十分な教育資金と老後資金のために

【決算精査】 3910_エムケイシステム(17年3月期_1Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング


夏休み期間で家族との時間を優先しており、
精査記事のUPが遅れ、かつ記事も簡略化しています。

今回の決算は数値面では人件費の増加などの影響か、
特に販管費の増加により営業利益以下で伸長率が低く推移しています。
従って短信1ページ目の印象はあまりよいものでもなく、
実際、この販管費増加が今後どう推移するかが気掛かりといえばそうですが、
実際、売上の伸長が目覚ましく
特にストック部分の伸長が大きいこともあり、
想定通りに進行していると判断しています。

定性情報としてもAPI連携を活用した同社主力製品と電子政府基盤との連携を実現するなど、
商品価値向上に継続的に努めている姿も確認出来ます。
また、セミナーによる販促も活況の様子もあります。
一方で一部製品の販売停止という文言もありますので、
こちらは少し念頭に置いておく必要があるかもしれませんが、
元々、同社には、製品販売より月額課金によるストック部分の伸長を期待しているので、
大きな問題とは認識していません。

従って、総合評価は「3」(想定通り)となります。



2.定量数値の確認


(1)売上の推移

売上の伸長は素晴らしいものです。
その中でも、ストック部分の売り上げは33%の増収となっています。
製品販売に係るフローは落ち込んでいますが、
元々ストックの比率が圧倒的に大きい(9割程度)ですし、
ストックに注目しているので、総じて堅調だと認識しています。
但し、ではポジティブかというと、
会社上期計画に対する進捗率は概ね50%弱となっており、
計画線ではないかと考えています。

3910_売上高推移(17年3月期_1Q)




(2)利益の推移

粗利率は前期1Qが70.2%に対して、今期1Qは70.9%となり、
ほぼ横ばいです。
一方で販管費率は38.8%→43.9%と大きく上昇しており、
これが中途採用の人件費増加の他、どのような要因によるものかは、
少し気にはなります。
人件費の増加は今後より収益化されていけるのか、
またその他の要因が惰性で支出継続となると、
収益性が低下することになります。
ただ、それでも営業利益率は27.0%(前期31.5%)ですから、
十分高い水準にあります。
こちらは上期予想に対する進捗率は46.4%ということで、
50%にやや足りないのでもしかするとやや上期予想未達かもしれませんが、
まぁ誤差の範囲でしょう。


◆営業利益推移
3910_営業利益推移(17年3月期_1Q)



◆純利益推移
3910_純利益推移(17年3月期_1Q)





(3)利益の状況と今後の見通し

1Qの結果を踏まえて上期予想の実現可否を皮算用したいと思います。
(長期スパンで見るのであればほとんど無意味であるわけですがね・・・)

<今期2Q単会社予想>
売上 289百万円
営業利益 82百万円(28.4%)
純利益 51百万円(17.6%)

<前期2Q単実績>
売上 208百万円
営業利益 66百万円(31.8%)
純利益 42百万円(20.4%)


利益率は前期より落ちることになりますが、
まぁ妥当なところだと思います。
一方、売上については、39%程度の伸長が必要なので、
ややハードルが高い印象です。
当1Q対比で見れば9%程度の増加ですので、
全く無理ではないとは思いますが、
まぁ概ね近しい値になるのではないでしょうかね。

いずれにせよ、何か判断を変える必要性は感じません。







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※2016/5/22 AM1:00 追記(続きを読む欄)

3910 エムケイシステム 東証JASDAQ 【情報通信】


社会保険労務士の一連の手続きに関するオペレーションを
システム化した上で、それをクラウドサービスとして提供しています。

社労士業務というニッチな部分で、
クラウド型で高い収益率を維持して事業を行っています。

ここ3年程度で損益分岐点を超えてきて、
まぁタイミングよく昨年上場してきた直近上場銘柄です。

どうも私は直近IPO銘柄が好きなようです。
もちろん上場前の情報が不足しがちで、それだけリスクも高いですが、
IPO間近でわいわいやっている投機が一区切りついた
長い視点でのセカンダリ投資は自分の眼を鍛えるにもよく、
この投資ブログの目的でもある練習記録にもよい題材です。

というわけで、儲かるかはわかりませんが、
分析を軽く纏めておきたいと思います。


まずは分析シートは以下に纏めています。
(PDFファイル直リンクとなっています)

 銘柄分析シート 3910 エムケイシステム




1.事業内容

決算説明資料(PDF) 内に事業内容のペーパーが入っています。

3910_エムケイシステム(事業内容)


社会保険労務士は給与計算などの日常業務に加えて、
社会保険などの各種保険に関する業務全般を行う士業を生業にしています。

証券リサーチセンターによるアナリストレポート内に、
社労士推移がありましたが、ゆっくりと増加傾向にあるようです。

社労士推移


社労士が扱う業務は、会社として一人でも従業員を雇用すれば、
必ずそこに申請手続きの事務が生じます。
そしてそれは雇用期間中も給与計算処理や就業管理などが継続し、
退職時には各種保険の申請手続きと、
「人」の雇用におけるライフサイクルで欠かせない存在となります。

そして日本の事業所のうちほとんどが中小企業と言っていいわけですが、
そのひとつひとつの事業所には必ず雇用があり、
この業務は切っても切れません。

私は社労士業務は全くの素人ですが、
仮に不況が来ても必ずその業務は継続します。
そして不謹慎かもしれませんが、本格的な不況が訪れると、
解雇などによる退職に伴う各種手続きでより忙しくなるかもしれません。

そして、一連の管理や申請業務において、
社労士は当たり前ですが手で申請書を書いて・・・などとやっていると日が暮れてしまいます。

そこで、専門のソフトのお出ましなわけです。

企業の「金」を司る会計士や税理士向けが使う会計ソフトは
多くの専業ベンダーから○○奉行だとかなんだとかで色々ありますね(笑)。

しかし、企業の「人」に纏わる社労士が使う業務ソフトは、
調べてみると三菱系のIT企業など限られた企業からしかリリースされていないうえに、
圧倒的なシャアを取っているところもなく、
かつ中小企業が圧倒的に多い中で、
高いパッケージ商品がずっと君臨し続けることは想定しにくく、
だからこそ、エムケイシステムの少額で気軽に始められる
クラウド型サービスが刺さるのだと思います。

