、
自宅の近辺で撮りました。

なんか華やかなんですが、もの寂しい感じもありますね。

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イオンディライトの決算精査記事ですが、noteにてUPしました。
ブログからはリンク先のご紹介のみになりますが、
ご参考になれば嬉しいですし、感想や間違っているよ、というご指摘を頂ければ、
大変嬉しく思います。

イオンディライト決算精査記事リンク



【決算精査】 9787_イオンディライト(20年2月期_2Q決算)


■銘柄分析シート(自作)
シートリンク

■決算説明資料(会社開示)
リンク

■株主総会レポート記事
株主総会レポート


1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング


短信表紙では3%増収、37%営業増益、83%純利増益と驚きますが、
前期はカジタク事業の不正会計に関して訴求して手当をしたことから、
単純比較ではこのようになっています。
当該事象を除くと、3%増収、3%営業増益、5%純利増益ということで、
いつもの超緩やかな成長となります。
但し、中身を見ますと質的にも内容的にも色々と変化があるようです。
総じてみればこのような緩やかな成長が続き、緩やかに還元が続く会社として、
今後も応援をしていきたいなと捉えております。
とりわけ、ノンオーガニックな要素が台頭してきているように思います。
中国、ASEANと外部環境に影響を受けやすいとはいえ、
うまくマネジメントされているのではないでしょうか。
カジタクの不正会計の件はガバナンス強化として色々な策が出てきており、
二度とこのようなことが生じないようにしてもらいつつ、
原点回帰と新たな施策により2025中計目標へ向けて頑張って頂きたいと思います。

定量面からは売上は上期計画に対して僅か0.3%ですが未達、
利益については、営業利益ベースで1.1%の超過、純利ベースで1.6%超過と
ほぼ計画通りの着地となっています。

定性面では統合型管理施設管理サービスリリースに向けた動向や、
省力化・省人化のための施策展開、
あるいはセコム社などとの新たな取り組み等様々な活動履歴も垣間見れます。
どれも足元の業績を急激に好転させるものではなく、
ジワリ効果が出てくるものだと捉えていますが、
地道な活動としてはよかったのではないでしょうか。

足元の決算としては、不正会計の処理をとりあえず一段落させ、
本業集中の最初の期ということで、相変わらず安定的な業績を出し、
活動も順調に進めていることが伺えますので、
総合評価は「3」(想定通り)です。


2.定量数値の確認


(1)売上・利益の状況

■売上-粗利率
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2Q単体では2.9%増収、24.8%の粗利増となっています。
利益率は2Q単で12.9%となっており、ここ3年間においては
四半期単位では最高水準です。(最高は17/2期3Qの13.0%です)
人件費等のコスト高騰に対して、ロボットやシステムによる機械化で凌いでいるのでしょう。
今後は後者の効果がより発現してくると(機械化は横展開されやすいものですから)、
より粗利改善に繋がるのではないかと期待しています。
もちろん、相応の時間がかかるものだと思いますので、のんびり見守りたいと思います。


■販管費
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販管費は2Q単体では低水準で、販管費率は6.8%となっています。
販管費率が6%となるのは、15/2期4Qまで遡ります。
コストを抑えている様子が伺えます。



■営業利益
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営業利益は粗利の確保と販管抑制によって増加しており、
特に過去年度はカジタク影響を訴求しているため増額規模が大きく見えていますが、
冒頭に記載の通り、カジタク除くとマイルドな成長となっています。



