Author:まるのん |
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4750ダイサンが15年4月期の1Q決算を発表しています。
前期比で大幅な減収減益です。
特に利益については、▲60%台と派手に逝ってくれました(笑)。
早速、内容を簡単に見ていきたいと思います。
(あまりモチベーションはあがりませんが・・・(笑))
<今1Q実績> ※()内は前期比
売上高 : 1,792百万円(▲19.4%)
営業利益 : 124百万円(▲64.3%)
経常利益 : 135百万円(▲62.6%)
当期純利益: 78百万円(▲64.0%)
営業利益率 :6.9%(▲8.7%)
当期純利益率:4.4%(▲5.3%)
上期計画を修正していませんので、
達成のためには2Q単計で以下の業績が必要となります。
<2Q単計予想>
売上高 : 2,638百万円
営業利益 : 456百万円
経常利益 : 465百万円
当期純利益: 292百万円
営業利益率 :17.3%
当期純利益率:11.1%
この実現性を評価する材料として前期の2Q単計の実績を計算します。
<前2Q単計実績>
売上高 : 2,160百万円
営業利益 : 375百万円
経常利益 : 380百万円
当期純利益: 228百万円
営業利益率 :17.4%
当期純利益率:10.1%
と、ここまで計算して、増税反動減がどこまで計画に織り込まれているか、
その計画に比べてどうなのかわからないと、この60%減益を評価出来ません。
ただ、前期の結果を見る限り、
もし反動減の影響が一巡していて、同水準の利益率が確保出来れば、
今上期計画も十分射程とも考えられます。
(なんか既に未達前提のようになっていますが・・・)
増税反動減が計画対比でどうであったか、
そしてその一巡感がわからないと評価出来ません。
ということで、IRへ電話しました(笑)。
非常に丁寧に対応して頂きました。
主なやり取りを以下にだらだた書いておきます。
まるのん
「利益が大幅に減っているが、これは増税反動減と考えればよいか。他に要因はあるか」
会社
「増税反動減が全て」
まるのん
「計画に増税反動減は織り込んでいたと思うが、1Qの結果は想定範囲内かどうか」
会社
「施工サービスは若干上ブレ、製商品販売は若干下ブレでトータルで見れば想定通りという状況である」
まるのん
「計画未達も懸念するが何か具体的な計画達成への自信を示す根拠はあるか」
会社
「足元では盛り返しの動きが見られており、努力して達成に向けて鋭意努力中である」
(要するに根拠を示すまでの自信があるわけではないと解釈)
まるのん
「足元の状況で、増税反動減の影響はまだ続いているか」
会社
「具体的数値は控えるが、月次で前期並みの水準へ回復している」
まるのん
「前期は当然反動減がないわけで、その水準へ戻っているということは、反動減は一巡したと認識してよいか」
会社
「そのように認識している」
まるのん
「住宅指標が軟調に推移しているが、その点はどのように捉えているか」
会社
「戸建住宅以外の施工、販売を開拓しており、集合住宅、商業施設、リフォームなど対象業態を拡大している」
まるのん
「売上高に占める、新築戸建住宅向けとそれ以外での比率はどのくらいか」
会社
「新築戸建住宅7に対してそれ以外が3の状況」
まるのん
「配当に関しては現状どのように考えているか」
会社
「安定配当であるため、計画通りの予定であるが、当然大きく利益が変われば変動の可能性もある」
まるのん
「貴重なお時間、ありがとうございました。今後も応援しています」
会社
「ぜひ、これからも貴重な意見、質問をお寄せ下さい。」
ということでした。
整理すると以下のようなことだと思います。
・増税反動減により特に製商品販売面で落ち込みが見られたものの、全体としては想定通りの結果。
・足元の2Qでは増税反動減も一巡し、前期並みのボリュームに盛り返している。
・戸建住宅以外にも拡大を進めており、2Q目標へ向けて邁進しているところである。
私の見立てとしては、増員によるコスト増の要素があり、
これをどこまで吸収できるかだと思います。
他業態への進出は進めているとはいうものの、戸建住宅の状況が軟調ですから、
計画未達は十分想定しておく必要があると考えます。
ただ、私が注目したのは、施工サービス部分は想定より上ブレしているというところです。
