投資方針に忠実に退屈な投資で資産形成
 8940インテリックスの15年5月期の第1四半期決算が発表になりました。



 結論を先に書きますと、残していた1単元も処分しました。

 これで損失を確定させました。

 と、きれいさっぱり忘れたいのですが、授業料をそれなりにお支払したので、

 改めて反省をしておきたいと思います。





 まず最終的な売却の理由は、決算が悪かったからなのですが、

 どこに着目したかというと、粗利率の悪化です。



 今期は保守的に見ているという粗利益率で、

 かつ大阪地域が本格寄与を始めたという状況の中で、

 粗利率が落ちているのが最終的なダメ押しとなりました。



 私が当社の株式を購入した頃に想定していたのは、

 今期から大阪地域の営業所開所から1年が経過し、

 それなりに業績寄与するはずと踏んでいました。

 更に増税後や新築供給が一時的に停滞したこの時期に

 販売地域が拡大すれば、

これだけ需要のあるリノベーション中古マンションだって、

売れるだろうと思っていたのです。

しかし、少なくてもこの四半期ではあまり効果がないようにみえます。



中古マンションの仕入れ値も上がっているはずですが、

平均単価はむしろ落ちています。

競争激化と理解すればよいのかわかりませんが、

仕入コストが上昇し、販売単価が下がっているのですから、

これでは粗利益率は悪化しますし、これは致命的だと判断しました。





営業利益率の悪化は名古屋地域の進出と相まって、

既に織り込まれていたでしょうからそこまでは気にしていません。

それでも営業利益ベースでも上期予想の率から見ても悪化しているので、

幾分増税反動減の影響が1Qに偏重している可能性はありますが、

保守的に見ている計画すら、いきなり上期予想も未達懸念というありさまです。





と、会社の決算を酷評する前に自分の判断を酷評すべきですね。





現時点ではまだ結論は出せませんが、

少なくても現時点で誤った判断だと認識している主な点は以下の通りです。





・事業エリア拡大が順調に進捗していない

  (業績寄与がもっと遅いのか、新たな地域で苦戦を強いられているのか)



 ・工事進捗遅れの顕在化が想定より長引いている

  (2月の大雪の影響が、6-8月期に出るのかといった印象、逆に収束は?)



・仕入コスト上昇が想定超

 (一般流通からの仕入れである点をもっとリスク化しておくべきだった)



・販売単価の下落

 (当社の保証システムや企画力が想定より競争優位性に優れたものでなかった)

  同業で提携もしているスターマイカーと比較しても優劣がはっきりした

  ※今後何が違うのか、もう少し自分なりに研究してみたいと思う



・高配当による株価下支えの期待も大幅減配で拠り所がなくなる

 (配当政策が曖昧というか過去の推移から十分想定できた流れだった)



・業界の需要拡大が必ずしも業績拡大につながらない

 (競争激化しているレッドオーシャン分野をなめていた)



・パナホームとの提携が近々具現化すると認識していたが期待外れ

 (提携からだいぶ時間も経ったものの、シナジーが発揮される様子が見てとれず)