■当期純利益
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営業利益と同様のトレンドとなっています。



(2)今期予想について

下期で予算達成のための施策や考え方として
会社開示の資料に多くのページが割かれています。

構造としては、単体4-5億、国内子会社1億、海外5億で
計10億の利益を確保する計画です。
販管費は横ばい計画ですね。上期と同様にほぼ前年通りに拠出するようです。
そして各セグメントの増益幅もほぼ同額ですかね。
若干海外が上期より下期が加速するという見立てです。
この辺りはIR照会でも自信を持たれていましたから問題ないように聞こえました。
一方、本体の資材関連はトップラインの停滞や建設施工の期ズレ分含めた
対応(リソース当て)あたりがリスクかなと感じました。
何か具体的な疑義があるわけではないですし、
これまでのこういうマネジメントをされてきて安定業績に貢献してくれているので、
引き続き会社経営をお任せして期待しておきたいと思います。
なお、個々の内容については軽くIR照会を通して内容理解に努めました。


3.定性情報の確認

カジタクの再発防止策は具体的な着手時期なども出て
徐々にアクションが出てきましたね。
少し時間を経て、それぞれの活動の状況や効果などもしっかりお聞きして、
より良い会社になることを株主として期待が持てるように寄り添っていきたいと思います。

オープンシステムによる統合型施設管理サービスの適用はまだまだ余地がたくさんありますので、
実証を進めながら横展開していき、現状で取り組まれている省力化プランとの合わせ技で
効率化を進めるということですからこちらも期待をしたいと思います。
そして、この仕組み自体をデファクト化していく方針のようですがら、
業界リーダー企業としてこのパッケージそのものを売れるようにしていけると理想ですね。
10年後くらいでしょうか(笑)。

この他、各地で様々な活動がなされているようですが、
個々の件は割愛し、最後に支社統合の動きには関心を寄せておきたいと思います。
前期に南九州で成功した支社への権限移譲、ルート開拓によって、
モチベーションや効率化が強く効果が出ているようですから、
他の地域でもこれらの動きが顕在化してくるといいなと思います。


4.その他情報の確認

(1)株価推移の状況

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株価はカジタクの不正会計問題のため、
下落をしていますが、長期で見てみると、大したこともないようにも思えます。
もちろん、私はこの不正会計前に最初の買い戻しをしたので、
その分はまだまだ含み損生活です(笑)。
まぁ気長に待ちたいと思います。


(2)IR照会の状況

IR照会をしました。
気になる点のうち主なポイントをメモ書きしておきます。
なお、あくまで、私個人が受けた心証に基づき脚色されており、
事実と異なる可能性を多分に含んでいる
点はご了承下さい。


・資材関連は物流費上昇への対応は進めているが、総量の頭打ちからコスト対応効果が薄れ
 結果、売上、利益共に伸び悩んでいる。売上増が弱いことが課題。
 イオンからのPB商品等の梱包材等の発注がやや停滞しており、
 自社調達の動きもあってのこと。今後は新たにイオングループに加わった先の開拓等で
 トップラインを伸ばし、規模の経済でコスト抑制策がより利益に効果発現出来るよう頑張る。

・自販機事業は償却期間で利益は押し上げられているが、これまで進めてきた
 サイネージ等の付加価値対応も結局、通信費コストの問題などで難しい面もある事がわかってきた。
 そこで混合機を拡充され、商品力を高めていくラインナップで訴求することが結局は
 一番良いのではという感触となっている。その中でハードの耐久も見据えて償却を調整した。
 今後も混合機の拡充を進めて原点回帰を図りながら収益化を図っていく。

・営業CFの減少は8月末日が祝日という暦の兼ね合い。
 売上債権増、仕入債務減ということで資金回りが悪化しているようにもみえるが心配無用。

・海外事業はSJS社の寄与が大きく2桁成長。
 下期予算も利益+5億と増勢なのは、中国でも足元の新規モールの寄与など、
 全体として堅調な案件が多く確度も高いと認識。

・オープンシステムによる統合型施設管理サービスは中長期的に寄与するもので、
 当期での利益貢献は限定的。既存で進めている省力化施策と合わせて今後横展開を目指している。

