Author:まるのん |
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丸和運輸機関が好調な決算を受けて、
売られるだろうなとはなんとなく覚悟はしていましたが、
ここまで下がるとは思いませんでした。
過去の自分であれば、
これを悶々と考えあぐねてしまっていますが、
やはりそこまで気にはなりません。
下を向いている場合ではありません。
さて、今日はひらまつから上期決算が開示されています。
また、決算と同時に今後の開設する、
レストラン・ホテルの詳細についても開示がありました。
どれもパース絵はとても素敵な感じです。
熱海の景色はさぞかしきれいなのだろうな・・・。
でも客単価●十万では全く手が出ないです。
またNTT都市開発とホテルリゾート事業のための
資本業務提携のIRも同時リリースです。
まずは肝心の決算ですが、
売上高は四半期速報データに沿った形です。
2Q累計期間として増収とはなっており、
新規開設した施設の売上寄与、
特に「オーベルジュ・ド・ぷれざんす 桜井」の滑り出しが好調であり、
ホテル事業は順調な船出とアピールされています。
よしよし売上はまぁいいかと終わらせたいところなのですが、
実は、2Q単計の売上高は2,628百万円と前期の2,691百万円から見て、
2%程度の減収となっています。
なぜこの期間で減収になったのかは、よく見極めが必要だと思いました。
というわけで、IRに照会しています(笑)。
結論から言うと、夏場に天候不順などもあって、
パーティキャンセルなども発生したもので、
外部要因による一過性の事象であるということでした。
本当に一過性なのかは引き続き注視が必要ですが、
足元で弱さがあるとか、懸念があるということはないようです。
(あったとしてもそんなこといちいち説明しないのでどこまで信じるかはありますが)
ただ、実際、この足元のこの秋の予約状況は極めて好調ということでした。
どこまでが真実なのかわかりませんが、
まぁそんなものかなと思います。
次に収益性ですが、
減益決算となっています。
売上がそこまでついてこなかったので、
ある程度覚悟はしていましたが、
理由としては、円安による輸入食材のコスト増と、
新規施設運営に向けた人員拡大によるコスト増の2要素です。
食材のコスト増は概ね原価側に影響し、
新規施設に向けた先行投資は販管費でしょう。
減益の構成として、
粗利率が前期比で3.7%のマイナス、
販管費率が1.6%の増加ということで、
いずれも利益にはマイナス要素となっています。
また1Q比で見ると、
粗利率が1.5%のマイナス、
販管費率は4.4%の増加ということです。
1Qではすでにユーロ高は進行していたので、粗利率への影響は限定的ですが、
販管費率はだいぶ上昇しています。
IRの照会をした際には、
粗利率(為替影響)の部分は、
なんともしがたいのだろうという印象ですが、
先行投資部分は極めて前向きな印象でした。
来期以降の大きな成長のために、
きちんとコントロールしてやっていることで、
計画比より膨らんでいるのは、
陣容拡大の進捗もよく、
むしろ早めに人をアサインしている効果であるようです。
いずれにしても人材の先行投資はよくある減益理由なので、
あとはこれがきちんと長期的に花が咲くのかどうか、
ここが重要なポイントなのだろうと思います。
進捗率など数値を色々こねくり回していると、
いくら足元で好調の様相を呈しているとはいえ、
通期業績予想の達成は微妙なラインでしょう。
下方修正まであるとは現時点では思っていませんが、
今期はホテル事業の進出などで元々投資期になっています。
この投資を安易に許容してしまうのもよくないですが、
だからといって5年や10年後といったスパンで、
高級ホテルが寄与するようになることを夢見ています。
ですので、今少し販管費がぶれたとか、
外部要因の為替がどうこうなど、
チェックは必要なのでこのようにIR照会等を通して確認はしますが、
いちいち過剰反応などせず、トレンドが誤っていなければOKです。
こういう状況なので、優待を楽しみにしつつ、
ポジションも少ないので呑気にいきたいと思っています。
ちなみに決算の内容はニュートラルな評価から、
要因はさておき計画未達ということもあり、
ややネガティブ視されると思います。
一方でNTT都市開発との提携は、どうなんでしょうか。
NTT都市開発はそもそも商業施設やオフィスビルに強みがあります。
リゾートホテルやレストランはこれからの中計で、
戦略的に取り組まれるという構想があるようで、
その戦略をスピード感とシナジーを活かすという意味で、
この提携になったようです。
元々どちらが声をかけたのかわかりませんが、
一方でひらまつにとっての利点はどこにあるのでしょうか。
一応、NTT都市開発の手掛ける、
商業施設やオフィスビルを運営してきたノウハウを
活かせるとありますが、
そんなノウハウがどこまで活きるのか、
冷静に考えるとよくわかりません。
ひらまつは元々自社でレストランを展開してきています。
元々趣向が似ている
レストラン→オーベルジュ→ホテルということで、
ある程度ひらまつが一人称で対応していけたのではと、
素人ながらに思うのですが、もう少し時間を置いて、
色々考えてみたいなと思います。