 さて、個別に挙げると色々出てくるのですが、

 結局のところ、やはり色々読みが甘かったのだと思います。



 当社は投資イベントの講演で知り得た会社で、

 その事業内容のわかりやすさ、需要拡大が確実路線であること背景に、

 当社の競争優位性への判断が甘いままに

 低PERということも相まってすぐに買い付けをしています。



 このあたりの買いの行動までのプロセスがまずそもそもいけていないのです。



 競争激化、参入障壁が低いと判断した場合、

 いくらその商品やサービスが需要拡大期にあるとはいえ、

 レッドオーシャン化した中で、

 生き残るのは至難の業ということで、

 相当に自信がなければいけないということなのだと思います。



 既にシェアで抜きに出ているとか、

 独自性があるとか、

 技術力が必要だとか、

 そういう要素で差別化要素を見出して

 その評価が緩いとこういう結果になるのだと思いました。



 なお、当評価もあくまで現時点での知り得た情報で評価していますので、

 今後、当社が大きく展望を遂げる可能性だってあります。

 私が現時点でその自信度合いが、

継続保有に耐えうるだけのものでなくなったというだけのことです。





 今後も同じ失敗はしないようにと心掛けていてもまた失敗もすると思います。

 こういうナレッジをきちんと蓄えて、

 自分のスタンスに活かしていきたいと思います。
8940インテリックスの14.5期の決算発表がありました。

結論から言うと想定外の悪いものでした。
全く予見出来ていなかった自分を恥じると共に、
きちんと反省する題材のためにも敢えて記事にします。

それにしても、自分の分析力のなさを露呈させるような記事を、
敢えて書くのはあまりに気が進みませんが、
きちんと向き合わなければならないので、淡々と記載します。

まず14.5期の実績についてですが、
計画対比でみると売上は未達、利益は上ブレです。
売上の未達は短信の中で採算性重視による取り組みのためであるとのことで、
これは以前に社長も仰っていたので、まあ納得です。
実際に利益は上ブレしていますので、結果もそれを物語っています。
EPSの予想は96.7に対して着地は103.9ですから、
7%もの上ブレです。
結果はオーライですが、見通しの甘さは反省が必要です。
元々採算性を重視した取り組み中であることは認識しており、
この話は業績予想の修正後、それなりに時間が経ってからの情報だったので、
このような結果も想定は出来たともいえます。
もちろん他の要素もあって難しいわけですが・・・。

予想からはブレたとはいえ、
結果論として、今期については総論ではまず合格点です。

さて、問題は15.5期の見込みですが、
こちらは増益予想をしていたものの、
増益どころか、大幅な減益予想です。
営業利益で▲18.8%、当期純利益で▲31.4%です。
14.5期に特別利益が計上されていますのでこれを加味すると
当期純利益でも▲17.8%ですから、
まぁ営業利益での減益幅を見ておけばよいでしょう。
増益予想が2ケタ減益となった理由を見ていくことになります。

まず、売上総利益で粗利をみてみます。
するとこの部分は辛うじて増益です。
内容は粗利率は競合による競争激化を想定してより慎重な見通しのため
0.8%悪化をさせているものの、
売上高の向上により粗利ベースでの増益を確保している模様です。
採算性を重視して販売量を抑えていながらも
粗利率を低めに設定せざる得ないのが、
単に保守的な計画としたいからなのか、
マーケットの状況でそのようにせざる得ないのか判断に迷うところです。
当社はこれまでも再三、上方修正を行っているため、
今回の発表数値も冷静に見る必要もあるかもしれません。

いずれにせよ、粗利ベースでは2ケタ減益の理由はなさそうです。
しかし営業利益で2ケタ減益になっているということは、
犯人は販管費です。というわけで、短信を読み進めていくと。。。

「売上高の増加に伴う販売費の増加や事業エリアの拡大等に向けた営業人員の増強等により、
販売費及び一般管理費を前期比13.4%増(3億36百万円増)で見込み・・・」


2ケタ%の販管費増です。
既存事業の売上増による販売費がどれだけ増えるのかが気になりますが、
短信からはその内訳まではわかりません。
仮に既存部分の販売費の大幅増が大きな要素であるということであれば、
残念ながらやはり競争激化の観点でこの程度の成長しか望めないということになります。
一方、事業エリア拡大は名古屋進出などの影響もあるでしょうし、
更なる利益拡大を織り込んでいる可能性もあります。
こちらが支配的であるとすると、まだ見込みもあります。
一種の先行投資であり、翌期以降にトップラインが底上げされることで、
当社の成長に一定の効果をもたらしてくれる意味では悪いものではありません。
悪いのはこれを予見出来ていない私のスタンスなのです(涙)。

この部分はIRに確認してみる必要がありそうですし、
この利益悪化部分の根源が何かが突き止められれば判断が下せると思います。

ちなみに当社は14.5期及び13.5期と概ね売上高販管比率は9%~9.5%程度です。
既存事業部分ではこの率を概ね準拠出来るとして売上高を元に試算すると、
エリア拡大に伴う特殊要因の販管費増は約250百万円となり、
これを割り戻すと、概ね14.5期と同等の利益水準となります。

やはり販管費増の比重が知りたいです。

その他短信を読み進めても、もはや減益要因の根源の
販管費のことしか頭に浮かびません(笑)。

さて、明日どうするかですが、
通常自分の思い描いていた予想が裏切られた場合は、
目を瞑って成売を出すのが正解だと認識しています。

後付けで色々理由をつけて(エリア拡大のための先行投資だとかw)、
一生懸命フォローをしようとするのは、
自分が保有していて自分の過失を認めたくないという、
心理面からくるものなのでしょうが、
それもこれも全て自分が予見出来ていない甘い分析の
洗礼でもあるわけです。
一方反省は反省として、
今後のアクションとしては、
やはり冷静に中立的に状況を見極める必要があると思います。