なお、このクラウドサービスに付随して
オプションサービスとして初期設定の対応やハードの提供サービスも提供しています。
更に、最近実はシステム対応はほぼ要らない方向で各社対応中と言われている、
マイナンバー関連もあります。
もちろんこれはあくまで付随的なものと位置付けて私は認識しています。




2.成長性について

同社の成長性はトップラインの向上に依拠するでしょう。

同社が注目している経常利益率で既に30%を超えており、
短信に記載されている当面の目標として、
経常利益率30%の維持が掲げられています。
つまり、これ以上利益率は向上しないことを示唆しています。

となると、今後の成長は売上高の成長率にほぼ収斂するものと理解しています。

同社の場合、多額の営業コストをかけるというより、
セミナーなどを開催することでそれをトリガに商談が決まっていくようなスタイルのようです。
また人材投資やサポート要員の拡充が急務で、
この辺りを踏まえて成長率をざっくり見極めていきます。

社労士全体の推移は毎期数%増えています。
また同社の社労士事務所のシェアは7%程度となっており、
まだ拡大余地は十分である一方で、
セミナーなどの集客にも限度があり、
かつ、実際に導入サポート要員のリソースにも限度があるため、
過去のトレンドを見ると10%台前半の増がいいところだと思います。

今後システム投資も継続しており、
特に言語コンバートや多言語化対応などの対応を通して、
償却費もそれなりの額の計上が必要になると思います。

以上のことを総合的に考えるとCAGR12%程度かなと思いましたが、
過去の実績を踏まえてみてももう少し楽観視してみてもいいかなと思います。
CAGR14%程度でみておこうと思います。
(最後がかなりいい加減ですが(笑))

なぜ上記のように考えたかですが、
同社のもうひとつの成長戦略である一般企業向けの開拓です。
社労士事務所には当然社労士がおり、
そこで社労士業務がやられています。

一方で日常の就業管理や給与計算は一般企業の人事部や総務部といったところで、
社内労務士が先導して対応しているわけですが、
この部分への開拓はまだ余地がありそうです。
そしてこちらの開拓にも本格化していくとしていますから、
こちらのセグメントでの成長も多少は織り込んでもいいだろうということで、
2%上乗せしました。

社労士事務所などのシェア率を見ても、まだまだ拡大余地がある点と、
年商5億を超える一般企業は約21万社あり、
そのどの企業でも労務管理は必ず存在しているはずですが、
同社のサービスが提供されているのは、実に39社しかないようです。

3910_シャア状況



多くの中小零細企業は、各自がタイムスタンプを押して、
パートの方がそれを月次で手集計して・・・ということが日常だと思いますが、
それをシステム化して、
かつ月額数万円で全ての業務を網羅してくれるのであれば、と
徐々にスイッチングが進んでも不思議ではないと思うのですが、さてどうでしょうか。

最後に同社をマイナンバー銘柄とテーマ性を持ちあげられることもあるようですが、
私ははっきりいって全く期待していません(笑)。
マイナンバーの取得代行サービスも不調に終わったようですし、
一種の営業のきっかけを作ってくれる面では良かったようですが、
マイナンバーの取り扱いが業務拡大に直結するとは思えませんし、
そうなったとしても一過性の特需のように感じます。
ですので、変なテーマ性で持ち上げてわいわいやるならもっと他でやってもらいたいです(笑)。

 
3.株価水準について

 現在の株価は1,196円です。
(5月18日終値で表記しています)

 時価総額:31.7億
 PER(16.3期実績):15.4倍
 PER(17.3期会社予想):13.9倍
 PER(17.3期四季報予想):14.4倍
 PBR:3.4倍
 ROE(16.3期実績):24.7%
 DOE:4.8%


成長率14%で予想PER14倍となるとPEGレシオはちょうど1倍近傍です。
この成長率が正しいとすると現時点では妥当な水準かもしれません。



4.リスク要因

いくつか気になる点があります。
開発の状況、開発要員の問題、一般企業へのアプローチ手法などです。
というわけで、IRとやり取りしていますので、一部、ご紹介します。
(主観的な判断が入っていますのでその前提でお読み下さい)


まるのん
次世代ASP製品の開発状況が前期末に完了する予定が、
今期末予定に変更されており遅延している印象ですが、
なぜ遅延しているのでしょうか。
またこの遅延によりよりコストを要していると思われますが、
業績予想への織り込みはされていますか。

IR
マイナンバー関連サービスの開発に開発要員を優先投下したためです。
今期に想定出来る範囲で必要なコストは計上しています。

まるのん
開発要員は各種商品の魅力度向上のためにも不可欠と理解しています。
一方で二戸という郊外でも採用活動もされているようですが、
優秀な人材はきちんと確保出来ているのでしょうか。

IR
大阪本社と二戸の両拠点で多様なチャネルを確立して、
人材獲得を行っている。今後もより優秀な人材獲得のために努力していく。

まるのん
利益の成長性について利益率目標は当面現状水準維持と掲げられていることもあり、
売上高の成長に従うと理科いしていますが、その理解でよいのでしょうか。

IR
同社のビジネスモデルは直接原価が少ないASP型の売上増で更に利益率は向上します。
一方で、人への投資、サポート体制の拡充、セキュリティ対策などの投資も必要であり、
こちらも継続的に行っている予定であることもあり、
これらを踏まえて利益率30%を維持という目標としています。
このため、利益率向上による利益成長というより、
売上の成長と同トレンドになるという指摘はその通りと認識しています。

まるのん
一般企業向けの顧客獲得について、
既に既存事業者は人事、労務業務が存在してそれで回っている中で、
どのように参入余地を見出していくのでしょうか。

IR
一般企業では給与計算を含めた人事システムは拡充されているものの、
申請業務は非システム化に留まっている点は訴求点があると考えています。
直近ではAPI連携が既存の人事システムと同社が提供しているシステムとの、
連携が実現したことによる優位性に関してのレポートもPR情報として開示しています。