どこにシナジーがあって、
ひらまつの戦略にとって何が恩恵となりえるのか。
IRに照会したのですが、
恐らく声の感じから服部さんが対応してくれたようでした。
役員でありIR責任者です。
ちょうど、前にフェアにお伺いした際に、
お話をさせて頂いたことがあります。
真摯な対応に感謝です。
先週末にひらまつの優待フェアに行ってきました。
本丸のレストランひらまつに行きたかったのですが、
前回の優待フェアの予約は出遅れてしまい、
結局キャンセル待ちが出たことで、
縁あって、丸の内のサンス・エ・サヴールさんにお世話になりました。
東京駅前の丸ビルの35階という立地ですが、
実は周りのビルも再開発の影響もあり同程度の高さがあるため、
そこまで一面絶景!ということはありませんが、
それでも高層ビルから見下ろす都会の街は素晴らしい景観です。
この日は、雨も降っていて、
少し靄が掛かっていたので、景色は全く期待していませんでした。
しかし、妻も口にしていましたが、
その靄が雨の滴る都会の街はとても幻想的で、
東京タワーがボヤけてやさしいオレンジ色の光を滲ませているあたりが、
真冬に見るくっきりとした「夜景」とは違った趣を感じさせるものでした。
雨も強く、この日は車で出かけました。
従って私はひらまつのその厳選されたワインを口にすることはできません。
というか、実は私、アルコールが苦手でほとんど口に出来ないので、
さて、そんな私にどんな提案をしてくれるのだろうと、
楽しみにしていました。
レストランとしてのホスピタリティがどんなもので、
そしてそれが主観的にみて、優位があるものなのか、
そんなことを実感出来ればいいなと思っていました。
開場時間よりやや早く到着したのですが、
お店の方が出てきてくださり、
株主の方ですかと確認をされ、
本日の訪問についての感謝の言葉と共に、
中に招き入れて頂きました。
預かる手荷物の確認を受け、
最初に決済をということで、カードを差し出します。
その場でサインを求められるかと思いきや、
席までお持ちするので早速どうぞ、と席に促されます。
居酒屋とかだとスキミングとか気になりますが、
さすがにそんな不安を抱くことなく、中に通されました。
2~4人位の席数枚に円卓がセットされ、
そこには、これでもかという位のグラスと、
カトラリー類がセットされています。
私は妻と2人席ですが、どの席も相席ということはなく、
グループ毎に席がこしらえてあるようでした。
そういえば、卓には生け花などがありませんでしたが、
会場にはいくつか大きな生け花が置かれており、
その華やかな雰囲気が演出されていました。


早速メニューに目を通して、そのおいしさを想像します。

①法蓮草のチュロス 豚足のクロケット ツナとケッパーのケークサレ
②北海道産帆立貝とサマートリュフのフレッシャー
根セロリのクリームとトリュフヴィネグレットのハーモニー

③沖縄県玉蜀黍のエスプーマとシャンピニオンのヴルーテ
フランス産フォアグラのフォンダン オニオンと生ハムのタルティーヌ

④知床半島羅臼漁港より旬の魚 その魚に適した調理法で
埼玉県小川町より初夏の有機野菜
愛媛県産宇和ゴールドとレモンビネガーソース

⑤鹿児島県産特選薩摩牛のロティ 丸茄子とトマトのピューレ
ジャガイモとジロール茸のガレット モンペリエバターとレフォールの香り

⑥初夏のマンゴーのデクリネゾン
~プリン・春巻き・ソルベ~3つの体感温度で~

⑦カフェ・ミニャルディーズ
席に着くと早速、スパークリングワインの登場です。
なお、私はワインには全く造詣がなく、
色々丁寧に銘柄や産地、特徴などを説明して頂くのですが、
頭に入ってきません(笑)。
しかし、聞いていると、明らかに店員は自信を持って、
かつその豊富な知識を魅力的に伝えようとしてくれているので、
きっとそこそこワインに造詣がある方には、
たまらなく面白いのだと思います。
実際に席によっては、珍しいとか、共感を呼ぶような
そんな店員さんとのやり取りがみられ、
これがファンを惹きつける魅力なのだと再確認をしました。
ワインは、嗜好性が高く、かつお金を惜しまない方が多いように思え、
ひらまつはその受け皿として十分な資質を備えていることが、
素人ながらに実感出来ました。
また、アルコールが頂けないことを私はここで宣告するわけですが、
その時の対応も、慣れたものでした。
きっとそういう方が多数おられるのでしょう。
事実そういう方は机上のワイングラスを撤収されるのですが、
(これは誤って、アルコールを出さないためのサインだと感じました)
そういう方が他の卓にも複数いらっしゃいました。
さすがに、オレンジジュースとかウーロン茶を
勧められることはないだろうと思いましたが、
では、ソフトドリンクでオレンジジュースやウーロン茶なども用意しています。
と聞いた時に少しびっくりしました。
居酒屋ではないよね、と思ったのです。
ただ、その直後に、
もちろん、ノンアルコールで各種カクテルなどを
お任せでお作りすることも出来ますと。
早速その提案に乗っかることにしました。
しばらくするとアールグレイ(紅茶)と何とかシロップを混ぜて、
紅茶の香りとそのフルーティーなシロップのハーモにを楽しめる、
それをスパークリングさせた、ノンアルコールカクテルの登場です。

これがなんともうまいのです!