この部分は当社の付加価値を高めていく部分であり、
その付加価値が一定程度評価されていると見ることも出来ます。
今回の減益はセグメント情報にもある通り、「販売」が主因となっています。
この「販売」の落ち込みは、理由がはっきりしていますので、
あまり心配はしていません。
とはいえ、下方修正の可能性はあるわけです。
ただ繰り返しになりますが、理由がはっきりしていて、
それが一過性である限りは、狼狽する必要はないと思います。
心配をしているのは、過度にこれを警戒してパニック売りで株価が暴落することです(笑)。
そしてその心配はこれまでの私の決算との相性の悪さもあり、現実のものになると思います。
ただ、PTSで売られませんでしたね・・・これがまた不吉です(笑)。
当社は浮動株比率が低く、配当利回りも3%台と比較的高い水準です。
指標面でも今期EPSを信じるのであれば、割安水準だと思います。
この辺りのファクターが下値を支えてくれると信じて、
増税反動減の影響で減益を予想していながら、
ホールドして決算を持ち越しました。
あえなく下値はサポートされず、足元では残念な結果になるかもしれませんが、
まぁ住宅指標もそろそろ金利も下がって反転するかもしれませんし、
そんな時をゆっくり待ちたいと思います。
ちなみに皮算用ですが、
仮に通期EPSが現予想の112.35から25%未達となると、
EPS(下方修正後)は84.3となります。
本日の終値が859円ですから、PERは10.2倍となります。
まぁ、仮にストップ安になって株価が709円になったとすると、
PERで8.4倍ですね。
この皮算用自体なんの意味も成しませんが、
株価が大きく動いても、悪材料を一定程度織り込んでおいて、
冷静な言動を心掛けたいと思います。
当銘柄は投資初期から保有継続している、
割安株投資で買っている銘柄です。
当時は成長性など考慮していなかったので(今思えばこれも極端だったと反省)、
今の基準で考えると保有継続する必要性もないのですが、
少しくらいこういう銘柄が入っていてもよいとも思っています。
ただ、建設関連に依存度が高いのは、
実は変動リスクは高いので、あまり目的に即していないかもしれませんが。
というわけで、当日の夜にとりあえず記事にしたので、
読みにくいサマリで失礼いたしました。
たぶん4750ダイサンなど所有されている方はおられないと思うので、
どうでもよい記事かもしれませんが、自分のメモのため、記事にしておきました。
本日は4750ダイサンの決算発表でした。
◆14.4期
実績 :124.43
会社予想 :105.74(+17.7%)
まるのん予想:104.90(+19.0%)
四季報予想 :105.70(+17.7%)
※()内は実績との差
◆15.4期
会社予想 :112.35
まるのん予想:115.60(▲2.8%)
四季報予想 :116.30(▲3.4%)
※()内は会社予想との差
14.4期の上ぶれは想定を超えていました。
事業環境がよく特需状態だったとはいえ、
前期比2倍ですから立派だと思います。
ただ、残念ながら、既に株価は織り込んでいるでしょう。
ひとつ疑問なのは、
会社予想より10%を超える内容にも関わらず、
上方修正発表をしなかったのはなぜかという点です。
当社は残念なことにIR活動は消極的です。
今回の短信も必要最低限の記述です。
兼ねてから気にはなっていましたが、
やはり消極的な印象はマイナスポイントです。
次に株価に大きく影響すると思われる、
15.4期見通しです。
残念ながら、予想よりは下の見通しでした。
ただ、恐れていたほどではなく、
まぁこの程度は誤差の範囲かもしれません。
次期の業績に関する記載は一切ないため、
この数値がどのような前提の数値なのかわからないので、
なんともいえません。
今期のように保守的に見積もっているのか、
かなりストレッチをさせているのか、
全く記載がないと行間を読むことも出来ません。
IRへ問い合わせをしないといけないかもしれません。
ってメールフォームがなく、電話だけですね。
やはり消極的な姿勢がここにもまたあります。
元々14.5期の予想が控えめであったこともあり、
わずかながら増益を予想していたのですが、
14.5期が想定より上ぶれしたことに伴い、
15.4期は減益となりますので、