まるのん
競合他社との関係性、特に同社の優位性についてはどのように分析されていますか。
その中で今後はどの程度の新規顧客の積み上げを期待していますか。

IR
社労士マーケットでは、申請システムの視点が弱かったり、
クラウド型ではないことでイニシャルが高く導入が困難であることに対して、
同社の提供スキームに優位性があると考えています。
また付随的ではありますが、マイナンバーの対応が迅速な点も優位性かもしれません。
一般企業においても人事関連システムの導入は競合商品もある中で、
申請システムを提供している競合がそもそも少ない点も優位であると考えています。
新規獲得のペースは、従来と同水準を異時出来るように営業活動頑張ります。

まるのん
顧客層にエリア的な偏在は認められますか。

IR
特に認められず、社労士事務所が多い関東県圏が多いかもしれない。
一般企業はそもそも取引そのものが少ないので、エリアを議論する段階でもない。

まるのん
本則市場への意欲と優待新設の検討状況はいかがですか。

IR
本則市場への市場変更は、公表できる具体的な予定はありません。
株主優待は検討はしているが具体的な予定はない。



冒頭の質問で、開発要員の獲得辺りが最大リスクと見ています。
開発の遅延による影響や、システムを使う際のサポート要員について、
不足感が台頭してくると商品の魅力度低下を招くだけでなく、
顧客の離反(新規の伸び鈍化も含めて)が起こって、負のスパイラルになります。


今の所、目立った競合もないために、
直ちに流出するリスクはそこまで高くないとは思いますが、
早々に安定した開発体制、サポート体制の構築が必要と思います。

このことを認識してかどうかわかりませんが、
今回の決算補足説明の中でサポ―ト等の拡充が+αとして追記されました。

2017年3月期方針





5.目標株価について
目標株価ですが、
まずは19.3期EPSはCAGR14%程度とみて115と予想します。

評価PERですが、私は20倍で見積もりました。
20倍で見積もるには成長性が控え目ですし、
マザーズ銘柄のいわゆる高成長銘柄と比べてれば、
見劣りすることは否めません。
但し、事業内容が囲い込みに比較的強いこととや高い利益率が継続していることも踏まえ、
一定の事業優位性は認められますし、
おまけかもしれませんが、将来的に本則市場への昇格により評価も上がることが期待出来ます。

以上から目標株価は2,300円と算出されます。
(これでも時価総額は60億程度です)

現状の株価からの上値余地は92%で約2倍弱になる計算になります。

なお、仮にCAGR12%で見た場合19年3月期EPSは110位です。
この場合目標株価は2,200円ですが、まぁ2,300円としておきます。

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【決算精査】9467_アルファポリス(16年3月期_4Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「2」 (☆☆☆★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング

前期の実績については既に修正開示が出ていましたが、
ほぼそれに合致するものとなり、一言素晴らしい実績でした。

セグメントでもライトノベルの減少に対して、
漫画や文庫が余りあるリカバリを叩きだし大幅な増収となっています。
ポートフォリオもライトノベル依存から脱却してきており、
戦略通りに推移していることが確認出来ました。

一方で今期予想ですが、
ゲートの反動は既に返本という形で4Qから顕在化しており、
今後前期の2Q~3Qに盛り上がったゲートの反動を
他の漫画でリカバリする必要性があり、
わかってはいたことですが、ハードルが高いように感じます。

それに加えてゲーム事業ではコンテンツ数も減らして
選択と集中を行うとのことで、
既存のやり方から転換することになり、
こちらも先行投資などが嵩み今期予想の数値は厳しいものとなっています。

会社側は保守的な計画に基づいて算出しているようですが、
この先行投資が本当に今期だけの一過性のものかどうかを見極める必要がありますが、
その要素もないわけではないものの、やはり一過性で、次期は花開くというのは、
あまりに楽観的だと認識しています。
今期に選択と集中を行うゲーム事業が成功すれば、
今期横ばいでも次期予想で30%超の増益達成をすれば、
CAGRは15%を維持出来ますが、それは容易いものではないでしょう。
(中計は更に厳しいものですが)
CAGR15%想定の私にとってみてもネガティブと言わざる得なくて
仮に今期横ばいで次期に20%程度の増益を達成出来れば、
CAGRは10%は維持出来ます。
感覚的な話ですがこの位がいいところではないでしょうか。


減益ではない点、また確度は未知数ながら次期に向けた種まき要素も
まだ結論は出ていないので、踊り場であるという見方も出来なくはありませんし、
ビジネスモデルそのものは不変で優位性も不変である点は評価出来ますので、
見通しより弱さを認識したという評価になろうかと思います。

総合評価は、「2」(ややネガティブ)とします。


9467_決算短信表紙(16年3月期_4Q)


2.定量数値の確認(実績)



(1)売上の推移

9467_アルファポリス(2016年3月期_4Q)売上推移

1Qから3Qまでは見事な増収ですが、4Qではかろうじて増収ということで、
足元で弱さが見られます。
これはゲートの返本などこれまでの反動が出ているものと思います。
計画は超過したのでそれでも好調だったと理解すればいいのか、
足元ではやはり弱いということなのか、ちょっと判断が難しいです。



(2)営業利益の推移

9467_アルファポリス(2016年3月期_4Q)営業利益推移

利益については4Qの減益ぶりが更に強いです。
粗利益率は1Qから3Qまでと4Qで大きなトレンドに変化はありませんから、
4Qの営業利益率の悪化は販管費率の上昇であり、
これは4Qのゲーム事業における広告宣伝費などを要したためだと思われます。
そしてそのゲーム事業は広告宣伝費をかけたものの、
想定より課金が進まなかったということではないかと推測します。
これは後述するIR照会とも辻褄が合います。


(3)純利益の推移

9467_アルファポリス(2016年3月期_4Q)純利益推移

営業利益と大きな変動はありません。


3.定量数値の確認(業績予想)


今期予想については、後述のIR電話で認識しましたが、
やや保守的なのかなとは思いますが、
しかしその利益減要素も一過性とは言えない部分も多く、
今後の成長のためには足かせも大きいように感じました。

特に大粒のゲームへ選択と集中をするという面は、
前期で試行した小粒ゲームで見えた課題をそれなりに分析した結果の
新たな戦略ですが、そもそもスケールの大きなゲームになれば、
開発プロセスでも普及プロセスでも課金プロセスでも、
それぞれに違ったノウハウが必要となるはずで、
これが成功するかどうかはやはり未知数だと言わざる得ません。