がぶ飲みしてしまいたい衝動に駆られつつも、
どんどん進んでしまい、あっという間に
シャンパングラスは空に。
すると同じものにするか、また違うものにするかと聞かれ、
あまりのおいしさに同じものをおかわりすることに。
そんな中で①のフィンガーフードが運ばれてきます。
チュロスは法蓮草の香りが口の中に入れた瞬間に、
ふぁっと広がるサクサク生地のもので、
その塩みが、スパークリングと相性抜群です。
そしてクロケットは中に豚足が入っているのですが、
これがコリコリでジューシーでかつコラーゲン質な部分もあって、
食感もジューシーさも手伝い、もう一口食べたくなる一口サイズのクロケット。
スパークングで口の中を爽やかにしてくれて、
食後もくどくありません。
そしてケークサレはケッパーが効いていてスパイシーです。
ツナが練り込んであるので、サクという食感よりかは、
肉質のある食感です。
スパークリングがケッパーのスパイシーさを増強され、
ピリっとした印象にさせてくれます。
全テーブルに着席が済んで①が終わるころに、
当レストランの支配人、取締役の服部氏、また料理長からのメニュー紹介の時間です。
支配人や服部氏のあいさつでは、途中冗談なども織り交ぜ、
楽しいひと時を過ごしてもらいたいという、
ホスピタリティを意識した発言が多くみられました。
取締役のあいさつの中では、
お約束なのか、ここにいる方は全て株主の方と思いますが、
もし、現時点で手放してしまったという方がおられれば、
まだまだ成長しますので、本日の宴席がよいと感じたならば、
ぜひ買戻しを!とだいぶリップサービスもされていました。
料理長はメニューを単に読み上げるだけでなく、
各産地から取り寄せた姿勢やその魅力度、
食材の説明など、これから楽しめる心踊るメニューを、
エンターテイメントのように紹介してもらえることがよかったです。
その後は、白ワイン、赤ワイン、も数種類、その料理に適したものを
チョイスして、妻のグラスに詳細な案内と共に注がれていきます。
料理の提供も過剰はサービスはないものの、
適格なタイミングで提供され、そして下げられていきます。
途中、妻が空調を寒がっていたのですが、
何も言わずともブランケットを用意してくれたりもします。
途中、服部取締役が各テーブルをラウンドして、
個別にあいさつにきてくれます。
株主として伊勢の開業は間に合いそうもありませんが、
よい材料で今後が楽しみですね、とお話したのですが、
洞爺湖を例に、サミットとして注目されると
その後の観光も好調に推移する傾向があるということで、
そういったものをうまく取り込めるよう、
鋭意企画中だということも伺いました。
またワインの小売りの件もお話させて頂きましたが、
ひらまつ=ワインという程、ブランド化されつつあるので、
魅力的なものをどんどん拡充してラインナップしていきたいということで、
会場だけ見ても、配られた優待のチラシをみて、
あちらこちらで買いたいという発言があり、
やっぱり我々と違い、富裕層の方はこういった嗜好性の高いものでも、
消費意欲は旺盛なのだなと実感した次第でした。
料理は当然、群を抜いておいしいのですが、
総じて、ワインを楽しむことを意識されていると感じました。
例えば④などは柑橘類の酸味と香りとても強く、
誤解を恐れずいれば、やや苦味すらも感じるものですが、
これも白ワインとの相性を考慮してのものと思われます。
⑤のメインでも赤ワインとの相性を十分考えられているようで、
妻も感激していました。
また、私は魚料理からはカクテルではなく、ノンアルコールワインを頂きました。
白と赤の両方を頂きましたが、
どちらもとてもおいしく、店員の方からも、
実は原価はワインと同等で、製法も酵母を入れるか入れかの違いで、
熟成度合も含めて遜色ないという案内を頂きましたが、
本当に素晴らしいものでした。
当たり前ですが、高級ブドウジュースとは一線を画すもので、
いくらでも頂ける代物でした。
白、赤で合計6杯頂きました(笑)。
随所で見られたことですが、
株主=顧客を意識しているのだと思いますが、
レストランのファンになってもらい、
株主として応援してもらうことに加えて、
最高のサービスで今後も贔屓にしてもらいたい、
そういうひらまつファンを作りたいという思いが旺盛でした。
ビジネスとしては大変よい戦略だと思います。
投資家は私のような弱小個人株主はともかく、
富裕層の方も多く、
そういう方々のコミュニティの中で、ひらまつブランドが形成されれば、
それが利用率のUPに繋がることになるわけです。
ひらまつ社長のあいさつが聴けなかったことは残念でしたが、
それでも1万2千円の価値は十分にある、
そんな宴席でした。
なお、私はノーネクタイのシャツ(上着なし)にチノパンというカジュアル、
妻はバーバーリーのワンピース(もちろんアウトレットで購入したもの(笑))の
一張羅で参加しましたが、どなたもあまりかしこまった方はおられず、
極端なことをいえば、Tシャツジーパンでも問題ないと思えます。
まぁせめて襟付きシャツ位にしておいた方が無難かもしれませんが。
※写真が携帯で撮影したもので粗いものですみません。
(レフを持ち込む勇気はありませんでした・・・)
2764 ひらまつ 東証1部 【小売業】
前々から監視銘柄に入っていたひらまつを簡易分析しました。
きっかけは優待の権利取り日が間近であるためです(笑)。
権利取りに向けて9月以降上昇してくると思いきや、
あまり騰がっていないようですから、
買えるかどうか見ていきたいと思います。
1.事業内容
一言で言えば高級レストラン事業です。
イタリアン、フレンチの高級レストランを運営しており、
飲食はもちろん、婚札関連は私の周囲でも大変人気が高いです。
余談ですが、私も結婚式の披露宴の候補として、
当社運営のレストランを検討しておりました。
ちょっとグルメな人であれば、ひらまつグループといえば、
それなりの格式とおいしい料理が頂けるところという
コンセンサスが存在しています。
最近では新たにホテル事業への進出を計画しており、
10年間で段階的に拡充させていく構想を発表しています。
まずは郊外型のリゾートホテルから着手し、
ブランディングをしていき、
最終的には都市型のホテルへ裾野を広げていく計画です。
こちらは星のやグループとまさにバッティングしそうですね。