 競争激化も想定はしていたわけですが、
 当社の保障システムや提案力によって、
 大きく採算性が崩れるということはないと考えていました。
 実際に、今回の短信でも販管費の部分はさておき、
 粗利ベースでは保守的にしているとはいえ、
 大きく利益率が悪くなるようなことはなさそうです。

 販管費の部分は前述の通り、
 どちらの要素で増えているのかが気になりますが、
 仮にエリア拡大だとすると、それが奏功すれば
 利益化されるのは翌期以降となり、
 少なくても慌てて売るような状況ではないかもしれません。

 それに加えて、当銘柄はリスクも大きいと認識していたため、
 既に1単元のみの保有に縮小しています。
 こういったことも総合的に鑑みると、
 やはり販管費の増要素の部分をIRに聞いてから判断でもよいように思います。

 最近やはり自信度が相対的に低い銘柄で、
 悪材料が発表されて追い込まれることが増えているので、
 喫緊で進めようとしているPFの整理も進めなければと改めて思いました。

 悪材料を目の当たりにすると、
 なんともやるせない気持ちになりますが、
 これを包み隠さずブログにも記載していき、
 向き合うことで未来があると思いますので、
 頑張っていこうと思います。

 ※結果論ですが、ポジションを落としていてよかったです・・・

 中古マンションのリノベーションを主事業としている、
 8940_インテリックスについて概要を整理しておきます。


 当社のことは、何度かメディアで認識はしていましたが、
 投資家の目線で最初に出会ったのは最近でして、
 IRフェスタの時です。


 当社は中古マンションをリノベーションし、
 付加価値を付けて供給しているのですが、
 そのリノベーションは、
 まさに夢のようなビフォーアンドアフターでして、
 TVの同番組のように住んでみたいという感動を覚えます。

 特に新築に拘らないという若い人も増えており、
 資金的にも手頃となって、一定のニーズは存在しているでしょう。


1.雑感
マンションの価値は、2つの要素で決まると思います。
1つ目の要素は、立地や躯体といった不動産的な要素。
2つ目の要素は、内装や専有部の各種設備といった動産的な要素。
当社のビジネスは、この動産的な要素に着目し、
この価値が目減りしている物件を甦らせるビジネスです。
そして、この甦らせるという所が、
単に壁紙を張り替えるとか、
最新ユニットバスを入れるとかではないのです。
こういった設備や内装の更新に留まらない企画力で、
従来のリフォーム業者と差別化しているわけです。
そしてこの企画を徹底的に追及した工事が行われるのです。
つまり、単に新たな設備を入れるというだけでなく、
現状の建物の状況と顧客のニーズをきちんと分析し、
快適さと末永く使っていけるかという両面で、徹底的に工事を進めます。
この自信が当社のもうひとつの差別化要素となっている、
リフォームであるにも関わらず、
最長10年のアフター保証制度を設定しています。

消費者からすると、躯体部分の老朽化という心配こそあれ、
内装や設備といった日常生活に密着する部分は、
贅沢に企画され、そしてアフター保証までついてくるわけですから、
魅力的に映るはずです。

大手のデベロッパーは多くが新築販売を中心に扱うため、
どうしても中古販売は体裁だけ整えって捌いていくという思考になりますし、
そもそもリノベーション事業への注力は、
自らの新築販売のセオリーそのものを否定しかねないわけです。

また日本特有の新築でなければならないという、
スタンダードも崩れつつあります。
若い人が自分の趣向を反映させられる中古住宅に注目が集まっているというのは、
結構前から聞くようになりました。
少なくても欧米と同様に世の中的にも中古住宅も選択のひとつとして
受容される時代になってきたということです。

それからもうひとつ、古いマンションの方が立地面では優れているといわれます。
当たり前の話ですが、まだ立地に余裕があった頃、
良い場所からマンションが建てられました。
今ではちょっと隙間が出来た所に強引に竣工させたり、
割り切って郊外立地とする代わりに、広大な土地に何か付加価値をつける、
こんな販売方法がとられていますが、
地域の一等地に昔から鎮座するそのマンションが、
耐震性や躯体部の老朽化という点が許容されれば、
大いに魅力的な商品へ早変わりするわけです。