主力の漫画やその裏付けとなるコンテンツ数やユーザ数の伸びは
目を見張るものがありますが、
収益化という点で、CAGR15%見込みの成長が本当に実現出来そうなのか、
不安に感じる部分はあります。

この点で保守的とはいえ楽観的に捉えるにも限度があることと、
そもそも楽観的に評価したとしても中計はおろか、
自分の見通しすら満たせなそうという点では、今期予想はやはりネガティブに映ります。

また中計についても後述のIR電話で確認していますので、
そちらをお読みくださいませ。


4.目標株価の確認


前期(16年3月期)予想EPSは150円を基点として
以下の計算で目標株価を計算していました。
期中のCAGRは15%で18年3月期予想EPSは159円で
評価PER28倍として目標株価は4,450円です。

前期の実績EPSは118.18円ですから、
予想より若干未達もほぼ想定通りですが、
今期予想EPSは横ばいの118.37となっています。
このため、仮に上記予想EPSを維持させると、
18年3月期は前期比で34.3%もの増益となる必要があります。


今回目標株価算出に当たり、
まず、今期予想の横ばいがどの程度リアルなのかを把握したいと思いました。

そこでIRに電話です(笑)。


まるのん
今期業績予想について、数値面ではかなり弱い数値が出ています。
具体的にゲーム事業やWebコンテンツへの先行投資により、
一時的な利益減の要素と解説がありますが、
これらの投資は一過性ではなく、
これまでもこれからも必要になるものと理解していますが、
なぜ今期にこれだけの利益減の要素になるのでしょうか。
他に何か理由があるのでしょうか。

IR
まず、ゲーム事業については、前期から取り組みを始めてきた事業であるものの、
今期では前期の反省も踏まえて取り組もうとしている要素もあり、
開発費や広告費が過大にかかるものです。
Webコンテンツについては投稿数などで圧倒的なインタフェース優位性を構築するために、
今後の成長の源泉を求めるために大型投資を計画しているものです。
この投資によりより差別化を図り、中長期的な業績拡大に資するものと考えています。

まるのん
ゲーム事業で前期の反省というのは、何か課題があるということでしょうか。
具体的にどのような対策を打とうとされているのでしょうか。

IR
前期では保守的に見積もった収益計画を掲げていましたが、
着地もほぼこの保守的なラインで着地をしています。
このため、今期についてもこの保守的な予想で計画を立てています。
また、この保守的なラインで終わったことの要因のひとつとして、
小粒のコンテンツで展開したことが挙げられると分析しています。
コアユーザーが多い同社顧客基盤に対しては、
より大粒で奥が深いスケールの大きなゲーム展開が必要だろうし、
それが刺さるゲームなのだと認識しました。
そこで、今期では敢えてゲーム展開数を落として、
選択と集中で開発を行い展開をする予定としています。
この一連の予定においても現時点では実現性のある数値とするために、
前期の実績を踏まえた保守的なものにしています。
但し、この部分が刺さるゲームとして認識した通り、
順調に推移し、また開発プロセスにおいてもコスト低減に努められれば、
上振れ余地となりえると認識しています。

まるのん
Webコンテンツへの大型投資はその収益化が見込めるのは、
次期になるということでしょうか。

IR
はい、その通りです。
今期に大型な投資を行い、更なる成長に向けたコンテンツ拡充、
とりわけ質の高いものを網羅できるような仕組み作りをしていきます。
その上で、集まったコンテンツが実際に書籍になり本格的な収益化となるまでには、
半年以上を要する(商品企画、編集のため)ため、
コンテンツ拡充を今期取り組んだとしても、
それらが収益化するためには相応の時間を要し、
本格寄与は次期になるという認識です。

まるのん
昨年に開示された中期経営計画では、18年3月期に売上100億、経常利益25億を掲げています。
一方で今回開示のあった、17年3月期の予想は売上37億、経常利益は9.2億です。
ゲーム事業の戦略も見えてきた中で、この乖離を説明するのは難しいと考えていますが、
中期計画の見直しは検討されていないのでしょうか。

IR
社内でも様々な議論をしてきた結果、現時点では見直さない判断としました。
安易に計画を繰延べさせたり下方修正したりすることはすべきではないし、
現時点で諦めることなく必死に知恵を出して頑張ろうという社内の判断となっています。

まるのん
その心意気は大変心強いものですが、
一方で上場会社として開示している中計経営計画ですから、
もし現実離れした計画であると認識しているとして、
それを気合と根性で頑張りますだけでは、
不安になることもご理解頂きたいです。
ですので、もし修正をしないということでしたら、
どのように達成に向けた取組みをするのかを明示化して頂きたいです。
決算説明資料も開示されると思いますので、その時でもよいですし、
その後個別開示でもよいので、その点は一意見として検討頂きたいです。

IR
真摯に受け止めて善処いたします。

まるのん
経常利益率について過去の30%水準から徐々に減少しておきており、
今期はやく25%という状況になっています。
それでもなお、利益率は高い水準と記載がありますが、
どの程度が適正な利益率水準と認識していますか。

IR
中計にも掲げている通り、25%程度が適正かつ目標とする利益率と認識しています。

まるのん
色々教えて頂きましてありがとうございました。
今後も応援しています。

IR
頂いた意見については、ガイダンス開示を含めて検討いたします。
ありがとうございました。



はい、電話終了です。概ね10分程度でしょうか。
貴重なお時間を頂き、IRには感謝です。


ゲーム事業の立ち上がりが想定より芳しくないのでしょう。
もっともこの事業で当たりを引くというのもそうたやすいことではないように思います。
まだ始まったばかりですし、会社としても方向性を掴んで、
試行錯誤しながらやられているようですからね。
電話で話した感じでも、それが正解かどうかはわからないものの、
中では相当、戦略を議論して対応されている印象を受けましたから、
失敗を恐れずに経営しているのを応援するのが適当と思います。


そして、中計の大風呂敷とは対照的に、
今期予想は全体的に保守的な印象を受けました。
ゲーム事業の行方は予想が難しいですが、
会社予想はミニマムラインのように感じます。