ちなみに、更に余談ですが、
私は、星のやグループで挙式をしました(笑)。
当社のビジネスは、
高級志向のレストランを主軸に全国展開をしており、
更にホテル事業へ進出ということでよいかと思います。
2.成長性について
成長性については大変難しい評価となります。
大きく既存事業のレストランと、新規事業のホテル事業に分けて考えます。
まず、レストラン事業です。
レストラン事業において成長性を評価する観点は3つありそうです。
エリア拡大、集客数の増加による既存エリアの拡大、利益率の向上の3つです。
(1)エリア拡大について
当社は日本の各エリアに旗艦店を配し、
その旗艦店を核としていくつかの店舗を周囲に展開することで、
商圏を広げていく戦略のようです。
そして新たな旗艦店構想として、広島と仙台地域が挙げられています。
広島は中国地域、仙台は東北地域の旗艦店となります。
これらの地域はまだ未開拓地域ですので、まだまだ成長余地は残されていそうです。

※当社、決算発表資料より抜粋
一方で判断が難しいのは、
これら2つの地域にそもそもどれだけのマーケットが存在しているかです。
既に大きな商圏と思われる東京、大阪、福岡、札幌の地域へは進出済であり、
特に東京、大阪が大きなマーケットであることに揺るぎはなく、
ここに仙台と広島が加わることで、
どこまで現状からのストレッチが出来るのかという点が不透明です。
ちなみに会社発表ですと2エリアで25億円の売上規模を見込んでいます。
変則決算前の通期実績である2013年度の売上が115億ですから、
ざっくり20%の増収効果といったところでしょうか。
あとは既存地域での出店攻勢ですが、明らかに大阪が手薄に感じます。
既に新店計画はあるようですが、
今後まだまだ余地はあるのではないでしょうか。
一方、創業以来の歴史のある福岡はそれなりに手厚い印象です。
(2)集客数の増加による既存エリアの拡大について
この商圏拡大に伴う売上増の要素として10%前後といったところでしょうか。
あくまで感覚論なのですが、
旗艦店が2店増える際は一時的には20%程度の成長性もありうるとは思いますが、
周辺店の取り込みというところも考慮していくと、
継続的な成長という面ではこの程度の評価にしかならないと思われます。
一方エリア拡大以外の成長余地についてですが、
前々から言われているように交際費の課税スキームの見直しということで、
つまり、接待費として支出すると、税務会計上、
費用化して税金控除が大きくなるものですが、
こういった消費拡大に向けた政府の取組みもあって、
特に現状の景気拡大局面では当社にとって集客材料となるはずです。
また可処分所得が増えている(と言われている)ため、
当社のような高級路線は中流層の新たな顧客を取り込むことにも繋がりそうです。
当社はブランド力は抜群ですし、口コミも大変よいようですから、
こういった新たな層の集客は、リピート客にも繋がると考えられ、
もう少し成長余力はあるのかなと感じます。
また外国人旅行者の急増が与える影響は大変難しいですね。
旅行者は多くがてんぷらやすしといった和食の王道へ集約が集中しているようで、
わざわざ日本にまで来てイタリアンやフレンチを食べるのかなとも思います。
ただ、日本のイタリアンやフレンチは本国にも負けず劣らずの力があるとも言われており、
滞在中、1食くらいは食べてくれるのかなとも思います。
なにせ、ミシュランの星付きも多いですからね。
(3)利益率の向上について
当社の利益率推移を辿っていくと、目覚ましい発展を遂げています。
リーマンショックの頃は一桁%だった経常利益率は、
現在20%を超えてきています。
さすがに上昇は一服感もありますが、概ね30%位を目指すのではなと思います。
実際に最新の資料などを通読していても、利益重視の姿勢が鮮明です。
要するにお客様の要望には最大限お答えします、満足度もプレミアムですが、
料金も適正に頂きますということでしょう。
この姿勢を貫くと、高採算体質になりますね。
するとあと5%程度の利益率向上が見込まれるとも思えます。
売上規模で120億として5%というと6億です。
今期予想の経常利益が32.5億ですから18%程度のストレッチ効果があることになります。
数年かけて30%を目指すでしょうから、
年率の成長率に置き換えればわずかなものかもしれませんが、
この観点でももう少し成長余地はありそうな気がします。
以上のことから、何かしらレストラン事業における成長予測を立てる必要がありますが、
やはり難しいですね。
レストラン単体での成長率は10%~15%程度かなという印象です。
(すみません、肝心なところの根拠が甘くて・・・)
さて、次にホテル事業についてですが、
こちらはまだ構想自体がはっきり発表されていません。
ただ、借入金を25億したということはわかっています。
それから日経の記事で山梨、北海道、静岡などの地域が候補、
1泊6万程度ということですから、
まさに星のやグループとガチンコとなるイメージです。
現状のレストラン事業とのシナジーも出るでしょうし、
レストランで築いたブランディングも活きるでしょう。
ただ、レストランとホテル業ではどちらもホスピタリティの精神は同様ですが、
具体的なオペレーションには差異があり、
ホテル業ならではのおもてなしスキルは、
どこまで星のやに対峙出来るのかなとも思います。
社員の徹底教育やブランディングによる波及効果だけで、
なんとかなってしまうものなのか、
では星のやの社長が学んだコーネル大学ホテル経営専攻という、
ホテル業に特化した専攻が世界的に有名になるのはなぜなのか、
(つまりホテル業ならではのオペレーションスキルが存在するのでしょう)
結局、ひらまつがホテル業で真の成功を遂げられるのか、
そこはよくわかりません。
ただ、実際会社※としてはレストラン事業も含めた
成長シナリオとして売上規模で、
現状の120億から400億~500億の規模を想定しているようです。
※最新の決算説明資料を主に見ています。
つまり売上ベースで4倍位にはなると言っているわけですね。
ちなみにこれがいつかは明示されていません。
ちなみに、時価総額3000億超という言葉も踊っています。
つまり目標株価を掲げているわけで、
現状300億の時価総額を10倍にするといっているわけですね。
テンバガー達成を高らかに宣言しているわけです(笑)。
