Author:まるのん |
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最近、私の中では投資判断に迷いが生じていた、
6059ウチヤマHDの決算が発表されています。
なお、夏休み期間ということで、深くは分析しません。
1.サマリ
増収減益の決算です。
減益は飲食、介護事業の月次の状況などを見ても、
上期の予想を見ても予想はしていましたが、
営業利益ベースでここまで悪化しているのは想定外でした。
(実は少し覚悟はしていたので、決算前の本日に半分処分していました)
全てのセグメントで利益率が悪化しており、
それぞれの要因が一過性のものであるという確証が持てなくなりました。
前回の通期決算の内容及びIR担当者とのやり取りの中で、
一旦は前提で一過性のものと暫定判断を下していたものの、
黄色信号が灯っており、あと1四半期分を見てから判断しようと考えていました。
しかし、今回の結果は、私が主に期待していた介護セグメントについても、
確固たる自信が揺らいでしまいましたので、
元々期待していなかった飲食、カラオケもイマイチな状況の中で、
継続保有が難しいとの結論になりそうです。
2.数値の確認
【実績数値】
◆売上高 : 5,720百万円(前期比:+ 12.0%)
◆営業利益 : 367百万円(前期比:▲22.6%)
◆経常利益 : 371百万円(前期比:▲21.9%)
◆当期純利益: 206百万円(前期比:▲27.1%)
利益の減益要因については、セグメント別に見た方がよさそうです。
<介護事業のセグメント利益率>
13.3期通期実績 :10.4%
14.3期通期実績 : 9.6%
15.3期1Q実績 : 8.1%
今回の状況について、短信上では新規開設費用の発生との記載があります。
また前期開設済の固定費の発生の記載並びに空室対策の件も触れられており、
これらを総合的に考えると、なかなか入居が進捗していないのでは?と勘ぐってしまいます。
そして14.3期通期実績の利益率悪化時にIR担当者へ照会した際には、
大規模な新規開設が集中して初期費用が嵩んだもので、
15.3期には影響はないとの見解でした。
そのため、この14.3期の利益率悪化については15.3期の1Qの結果を見極めてから、
一過性のものかそうでないかを見極めようと考えていました。
結果はご覧の通りで、やはり今期になっても影響は出ているようですし、
むしろ大規模開設が集中したという前期通期より悪化しているのです。
となると、これは一過性のものではなく、
少なからず構造的な問題を孕んでいるのではないかと思うわけです。
もちろん、「一過性」の事業がちょっと長く「継続」しているだけともみられますが、
これは保有しているが故の色眼鏡ではないかと自問してしまうロジックです。
如実に数値を見て、公平を期すよう言い聞かせた自分の判断としては、
これを「一過性」というには無理があるということです。
私が主力と思っている部分について、このような結果になっている点は、
投資判断に大きな影響を与えることになります。
<飲食事業のセグメント利益率>
13.3期通期実績 :12.1%
14.3期通期実績 :10.1%
15.3期1Q実績 : 6.8%
>
こちらは大幅に悪化しています。
月次動向でも芳しくない状況だったこともあり、
ある程度覚悟はしていましたが、やはり厳しかったか、という印象です。
短信上は、リニューアルによる一時営業休止という特殊性に言及されています。
これ自体は私も一過性であると考えますが、
集客が減少傾向でありタイムセールで集客を図ったというのは、
明らかに一過性ではないと感じます。
増税反動減もあるでしょうが、外食産業全般に営業は限定的ですし、
そもそも増税した後だから、宴会は控えようということもあまりないように思います。
前期決算時にIR担当からは増税による準備費用の計上で、
14.3期は減益となった旨の説明がありましたが、
リニューアルをしてもない、足元の月次では状況が芳しくなく、
さらにタイムセールまでして集客しているということは、
構造的に以前のような利益率を安定的に出すことに限界があるように感じました。
そんな中、以前から頭を悩ませている、
当事業におけるタイ進出です。
国内の状況がこのような状況で、海外に行って、
まして、地政学的にも色々ありそうなタイで本当に勝算があるのか、どこか釈然としません。
<カラオケ事業のセグメント利益率>
13.3期通期実績 :19.1%
14.3期通期実績 :20.2%
15.3期1Q実績 : 15.6%
>
こちらも大幅に悪化しています。