・清掃事業の低収益物件の解消は地道な努力しかない。
 協力会社の選定も駆使しつつ、高付加価値なサービスを付加(コーティング等)しつつ、
 ロボットなどの活用によって省人化もセットで収益を向上させていく。
 (ここはちょっと一般論のように感じましたね。差別化難しいですしね・・・)

・建設施工の期ズレは顧客側の情勢によるもの。
 3Q以降で案件はあるが、期ズレして集中する需要に応えられる体制作りが課題。
 色々策は講じてあるので頑張って案件消化を進めていきたい。
 また景況感の変化があっても、顧客の需要は大きく変わらない。
 というのもテナントの退去というものも、我々にとってはビジネスとなる。
 従って、案件そのものがシュリンクして落ち込むというより、
 リソースが当てられず機会損失となる方がリスクであり、
 従って、開示資料も機会損失を防ぐというトーンで構成している。

・配当に、「業績予想達成を前提に」とわざわざ明示化しているのは特に意味はない。
 あくまで一般論として記載しているもので、
 特に達成に疑義があって注意喚起を促すような意図もない。


(3)セグメント別状況

決算説明資料及び短信にはセグメント利益まで開示されています。

まぁまちまちですね。
詳細で気になるところはIR照会をしました。


5.さいごに

株価的にはどういう反応ですかね。
株探ニュースによると、このツイートのように配信されています。





増益率は高くておおっ!と思いますが、進捗率が過去平均より低く、
ディスられているようにも読めます。
増益率が高いのは前期にカジタクの件で訴求修正されているためですからね。
進捗率ももはや過去補正訴求されていることもあり、
あてにならないと思うわけです。

とにかく不祥事があった後ですから、また一歩ずつ頑張っていってもらいたいです。



イオンディライトの株主総会に行きました。


※聞き間違いや主観に基づく誤認を含む可能性が多分にあり、
個人的見解も介入しておりますので、ご参考程度としてお読み下さいませ。

※記載内容には配慮をしているつもりですが、当記事が会社からの指摘も含めて何かしらの不都合が生じた際には、
即座に公開を取りやめます。



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■参考
・2019/5/13開催の定時株主総会が初参加ですが当総会レポートは自粛しています。
なお、その様子は、以下のサイトで動画にて視聴可能です。
但し、質疑の様子はカットされています。 → 定時株主総会リンク



■当日の流れ
10:00 開会
10:01 カジタク社不正会計に関するお詫び
 ~役員一同お詫びの礼~
10:05 議決権数・株主数の確認
10:07 カジタク社の不正会計の経緯説明
 ~役員一同お詫びの礼~
10:30 監査報告
 ~監査役お詫びの礼~
10:37 事業報告・今期活動計画(パワポで社長プレゼン)
10:55 議案上程
10:58 質疑応答
11:45 議案決議
11:47 閉会
※手元の時計による概算ですので多少ズレはあるかもしれません。


■議決権行使の状況
 議決権行使株主数 : 2,175人/6,500人(33.5%)
 議決権個数 : 443,859個/498,709個(89.0%)

2/末時点の株主(定時株主総会での議決権行使可能な株主)数:17,674人
5/末時点の株主(当臨時株主総会での議決権行使可能な株主)数:6,500人

となっており、半数以下に激減しています。
もちろん、これは当不正会計による失望もあったとは思いますが、
2月末時点の優待取得を目的としたクロス取引があったものと思います。
ざっくり1万人程度がかさ上げされているとして、
単元での優待は額面だけでも2000円程度はコストを生じており、
20百万円のコストとなります。
 


■全体所感
5月に開催された定時株主総会は、
カジタクの不適切会計に係る中間報告が出された直後ということもあり、
特にまだ何も語る事が出来ない中での開催でありました。
その際は、もうお通夜状態の暗い感じでした。
今回ははっきりと不正会計があることが認定され、
一応は再発防止も開示されてきた中での開催となり、
悲壮感は若干ながら薄まりましたが、
それにしても何度か役員の方が総立ちで謝罪をすることになり、
やはり異様な光景であることには変わりありませんでした。