減益という理由で明日は売られるかもしれませんね。
絶対値で見ると15.4期の数値は概ね想定通りだと思うのです。
しかし、14.5期比で10%近く減益と評価されてしまうのは、
どこか釈然としませんがね。
であれば、違法にならない範囲で、
14.5期の利益をちょっとした財務テクニックで、
15.4期に繰延べさせることの方が、
評価されうるということになってしまいます。
いずれにしてもEPSから見る
ファンダメンタルに変化はなしと判断しました。
ですから、次期の減益という理由で、
売ることはないと思います。
次に株価への影響も大きい、配当についてです。
結果は14.5期横ばいの年間26円維持となりました。
本日の終値ベースで配当利回りは2.9%ですから、
まぁそれなりに配当は頂けるのですが、
一部では増配期待もあったようです。
増配なしということで、
こちらもネガティブに取られるでしょうか。
私は安定的な財務基盤を鑑みて、
増配余力はあると認識してましたが、
実際には増配はないだろうと予想していました。
代わりに、自己株買いを期待していました。
当社は内部留保とのバランスを考慮しているようですが、
実際には、どこまで投資先があるのでしょうか。
成長目まぐるしい中で、投資を優先させる環境であれば、
株主還元は二の次、これは理解できます。
しかし、当社の今後の事業環境は、
緩やかな成長になると考えています。
つまり、ガチガチに内部留保させる必要が、
どこにあるのかということです。
ある程度株主還元のことも考えてもらいたいと思っています。
一方で株価は14.5期実績PER7.1倍、PBR1.0倍と割安水準です。
14.5期のEPS拡大を織り込んで株価は上昇しているものの、
まだまだ株価水準は割安水準のまま、
伸び悩んでいる印象です。
株式持ち合いをしているSRGタカミヤとの関係性を考えても、
一度自己株買いという選択があってもよかったのではと思います。
最近流行ですしね。
最初の話に戻るのですが、
IR活動に消極的という姿勢は、
結局株主軽視という裏付けであり、
株主軽視となると、権限策も疎かになるということでしょうか。
増配がなかったということより、
そのような姿勢が改めて実感された点が、残念であります。
改めて数値に戻ります。
当社は利益厳選となる売上高の伸長を重要視しているようです。
確かに15.4期もわずかではありますが、増収です。
(四季報予想よりは下ぶれしていますが・・・)
そして本業部分の利益推移をみるために、
営業利益率に注目してみます。
14.5期上期:16.5%
14.5期下期:17.2%
14.5期通期:16.8%
15.4期上期:13.1%(▲3.4%)
15.4期下期:15.3%(▲1.9%)
15.4期通期:14.2%(▲2.6%)
数値を素直に見れば、
上期で苦戦するものの、
下期にかけて巻き返す、
となります。
住宅市場の冷え込みにより、
上期は苦戦するものの、
下期にかけて巻き返す、
と推測出来ます。
有報から読み取れる範囲の
当社の得意先である大和ハウスなどの業績見通しも、
同じように下期回復基調の内容ですから、
整合性も合います。
問題はその回復幅ですが、
例えば大和ハウスの翌期の見通しは増益です。
もちろん田純菜比較は出来ませんが、
これまでの傾向も踏まえると、
若干保守的な数値なのではと推測出来ます。
その他短信から読み取れる内容としては、
ありきたりの内容で、
財務基盤がよいこと、レシオが大幅に改善していること、
キャッシュフローも特に問題となる点はないこと、
まぁ特にこれ以上特記することはない決算です。
最後に総論として纏めます。
ファンダメンタル上は私の想定の範囲内で、
特に売る要因や買い増す要因は見当たりません。
一方で株主還元策が何も示されなかった点は不満で、
特に自己株買いは実施してもらいたかったです。
従来からのIR活動への消極姿勢もあり、
今後も長期で持とうというモチベーションを
削がれる思いをした決算でした。
後者は投資をする上で大事な要素ではあると思いますが、
一方でこれが決定打にはならないため、
判断は悩ましいところですが、
総合的にファンダメンタル重視を貫き、
そのままホールドかなと思いまう。
ただ、株価の動向次第では、
一旦利益確定をして、元来注目していた、
SRGタカミヤにシフトすることも、
念頭には置いておきたいと思います。