耐震性は耐震工事がされればよいし、
躯体部のコンクリートなんて、
今では100年コンクリートなども出ていて、
十分耐久性が認められるという状況があると見る人もいるでしょう。
(と言いつつ、私は新築を購入しましたが)

もちろん細かなことでは不安もあるでしょうが、
それを打ち消すだけの魅力が、
当社が出かける、企画、アフターに込められていると、
判断する消費者はそれなりにいるのではないか。

さらに当社の事業エリアは首都圏から地方へ順次展開をしています。
2013.6には大阪に進出してほぼ1年が経ち、
いよいよ本格的に寄与してくるのではないかという推測もあります。
また、事業地域の多角化は、
震災などの影響を分散化するためでもあると思います。
東日本大震災の時の在庫整理でも打撃を受けたことも、
この判断に影響していると思います。

以上のように消費者目線に立てば、なかなか魅力的ですし、
その魅力を十分訴求する体制も整えられている、
そんな印象を受けます。


2.株価について
現在の株価は858円。

EPSは以下の通りです。

 ◆13.5期実績
  EPS:23.6 → PER:36.4倍

 ◆14.5期予想(会社)
  EPS:103.3 → PER:8.3倍

 ◆14.5期予想(四季報)
  EPS:110.3 → PER:7.8倍

 ◆14.5期予想(まるのん)
  EPS:92 → PER:9.3倍


BPSは876.6でPBRは約1.0倍です。

配当は1株28円として、利回りが3.3%

 今期PERが10倍割れ、配当利回りが3%越え、
 PBRが1倍ちょうど近辺。
 少なくても指標だけみると、買える水準だと思います。


 なお、上記で今期のEPSを若干弱気につけているのは、
 工事進捗の遅延に伴う、利益率や期ずれの影響を考慮しました。

 東証フェスタの時にも社長の口から、
 大雪の影響による一部資材の納期遅延などに加え、
 業界的には職人不足もあって工事遅延が発生している旨の説明がありました。

 当社は新規で建築するものではないため、
 いわゆる新築竣工程に職人不足は顕著ではないのだと思いますが、
 それでも影響がないわけではないでしょう。

 資材の遅延は例えば、LIXIL社のシステムキッチンなどの
 出荷が止まったなどの影響です。
 こちらは工事遅延の上、代替仕入れ等でスポット的に、
 原価率が悪化する懸念もあります。

 このあたりの影響が会社見通しから、
 10%位の減益要素として顕在化する可能性を考慮しました。
 10%の根拠は特にありません(笑)


 株価については、独自の算出もしてみたいと思います。

  株主価値:125億(事業価値+財産価値)
  時価総額: 75億 →約66%割安

  ※財産価値において、資産の部の販売用不動産並びに仕掛不動産も
   一部の割合を財産価値へ組入れして考慮しました。


3.チャートについて

 ◆日足
8940_日足

 ◆週足
8940_週足

 チャート上では、200日移動平均線で止まって、
 52週移動平均線まで間もなくです。

 こういった暴落時に買うのはあまりよくないのかもしれませんが、
 週明け800前半で買えればよいかなと思い始めています。

 なお、1月に公募増資をし、1株当たり利益が13%程度希薄化しています。
 この期間で約400円(約33%)位の下落をしています。
 下落局面を買うのはあまりよくないのでしょうが、
 そろそろ打診買いしてもよいかなと感じています。


4.その他
当社はパナホームと業務提携を発表しているため、
シナジーが大いに期待されます。
社長とお話をさせてもらった時にも、
何か大きなプロジェクトが進捗中のようで、
そろそろ何かIRがあるかもしれません。

またIRといえば、当社のIRはなかなかWebでの開示も積極的です。
こういった点でも保有してからも安心感があります。
IRに積極的な点は好印象です。


増税後の反動がどこまで続くのか、工事遅延の影響がどこまで出るのかなど、
リスク要因もそれなりに多いと思いますので、
投資をする際には、少なくても決算を待てばよい気もしますが。。。

そして当社へ投資している個人のブロガーさんはあまりいません。
やはり私の視点はぼやけているということなのか。。。
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