しかしながら、本業の事業が概ね好調でもあり、
様々な施策でよい効果も出ているところもあり、
これから再発防止に努めつつも、前を向いて再び歩いていけそうな、
一筋の光のようなものが見られた印象でした。

機関投資家の議決権行使の行使結果をみてみると、
一部濱田社長の再任に反対票が投じられたのを確認しましたが、
議事運営はしっかりしたものですし、
濱田社長自身はカジタク取締役への就任は間もないこともあり、
厳しい世の中だなと感じます。
もちろん社長としての責任もありますし、それを逃れることは出来ないのでしょうが、
感情論からみても酌量余地があると私は思いますし、
絶対に口外はされないでしょうし微塵もその気配はないですが、
色々言いたいこともあるだろうなと心中お察しする次第です。

カジタクの件はとにかく内容も醜く、起こったことそのものは最悪な事案です。
そしてカジタクの事業そのものの継続性すら私は未だに疑義を持っています。
今回の不正会計とは関係していない家事支援サービスも損益トントンで、
意義はありますが、リソース最適化の観点でこのままでよいかと思っていますし、
今回不正会計があった店頭支援サービス事業はビジネスモデルが
実質破綻しているように見受けられ、この扱いについては、
きちんとした経営判断を下していってもらいたいと考えています。

いずれにせよ、再発防止の具体的行動に則って、
まずは損益以前にガバナンス遵守は最低限の部分なので、
しっかりお願いしたいと思います。

そして、この再発防止の内容を質疑の中で見聞きした印象ですが、
私は結構期待を抱きました。
もちろん、まだ実行フェーズはこれからですから、
それを見守る必要があるというのが大前提なのですが、
定性部分への強化が強く前面に出ていました。

いわゆる社内の経理を中心とした事務への監視強化の道まっしぐらというより、
本質的な事業価値や戦略構想の部分で地に足のついた議論を促し、
そもそも不正を働かなければならないといった営業優位の繕いが
そもそも生じ得ないような体制への意欲を感じられました。

予算主義で定量測定ばかりに目が向き、
それがプレッシャーとなり悪事が生じたという側面から
本質問題を見出すときに、その各フェーズに監視を強化するのは、
必要なことですが、それがコアであるはずはありません。
各事業の価値や進め方、またそのアクションプランの進捗監視といった部分へ、
本気で取り組むことが出来れば、むしろより大きく組織力が高まり、
事業全体の価値向上推進が進められるような体制になる可能性を感じました。

ぜひ膿を出して、社内の悪しき予算至上主義から、
予算達成を決めるプロセスをより戦略化して透明性をもったものにし、
そこで決めたものへ全身を注げるような再発防止の実行を期待したいです。

今回の臨時株主総会へ出席したのも、
この感触をどう受け止められるかというのを自分自身で感じたかったところで、
それが感じられたことは自分の中で納得感をもって投資判断をするという点で、
再度、大阪まで足を運んでよかったなと思っています。



■質疑応答の様子

※繰り返しになりますが、聞き間違いや主観に基づく誤認などが介在している可能性が高いため、
あくまで個人的なメモとして参考にして頂ければと思います。
※★印は私が質問させて頂いた質問です。


Q カジタクにおける契約交渉の状況・今後の見通し
 ・過去の歪んだ販売施策から見込まれる損失を保守的に引当計上と理解。
 ・契約交渉により保守的な引当金の戻入の余地はあるのか。
 ・特命チームによる契約交渉においてお客様へ理解してもらうことは可能なのか。
 ・また、社員が疲弊してしまいがちと心配しているが、対策などどう考えているか。