根拠はありませんが、電話の端々に保守的ということがあり、
その言葉は鵜呑みには出来ないのですが、
もう少し増益幅は出るかなという気もします。

そこで、今期予想EPSを125とします。
これは従来の17年3月期予想EPS138を約10%下回るものです。

また18年3月期は収益化が期待されるわけですが、
そうはいっても投資は一過性で終わるわけでもないと認識していますから、
今期に選択と集中で展開するゲーム事業がある程度軌道に乗ったとしても、
従来の15%増益基調位がいいところと思います。
ここから19年3月期予想EPSを求めると165となります。

評価PERは従来は25倍としていましたが、
少し目減りさせて24倍程度にしたいと思います。

結果、新たな目標株価は3,960円とします。

従来の目標株価の4,450円から約11%の下方修正です。

なかなか思うようにいきませんが、これもまた試練ですね。




5.その他

同社のコンテンツを収集してそれを書籍化して販売するという、
基本のビジネスモデルは今でも秀逸で崩れたものではないと認識しています。
同社のような成長を続ける新興企業の場合、
やはりITや認知度向上のためにどうしても投資が必要になり、
今回のように踊り場を迎えることが定番の試練でもあります。

それが、本当に中長期的に資する踊り場なのか、
単に成長限界を迎えたものによるものなのか、
この見極めがとても難しいわけですが、
私は同社に投資を決断した時に、やはり新たなチャレンジで決意しています。

本来コンテンツ、特にゲームや漫画など、
自分が全く志向していない分野のサービスを提供する会社、
しかも当たり外れの大きそうな業界にあっても、
そのリスクを抑えたモデルを構築して頑張っている会社ということで、
期待を込めて投資しています。

今回のような踊り場で初心者なりに苦心して
対処をしていますが、決算通過前に何度も頭を過りました。
ゲートの反動、ゲーム事業の拡大投資など
前期はよかろうが今期は場合によっては減益すらあるかもしれないという恐怖。

本能に従えば、やはりリスクを回避して売却しておくべきか。
何度も考えましたが、結局、その感覚的なものに頼らずに、
決算を通過させて、そしてPTSで売却です(笑)。

PTSで売却した時には、
その予想していた踊り場を事実として認識し、
かつリアルにIRとも会話をして、
改めて最善を尽くして考えた結果の目標株価は前述の通りとなり、
PTSで売却する値段を考えれば、十分売却は説明がつくものでした。
3年間で上値余地は30%もないですからね。

結果論ですが、予めある程度想定していたことを
きちんと対処することも必要であるわけですが、
そうなるとどんどん投機的になってしまう面もあり、
なかなか難しい問題です。

改めてよく考えて、今回の件もまた教訓として整理をして
次に活かしたいと思います。





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3134 Hamee 東証マザーズ 【小売業】

2015年にIPOをした同社ですが、
1年を経てIPOの頃から見て株価は半分になりました。

同社について、最初はスマホやタブレットの周辺アクセサリの商材に関する
EC運営会社だと認識していましたが、
最近、ECのプラットフォーム型のビジネスモデルに改めて着目するようになり、
ECの運営ノウハウを元にプラットフォームを作り、
ECサイト事業者へEC構築のプラットフォーム化を提供する事業モデルに魅力を感じて
簡易分析を行うことにしました。


まずは定量情報は以下に纏めています。
(PDFファイル直リンクとなっています)

 銘柄分析シート 3134 Hamee



1.事業内容

「コマース事業」と「プラットフォーム事業」の主軸2事業で構成されています。

この2つの事業の総観について
以下の資料が概念的にはわかりやすいと思います。

3134_ビジネスモデル


両セグメントの総観



コマース事業では、モバイルアクセサリの流通に関する川上から川下までを扱っています。
自社でECサイトを通しての販売に加えて、
各量販店への卸売りも順次拡大しています。
自社製品(いわゆるPBのようなもの)を拡大して利益率を高め、
更に販売チャネルを増やすことでトップラインも拡大している最中にあります。
社長が上場して変わった点として、連携によるチャネルの拡大がより進捗していると語っていたように、
自社企画の商材拡大とチャネルの拡大とがうまく機能して順調に業績が拡大しています。


プラットフォーム事業では、ECバックオフィス業務(受注、請求、在庫管理等)をプラットフォーム型で、
「ネクストエンジン」という商品で主にECサイト運営会社へ販売しています。
プラットフォームというだけあって、APIを活用して非定型の業務にも個別のニーズに応えられるように、
設計されている点です。それをアプリの追加ということで比較的容易に対応していけるのが、
魅力ではないかと思います。
最新の四季報によると人工知能への備えも進めているようで、
いずれCRMの延長でマーケティング強化にもこのプラットフォームは強みを持っていくものと思います。
実際決算説明資料上に明記されている採用実績を見ても、前期比10%以上の成長を続けています。
コスト構造的に、損益分岐点を超えるとユーザ数の拡大に応じて利益は大きく伸長する構図のため、
当セグメントの利益率も20%弱の水準まで高まっているところです。

ポイントは、このコマース事業で「EC業務」を熟知した上で、
これをプラットフォーム事業へ活かすというスパイラルが機能している
点だと思います。
但し、プラットフォームのようなITを使ったシステムを構築する上で、
ITスキル(技術面)が不可欠だと思います。
業務知識とIT知識の融合がないとなかなか優位性のあるシステムにはならず、
ITスキル(技術面)をどう担保しているのかが気になります。

大抵、SI企業ががちがちのシステムを構築する際に、
よく業務知識がなく使い勝手が悪いシステムを作ってしまう話があります。
最先端の技術をもって、応答速度も大変優秀で技術面では高いものが反映されているものの、
業務面がなおざりになってイマイチ効果が限定的になってしまうわけです。
たいていシステム構築においての課題はこの業務知識の不足が引き金になるのですが、
同社のプラットフォーム事業は逆に業務は十分知りえている上で、
さて、どう専門的な高度なスキルを活かせているのか
が気になります。


このほか事業としてはグローバル展開がありますが、
これはコマース事業やプラットフォーム型の横展開方式が基本のため、
敢えて個別には切り出しての議論はここでは割愛します。



2.成長性について

コマース事業とプラットフォーム事業に分けて考えてみたいと思います。

まずコマース事業ですが、
トップラインは簡単に言えば販売単価×販売数量で決まります。
利益面では、自社商品比率としてPB化の推進により原価を下げる要素があったり、
逆に販促費を大量にぶちこんで減益要素になったりと
収益性に与える複合要因があります。