なぜ売上が4倍で株価が10倍になるのか、
それはわかりません。IRに今度聞いてみようと思います。
単純に株価が10倍になる=利益が10倍になると考えると以下のようになります。
(数値は比率算出のための参考値で意味はありません)
現状:売上100 経常利益25 (利益率25%)
将来:売上400 経常利益250 (利益率63%)
いやー、利益率60%などあり得ないでしょうから、
実際にはPERなど評価がもう少しあがるだろうということも考慮されているのでしょうね。
というわけでホテル事業単体の成長性という意味でいうと結論として、
よくわからないということになりました(笑)
ただ、ざっくりレストラン+ホテルで500億を目指すとして、
経常利益率は30%と維持できるモデルで算出する、経常利益は15,000百万円です。
今期予想が3,250百万円ですから4.6倍ですね。
この場合の時価総額は1,400億円となります。
ホテル事業が軌道に乗るだろう10年後にざっくり5倍程度になるというのが、
長期で見た超概算の成長性評価の結論としたいと思います。
ちなみに10年で5倍というと、
年率平均にすると17%ですから、私の目標とする、年率15%をクリアしていますから、
この超概算の成長シナリオ(単なる皮算用!?)を納得出来れば、
投資に値するともいえますね。
3.業績の実績確認
過去の推移をみると、特筆すべき点が2点あると思います。

※2014年は6か月の変則決算となっています。
1点目は有事の際の耐性についてです。
これは理由がよくわからないのですが、
実績として過去の有事をなんなく乗り越えています。
リーマンショック、東日本大震災、欧州危機などなどです。
こういう高級路線のレストランのように贅沢なものは、
まっさきに消費抑制が起こり、
固定費依存が高い当社のようなビジネスモデルでは、
集客が見込まれないと真っ先に赤字になってもおかしくないはずです。
しかし、実際には成長スピードこそ止まっていますが、
きちんとそれなりの実績を確保しています。
この点は大きなポジティブ材料だと思います。
私は高額品になればなるほど、利益率も利益額も大きく期待できる一方で、
不況耐性に弱く落ち込むリスクも大きいと認識していますので、
実際にこのような実績を残していて、
耐性があると確認できることは評価したいです。
2点目はきれいに右肩上がりである点です。
以前の記事で過去の実績を重視する旨を記事にしましたが、
当社のように出店をして成長してきたことを実績の数値がきちんと証明しています。
普通は出店費用がかさんだとかで一過性の費用という言い訳つきで減益を計上して、
毎期に渡って出店加速するものだから、なかなか利益が追い付いてこないという
よくない姿を見ることもありますが、
当社の場合はそのあたりのケアもしっかりなされているように思います。
きれいに右肩上がりで成長を遂げている点も、評価したいと思います。
4.株価水準について
現在の株価は632円です。
時価総額:307億
PER(14.3期実績):27.1倍 (6か月の変則決算)
PER(15.3期会社予想):12.2倍
PER(15.3期四季報予想):11.9倍
PBR:4.4倍
ROE(14.3期実績):16.2%
ROE(15.3期会社予想):36.0%
ROE(15.3期四季報予想):37.0%
配当利回り:2.5%
※優待あり(割引券+株主フェア)
市場からはPER水準から10%前半の成長性という評価なのでしょうか。
高ROEや株主還元などを考慮すると、若干ですが割安なのかなという印象です。
あくまで現時点の評価としてという意味です。

アベノミクスが指導した13年1月に一気に2倍近く上昇していますが、
業績好調や公募増資など好材料、悪材料に一喜一憂しながら、
その後は横ばいが続いています。
5.リスク要因について
高級路線の店舗展開ですので、
真っ先に浮かぶのは不況耐性ですが、
前述の通り実績としてきちんと過去の有事を乗り越えてきています。
あとはどの企業でも景況感が向上する中で抱える人件費、材料費などの
費用増なども挙げられますが、これは値上げで対応すると明記もされていますし、
実際当社のような高級路線では価格転嫁はしやすいでしょう。
模倣店などによる競争激化も考えましたが、
そもそもひらまつのような高級ブランディングは一朝一夕でなせるものではありません。
個々の店舗でメディア露出などで脚光は浴びることはあるでしょうが、
多店舗展開していて、かつ上場しているとなるとなかなか競合が見当たりません。
外食というと参入障壁は低いわけですが、
当社の置かれているポジションにおいては、参入は難しいかもしれません。
但し、ウェディング関連は新たな企業の進出、
婚札に関わるニーズの多様化、少子化などのリスクはありますが、
元々当社の施設は多くが1年前に予約しないと披露宴も挙げられない位、
知名度、ブランドも確立されていることから、少なくても現時点では脅威ではないと思います。
と、あまり明確なリスクが検知されないのは、大変危険なサインなので、
今後も常に疑ってかかっていきたいと思います。
6.目標株価
レストラン事業だけで評価した場合の向う3年後の成長率は10%+α。
ホテル事業までを織り込んだ際の平均年率成長率は17%。
成長率に加えて私が評価したいのは、前述の過去実績の安定的な業績です。
また株主還元策として配当もそこそこ、優待も充実と来ています。
この点も評価できると思います。
(投資家によっては投資期にあまり配当しなくても・・・はあると思いますが)
一方リスクはやはりホテル事業の失敗でしょうか。
借入金の水準もそれなりに大きいですから、
よくいえば、レバレッジを聞かせて効率いいね、になりますし、
悪く言えば、財務体質が相対的に弱いねになります。
ちなみに銀行の貸出利率は長期で1%割れですから、
今の所、銀行は安全と判断しているようですね。
総合的に考えると成長性に対して少しだけポジティブに捉えられるかなと思います。
3年後の成長性の+αをどう見るかです。
またざっくりな話になってしまいますが、
以下のように考えました。(この詰めの甘さをなんとかならないのでしょうかね・・・)
3年後を見据えた現時点の適正PERは14倍~16倍くらい(中央値15倍)