A
契約の中身やその具体的な交渉状況については、
相手もあることであり守秘義務遵守の観点からも回答を差し控える。
現在、カジタク社の社員及びイオンディライト本体から派遣した社員とが
ペアになり特命チームとしてお客様へご説明並びに契約交渉にあたっている。
大変困難な業務であるものの、丁寧に対応を重ねることによって、
相応の効果も出てきている。従って、この取り組みの中身を
個々に精査していく必要はあるものの、一定の戻入が出来るという状況の中で、
努力を重ねていく。(濱田社長)


Q 再発防止策におけるガバナンス強化と円滑な事業推進のバランス
 ・このような事態を招き、ガバナンス重視が色濃く出ていると理解。
 ・一方で円滑な事業推進の足かせになる懸念はないのか。
 ・例えば人事異動の頻度向上 →ノウハウ定着 実態運用が形骸化する懸念はないのか。

A
子会社管理という点で、定量的な数値至上主義に基づき管理を行っていたという反省がある。
新たなグループガバナンス強化は、決して予算達成に向けた管理を緩めることはないものの、
その予算策定のプロセスにおいて、各社のもつ事業環境やポテンシャルはもちろん、
グループ全体のリソースの状況を鑑みて戦略構想に基づいた策定に注力していきたい。
このような策定プロセスを経て決めた目標は、必達を目指して頑張っていくように働きかけるし、
そこで必要と判断した前提となるリソースも十分手当することで、
その事業の円滑な推進をサポートしていきたいし、
それが本質的なガバナンス強化に資するものと認識している。(濱田社長)



Q 監査役がカジタクの問題をいつ認識したか。処分はしないのか。
 ・本社の監査役とカジタクの監査役と監査法人とが監査にあたっている認識。
 ・3つの監査する立場があったが、いつこの問題を認識したのか。
 ・過去適正と判断した監査役も処分しないといけないのではないか。

A
当問題をいつ認識したかというと、会社認識時と同一であり、
監査役が事前に認識したということはなかった。
監査役としては、提出された帳票等を適正に監査したものと判断しているが、
提出された帳票の改ざんや、事実隠蔽が認められたこともあり、
その検知には至らなかった。
職責を果たしてきたとは認識しているものの、
今後同事象が生じないよう、第三者委員会の提言も踏まえて
監査役会として再発防止に取り組む所存である。
(森橋常勤監査役)

売上構成比で85%が本体での収益であることからも、
残念ながら本体中心のガバナンス体制となってしまっていた。
この点を十分反省し、グループ全体に目を向けたリソース(人材)の配置を
的確に判断していくことで今回防げなかった点を改善できる体制にしていきたい。
また、経営責任に関する処分の内容については、社内の役員懲戒規定に基づき
開示の通り処分を決定しているところである。
(濱田社長)


Q 自販機事業の状況について
 ・ハードの改廃を進めサイネージを実装等の新たな収益モデルへ転換中と理解。
 ・セグメント減益が継続しているが、いつ頃回復しどの程度の売上、利益を目指しているのか。
 ・今後の同セグメントにおける成長イメージについてぜひ期待感を示して頂きたい。

A
質問通り、将来の収益性を高める事を企図して、現在ビジネスモデルの転換中である。
自販機事業を取り巻く大きな課題は人手不足だと認識している。
従来は設置台数を拡大することでビジネス拡大を志向してきたが、
オペレーター(飲料を補充する人のことですね)が不足していることもあり、
この拡大戦略では立ち行かなくなるという危機感を抱いている。
従って、設置台数の拡大から、1台辺りの収益性向上の戦略へシフトする必要がある。
当社が設置する場所はモール内という強みがあることから、
既存の自販機の設置場所や機器の構成を変えていく自由度も有しているため、
そのような調整を図りながら収益性を高める活動をしていきたい。
また、電子決済については、WAON通貨圏を意識してスピード感を持って取り組んでいきたい。
(山里取締役)