売上面で見ると当該セグメントでは概ね10%程度向上しています。
一方セグメント利益では利益率が年々改善しており、
今期予想では5.8%の予想となっています。
利益成長は50%程度となっていてだいぶ高い成長率を誇っています。
粗利率の詳細データも決算説明資料に開示がありますが、
小売りではほぼ50%水準、卸売りは30%弱の水準となっています。
卸売り部分が意外に高い印象ですが、
今後数量が上がってくるともっと改善がみられるかもしれません。

自社製品比率は原価低減の要素ですが、
41.9%→54.2%→61.2%(予想)と年々拡大しています。
これもどの程度まで上昇余地があるのかわかりませんが、
オリジナル製品は利益率も高いはずですし、
何よりユニークでユーザーの心をくすぐるよい製品が多いように思いますので、
この部分には期待したいです。

全体として従来の利益成長50%水準はさすがに維持は難しいでしょう。
だからこそ、会社側もグローバル展開だとか、新たな攻め手に対応しようとしています。
このグローバル化は正直、新興国不安もある中で、
どこまで拡大していけるか未知数ですのであまりここに過度な期待はしないでおきたいです。

国内の認知度向上及び販売チャネルの拡大という数量の伸長や
自社ECサイト運営の効率化、PB商品の拡充といったコスト面への対応も進むことの期待、
これらを勘案して成長性を期待したいと思います。

認知度向上については、確かに私も最近スマートフォンを買い替えしましたが、
その時に液晶保護フィルムやケースなど、家電量販店で選択肢の少なさに驚愕としましたが、
改めてHameeのサイトを見ると色々なものがあって楽しそうですね。
私はHameeという会社をIPOしてた時から認知していたので、
たまたますぐにその存在に気が付けましたが、
今でも多くの方が量販店でスマホを買い替え、その場で、
そこに展開されている商材の中から選ぶわけですが、
Hameeの商品も最近こそ目にするようになりましたが、
まだまだ認知度は低く、今後魅力的な製品がより増えてくることで、
選択余地が広がる気がします。

定量的に成長率を見出すのはなかなか難しいですが、
売上規模で10%成長はじわじわと認知度が向上する中で達成出来そうで、
規模のメリットが少しずつ効いてくるのと、
PB化率も上がるなどのことを考慮すると、
ざっくり15%程度の成長が期待できるのではないでしょうか。
(毎度、根拠が甘いですが・・・)


一方、プラットフォーム事業ですが、
前述の通り、技術トレンドがどこまで秀逸なものとなっているか不透明な部分がありますが、
コマース事業での業務ノウハウを多分に活かしてプラットフォーム化しており、
魅力度はそれなりにあるように思います。
現時点でも契約者数の成長は10%を超しており、
その推移を見るとまるで日本管理センターの月次推移を見ているかのようなきれいな右肩上がりです。


プラットフォーム事業契約者数推移


YAHOOとの自動連係APIなど、既存EC提供会社との連携機能も拡充していますので、
一定の商品力はあると思います。
一方で今後越境ECも視野にアマゾンなどとの提携にも積極的ですし、
実際グローバル展開に向けた投資を継続していますので、
今期は米国向け投資で踊り場のようになっていますが、
中長期的にこのプラットフォームがより優位性を増すと
成長率としては見応えが出てくるのではないかと思います。

3134_プラットフォーム事業受注推移

受注の推移と見ても、直近3年のCAGRは40%弱の急成長となっています。
特に新興のEC運営会社は事業の失敗リスクも高いので、
イニシャルを小さく始められる同社のプラットフォームは魅力ではないかと思います。
一方で解約率が10%超となっていてやや高い印象ですが、
これも一定程度、EC運営会社(同社から見た顧客)の事業撤退があるからやむ得ないでしょうか。
いや、むしろEC事業者は撤退数も多いでしょうから、
それを勘案してこの水準であれば、ネクストエンジンは実は高い継続率なのかもしれません。
本当はWin-WinでEC運営コンサルとかも領域を広げられると
もっと解約率も下がり、かつコンサル料も取れていいのかなと思うのですが、
そんなに簡単ではないのでしょうね。

プラットフォーム事業としては利益率も高いですが、
契約者数が伸びることで固定費は抑制させながらトップラインが伸ばせる点で、
収益性にはまだ向上余地があると認識しています。

30%、40%の成長維持は難しいと思いますが、
20%程度の成長は望めるのではと期待したいと思います。


両事業とも認知度拡大の成長シナリオを持ち、
コマース事業では、チャネル拡大という観点でのエリア拡大シナリオも持っていると思います。
またプラットフォーム事業では、新たなAPI構築という観点での新商品による拡大シナリオもあります。


全体としてコマース事業で15%、プラットフォーム事業で20%の成長余地と見て、
全社としては18%成長とみたいと思います。


 
3.株価水準について
 現在の株価は529円です。
(3月14日終値で表記しています)

 時価総額:41.4億
 PER(15.4期実績):17.1倍
 PER(16.4期会社予想):14.9倍
 PER(16.3期四季報予想):15.3倍
 PBR:2.3倍
 ROE(15.3期実績):16.0%
 DOE:0%
 ※優待あり(1500円自社サイト利用券)

成長率18%でPER15倍となるとPEGレシオは1倍割れですから、
この成長率が正しいとすると割安かなという感じです。
ただ明らかに割安と確信できる程でもありません
配当も無配ですから市場評価からすると
無難な水準なのかもしれません。

私は特にプラットフォーム事業で高成長を期待しているので、
今からでも買ってもいいかなと思えます。
但し、今期のEPSは未達懸念があります。

広告宣伝費で戦略的に計画外のコストを発生させたこと、
それから海外の収益化の遅れがあるのかもしれません。
進捗を見ても、ちょっと厳しい印象です。
今期予想EPSを多少割り引いて見ても、
PERは16倍水準ですから、成長性を評価しても魅力はそれなりにある認識です。

但し、あくまで成長が前提なので、
来期も海外投資とか広告宣伝費などで停滞するようであれば、
厳しい評価が下されるでしょう。その点は留意が必要です。


4.リスク要因

コマース事業ではスマートフォンの特定機種に依存した商品群が多いため、
現在の総務省の指導もあって機種販売状況のトレンド変化に応じて、
アクセサリー類の販売状況に偏重を来す可能性があります。
特に2月以降は「一括0円」や多額キャッシュバックが抑制されており、
ユーザーの機種変更のモチベーションが下がり、
アクセサリー類の販売状況が落ち込む可能性が高いです。
認知度向上やECの浸透によるシェア率向上によって、
この全体数量(市場規模)の縮小に対して対処していけるかが見物だと思います。