ホテル事業を見据えた長期でPER16倍~PER18倍(中央値17倍)
約3年後の18.3期の想定EPSを年率15%成長として80。
10年後の想定EPSを年率17%成長として250
目標株価は以下のようになりました。
3年後 : 80 ×15=1,200円(現在比90%)
10年後: 250×17=4,250円(現在比572%)
さて、企業価値面からも評価してみます。
<財産価値>
現金:53.2億
受取手形:3.7億
建物・土地:38.2億
有価証券等投資:17.0億
借入金等負債:▲72.8億
財産価値:39.3億
<事業価値>
営業利益32.6億 × 0.6(法人税控除) ÷ 10%(割引率を10%)
=事業価値:195.6億
<株主価値>
財産価値39.3億+事業価値195.6億 = 株主価値234.9億
理論株価:483円
※現在の株価は24%程度割高という結果になります。
やはり現状の理論株価で評価すると若干割高という結果になりました。
しかしこの算出モデル自体が目安となるもので、
しかも事業価値はある断面での資産価値について算出していますので、
あくまで参考程度です。
7.その他メモ
・最低配当を設定し、業績上乗せ分を配当性向30%で還元という安心感
・当社はROA(総資産経常利益率)を重視。20%から30%へ
(ROICを評価して出店検討を実施していると明文化)
・高ROAだが借金依存度はそこまで高くはない。(銀行利息は安心水準)
・足元の1Q決算は売上は計画未達、利益は計画上ブレ(利益率は低下)
・1Qの売上未達は増税反動減と天候という一過性要因あり
・IRでかつて実施していた月次発表は中止となっている
・投資資金を多額必要となるため、今後も公募売り出しの可能性あると想定
8.結論
成長余力や実際の成長幅という面でレストラン事業単体で見ると、
成長性が高いとは評価しにくいですが、不況耐性や高いブランド力を持っており、
価格コントロールが効きやすいという面もあり安定的に緩やかな成長が望めそうです。
一方ホテル事業についてはまだ不透明な感じがしており、
この部分をリスクも含めて許容できるかどうかがカギになりそうです。
少なくても会社はテンバガーになる意気込みらしいので、
あとはここをどこまで自分の中で評価出来るかかと思いました。
皮算用とはいえ、自分の投資対象として目標パフォーマンスは合致していることから、
引き続き前向きに監視銘柄として見ていきたいと思います。
やはりまずは優待取りのために打診買いでもするかもしれません。
(優待に踊らされる様ではそもそもスタンスがブレまくっているわけですが(笑))
前々から監視銘柄に入っていたひらまつを簡易分析しました。
きっかけは優待の権利取り日が間近であるためです(笑)。
権利取りに向けて9月以降上昇してくると思いきや、
あまり騰がっていないようですから、
買えるかどうか見ていきたいと思います。
1.事業内容
一言で言えば高級レストラン事業です。
イタリアン、フレンチの高級レストランを運営しており、
飲食はもちろん、婚札関連は私の周囲でも大変人気が高いです。
余談ですが、私も結婚式の披露宴の候補として、
当社運営のレストランを検討しておりました。
ちょっとグルメな人であれば、ひらまつグループといえば、
それなりの格式とおいしい料理が頂けるところという
コンセンサスが存在しています。
最近では新たにホテル事業への進出を計画しており、
10年間で段階的に拡充させていく構想を発表しています。
まずは郊外型のリゾートホテルから着手し、
ブランディングをしていき、
最終的には都市型のホテルへ裾野を広げていく計画です。
こちらは星のやグループとまさにバッティングしそうですね。
ちなみに、更に余談ですが、
私は、星のやグループで挙式をしました(笑)。
当社のビジネスは、
高級志向のレストランを主軸に全国展開をしており、
更にホテル事業へ進出ということでよいかと思います。
2.成長性について
成長性については大変難しい評価となります。
大きく既存事業のレストランと、新規事業のホテル事業に分けて考えます。
まず、レストラン事業です。
レストラン事業において成長性を評価する観点は3つありそうです。
エリア拡大、集客数の増加による既存エリアの拡大、利益率の向上の3つです。
(1)エリア拡大について
当社は日本の各エリアに旗艦店を配し、
その旗艦店を核としていくつかの店舗を周囲に展開することで、
商圏を広げていく戦略のようです。
そして新たな旗艦店構想として、広島と仙台地域が挙げられています。
広島は中国地域、仙台は東北地域の旗艦店となります。
これらの地域はまだ未開拓地域ですので、まだまだ成長余地は残されていそうです。

※当社、決算発表資料より抜粋
一方で判断が難しいのは、
これら2つの地域にそもそもどれだけのマーケットが存在しているかです。
既に大きな商圏と思われる東京、大阪、福岡、札幌の地域へは進出済であり、
特に東京、大阪が大きなマーケットであることに揺るぎはなく、
ここに仙台と広島が加わることで、
どこまで現状からのストレッチが出来るのかという点が不透明です。
ちなみに会社発表ですと2エリアで25億円の売上規模を見込んでいます。
変則決算前の通期実績である2013年度の売上が115億ですから、
ざっくり20%の増収効果といったところでしょうか。
あとは既存地域での出店攻勢ですが、明らかに大阪が手薄に感じます。
既に新店計画はあるようですが、
今後まだまだ余地はあるのではないでしょうか。
一方、創業以来の歴史のある福岡はそれなりに手厚い印象です。
(2)集客数の増加による既存エリアの拡大について
この商圏拡大に伴う売上増の要素として10%前後といったところでしょうか。
あくまで感覚論なのですが、
旗艦店が2店増える際は一時的には20%程度の成長性もありうるとは思いますが、
周辺店の取り込みというところも考慮していくと、
継続的な成長という面ではこの程度の評価にしかならないと思われます。
一方エリア拡大以外の成長余地についてですが、
前々から言われているように交際費の課税スキームの見直しということで、
つまり、接待費として支出すると、税務会計上、
費用化して税金控除が大きくなるものですが、
こういった消費拡大に向けた政府の取組みもあって、
特に現状の景気拡大局面では当社にとって集客材料となるはずです。