※定量的な回答までは引き出せませんでしたね。
まぁ非開示なのでそもそも言えないということでしょうけどね。


Q 九州支社の組織再編の効果と今後
 ・各県に優秀な若手を営業所長としてアサインし、新たな案件発掘への循環が生まれ喜んでいる。
 ・この効果の発現のためこれまでのアプローチ方法と比べてどのような工夫をしたのか。
 ・よき効果を継続させ、また他支社へ横展開の余地はあるものか。

A
国内はより地域に根差した組織体制へ支社の在り方そのものを見直し、九州から着手をした。
九州南支店は熊本に拠点があり、そこで宮崎、鹿児島を包括して管理していた。
しかし、より地域に根差すという方針の下、各県に営業所を新設し、
現場のセンター長を担っていた若手社員から各県の営業所長へ登用した。
各センターで顧客に近い所で活躍していた若手社員が
ひとつの県を任されるという事で士気も向上し組織活性に繋がった。
また顧客からのウケも非常に高いものとなった。
これは九州だけでしか効果が得られないモデルではなく、全国で展開できると考え、
計画でも各地域でこのような成功事例を横展開していく活動を進めているし、
今後も進めていきたいと考えている。
(山里取締役)


【コメント】 個人投資家向けIR活動について
 ・不正会計という不祥事があっても、当社魅力を発信し続ける活動はぜひ継続して頂きたい。
 ・こういう時だからこそ、情報発信をきめ細かく、そして発信し続けことが大切だと考えている。

A
「こういう時だからこそ、IRw積極的に発信していく」というのは本当にその通り。
今後もきちんとIRをしていくつもりなのでよろしくお願いしたい。(濱田社長)

※ここは何気ないやり取りなのですが、単なるコメントにも関わらず、
敢えてコメントされたので、とても嬉しかったですし意味あるやり取りと思いました。


Q 株価はなぜ騰がらないのか
 ・これだけの再発防止を出しているのに株価は騰がらない。
 ・私は(質問者)この再発防止に疑義を抱いている。
 ・経営者として株価の状況などどう捉えているのか。

A
株価については、再発防止に努め信頼回復と業績向上をもって
信任を得ていくしかないと考えている。
もう一度信頼回復を得て、グループとしての成長戦略を描き、
ステークホルダーに理解をしてもらうことが肝要だと捉えている。(濱田社長)


Q カジタクの社長の処分(解任)の背景について
 ・カジタク社長は個人で融資を受けて資金集めをしてある意味見上げたもの。
 ・この資金は反社でないかチェックしているのか。

A
カジタクの役員懲戒規定に基づき処分決定している。
その具体的な内容についてはここでの開示は回答を控える。
また個人の資金集めによる融資の状況などについても、
この場での回答は差し控える。
しかしながらその融資が反社からの融通ではないという事実は
申し添えておく。(濱田社長)


Q 子会社のモニタリング方法について
 ・具体的に親会社が子会社に対してどのようなモニタリングを行うのか。

A
わが社のガバナンス体制は数値至上主義であった。
定量的な実績管理に特化していた点が大きな反省である。
本来は、各事業の背景やポテンシャルについて正確に把握している状況ではなかった。
例えば、中期経営計画の策定についても、
子会社に策定を委ね、上がってきた数値をみて検討するというだけであった。
このプロセスを変えたいと考えている。
中期経営計画における成長戦略を国内や海外の各エリア毎の戦略立案メンバーが
共に中身を把握し、議論を重ねて策定プロセスに入っていく体制としたい。
そして、その策定した計画について、リソースに不足があれば、
どう調達するか、グループ全体の最適化を見据えた判断をしていきたい。
このような姿勢で取り組むことで、一緒に達成していくというスタンスで臨みたい。
また常勤監査役を主要5社に配置するなど組織的な手当てもしていきたい。(濱田社長)