しかも14.3期通期で若干改善したところが一気に下降しています。
新規出店は1店のようで、
この新規出店の先行費用という決まりきった言い訳は短信上は言及されていません。
どこまでこの部分が関連しているかわかりませんが、
出店があった過去の実績を見てもここまで悪化しているわけではないので、
こちらもビジネスモデル上で強みがあるわけではなく、
人件費などの費用高騰の波をモロに受けてしまっているのではと思います。
月次の状況を踏まえても、やはり苦戦中であるとの認識を改めて突きつけられた印象です。
さて、セグメント別に見たあとに、全体での計画進捗率も見ていきたいと思うのですが、
このセグメントの分析である程度、結論が見えてしまっています。
カラオケや飲食はどちらというと年末年始を控える
下期偏重なのでしょうが、介護は偏重はありません。
もちろん先行費用のタイミングはあるわけですが・・・。
このことを念頭に入れても、
営業利益面では未達の可能性が高くなったと考えます。
しかも前述の通り、一過性というより当社の置かれている状況やビジネスモデル的に、
苦戦をしているというのが主因のように思います。
純利益ベースではセール&リースバックによる特別利益で底上げするでしょうから、
EPSの面では達成はするでしょうが、本業部分での前述のような状況では、
なかなか厳しいと言わざる得ないと思います。
3.定性的な考察
私は、前期決算の際にIR担当の方から情報入手をして、
自分なりには、介護事業は社会の構造から安定的に売上、利益共に伸長していくと考えていました。
当然、施設の先行投資や人件費部分の費用先行などの問題は孕んでいるものの、
前期で大型開設が一服したわけで、
当第1四半期では少なくても利益率は好転するものと期待していました。
しかし実際には更なる悪化をしています。
人件費高騰などのオペレーションコストの上昇もあるでしょうし、
当然ながら開設費用の先行分もあるでしょう。
短信上で前期開設の分の費用先行まで言及されているということは、
やはり入居が進捗していない可能性も考えられます。
確かに首都圏に進出している施設も含まれており、
九州ブランドから首都圏への進出の痛みでもあるわけですが、
では、首都圏で本当に生き残っていけるのかというシナリオがあまり描けません。
介護部分でのブランド力向上のための施策や投資などのIRがあればよいのですが、
非主業(と私は認識している)の飲食事業でのタイ進出という、
私の想定している方向性とは異なる投資戦略も打ち出しています。
総合的に考えると主業の介護で苦戦しているばかりが、
非主業分野で国内も芳しくない状況で、海外進出を打ち出しているとみえており、
これが大きく華を開くと自信を持っていえなくなりました。
東証1部指定替えや特別利益計上などカタリストも残されているわけですが、
現状で保有していくにはあまりに不安要素が台頭してきた感じは否めません。
なお、当見解はあくまで私個人の状況を踏まえた
現時点の結論です。現時点でも当社の割安性、成長性を考えた時に、
一定レベルの魅力はあると認識していますが、その魅力が私にとって低下したということが趣旨です。
決して、当社の売りを推奨するものでも促すものでもなく、
ホールドされている方やその状況に対して反対の立場を表明することを意図したものではありません。
また、自分の想定と異なる結果になった原因分析はもう少し時間を経てからゆっくりとやりたいと思います。
6059ウチヤマHDの決算が発表されています。
なお、夏休み期間ということで、深くは分析しません。
1.サマリ
増収減益の決算です。
減益は飲食、介護事業の月次の状況などを見ても、
上期の予想を見ても予想はしていましたが、
営業利益ベースでここまで悪化しているのは想定外でした。
(実は少し覚悟はしていたので、決算前の本日に半分処分していました)
全てのセグメントで利益率が悪化しており、
それぞれの要因が一過性のものであるという確証が持てなくなりました。
前回の通期決算の内容及びIR担当者とのやり取りの中で、
一旦は前提で一過性のものと暫定判断を下していたものの、
黄色信号が灯っており、あと1四半期分を見てから判断しようと考えていました。
しかし、今回の結果は、私が主に期待していた介護セグメントについても、
確固たる自信が揺らいでしまいましたので、
元々期待していなかった飲食、カラオケもイマイチな状況の中で、
継続保有が難しいとの結論になりそうです。
2.数値の確認
【実績数値】
◆売上高 : 5,720百万円(前期比:+ 12.0%)
◆営業利益 : 367百万円(前期比:▲22.6%)
◆経常利益 : 371百万円(前期比:▲21.9%)