また可処分所得が増えている(と言われている)ため、
当社のような高級路線は中流層の新たな顧客を取り込むことにも繋がりそうです。
当社はブランド力は抜群ですし、口コミも大変よいようですから、
こういった新たな層の集客は、リピート客にも繋がると考えられ、
もう少し成長余力はあるのかなと感じます。
また外国人旅行者の急増が与える影響は大変難しいですね。
旅行者は多くがてんぷらやすしといった和食の王道へ集約が集中しているようで、
わざわざ日本にまで来てイタリアンやフレンチを食べるのかなとも思います。
ただ、日本のイタリアンやフレンチは本国にも負けず劣らずの力があるとも言われており、
滞在中、1食くらいは食べてくれるのかなとも思います。
なにせ、ミシュランの星付きも多いですからね。
(3)利益率の向上について
当社の利益率推移を辿っていくと、目覚ましい発展を遂げています。
リーマンショックの頃は一桁%だった経常利益率は、
現在20%を超えてきています。
さすがに上昇は一服感もありますが、概ね30%位を目指すのではなと思います。
実際に最新の資料などを通読していても、利益重視の姿勢が鮮明です。
要するにお客様の要望には最大限お答えします、満足度もプレミアムですが、
料金も適正に頂きますということでしょう。
この姿勢を貫くと、高採算体質になりますね。
するとあと5%程度の利益率向上が見込まれるとも思えます。
売上規模で120億として5%というと6億です。
今期予想の経常利益が32.5億ですから18%程度のストレッチ効果があることになります。
数年かけて30%を目指すでしょうから、
年率の成長率に置き換えればわずかなものかもしれませんが、
この観点でももう少し成長余地はありそうな気がします。
以上のことから、何かしらレストラン事業における成長予測を立てる必要がありますが、
やはり難しいですね。
レストラン単体での成長率は10%~15%程度かなという印象です。
(すみません、肝心なところの根拠が甘くて・・・)
さて、次にホテル事業についてですが、
こちらはまだ構想自体がはっきり発表されていません。
ただ、借入金を25億したということはわかっています。
それから日経の記事で山梨、北海道、静岡などの地域が候補、
1泊6万程度ということですから、
まさに星のやグループとガチンコとなるイメージです。
現状のレストラン事業とのシナジーも出るでしょうし、
レストランで築いたブランディングも活きるでしょう。
ただ、レストランとホテル業ではどちらもホスピタリティの精神は同様ですが、
具体的なオペレーションには差異があり、
ホテル業ならではのおもてなしスキルは、
どこまで星のやに対峙出来るのかなとも思います。
社員の徹底教育やブランディングによる波及効果だけで、
なんとかなってしまうものなのか、
では星のやの社長が学んだコーネル大学ホテル経営専攻という、
ホテル業に特化した専攻が世界的に有名になるのはなぜなのか、
(つまりホテル業ならではのオペレーションスキルが存在するのでしょう)
結局、ひらまつがホテル業で真の成功を遂げられるのか、
そこはよくわかりません。
ただ、実際会社※としてはレストラン事業も含めた
成長シナリオとして売上規模で、
現状の120億から400億~500億の規模を想定しているようです。
※最新の決算説明資料を主に見ています。
つまり売上ベースで4倍位にはなると言っているわけですね。
ちなみにこれがいつかは明示されていません。
ちなみに、時価総額3000億超という言葉も踊っています。
つまり目標株価を掲げているわけで、
現状300億の時価総額を10倍にするといっているわけですね。
テンバガー達成を高らかに宣言しているわけです(笑)。
なぜ売上が4倍で株価が10倍になるのか、
それはわかりません。IRに今度聞いてみようと思います。
単純に株価が10倍になる=利益が10倍になると考えると以下のようになります。
(数値は比率算出のための参考値で意味はありません)
現状:売上100 経常利益25 (利益率25%)
将来:売上400 経常利益250 (利益率63%)
いやー、利益率60%などあり得ないでしょうから、
実際にはPERなど評価がもう少しあがるだろうということも考慮されているのでしょうね。
というわけでホテル事業単体の成長性という意味でいうと結論として、
よくわからないということになりました(笑)
ただ、ざっくりレストラン+ホテルで500億を目指すとして、
経常利益率は30%と維持できるモデルで算出する、経常利益は15,000百万円です。
今期予想が3,250百万円ですから4.6倍ですね。
この場合の時価総額は1,400億円となります。
ホテル事業が軌道に乗るだろう10年後にざっくり5倍程度になるというのが、
長期で見た超概算の成長性評価の結論としたいと思います。
ちなみに10年で5倍というと、
年率平均にすると17%ですから、私の目標とする、年率15%をクリアしていますから、
この超概算の成長シナリオ(単なる皮算用!?)を納得出来れば、
投資に値するともいえますね。
3.業績の実績確認
過去の推移をみると、特筆すべき点が2点あると思います。

※2014年は6か月の変則決算となっています。
1点目は有事の際の耐性についてです。
これは理由がよくわからないのですが、
実績として過去の有事をなんなく乗り越えています。
リーマンショック、東日本大震災、欧州危機などなどです。
こういう高級路線のレストランのように贅沢なものは、
まっさきに消費抑制が起こり、
固定費依存が高い当社のようなビジネスモデルでは、
集客が見込まれないと真っ先に赤字になってもおかしくないはずです。
しかし、実際には成長スピードこそ止まっていますが、
きちんとそれなりの実績を確保しています。
この点は大きなポジティブ材料だと思います。
私は高額品になればなるほど、利益率も利益額も大きく期待できる一方で、
不況耐性に弱く落ち込むリスクも大きいと認識していますので、
実際にこのような実績を残していて、
耐性があると確認できることは評価したいです。
2点目はきれいに右肩上がりである点です。
以前の記事で過去の実績を重視する旨を記事にしましたが、
当社のように出店をして成長してきたことを実績の数値がきちんと証明しています。