プラットフォーム事業では商品の競争優位性が損なわれないかが気になります。
EC業務をサポートするための多くのパッケージソフトも販売されていますし、
コンサルもついたサービスが多く展開されています。
そういった中で、プラットフォーム化されたこのクラウドサービスが
今後APIも活用して多くのニーズに応えられるのかなど優位性を維持出来るのかです。

グローバル展開、特にアジア地域での景況感の影響は大きく影響を受ける可能性があります。
自社のコマース事業での販売状況にマイナスの影響を受ける可能性がある点と、
海外へ進出しようというEC運営者の減少や越境ECへチャレンジする事業者の減少など、
この点は会社が過大に計画に織り込んでいると少しネガティブインパクトが強くなりそうです。
ただ、私が想像できる領域のこのようなリスクには当然ながら認知はしているはずで、
そこに若き頭のよい経営者が備えていないとも思えませんので、
過信は出来ませんが、経営にある程度委ねてみたいと思います。


財務的なリスクはあまりなくて、むしろ成長企業であれば、
もう少し財務的なリスクを取ってもいいのかなという気がします。
ただ、この水準であれば安心出来ますのでそれはそれでいいかなと思います。


5.目標株価について
目標株価ですが、
まずは19.4期EPSはCAGR18%程度とみて52.6と予想します。
なお、ここで基点となる今期EPS予想は32としていて、
10%程度会社計画未達を前提としています。

評価PERですが、ECプラットフォーム化が伸長して、
今の成長率を維持していければ市場からの評価はより高められると思います。
成長率や今後本則への昇格や配当開始など多角的に捉えて20倍とみておきます。

すると目標株価は1,050円と算出されます。
(これでも時価総額は80億程度ですね)

現状の株価からの上値余地は100%で約2倍になる計算になります。
株価水準から見ると、前述の通りもう少し下がるのを待って、
業績未達となったあたりで暴落があればそこで拾うことも考えていましたが、
あまり値動きに振り回されずにいたいということもあり、
上値余地にそれなりに魅力があるのであれば打診買い程度を始めてもよいかと思いました。

ちなみにアナリストレポート(PDF)によると、
18年3月期EPSは分割考慮後で、約70になっています。
すると1年前倒しでPER20倍評価をすると1,400円になります。
しかもグローバル部分は保守的に見ているそうで、本当かよ~って感じです。
もしこれが事実となるなら、株価の伸長も期待出来ます。
もちろん私はこんな大風呂敷の想定は持っていませんが。
そしてこのレポートがリリースされた年初から株価は無反応ですから、
市場も信じていないということでしょうか。


6.サマリ

同社は「小売業」ということになっていますが、
私の中では「情報・通信」又は「サービス」ではないかなと感じています。
確かに小売業といえば小売業なのですが、
現時点で売上はコマース部分が90%近いわけですが、
利益水準ではほぼ拮抗するレベルです。
そして今後成長源泉は間違いなく、プラットフォーム事業ですからね。

成長性を期待した投資というのは、
まだ私の中ではチャレンジな部分ではあります。
本当にこの期待する成長を継続してくれるか不安ばかりが念頭に浮かびますが、
そういうリスクを冷静に処理してリターンにしていかないとなりません。

今期未達で株価は更に暴落してしまうかもしれませんが、
それより、中長期的な成長シナリオが崩れないかをよく観察したいと思います。


7.IR照会結果

今回の判断に当たり、IRへ照会しました。
抜粋した上で、個人的見解と主観を元にメモしておきます。
(あくまで私の解釈の上、割愛して記載してますのでご留意ください)


(1)今期業績について利益率などを算出してみると厳しそうだけど、大丈夫?

国内堅調だが、米国で人件費先行で苦戦しているが、2Q後半にサンリオライセンスを取得し、
商材拡充など対策をしたことで改善傾向あり。
国内は引き続き堅調なため、下方修正は不要と判断している。


(2)広告宣伝費について

新ブランド「Ketchup!」において従前のプロモーションと異なる
計画外の施策展開を行った。これは試験的に一過性と認識してもらいたい。
なお、その他の従前の広告宣伝費は計画にきちんと織り込んでいる。


(3)プラットフォーム事業の利益率のばらつきについて

開発内容によって投資勘定、原価勘定とに振り分けられるために、
期毎の利益率を見ていくとばらつきが出る。
利益率水準も目安は全社レベルでみれば10%超を目標としている。


(4)プラットフォーム事業の解約率と優位性について

EC事業者が撤退するケースがあるため、ある程度の解約はやむ得ないと認識している。
ネクストエンジンをより使いこなしてもらうためのメニューを各種用意して解約防止に努めている。
システム会社ではなく、EC事業者が提供することによる魅力や、
業務自動化の度合いが他社に比べて高い点、
これを踏まえてトップシェアである点などが挙げられる。


(5)IT技術について

中途採用によりカバー。
小田原という立地に魅力を感じてもらえるケースも多い。
都内採用希望者にも都内営業拠点に配置するなど人材確保は重視している。


(6)財政政策について

ネクストエンジンをグローバルプラットフォームに成長させるための開発に
投資を中心に再投資していく予定


(7)株主優待・分割政策について

本則市場を目指すことは、マザーズ上場企業の共通認識であると考える。




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【決算精査】9467_アルファポリス(16年3月期_3Q決算)

銘柄分析シート


1.サマリ
総合評価:「3」 (☆☆★★★)
※総合評価は5がポジティブ、3がニュートラル(想定通り)、1がネガティブの5段階レーティング

先日、既に業績予想の修正(PDF)を発表していましたから、
特段のサプライズもありませんが、順調な業績推移を確認することが出来ました。

特に漫画の売れ行きが絶好調です。
前期まではライトノベルに偏重しており、
ここから新たな成長ドライバとしての漫画にリソースをシフトする戦略が奏功し、
狙った通りの結果となっていると思います。