◆当期純利益: 206百万円(前期比:▲27.1%)
利益の減益要因については、セグメント別に見た方がよさそうです。
<介護事業のセグメント利益率>
13.3期通期実績 :10.4%
14.3期通期実績 : 9.6%
15.3期1Q実績 : 8.1%
今回の状況について、短信上では新規開設費用の発生との記載があります。
また前期開設済の固定費の発生の記載並びに空室対策の件も触れられており、
これらを総合的に考えると、なかなか入居が進捗していないのでは?と勘ぐってしまいます。
そして14.3期通期実績の利益率悪化時にIR担当者へ照会した際には、
大規模な新規開設が集中して初期費用が嵩んだもので、
15.3期には影響はないとの見解でした。
そのため、この14.3期の利益率悪化については15.3期の1Qの結果を見極めてから、
一過性のものかそうでないかを見極めようと考えていました。
結果はご覧の通りで、やはり今期になっても影響は出ているようですし、
むしろ大規模開設が集中したという前期通期より悪化しているのです。
となると、これは一過性のものではなく、
少なからず構造的な問題を孕んでいるのではないかと思うわけです。
もちろん、「一過性」の事業がちょっと長く「継続」しているだけともみられますが、
これは保有しているが故の色眼鏡ではないかと自問してしまうロジックです。
如実に数値を見て、公平を期すよう言い聞かせた自分の判断としては、
これを「一過性」というには無理があるということです。
私が主力と思っている部分について、このような結果になっている点は、
投資判断に大きな影響を与えることになります。
<飲食事業のセグメント利益率>
13.3期通期実績 :12.1%
14.3期通期実績 :10.1%
15.3期1Q実績 : 6.8%
>
こちらは大幅に悪化しています。
月次動向でも芳しくない状況だったこともあり、
ある程度覚悟はしていましたが、やはり厳しかったか、という印象です。
短信上は、リニューアルによる一時営業休止という特殊性に言及されています。
これ自体は私も一過性であると考えますが、
集客が減少傾向でありタイムセールで集客を図ったというのは、
明らかに一過性ではないと感じます。
増税反動減もあるでしょうが、外食産業全般に営業は限定的ですし、
そもそも増税した後だから、宴会は控えようということもあまりないように思います。
前期決算時にIR担当からは増税による準備費用の計上で、
14.3期は減益となった旨の説明がありましたが、
リニューアルをしてもない、足元の月次では状況が芳しくなく、
さらにタイムセールまでして集客しているということは、
構造的に以前のような利益率を安定的に出すことに限界があるように感じました。
そんな中、以前から頭を悩ませている、
当事業におけるタイ進出です。
国内の状況がこのような状況で、海外に行って、
まして、地政学的にも色々ありそうなタイで本当に勝算があるのか、どこか釈然としません。
<カラオケ事業のセグメント利益率>
13.3期通期実績 :19.1%
14.3期通期実績 :20.2%
15.3期1Q実績 : 15.6%
>
こちらも大幅に悪化しています。
しかも14.3期通期で若干改善したところが一気に下降しています。
新規出店は1店のようで、
この新規出店の先行費用という決まりきった言い訳は短信上は言及されていません。
どこまでこの部分が関連しているかわかりませんが、
出店があった過去の実績を見てもここまで悪化しているわけではないので、
こちらもビジネスモデル上で強みがあるわけではなく、
人件費などの費用高騰の波をモロに受けてしまっているのではと思います。
月次の状況を踏まえても、やはり苦戦中であるとの認識を改めて突きつけられた印象です。
さて、セグメント別に見たあとに、全体での計画進捗率も見ていきたいと思うのですが、
このセグメントの分析である程度、結論が見えてしまっています。
カラオケや飲食はどちらというと年末年始を控える
下期偏重なのでしょうが、介護は偏重はありません。
もちろん先行費用のタイミングはあるわけですが・・・。
このことを念頭に入れても、
営業利益面では未達の可能性が高くなったと考えます。
しかも前述の通り、一過性というより当社の置かれている状況やビジネスモデル的に、
苦戦をしているというのが主因のように思います。
純利益ベースではセール&リースバックによる特別利益で底上げするでしょうから、
EPSの面では達成はするでしょうが、本業部分での前述のような状況では、
なかなか厳しいと言わざる得ないと思います。
3.定性的な考察
私は、前期決算の際にIR担当の方から情報入手をして、