普通は出店費用がかさんだとかで一過性の費用という言い訳つきで減益を計上して、
毎期に渡って出店加速するものだから、なかなか利益が追い付いてこないという
よくない姿を見ることもありますが、
当社の場合はそのあたりのケアもしっかりなされているように思います。
きれいに右肩上がりで成長を遂げている点も、評価したいと思います。
4.株価水準について
現在の株価は632円です。
時価総額:307億
PER(14.3期実績):27.1倍 (6か月の変則決算)
PER(15.3期会社予想):12.2倍
PER(15.3期四季報予想):11.9倍
PBR:4.4倍
ROE(14.3期実績):16.2%
ROE(15.3期会社予想):36.0%
ROE(15.3期四季報予想):37.0%
配当利回り:2.5%
※優待あり(割引券+株主フェア)
市場からはPER水準から10%前半の成長性という評価なのでしょうか。
高ROEや株主還元などを考慮すると、若干ですが割安なのかなという印象です。
あくまで現時点の評価としてという意味です。

アベノミクスが指導した13年1月に一気に2倍近く上昇していますが、
業績好調や公募増資など好材料、悪材料に一喜一憂しながら、
その後は横ばいが続いています。
5.リスク要因について
高級路線の店舗展開ですので、
真っ先に浮かぶのは不況耐性ですが、
前述の通り実績としてきちんと過去の有事を乗り越えてきています。
あとはどの企業でも景況感が向上する中で抱える人件費、材料費などの
費用増なども挙げられますが、これは値上げで対応すると明記もされていますし、
実際当社のような高級路線では価格転嫁はしやすいでしょう。
模倣店などによる競争激化も考えましたが、
そもそもひらまつのような高級ブランディングは一朝一夕でなせるものではありません。
個々の店舗でメディア露出などで脚光は浴びることはあるでしょうが、
多店舗展開していて、かつ上場しているとなるとなかなか競合が見当たりません。
外食というと参入障壁は低いわけですが、
当社の置かれているポジションにおいては、参入は難しいかもしれません。
但し、ウェディング関連は新たな企業の進出、
婚札に関わるニーズの多様化、少子化などのリスクはありますが、
元々当社の施設は多くが1年前に予約しないと披露宴も挙げられない位、
知名度、ブランドも確立されていることから、少なくても現時点では脅威ではないと思います。
と、あまり明確なリスクが検知されないのは、大変危険なサインなので、
今後も常に疑ってかかっていきたいと思います。
6.目標株価
レストラン事業だけで評価した場合の向う3年後の成長率は10%+α。
ホテル事業までを織り込んだ際の平均年率成長率は17%。
成長率に加えて私が評価したいのは、前述の過去実績の安定的な業績です。
また株主還元策として配当もそこそこ、優待も充実と来ています。
この点も評価できると思います。
(投資家によっては投資期にあまり配当しなくても・・・はあると思いますが)
一方リスクはやはりホテル事業の失敗でしょうか。
借入金の水準もそれなりに大きいですから、
よくいえば、レバレッジを聞かせて効率いいね、になりますし、
悪く言えば、財務体質が相対的に弱いねになります。
ちなみに銀行の貸出利率は長期で1%割れですから、
今の所、銀行は安全と判断しているようですね。
総合的に考えると成長性に対して少しだけポジティブに捉えられるかなと思います。
3年後の成長性の+αをどう見るかです。
またざっくりな話になってしまいますが、
以下のように考えました。(この詰めの甘さをなんとかならないのでしょうかね・・・)
3年後を見据えた現時点の適正PERは14倍~16倍くらい(中央値15倍)
ホテル事業を見据えた長期でPER16倍~PER18倍(中央値17倍)
約3年後の18.3期の想定EPSを年率15%成長として80。
10年後の想定EPSを年率17%成長として250
目標株価は以下のようになりました。
3年後 : 80 ×15=1,200円(現在比90%)
10年後: 250×17=4,250円(現在比572%)
さて、企業価値面からも評価してみます。
<財産価値>
現金:53.2億
受取手形:3.7億
建物・土地:38.2億
有価証券等投資:17.0億
借入金等負債:▲72.8億
財産価値:39.3億
<事業価値>
営業利益32.6億 × 0.6(法人税控除) ÷ 10%(割引率を10%)
=事業価値:195.6億
<株主価値>
財産価値39.3億+事業価値195.6億 = 株主価値234.9億
理論株価:483円
※現在の株価は24%程度割高という結果になります。
やはり現状の理論株価で評価すると若干割高という結果になりました。
しかしこの算出モデル自体が目安となるもので、
しかも事業価値はある断面での資産価値について算出していますので、
あくまで参考程度です。
7.その他メモ
・最低配当を設定し、業績上乗せ分を配当性向30%で還元という安心感
・当社はROA(総資産経常利益率)を重視。20%から30%へ
(ROICを評価して出店検討を実施していると明文化)
・高ROAだが借金依存度はそこまで高くはない。(銀行利息は安心水準)
・足元の1Q決算は売上は計画未達、利益は計画上ブレ(利益率は低下)
・1Qの売上未達は増税反動減と天候という一過性要因あり
・IRでかつて実施していた月次発表は中止となっている
・投資資金を多額必要となるため、今後も公募売り出しの可能性あると想定
8.結論
成長余力や実際の成長幅という面でレストラン事業単体で見ると、
成長性が高いとは評価しにくいですが、不況耐性や高いブランド力を持っており、
価格コントロールが効きやすいという面もあり安定的に緩やかな成長が望めそうです。
一方ホテル事業についてはまだ不透明な感じがしており、
この部分をリスクも含めて許容できるかどうかがカギになりそうです。
少なくても会社はテンバガーになる意気込みらしいので、
あとはここをどこまで自分の中で評価出来るかかと思いました。
皮算用とはいえ、自分の投資対象として目標パフォーマンスは合致していることから、
引き続き前向きに監視銘柄として見ていきたいと思います。
やはりまずは優待取りのために打診買いでもするかもしれません。
(優待に踊らされる様ではそもそもスタンスがブレまくっているわけですが(笑))