前期では漫画は僅か10%弱の売上比率だったものが、
今期では25%程度まで急上昇しています。

ゲートの効果が支配的なのだと思いますが、
足元の状況は非の打ちどころがない結果です。
一方でゲートの効果を除いた場合に、
同社の潜在的な成長率をどう読むかがポイントになりそうです。

基本的にビジネスモデルが投稿(多くの閲覧者の口コミ)で
事前に十分なマーケティング機能を果たしたフィルタを通して生み出される商材は、
失敗リスクが少ないとはいえ、ではここまで爆発的なヒットが、
今後も継続出来るのかというのは、絶好調の時だからこそ気に留める必要がありそうです。

いずれにせよ、現時点で想定通りのプロセスでまた数値面でも実績が積み上がってきていますから、
総合評価としては3(想定通り)としたいと思います。


2.定量数値の確認

売上は35%、営業利益は36%と3割以上の増収増益となっています。

9467_決算短信表紙(16年3月期_3Q)



(1)売上の推移

9467_アルファポリス(FY15_3Q)売上推移

今期に入って順調に前期を上回って推移してきたわけですが、
3Q単計の結果はまたひとつ頭を飛び出るような伸長ぶりです。
具体的には、45.5%の増収となっています。
(累計にすると短信表記通り35%となっています)

当然ながらゲートが好調というのは想像通りですが、
ゲート以外の漫画も好調というコメントが決算説明資料(PDF)のP5表記されていますから、
注力してきた漫画が見事に奏功しているとみればよいと思います。

この伸長率がゲートの特需による効果と、
ゲート以外の漫画全体の底上げによる効果とどの位の寄与率なのか、
ここが少し気になります。

ゲートの特需の効果が圧倒的に強いということであると、
漫画の底上げが多少は寄与したとしても、
今の成長率は継続出来ないことになります。

また仮にゲート意外のRe:Monsterなどの漫画が好調だったとしても、
それはゲーム化とのシナジーによる瞬間風速の可能性もあります。

これらの点は少し留意しておく必要があるなという印象です。
心配し過ぎでしょうかね。
なにせ高PERの評価を得ているので、より慎重にみておきたいです。


(2)営業利益の推移

9467_アルファポリス(FY15_3Q)営業利益推移

利益についても3Q単計で見ると、
83%近い増益率となっています。
こちらも売上で記載した点と同じ観点を気にしています。


(3)純利益の推移

9467_アルファポリス(FY15_3Q)純利益推移

特記事項はありません。


(3)利益の状況と今後の見通し

修正後の通期会社予想から、
4Qでの単計の予想は以下の通りとなります。

 売上高  : 812百万円
 営業利益 : 181百万円 (22.3%)
 当期純利益 : 106百万円 (13.1%)

前期の4Q単計の実績は以下の通りです。

 売上高  : 822百万円
 営業利益 : 264百万円 (32.2%)
 当期純利益 : 123百万円 (15.0%)

前期の4Qはゲートの販売も継続して伸びていた状況です。
ライトノベルは、栗田出版のドタバタの前ですので、
頂点の状況でした。

ゲートは第2クールやゲーム化の動きもあり
引き続き好調を維持すると思われます。
ライトノベルもそこそこは回復してくるのではないでしょうか。
(栗田出版の影響は徐々に緩和していることもあり)
漫画の好調は前期でも見られましたが、
今期3Qを見る限りそれは戦略がうまくいって加速度的に伸びているので、
4Qで急激に凹むというのはあまり想定出来ません。

つまり、ゲートとライトノベル合算でほぼ横ばい、
漫画で前期よりやや伸長するとみています。

すると、今の会社計画の売上はやや保守的ではないかと思います。
1Qで+26%、2Qで+34%、3Qで+46%ですからね。
それが急に4Qで-1%となるという計画は違和感があります。

刊行タイミングの問題などがあれど、+10%位はあるのではないでしょうか。

また営業利益率で見ても、24%程度ではないかと思います。
(特に根拠はありませんが、見通しとして過去実績の30%前後の数値は採用しにくいです)
当期純利益率についても15%程度かなと妄想しています(もはや妄想です)。


以上、超ざっくり皮算用から、4Qでは以下の数値位かなという想定です。

 売上高  : 900百万円
 営業利益 : 216百万円 (24.0%)
 当期純利益 : 135百万円 (15.0%)

このことから年度着地は以下となります。

 売上高  : 3,388百万円
 営業利益 : 936百万円 (27.6%)
 当期純利益 : 603百万円 (17.8%)

修正後の会社計画は以下です。

 売上高  : 3,300百万円
 営業利益 : 901百万円 (27.3%)
 当期純利益 : 574百万円 (17.4%)


売上で2.7%、営業利益で3.9%、純利益で5.1%程度の計画上振れを想定します。



(4)その他
月次のメーリングリストで前月と比較した発行部数などを
作品別になんとなく比較して読んでいますが、
それを統計的に処理していないので、
今回のように想像以上に漫画がいけてたのかと後付けで気が付くという状況です。

本当は作品別に色々数値をいじればもっと面白いのでしょうが、
なかなかそこまで出来ていないですね。
というかそこまでやらなくても、同社の成長はある程度理解していたので、
なかなか重い腰があがらないというのが正直な怠けている理由です。


3.定性確認の確認

ゲームがリリースされていて、
私は口コミなどを見ていますが、あまり評判はよくないようにもみえます。

ただ、こういう口コミって実は批判的な意見が多いものでしょうし、
そもそも投稿数が少ないということもあり、
課金モデルがどの程度機能して収益が上がるのかも含めて、
もう少し長い目でみないと何も評価できないでしょう。

その他気になることはきちんと決算説明資料(PDF)に整理されているので、
ここに改めて何か特記すべきことはありません。


4.目標株価の確認
従来の目標株価4,450円を変える予定はありません。


5.さいごに

最近ゲーム事業の立ち上がりから、
たった2名でどうやってやっているのか、
気になっていたのですが、
相互リンクさせて頂いているsunさんが、
当件をIRに照会した結果を記事にしてくださっています。

こちら

ありがたい限りです。
また、そのIR回答も安心出来るものでよかったです。

相場は荒れていますし、
高PERで怖さがないといえば嘘になりますが、
結局高PERでも低PERでも下がっていますから、
あまり気にし過ぎることなくいきたいですね。



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