自分なりには、介護事業は社会の構造から安定的に売上、利益共に伸長していくと考えていました。
当然、施設の先行投資や人件費部分の費用先行などの問題は孕んでいるものの、
前期で大型開設が一服したわけで、
当第1四半期では少なくても利益率は好転するものと期待していました。
しかし実際には更なる悪化をしています。
人件費高騰などのオペレーションコストの上昇もあるでしょうし、
当然ながら開設費用の先行分もあるでしょう。
短信上で前期開設の分の費用先行まで言及されているということは、
やはり入居が進捗していない可能性も考えられます。
確かに首都圏に進出している施設も含まれており、
九州ブランドから首都圏への進出の痛みでもあるわけですが、
では、首都圏で本当に生き残っていけるのかというシナリオがあまり描けません。
介護部分でのブランド力向上のための施策や投資などのIRがあればよいのですが、
非主業(と私は認識している)の飲食事業でのタイ進出という、
私の想定している方向性とは異なる投資戦略も打ち出しています。
総合的に考えると主業の介護で苦戦しているばかりが、
非主業分野で国内も芳しくない状況で、海外進出を打ち出しているとみえており、
これが大きく華を開くと自信を持っていえなくなりました。
東証1部指定替えや特別利益計上などカタリストも残されているわけですが、
現状で保有していくにはあまりに不安要素が台頭してきた感じは否めません。
なお、当見解はあくまで私個人の状況を踏まえた
現時点の結論です。現時点でも当社の割安性、成長性を考えた時に、
一定レベルの魅力はあると認識していますが、その魅力が私にとって低下したということが趣旨です。
決して、当社の売りを推奨するものでも促すものでもなく、
ホールドされている方やその状況に対して反対の立場を表明することを意図したものではありません。
また、自分の想定と異なる結果になった原因分析はもう少し時間を経てからゆっくりとやりたいと思います。
本日2つ目の投稿です。
ウチヤマHDが飲食業でタイへの進出を行うようです。
YAHOO掲示版も含めてほとんど反応がないので、
私の率直な第一印象だけメモを残しておきたいと思います。
まず今回のIRは、正確にはウチヤマHDの子会社のボナーが出資し、
現地に合弁会社を設立するようです。
ボナーは九州地区を中心に様々な業態の飲食チェーンを展開すると共に、
カラオケ事業も手掛けていますが、今回は飲食業の進出ということです。
背景には日本食の人気が高まっているとのことのようですが、
素人ながらの最初の印象は、遅いのではないの?という感じでした。
既にタイには日本の飲食業が多く進出しています。
ちょっと古いデータですが、大和総研の2011年の調査結果から抜粋しました。

◆大和総研の調査結果より抜粋
これを見ると、やはり気軽に食べられるチェーン店やファストフードが多い印象です。
かごの屋など高付加価値店舗も一部では見られますが、主流は中流層をターゲットにした、
食事がメインの店舗展開です。
ボナーは日本国内では居酒屋などお酒と共に九州地域のおいしいものを頂く店舗が多いようですが、
このようなコンセプトの店舗展開は確かにまだタイ国内には本格化されていないようです。
そういった意味では空白地帯でそれなりに成長は出来そうとも思えますが、
一方でこれまで進出されていないには理由があるのではとも思ってしまいます。
そもそもタイの人がお酒を外で飲むときに、
ちょっとこじゃれた店でしっぽり飲むという文化があるのでしょうか。
どちらかというと、屋台でワイワイやるようなイメージがあります。
あくまでイメージなので、実はそういったニーズは十分あるということなのかもしれません。
ただ、タイは飲料・アルコール管理法という政令で飲酒が禁止される期間もあるようです。
これ自体は大した日数でもなく影響は軽微でしょうが、
要するにアルコールに対して色々規制が多そうだなとも思うわけです。
そういった姿勢が酒税などの制度にも表れているのでは?と思ったりもします。
ここはまだ調べられていませんが。。。
それからもう1点気掛かりなのは、タイでは外資規制もあって、
最大出資は49%までですので、今回の合弁会社もボナー側は49%出資となっています。
残りは現地コンサルと銀行なのですが、当然利益も折半になるわけですよね。
しかし例えば現地食材メーカーとか物流会社とかが出資者であれば、
まだシナジーが生まれることも考えられますが、
今回の事例のように、コンサルや銀行ですとその貢献度もたかが知れています。
それどころか、実際の店舗経営に関わる費用はほぼ、ボナー側で負担せねばならず、