Q 退任される役員について
 ・今回減員する取締役について退任者は納得の上での退任なのか。
 ・円満に退任されるものなのか。

A
新しい取締役会を作りたいという思いで今回の選任案となっている。
社内外の員数を同数として監視体制を強化すると共に、
スピード感も大切にした体制である。経営の監視と重要な意思決定と、
執行を明確に分けたい。
今回再任する6人はいずれも現場の経験と経営判断の優秀さから再任している。
また役員懲戒規定に基づき、解職と判断している2名については、
再任しないと判断した。


Q 新たな取締役が求められる目線と執行役員への動機づけについて
 ・新たな取締役の位置づけは理解した。
 ・一方で多くの目がある中で不正を見抜けなかった現実もある。
 ・新たな取締役としてどのような工夫や目線を持って監督責任を果たしていくのか。
 ・執行役員によりガバナンス意識がより求められるがどう教育を施していくのか。

A
執行役員が権限と責任をもって執行にあたる上で、指摘の通り、
執行役員の意識付けが大変重要であると考えている。
今回、再発防止策で謳っている、「取締役としての責務」は、
「執行役員としての責務」と読み替えるべきだと認識している。
そのため、執行役員の意識改革が非常に大切になってくる。
執行の段階でグループの視点でガバナンス遵守は当然のことながら、
事業の価値向上を見据えた執行を行っていかねばならない。
グループとしての目線を執行委員に持ってもらう必要がある。
このような意識の下、機構改革について本日の取締役会で議論をして、
適時適切にリリースしていきたいと考えている。


Q 売掛金の内容や回収の状況について

A
適正に管理し、会計監査を受けて開示しているものなので、この場での開示。
適正に会社として管理している。


Q 2年前の質問の回答はいつ答えてくれるのか

A
総会の目的事項でないため回答を控える。



■最後に

質問の中で一部割愛をしたのですが、
会社に対して相当な不信感を抱かれて質問されている方がおりました。
もちろん、様々な意見をぶつけることは大切な事だと思いますので、
それを否定するものではありませんが、
我々、個人投資家の場合、株主でなくなるという選択権をもっていますから、
経営者への不信などが募るのであれば、
株を売ればいいのではないかとも思うのですが、
そう単純な問題ではないのかもしれませんね。

定時株主総会の際には配当の維持・向上などについては質問をしていたので、
私もどちらかというと定性的な質問を中心にしましたが、
グループガバナンスの向上が定性的かつ上流部分での対応ということで、
本質的な所に目が向いたのは大変よいことだと思います。


帰り際に、IR担当の責任者の方とお話をさせて頂きました。
東証IRフェスタなどでも以前にお話させてもらっていたわけですが、
諸々のご対応について、大変お疲れ様でしたとお声掛けさせて頂きました。
現場の社員の方は真面目にやられていますからね。

色々苦労もあったと思いますが、
真摯に反省して期待に応えていきたい姿勢が心強く感じました。

これであとは前進していくだけという感触でしたから、
大変残念なこととはなりましたが、これがよいきっかけだったと思えるように、
再起を期待したいと思います。

また途中、コメントした「このような時だからこそ」のくだりも
非常に共感をして頂いたので、現場の責任者の方とも
共通認識を持てたことは嬉しかったです。

残念ながら夏の東証IRにはエントリーが間に合わなかったようですが、
どこかの機会で接点を持てるように取り組んでいくとのことでしたので、
今後も充実したIRを期待したいと思います。

また、更に図々しくも、総会の様子の動画UPの感謝をお伝えしつつ、
QAの様子もテキストサマリでいいから開示してみてはと
提案させて頂きました。
もちろん、QAの内容や質にもよるかもしれませんが、
検討して少しでも透明性のある活動をされるよう合わせて期待しております。

なお、臨時株主総会ということで、お土産はなしとのことでお土産はなしです。
今回は関西地方へ家族で旅行に来た際に、
参加させて頂いた(総会があったから旅行を企画した!?)ので、
荷物を増やしたくなかったので、逆にお土産なしでよかったです。
◆最近のお気に入り