更に現地の税金が控除され、
その結果得られた利益を折半しなければならない構造でやっていけるのでしょうか。
コンサル料金やファイナンス部分のサポートを受けつつ、
更に利益折半という構図となる時にどこまでウチヤマHDに良い部分が残るのかよくわかりません。
日本国内で相応のブランド力があり、
かつ客単価も高くない大戸屋とかココイチであれば、
その知名度と気軽さから量も稼げることもあり、
まだいけそうな気もするのですが、
日本国内でも知名度が低いボナーの進出が定着するのかあまりイメージが出来ません。
とにかく現時点では詳細不明なので、よくわかりませんが、
今後どのような業態なのかとかを含めて注視が必要と感じました。
ただ、思ったよりタイの外食産業の客単価は高いのですね。
日本国内とそんなに変わらないことに驚きました。
私はウチヤマHDは介護事業に注目をして投資をしているので、
当件が直ちに投資判断を変えることにはならないと思いますが、
状況は注視が必要と感じました。
ウチヤマHDが飲食業でタイへの進出を行うようです。
YAHOO掲示版も含めてほとんど反応がないので、
私の率直な第一印象だけメモを残しておきたいと思います。
まず今回のIRは、正確にはウチヤマHDの子会社のボナーが出資し、
現地に合弁会社を設立するようです。
ボナーは九州地区を中心に様々な業態の飲食チェーンを展開すると共に、
カラオケ事業も手掛けていますが、今回は飲食業の進出ということです。
背景には日本食の人気が高まっているとのことのようですが、
素人ながらの最初の印象は、遅いのではないの?という感じでした。
既にタイには日本の飲食業が多く進出しています。
ちょっと古いデータですが、大和総研の2011年の調査結果から抜粋しました。

◆大和総研の調査結果より抜粋
これを見ると、やはり気軽に食べられるチェーン店やファストフードが多い印象です。
かごの屋など高付加価値店舗も一部では見られますが、主流は中流層をターゲットにした、
食事がメインの店舗展開です。
ボナーは日本国内では居酒屋などお酒と共に九州地域のおいしいものを頂く店舗が多いようですが、
このようなコンセプトの店舗展開は確かにまだタイ国内には本格化されていないようです。
そういった意味では空白地帯でそれなりに成長は出来そうとも思えますが、
一方でこれまで進出されていないには理由があるのではとも思ってしまいます。
そもそもタイの人がお酒を外で飲むときに、
ちょっとこじゃれた店でしっぽり飲むという文化があるのでしょうか。
どちらかというと、屋台でワイワイやるようなイメージがあります。
あくまでイメージなので、実はそういったニーズは十分あるということなのかもしれません。
ただ、タイは飲料・アルコール管理法という政令で飲酒が禁止される期間もあるようです。
これ自体は大した日数でもなく影響は軽微でしょうが、
要するにアルコールに対して色々規制が多そうだなとも思うわけです。
そういった姿勢が酒税などの制度にも表れているのでは?と思ったりもします。
ここはまだ調べられていませんが。。。
それからもう1点気掛かりなのは、タイでは外資規制もあって、
最大出資は49%までですので、今回の合弁会社もボナー側は49%出資となっています。
残りは現地コンサルと銀行なのですが、当然利益も折半になるわけですよね。
しかし例えば現地食材メーカーとか物流会社とかが出資者であれば、
まだシナジーが生まれることも考えられますが、
今回の事例のように、コンサルや銀行ですとその貢献度もたかが知れています。
それどころか、実際の店舗経営に関わる費用はほぼ、ボナー側で負担せねばならず、
更に現地の税金が控除され、
その結果得られた利益を折半しなければならない構造でやっていけるのでしょうか。
コンサル料金やファイナンス部分のサポートを受けつつ、
更に利益折半という構図となる時にどこまでウチヤマHDに良い部分が残るのかよくわかりません。
日本国内で相応のブランド力があり、
かつ客単価も高くない大戸屋とかココイチであれば、
その知名度と気軽さから量も稼げることもあり、
まだいけそうな気もするのですが、
日本国内でも知名度が低いボナーの進出が定着するのかあまりイメージが出来ません。
とにかく現時点では詳細不明なので、よくわかりませんが、
今後どのような業態なのかとかを含めて注視が必要と感じました。
ただ、思ったよりタイの外食産業の客単価は高いのですね。
日本国内とそんなに変わらないことに驚きました。
私はウチヤマHDは介護事業に注目をして投資をしているので、
当件が直ちに投資判断を変えることにはならないと思いますが、
状況は注視が必要と感じました。